1. 企業概要

和心は、京都を中心に和装小物店「かんざし屋wargo」「北斎グラフィック」などを展開する企業です。主力事業は和雑貨の物販(インバウンドMD事業)で、自社ブランド品のECサイトやOEM(名入れサービスなど)も手掛けています。近年は、不動産賃貸や貸別荘などの宿泊施設運営(その他事業)も展開しています。
収益モデルは、実店舗およびECサイトでの商品販売によるフロー型が中心で、B2C顧客が主なターゲットです。OEM事業ではB2Bの要素も持ちます。
技術的独自性としては、日本の伝統文化を現代的な感性でデザインした和装・和雑貨の企画力と店舗展開力が挙げられます。インバウンド需要に特化したビジネスモデルと、観光地でのブランド認知度が参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

和心は、和装小物や和雑貨というニッチな小売市場において、インバウンド需要を強く取り込むことで独自のポジションを確立しています。具体的な市場シェアは不明ですが、訪日外国人観光客向けの物販分野で存在感を示しています。

  • 主要競合との差別化要因:
    • 日本の伝統文化と現代のデザインを融合させた商品開発力。
    • 観光地に特化した店舗展開とブランド認知度。
    • インバウンド需要の回復をダイレクトに収益に繋げるビジネスモデル。
    • その他事業として貸別荘運営も展開し、事業ポートフォリオを多様化。
  • 市場動向と企業の対応状況:
    • 訪日外国人観光客数の回復が市場を牽引しており、和心はこの追い風を最大限に活用しています。来店客数の増加と店舗数の拡大(期末35店舗、期初比+8店)を成長戦略として掲げ、実行しています。
    • 2025年9月には貸別荘運営のマイグレを完全子会社化し、事業拡大を図っています。
  • 【定量比較】業界平均との財務指標比較:
    • PER(会社予想): 11.84倍 (業界平均 27.5倍) → 業界平均と比較して割安
    • PBR(実績): 6.01倍 (業界平均 2.8倍) → 業界平均と比較して割高
    • ROE(実績): 128.80% (提供ベンチマーク 10.0%) → 非常に高水準
    • 営業利益率(過去12ヶ月): 24.35% (小売業全体としては高水準)
  • 【競合比較】同業他社との財務指標比較:
企業名 コード PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 営業利益率(%) (過去12ヶ月)
和心 9271 11.84 6.01 128.80 24.35
スターシーズ 3083 13.05 3.25 -106.85 (データなし)
ハークスレイ 7561 12.02 0.48 4.93 (データなし)
- **競合に対する相対的な強み・弱み**:
- **強み**: 和心は他の競合と比較して、ROEが圧倒的に高く、収益性が非常に優れている点が強みです。営業利益率も極めて高い水準です。PERは競合と同水準かやや割安ですが、PBRは競合と比較しても非常に高い水準にあります。
- **弱み**: PBRの高さは、純資産に対して株価が割高と評価されやすい点が弱みとなります。

3. 経営戦略

和心の経営戦略は、訪日外国人観光客によるインバウンド需要の捕捉と事業領域の拡大にあります。

  • 経営陣のビジョンと中期経営計画:
    • 決算短信には具体的な中長期経営計画の数値目標は明示されていませんが、来店客数の増加と店舗数拡大、M&Aによる事業拡大が成長戦略の中核を担っています。
  • 重点投資分野と成長戦略:
    • 店舗展開: 観光客が多いエリアを中心に実店舗を増やし、ブランドの浸透と売上拡大を図っています。第3四半期末で35店舗に拡大しています。
    • M&A: 2025年9月12日に貸別荘運営のマイグレを完全子会社化したことが発表されており、その他事業の強化と事業ポートフォリオの多様化を進めています。
    • インバウンド需要の取り込み: 訪日外国人の消費トレンドを捉えた商品開発と、彼らが利用しやすいECチャネルの強化も行っていくと推測されます。
  • 最近の適時開示情報:
    • 2025/9/12に貸別荘運営の株式会社マイグレを完全子会社化したことが、連結範囲の変更に記載されています。
  • これらが今後の業績に与える影響:
    • 新規出店やM&Aは、売上高の増加に直結し、特にマイグレの完全子会社化はその他事業の成長を加速させると考えられます。
    • ただし、新規出店やM&Aには初期投資と統合コストが伴うため、費用対効果の管理が重要となります。インバウンド需要の変動リスクも常に考慮する必要があります。

