1. 企業概要

LIXILは、トステム、INAXなど5社が統合した日本最大の住宅設備機器・建材メーカーです。主に水まわり製品(衛生設備、水栓など)と住宅建材(サッシ、ドア、システムキッチン、インテリア建材など)の製造・販売を手掛けています。INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMなどの有力ブランドを有し、国内外の市場に製品を提供しています。
主力製品・サービスは、水まわり製品を扱う「ウォーターテクノロジー事業」と、窓、ドア、外装材、内装建材などを供給する「ハウジングテクノロジー事業」、システムキッチンや洗面化粧台などの「リビング事業」で構成されます。これらの製品は、新築住宅やリフォーム市場向けに供給され、人々の快適な居住空間の実現に貢献しています。
収益モデルは、主に製品の販売によるフロー型が中心ですが、住宅のライフサイクル全体に関わる製品群を提供しているため、リフォーム需要に応えることで安定的な収益確保を目指しています。取引形態は、建築業者や販工店向けのB2Bが大部分を占めます。
技術的独自性としては、高性能な窓や断熱材などの省エネ技術、デザイン性の高い水まわり製品やシステムキッチンなどが挙げられます。業界最大手としての規模の経済と、多数の有力ブランドを擁することが参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

LIXILは、住宅設備機器・建材業界において日本最大のメーカーであり、市場シェアではトップクラスのポジションを確立しています。国内ではTOTO、パナソニック、クリナップなど、海外ではKohler、Masco社といった企業が主要競合となります。
主要競合との差別化要因としては、グローバルブランドであるGROHEなどを擁する海外事業の展開力、住宅の開口部から水まわり、内装、外装まで幅広い製品ラインナップをワンストップで提供できる総合力が挙げられます。また、デザイン性や機能性に優れた製品開発力も強みです。
市場動向としては、国内の住宅市場は人口減少や新築着工戸数の減少傾向にありますが、リフォーム・リノベーション需要の拡大や省エネ・高機能住宅への移行が進んでいます。LIXILは、中期経営計画で国内事業の収益改善を重点戦略に掲げ、コア事業への集中や構造改革を進めることで、これらの市場変化に対応しようとしています。特に、欧米の有力ブランドを持つ海外事業の強化も図っています。
【定量比較】
LIXILの2025年3月期(予想)PERは69.45倍、PBRは0.87倍です。業界平均PERが17.5倍、業界平均PBRが0.7倍であるため、PERは大幅に割高、PBRはやや割高な水準にあります。

3. 経営戦略

経営陣のビジョンは明示されていませんが、企業概要から「コア事業に集中」「欧米に有力ブランドを持つ海外事業のテコ入れ」を目指していることが伺えます。また、決算短信からは「国内事業の収益性改善」を目的とした構造改革(セグメント再編など)に着手していることが読み取れます。
重点投資分野や成長戦略に関する具体的な情報は決算短信では見られませんが、設備投資の継続や、投資活動におけるM&Aではなく既存の投資売却・償還による支出入の相殺が見られます。
最近の適時開示情報は、2026年3月期第2四半期決算短信が最新のものであり、大型受注や新製品発表、M&Aなどの具体的な案件は本情報には含まれていません。
これらの経営戦略は、収益体質の改善と持続的成長を意識したものと考えられます。国内市場の成熟化に対応しつつ、グローバルブランドを活かした海外事業の強化、そして利益率の低い事業からの撤退や再編を通じて、企業価値の向上を図る姿勢が伺えます。これらの取り組みが実を結べば、今後の業績にポジティブな影響を与える可能性がありますが、構造改革には時間を要するでしょう。

