個人投資家の皆様へ
北陸電気工業(証券コード:6989)の企業分析レポートです。提供された情報に基づき、企業の現状、財務状況、株価動向、リスク要因などを総合的に分析しました。投資判断の一助としてご活用ください。
1. 企業概要
北陸電気工業は、日本および海外で電子部品の開発、製造、販売を行っている中堅企業です。主力製品は、抵抗器、各種センサー(フォースセンサー、圧力センサー、湿度センサー)、ピエゾ製品(圧電ブザーなど)、そして車載用モジュール製品です。
主力製品・サービスの特徴として、デジタル家電、車載関連、ホームエレクトロニクス向けの多岐にわたる電子部品を提供しており、特に抵抗器や各種センサー、モジュール製品に強みを持っています。最近では無線・センサー組み合わせ品の開発にも注力しています。
収益モデルは主にフロー型(製品販売)であり、B2B(企業間取引)が中心です。車載向けや高機能製品の比率が高く、これらが収益の柱となっています。
技術的独自性や参入障壁としては、長年の経験と技術蓄積による電子部品の微細加工技術や高精度なセンサー技術が挙げられます。また、自動車業界をはじめとする厳しい品質基準が求められる分野での実績と信頼も、新規参入障壁として機能していると考えられます。
2. 業界ポジション
北陸電気工業は、電子部品業界において中堅企業として位置付けられています。具体的な市場シェアのデータはありませんが、車載用モジュール製品や抵抗器の分野で一定の存在感を示しています。
主要競合との差別化要因としては、多品種少量生産への対応力や、顧客ニーズに合わせたカスタマイズ能力、高付加価値製品への注力、そして品質の高さが挙げられます。特に車載分野における実績は強みです。
市場動向としては、データセンター向けの需要増加がある一方で、PC/タブレットでは駆け込み需要が見られ、EV(電気自動車)向けは一部で失速が見られるなど、全体として電子部品需要はやや弱含みの傾向があります。また、円高が進行した場合、海外売上比率の高い同社にとっては逆風となる可能性があります。企業は、中間決算で付加価値ウエイトの高い製品の拡販や製品ミックス改善により、売上減速の中でも利益を確保する対応を進めています。
【定量比較】
業界平均との財務指標比較(PER、PBR)については、後述の「株価分析」および「企業スコア」にて詳細を述べます。
3. 経営戦略
経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な進捗は、提供された情報からは詳細が不明です。しかし、直近の中間決算では、売上高の微減に対し、付加価値の高い製品(抵抗器、ピエゾ製品など)の拡販と製品ミックスの改善、コスト管理により営業利益が伸長したと報告されています。これは、収益性の高い事業への集中と効率化を重視する戦略の一環と推測されます。
重点投資分野については、中間期で固定資産取得支出が増加しており、設備投資を継続していることが伺えますが、具体的な投資内容は詳細な補足資料の確認が必要です。無線・センサー組み合わせ品の開発推進も示されており、成長分野への投資を進めていると考えられます。
最近の適時開示情報としては、2025年11月10日に通期業績予想の修正を公表しています。これは中間期の状況を踏まえたものであり、売上高は下方修正されたものの、利益面では製品ミックス改善や為替差損の縮小が寄与し、中間時点での利益進捗は良好です。
これらの経営戦略は、今後の業績に以下のような影響を与える可能性があります。製品ミックスの改善や高付加価値製品への注力は、売上高が伸び悩む局面でも利益率を維持・向上させる効果が期待できます。ただし、外部環境(為替、市場需給など)の不確実性が残るため、それらの動向が業績に与える影響は引き続き注視が必要です。
4. 財務分析
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):6.34%(一般的な目安:5-10%以上で良好)
- ROE(過去12か月):11.14%(ベンチマーク: 10%を上回る良好な水準)
- ROA(過去12か月):3.94%(ベンチマーク: 5%を下回る、改善の余地あり)
全体として、ROEは良好な水準を維持していますが、ROAはベンチマークを下回っており、資産効率の改善が課題と言えます。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績):52.6%(安定水準。一般的に40%以上で良好)
- 流動比率(直近四半期):253%(非常に健全。一般的に200%以上で優良)
- D/Eレシオ(直近四半期):35.18%(低い水準。有利子負債は少なく、健全性が高い)
自己資本比率、流動比率ともに良好な水準であり、財務体質は非常に健全であると評価できます。
【成長性】
売上高の推移(連結):
- 2022年3月期 40,448百万円
- 2023年3月期 45,459百万円(前年比+12.4%)
- 2024年3月期 40,811百万円(前年比-10.2%)
- 2025年3月期 43,185百万円(前年比+5.8%)
- 2026年3月期予想 42,300百万円(前年比-2.0%)
直近の通期予想では売上高は減少に転じる見込みであり、売上高成長は停滞傾向にあります。
利益の推移(親会社株主に帰属する当期純利益、連結):
- 2022年3月期 1,949百万円
- 2023年3月期 647百万円(前年比-66.7%)
- 2024年3月期 2,538百万円(前年比+292.3%)