4. 財務分析

  • 【収益性】
    • 営業利益率: 過去12か月 24.35%、2024年12月期 19.87%、2025年12月期第3四半期累計 22.2%。いずれも非常に高水準であり、高い収益力を示しています。
    • ROE(自己資本利益率): 過去12か月 72.54%、2024年12月期 128.80%。ベンチマークである10%を大きく上回る極めて高い水準で、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示します。
    • ROA(総資産利益率): 過去12か月 23.15%。ベンチマークである5%を大きく上回る高水準で、総資産を効率的に利用して利益を上げていることを示します。
  • 【財務健全性】
    • 自己資本比率: 実績40.9%、直近四半期 60.6%。前期(2023年12月期)の9.47%から大幅に改善し、非常に安定した水準に達しています。
    • 流動比率: 直近四半期 2.20 (219.4%)。目安の200%を上回っており、短期的な支払い能力に優れています。
    • D/Eレシオ(負債資本倍率): 直近四半期 38.30%。総負債に占める自己資本の割合が低いことを示し、財務の健全性が高いと言えます。
  • 【成長性】
    • 売上高成長率: Quarterly Revenue Growth (前年比) 27.80%。過去5年間の売上高も902百万(2021年)から2,094百万(2024年)へ順調に増加しており、高い成長を示しています。
    • 利益成長率: Quarterly Earnings Growth (前年比) 65.80%。営業利益は2023年12月期に黒字転換後、急激に成長しており、収益改善が進んでいます。
  • 【キャッシュフロー】
    • 2025年12月期第3四半期累計の決算短信において、連結キャッシュフロー計算書は作成されていません。
    • しかし、貸借対照表の「現金及び預金」は期末で572,419千円(前期末比+382,005千円)と大幅に増加しており、フリーキャッシュフローはプラスで推移している可能性が高いと推測されます。
    • 設備投資等による固定資産の増加(+218,862千円)も確認できます。
    • 営業CF、投資CF、財務CFの具体的な内訳やFCF、営業CF/純利益比率、配当カバレッジ比率はデータ不足のため算出できません。
  • 【セグメント別分析】 (2025年12月期第3四半期累計)
    • インバウンドMD事業:
    • 売上高: 1,879百万円(前年同期比 +25.5%)
    • セグメント利益: 593百万円(前年同期比 +23.9%)
    • 売上構成比で約93%を占める主力事業であり、成長の主要な牽引役となっています。高い需要と収益性を維持しています。
    • その他事業:
    • 売上高: 146.5百万円(前年同期比 +59.6%)
    • セグメント利益: 21.5百万円(前年同期比 +27.0%)
    • 貸別荘運営等が該当し、高い成長率を示しており、新たな成長ドライバーとして期待されます。
  • 【四半期進捗】 (2025年12月期第3四半期累計)
    • 通期予想(会社公表)に対する進捗率は以下の通りです。
    • 売上高: 2,023百万円/通期予想2,800百万円 → 72.3%
    • 営業利益: 449百万円/通期予想520百万円 → 86.4%
    • 親会社株主帰属当期純利益: 466百万円/通期予想500百万円 → 93.3%
    • 売上高は概ね計画通りですが、営業利益および純利益は通期予想に対して極めて高い進捗を示しており、通期業績が会社予想を上振れる可能性が高いと言えます。前年同期比でも大幅な増収増益を達成しており、業績は順調に推移しています。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】 (株価: 922.0円)
    • PER(会社予想): 11.84倍
    • 業界平均PER 27.5倍と比較すると、現在のPERは割安な水準にあります。
    • PBR(実績): 6.01倍
    • 業界平均PBR 2.8倍と比較すると、非常に割高な水準にあります。高いROEが評価され、PBRが高くなっている可能性はありますが、絶対値としては割高です。
    • EPS(会社予想): 77.89円
    • BPS(実績): 153.42円
    • 理論株価レンジ:
    • 業種平均PER基準: 1,708円 (現在の株価より高い)
    • 業種平均PBR基準: 441円 (現在の株価より低い)
    • PER基準では割安、PBR基準では割高という評価の乖離が見られます。
  • 【テクニカル】
    • 52週高値・安値との位置関係: 年初来高値1,141円、年初来安値332円。現在の株価922.0円は52週レンジの72.9%の位置にあり、高値圏に近い水準にあります。