4. 財務分析

  • 収益性
    • 営業利益率(過去12か月):1.23%
    • ROE(実績、連):0.32%
    • ROA(過去12か月):1.19%
    • ベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)に対して、収益性は低い水準にあります。2024年3月期に赤字を計上した影響もあり、ROEは著しく低くなっています。2026年3月期中間期の営業利益率は1.55%であり、依然として低水準です。
  • 財務健全性
    • 自己資本比率(実績、連):33.7%(2026年3月期中間期末は34.1%)
    • 流動比率(直近四半期):129%
    • D/Eレシオ(直近四半期):104.51%
    • 自己資本比率は、目安とされる40%を下回っており、やや低い水準にあります。流動比率も150%を下回っており、短期的な安全性は平均的といえます。D/Eレシオが100%を超えていることから、負債が自己資本を上回る状態であり、財務レバレッジが高い傾向が見られます。
  • 成長性
    • 売上高は過去数年間1.4兆円台で推移しており、大きな成長は見られていません。過去12か月の売上高成長率は0.40%です。2026年3月期通期予想では、売上収益は1,540,000百万円(前期比+2.3%)と微増の見込みです。
    • 利益については、変動が大きく、特に2024年3月期には純損失を計上しています。2026年3月期通期予想では、親会社に帰属する当期利益は8,000百万円と大幅な改善を見込んでいますが、過去の実績から見ても利益の安定性には課題があります。
  • キャッシュフロー
    • 営業CF(過去12か月):89,610百万円
    • 純利益(過去12か月):9,350百万円
    • 営業CF/純利益比率:9.58
    • 営業キャッシュフローは純利益を大幅に上回っており、利益の質は高いと評価できます。これは、減価償却費などの非現金支出が多く、実際の現金創出能力が損益計算書の利益以上に高いことを示唆しています。ただし、2026年3月期中間期では、営業CFは前年同期比で減少しています(30,004百万円 vs 40,391百万円)。
  • 四半期進捗
    • 2026年3月期第2四半期の中間実績は、通期予想に対して売上収益で47.8%、営業利益で38.0%、親会社に帰属する中間利益で41.9%の進捗率です。売上高はほぼ半期分の進捗ですが、利益は下期に偏重する季節性を考慮しても、やや遅れている可能性があります。通期達成には下期の利益創出が鍵となります。