- 2025年3月期 2,194百万円(前年比-13.6%)
- 2026年3月期予想 1,600百万円(前年比-27.1%)
純利益は変動が大きく、直近の通期予想では大幅な減益が見込まれています。2023年3月期には一時的な要因による大幅な減益があり、2024年3月期は反動で大幅増益となったものの、その後は再び減少傾向です。
【キャッシュフロー】
- 営業CF(過去12か月):2,990百万円
- 純利益(過去12か月):2,460百万円
- 営業CF/純利益比率:1.22(1.0以上が健全であり、キャッシュ創出能力は良好)
営業キャッシュフローは堅調に推移しており、本業で安定してキャッシュを生み出せていると評価できます。フリーキャッシュフローも1,280百万円とプラスを維持しています。
【四半期進捗】
2026年3月期 第2四半期決算の中間進捗率は以下の通りです(通期予想に対する進捗率):
- 売上高:48.8%
- 営業利益:62.8%
- 親会社株主に帰属する当期純利益:65.7%
売上高の進捗はほぼ計画通りである一方、利益面では通期予想に対して高い進捗率で推移しており、利益の進捗は良好と言えます。これは製品ミックス改善とコスト管理が寄与しています。
5. 株価分析
【現在の水準】
- PER(会社予想):14.26倍
- PBR(実績):1.00倍
- 業界平均PER:12.9倍
- 業界平均PBR:0.8倍
現在のPERは業界平均と比較して約1.10倍(14.26 ÷ 12.9)、PBRは約1.25倍(1.00 ÷ 0.8)となっており、どちらも業界平均を上回る水準です。このことから、株価は業界平均と比較してやや割高な水準にあると判断できます。
- EPS(会社予想):203.78円
- BPS(実績):2,901.13円
- 目標株価(業種平均PER基準):3,990円
- 目標株価(業種平均PBR基準):2,321円
PER基準では現在の株価2,906.00円よりも高い目標株価が示唆される一方、PBR基準では現在の株価よりも低い目標株価となります。これはPBRが業界平均よりも割高に評価されていることによるものです。
【テクニカル】
- 株価(2,906.00円)は52週高値(2,967円)に近く、52週安値(1,290円)からは大きく上昇した位置(96.4%)にあります。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日MA(2,912.40円)を下回っており、短期的な調整局面。
- 25日MA(2,804.04円)を上回っており、短期的な上昇トレンドが継続。
- 75日MA(2,463.89円)を上回っており、中期的な上昇トレンドが継続。
- 200日MA(2,134.66円)を上回っており、長期的な上昇トレンドが継続。
全体として、短期的な調整は見られるものの、中期・長期では強い上昇トレンドにあることが示唆されます。現時点でのゴールデンクロスやデッドクロスの直接的なデータはありませんが、長期MAがすべて株価を下支えしている状況です。
【市場との比較】
過去1年間で、日経平均株価やTOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを記録しています。
- 1年リターン:株式 +81.97% vs 日経平均 +35.31%(+46.66%ポイント上回る)
- 1年リターン:株式 +81.97% vs TOPIXのデータは無し
これは、同社の株価が市場全体の成長率を大きく超えた形で評価されていることを示しています。
6. リスク評価
- ベータ値(5Y Monthly):0.70
- ベータ値が1より小さいため、市場全体の変動(例:日経平均株価の変動)に対して、株価は比較的感応度が低い(変動が小さい)傾向にあると判断できます。ただし、個別銘柄のリスクは依然として存在します。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 為替変動リスク:海外売上比率が50%であり、円高の進行は収益にマイナスの影響を与える可能性があります。
- 主要顧客の需要変動リスク:自動車関連(特にEVの失速)やデジタル家電向けなどの需要変動が業績に直接影響します。
- 国際関税・貿易環境の変化リスク:地政学的リスクや貿易政策の変更がサプライチェーンや販売に影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料価格変動リスク:原材料コストの上昇は利益率を圧迫する可能性があります。
- 事業特有のリスク:
- 電子部品業界は技術革新が速く、技術陳腐化のリスクが存在します。
- 景気変動の影響を受けやすく、特に設備投資サイクルに左右される金型・機械設備事業は変動幅が大きくなる可能性があります。
- 52週レンジにおける現在位置:96.4%
- 株価は52週高値圏に位置しており、短期的な過熱感や高値警戒感がある可能性があります。下落局面での損失リスクには留意が必要です。
7. 市場センチメント
- 信用買残:164,100株
- 信用売残:6,300株
- 信用倍率:26.05倍
- 信用買残が信用売残を大幅に上回っており、信用倍率も高水準です。これは、将来の株価上昇を期待して信用買いを行っている投資家が多いことを示唆します。信用買い残高が多い状況は、将来の売り圧力(整理売り)につながる可能性も孕んでいます。
- 株主構成と大株主の動向:
- フェローテックが9.28%を保有する筆頭株主です。