    • 移動平均線との位置関係:
    • 株価922.0円は、5日移動平均線 (878.00円)、25日移動平均線 (849.80円)、75日移動平均線 (884.35円)、200日移動平均線 (647.36円) を全て上回って推移しています。
    • トレンドシグナル: 全ての移動平均線が株価より下位に位置しており、短期・中期・長期にわたる明確な上昇トレンドを示唆しています。特に200日移動平均線を大きく上回っていることは、長期的な強気トレンドを示しています。
  • 【市場との比較】
    • 日経平均比:
    • 1ヶ月リターン: 株式 +7.84% vs 日経平均 +1.83% → 6.01%ポイント上回る (アウトパフォーム)
    • 3ヶ月リターン: 株式 +7.84% vs 日経平均 +15.63% → 7.80%ポイント下回る (アンダーパフォーム)
    • 6ヶ月リターン: 株式 +109.55% vs 日経平均 +29.95% → 79.60%ポイント上回る (大幅アウトパフォーム)
    • 1年リターン: 株式 +92.08% vs 日経平均 +34.26% → 57.82%ポイント上回る (大幅アウトパフォーム)
    • TOPIX比:
    • 1ヶ月リターン: 株式 +7.84% vs TOPIX +3.33% → 4.51%ポイント上回る (アウトパフォーム)
    • 中長期的に見て、和心は日経平均やTOPIXといった市場主要指数を大きく上回るパフォーマンスを示しています。直近3ヶ月では日経平均を下回りますが、それ以外の期間では市場をアウトパフォームしています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度:
    • ベータ値 (5Y Monthly): -0.11。市場(S&P 500)全体の変動に対する感応度が低いことを示しています。これは市場全体が大きく変動しても、和心の株価はそれに釣られて大きく変動しにくい傾向があることを意味します。値が負であるため、市場とは逆方向に動く可能性も示唆されますが、通常は0に近い値は市場との連動性が低いと解釈されます。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • インバウンド需要の変動: 世界情勢、景気動向、為替変動、感染症の再拡大などにより、訪日外国人観光客数が減少した場合、売上高が大きく影響を受ける可能性があります。
    • コスト増: 物件の賃料、人件費、原材料費などのコスト上昇は、収益性を圧迫する可能性があります。
    • 新規出店・M&Aの統合リスク: 積極的な店舗展開やM&Aは成長に寄与する一方、初期投資の負担、計画通りの収益が得られないリスク、買収先企業の統合(PMI)がスムーズに進まないリスクがあります。
    • 為替や金融市場の変動: 支払利息の増加や、資産価値の変動リスクがあります。
  • 事業特有のリスク:
    • デザインの陳腐化: 和雑貨という分野において、顧客ニーズやトレンドの移り変わりに対応できない場合、商品競争力が低下する可能性があります。
    • 地域集中リスク: 京都などの特定観光地への事業集中度が高い場合、その地域の経済状況や災害などが直接業績に影響を与える可能性があります。
  • 52週レンジにおける現在位置:
    • 現在の株価は52週レンジの72.9%(高値圏)に位置しており、株価は上昇基調にありますが、高値警戒感も一部に存在すると考えられます。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残: 417,500株
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍 (信用売残が0のため)
    • 信用買残が多く、信用売残がない状態です。これは株価上昇を期待する買い方が多い一方、先行きの株価下落を見込む売り方がいない状況を示します。売残がないため、踏み上げによる株価急騰の可能性は低いですが、需給面では買い圧力が高いとは言えません。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 上位大株主には、代表取締役の森智宏氏 (25.62%)、株式会社フォレスト (15.7%)、佐野健一氏 (10.82%)など、経営陣や関連する個人・法人が名を連ねています。
    • インサイダー保有比率 (経営陣等の持株比率) は66.96%と非常に高く、安定した株主構成を保っており、経営の安定性を示しています。機関投資家保有比率は1.67%と低いです。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
    • 経営陣が高い持株比率を保っており、これにより経営の安定性が確保されています。これは短期的な市場の変動に左右されにくい経営方針を維持できるというメリットがある一方、市場からの監視が緩くなる可能性もあります。