5. 株価分析

  • 現在の水準
    • PER(会社予想):69.45倍
    • PBR(実績):0.87倍
    • 業界平均PER:17.5倍、業界平均PBR:0.7倍
    • 現在の株価1,933.5円は、会社予想PERが業界平均を大きく上回っており、PER基準では著しく割高と判断されます。PBRは業界平均と比較してやや割高な水準です。
    • EPS(会社予想):27.84円、BPS(実績):2,214.56円
    • 業種平均PER基準の目標株価:568円
    • 業種平均PBR基準の目標株価:1,550円
    • これらの理論株価レンジと比較すると、現在の株価は割高な水準にあります。
  • テクニカル
    • 現在の株価1,933.5円は、52週高値1,990円に近く、52週レンジ内位置は87.6%(安値に対する高値までの割合)です。
    • 移動平均線との位置関係:
      • 5日移動平均線:1,906.60円(株価が上回り1.41%)
      • 25日移動平均線:1,864.30円(株価が上回り3.71%)
      • 75日移動平均線:1,824.79円(株価が上回り5.96%)
      • 200日移動平均線:1,763.82円(株価が上回り9.62%)
    • 全ての短期・中期・長期移動平均線を株価が上回っており、短期的な上昇トレンドが継続していると見られます。明確なゴールデンクロスやデッドクロスのシグナルは記載されていませんが、一般的な上昇トレンドの配置にあります。
  • 市場との比較
    • 日経平均比:1ヶ月では日経平均を上回るパフォーマンスですが、3ヶ月、6ヶ月、1年では日経平均を大幅に下回っています。
      • 1ヶ月リターン:株式+6.97% vs 日経+5.32% → 1.65%ポイント上回る
      • 1年リターン:株式+12.25% vs 日経+35.31% → 23.06%ポイント下回る
    • TOPIX比:1ヶ月ではTOPIXをわずかに上回っています。
      • 1ヶ月リターン:株式+6.97% vs TOPIX+6.12% → 0.85%ポイント上回る
    • 全体として、直近1ヶ月は市場を上回るパフォーマンスを見せているものの、中長期的には主要市場指数に劣後している状況です。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度:0.61
    • ベータ値が1.0未満であるため、市場全体の動きに比べて株価の変動が小さい、市場感応度が低いディフェンシブな特性を持つ傾向があると言えます。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 為替変動:特に海外売上高が多いウォーターテクノロジー事業が影響を受けやすい。
    • 原材料・物流コストの変動:建築資材の価格変動は収益に直接影響します。
    • 金利上昇による金融費用増:多額の負債を抱えているため、金利上昇は業績を圧迫する可能性があります。
    • 国内住宅投資の動向や需要変動:国内市場の成熟化や新築着工数の減少は主要なリスクです。
    • 一時的な減損や投資再測定など特別損益:過去に減損損失や投資関連の特別損失を計上しており、今後も発生する可能性があります。
  • 事業特有のリスク:
    • 技術陳腐化:住宅設備や建材分野での技術革新への対応が求められます。
    • 法的規制:建築基準や環境規制の変化が製品開発や事業活動に影響を与える可能性があります。
    • ブランド戦略:複数のグローバルブランドを効果的にマネジメントし、シナジーを創出する能力が問われます。
  • 52週レンジにおける現在位置:87.6%
    • 現在の株価は52週高値に近く、上値余地が限定的である可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残:787,500株
    • 信用買残(前週比):-98,800株
    • 信用売残:57,900株
    • 信用売残(前週比):-8,100株
    • 信用倍率:13.60倍
    • 信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率も高めですが、前週比では買残・売残ともに減少しています。短期的な需給は好転しているものの、依然として将来の売り圧力となる可能性のある信用買い残が多く蓄積されている状況です。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 大株主には日本マスタートラスト信託銀行(信託口)15.98%、日本カストディ銀行(信託口)4.38%など、信託銀行の保有が多いことが特徴です。これは機関投資家による保有を示唆しています。上位10位までに安定株主の動向は見られません。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
    • インサイダー保有比率(% Held by Insiders):3.23%
    • 自社従業員持株会が2.93%を保有しており、従業員の株主としてのコミットメントを示しています。経営陣自身の持株比率は直接的に特定できませんが、インサイダー保有比率に含まれると考えられます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想):4.65%(現在の株価1,933.5円、年間配当90.00円で計算)
    • 高配当利回り銘柄として注目されます。
  • 配当性向:
    • 2026年3月期通期予想ベースの配当性向(概算):約323%(年間配当90円 / EPS27.85円)
    • 企業財務指標のPayout Ratio:276.41%
    • Yahoo Japanの配当性向:1291.2%
    • いずれの数値も非常に高い配当性向を示しており、当期純利益に対して大幅に配当を上回っている状況です。これは、業績が低迷する中でも安定配当を維持しようとする会社の強い意思の表れである可能性がありますが、持続性には注意が必要です。
  • 配当の継続性・増配傾向:
    • 2023年3月期、2024年3月期、2025年3月期、2026年3月期(予想)と年間配当90円を継続しており、安定配当を目指しているようです。
  • 自社株買いの実績と方針:
    • 2026年3月期中間期における自己株式の保有変動は小幅であり、大規模な自社株買いは確認できません。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
    • 1. 業界最大手としての強固な国内基盤とグローバルブランド力。
    • 2. 中長期的な国内事業の収益性改善に向けた構造改革の進捗。
    • 3. 高い配当利回りを維持する株主還元姿勢。
  • 【強み】
    • 日本最大の住宅設備・建材メーカーとしてのブランド力と規模の経済。
    • ウォーターテクノロジー事業におけるグローバルブランド(GROHEなど)の存在。
    • 広範な製品ラインナップによるワンストップソリューション提供能力。
  • 【弱み】
    • 過去数年間、低迷する収益性と不安定な利益水準。
    • 高水準のD/Eレシオと業界平均対比で低い自己資本比率。
    • 市場平均に劣後する中長期的な株価パフォーマンス。
  • 【機会】
    • 国内のリフォーム・リノベーション市場の拡大。
    • 省エネ・高機能住宅への需要増加。
    • 海外市場における成長余地とグローバルブランドのさらなる活用。
  • 【脅威】
    • 国内新築住宅着工数の減少傾向と住宅市場の成熟化。
    • 原材料価格、エネルギー価格、物流コストの高騰。
    • 金利上昇による金融費用負担の増加。
    • 為替変動が海外事業の収益に与える影響。
  • 【注目すべき指標】
    • 営業利益率:中期的な5%以上への改善(現在1.23%)
    • ROE:持続的な8%以上への改善(現在0.32%)
    • 自己資本比率:40%以上への向上(現在33.7%)
    • 営業CF / 純利益比率:利益が安定した状態での健全な推移(現在9.58と高いが、純利益安定化が重要)

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    • 売上成長率(2025年3月期実績から2026年3月期予想):+2.34%(基準: 0%-5%)
  • 収益性: D
    • ROE(実績):0.32%(基準: 5%未満)
    • 営業利益率(過去12か月):1.23%(基準: 3%未満)
  • 財務健全性: B
    • 自己資本比率(実績):33.7%(基準: 30%-40%)
    • 流動比率(直近四半期):129%(基準: 150%以上で高評価)
  • 株価バリュエーション: D
    • PER(会社予想)/業界平均PER:396%(基準: 130%以上)
    • PBR(実績)/業界平均PBR:124%(基準: 110%-130%)

企業情報

銘柄コード 5938
企業名 LIXIL
URL https://www.lixil.com/jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 金属製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,934円
EPS(1株利益) 27.84円
年間配当 4.65円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 46.0倍 1,281円 -7.6%
標準 0.0% 40.0倍 1,114円 -10.1%
悲観 1.0% 34.0倍 995円 -12.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,934円

目標年率 理論株価 判定
15% 565円 △ 242%割高
10% 706円 △ 174%割高
5% 891円 △ 117%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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