- 自社(自己株口)が7.15%、自社取引先持株会が5.59%、自社従業員持株会が4.30%を保有しており、安定株主が比較的多いと言えます。
- 機関投資家(% Held by Institutions)は11.28%の保有比率です。
- 経営陣(% Held by Insiders)の持株比率は23.80%と比較的高く、経営陣と株主の利害が一致していると考えられ、安定的な経営基盤を示唆しています。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想):3.10%
- 現在の市場金利と比較して魅力的な水準です。
- 配当性向(会社予想):33.2%
- 配当性向は無理のない範囲で、今後の業績に合わせて増配余地も考えられます。中間決算短信には、通期予想ベースの配当性向が約44.2%と記載されており、どちらの数値を取り上げるかにより判断が変わる可能性がありますが、いずれにせよ健全な水準です。
- 配当の継続性・増配傾向:
- 2024年3月期 60円、2025年3月期 90円、2026年3月期予想 90円と、2025年3月期に大きく増配しており、株主還元への意識は高いと考えられます。
- 自社株買いの実績と方針:
- 中間決算短信によると、当中間期に自己株式の取得・処分があり、自己株式残高が増加しています。これは資本効率の向上や株主還元策の一環として評価できます。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 高い財務健全性:自己資本比率52.6%、流動比率253%と非常に安定した財務基盤。
- 利益創出能力:売上減速局面でも製品ミックス改善とコスト管理で利益を確保する経営努力。
- 株主還元策:安定した配当利回りと増配傾向、自社株買い実績あり。
【強み】
- 特定分野での技術力:抵抗器、センサー、車載モジュールなどの分野で培われた技術力と顧客基盤。
- 安定した財務体質:無借金経営に近い健全なバランスシート。
- 利益の質の高さ:営業キャッシュフローが純利益を上回っており、堅実なキャッシュ創出能力。
【弱み】
- 売上高の成長鈍化:直近の売上高は減少傾向であり、新たな成長ドライバーの模索が必要。
- 収益性の改善余地:ROAがベンチマークを下回っており、資産効率の改善が課題。
- 特定市場への依存:自動車関連など主要顧客の需要変動が業績に影響しやすい。
【機会】
- 無線・センサー組み合わせ品:無線技術とセンサー技術を組み合わせた新製品開発による新たな市場開拓。
- 高付加価値製品へのシフト:利益率の高い製品への集中による収益構造の改善。
- グローバル展開:海外売上比率50%を活かした更なるグローバル市場の深掘り。
【脅威】
- 為替変動(円高):海外事業収益に直接影響し、業績を下押しする可能性。
- 市場環境の不確実性:電子部品市場全体の需要変動や景気後退リスク。
- 技術競争の激化:競合他社の技術革新による市場シェアの低下リスク。
【注目すべき指標】
- 今後の売上高成長率:特に無線・センサー組み合わせ品や新製品が売上成長に貢献できるか。
- ROAの改善:資産効率向上に向けた具体的な施策とその進捗。
- 営業利益率:製品ミックス改善による利益率の持続的な向上。
10. 企業スコア
- 成長性: D
- 売上成長率(2026年3月期予想)-2.05%であり、Dの基準(売上成長率マイナス)に該当するため。
- 収益性: A
- ROE(過去12か月)11.14%(A評価の10-15%に該当)かつ営業利益率(過去12か月)6.34%(B評価の5-10%に該当)。「A: ROE 10-15% または 営業利益率 10-15%」の基準を満たしているため。
- 財務健全性: A
- 自己資本比率(実績)52.6%(A評価の40-60%に該当)かつ流動比率(直近四半期)253%(S評価の200%以上に該当)。「A: 自己資本比率 40-60% かつ 流動比率 150%以上」の基準を満たしているため。
- 株価バリュエーション: C
- PER(会社予想)14.26倍は業界平均PER 12.9倍の約110.5%であり、PBR(実績)1.00倍は業界平均PBR 0.8倍の125%。「C: PER/PBR共に業界平均の110-130%」の基準に該当するため。
企業情報
| 銘柄コード | 6989 |
| 企業名 | 北陸電気工業 |
| URL | http://www.hdk.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,906円 |
| EPS(1株利益) | 203.78円 |
| 年間配当 | 3.10円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 20.0% | 16.4倍 | 8,314円 | 23.5% |
| 標準 | 15.4% | 14.3倍 | 5,942円 | 15.5% |
| 悲観 | 9.2% | 12.1倍 | 3,841円 | 5.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,906円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,967円 | ○ 2%割安 |
| 10% | 3,705円 | ○ 22%割安 |
| 5% | 4,675円 | ○ 38%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。