8. 株主還元

  • 配当性向(実績・予想): 0.0%
  • 配当の継続性・増配傾向: 和心は過去に配当実績がなく、現在も無配の方針です。
  • 自社株買いの実績と方針: 自社株買いに関する明確な実績や方針の記載はありません。
  • 現状、株主還元は配当・自社株買いのいずれも行っておらず、成長投資を優先する方針であると推測されます。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
    • 高成長と高収益性: インバウンド需要の回復を背景に、売上高成長率27.8%(前年比)、営業利益率22.2%(2025年3Q累計)、ROE128.8%(2024年12月期実績)と、非常に高い成長性と収益性を両立しています。
    • 業績上振れの可能性: 2025年12月期第3四半期累計の親会社株主帰属当期純利益進捗率は93.3%と通期予想を大幅に上回っており、会社予想の上方修正または着地での上振れが期待されます。
    • 堅固な財務基盤: 自己資本比率60.6%、流動比率219.4%と、高い財務健全性を維持しており、成長戦略を支える安定した基盤があります。
  • 【強み】
    • インバウンド需要に特化したビジネスモデルによる高い成長性と収益性。
    • 高い自己資本比率と流動比率に裏打ちされた健全な財務体質。
    • 和文化をテーマにした独創的な商品開発力と店舗展開力。
  • 【弱み】
    • 訪日外国人観光客の動向に大きく左右される事業構造を持つため、外部環境の変化に脆弱。
    • 株主還元(配当や自社株買い)の実績がなく、政策が明確でない点。
    • PBRが業界平均と比較して大幅に割高であり、バリュエーション評価に注意が必要。
  • 【機会】
    • 訪日外国人観光客数の一層の増加と、客単価・消費額の拡大。
    • 和文化や日本の伝統工芸品への関心が高まり続けることによるブランド価値向上。
    • 新規出店やM&Aを継続することで事業領域と収益源のさらなる拡大。
  • 【脅威】
    • 世界的な景気後退、地政学リスク、パンデミック再発などによるインバウンド需要の急減。
    • 人件費や賃料、原材料費などの各種コスト上昇による収益性悪化。
    • 競合他社の参入や模倣による競争激化。
  • 【注目すべき指標】
    • 四半期ごとのインバウンドMD事業の売上高成長率とセグメント利益率の推移。
    • 会社が公表する通期業績予想の修正(特に営業利益と純利益)。
    • 来店客数および客単価の動向(IR資料等で開示される場合)。

10. 企業スコア

  • 成長性: S
    • 売上高成長率 (前年比): 27.80% (基準: 15%以上でS)
  • 収益性: S
    • ROE (過去12か月): 72.54% (基準: 15%以上でS)
    • 営業利益率 (過去12か月): 24.35% (基準: 15%以上でS)
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率 (直近四半期): 60.6% (基準: 60%以上でS)
    • 流動比率 (直近四半期): 219.4% (基準: 200%以上でS)
  • 株価バリュエーション: D
    • PER (11.84倍) は業界平均 (27.5倍) の S ランク水準 (43.05%) ですが、
    • PBR (6.01倍) は業界平均 (2.8倍) の D ランク水準 (214.64%) です。
    • PERとPBRの評価が大きく乖離しており、「共に」という条件を厳格に適用すると全ての評価基準を満たしません。PBRが業界平均の2倍以上と著しく割高感があるため、総合的に判断し「D」と評価します。

企業情報

銘柄コード 9271
企業名 和心
URL https://www.wagokoro.co.jp/index.html
市場区分 グロース市場
業種 小売 – 小売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 922円
EPS(1株利益) 77.89円
年間配当 0.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 11.6% 13.6倍 1,837円 14.8%
標準 8.9% 11.8倍 1,415円 8.9%
悲観 5.4% 10.1倍 1,018円 2.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 922円

目標年率 理論株価 判定
15% 703円 △ 31%割高
10% 878円 △ 5%割高
5% 1,108円 ○ 17%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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