1. 企業概要
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズは、ハウスウェディング事業を主軸とする企業です。邸宅風の直営ゲストハウスを全国に展開し、結婚式の企画・施行から、ドレス、ハネムーン、記念日旅行まで、幅広いサービスを提供しています。近年はホテル運営や金融・クレジット事業、旅行事業などの関連事業も手掛け、事業の多角化を進めています。
主力製品・サービスは、邸宅を貸し切る非日常的な空間でのハウスウェディングであり、顧客のプライベート感を重視したサービスが特徴です。収益モデルは、結婚式施行ごとの売上を計上するフロー型が主であり、顧客は個人(B2C)が中心です。また、ホテル運営受託など一部B2Bの要素も含まれます。
技術的独自性は特筆すべきものはありませんが、ハウスウェディングという独自のビジネスモデルを確立し、そのパイオニアとして培ってきたブランド力とノウハウが参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
テイクアンドギヴ・ニーズは、国内ハウスウェディング市場の先駆者として、業界内でも主要なポジションを占めています。具体的な市場シェアはデータがありませんが、直営施設を全国展開し、「ハウスウェディングのパイオニア」と称されるほどの認知度と存在感があります。
主要競合他社との差別化要因としては、一軒家貸し切りの邸宅風ゲストハウスという独自のコンセプトと、企画から施行までの一貫したきめ細やかなサービス提供が挙げられます。また、ホテル事業を「第2の柱」として育成するなど、ウェディングに加えてサービス提供の幅を広げている点も差異化要因です。
市場動向としては、婚礼市場全体では少子化の影響があるものの、単価上昇傾向やインバウンド需要の増加といった追い風もあります。しかし、広告効率の低下や競合とのシェア争いは継続しています。同社は、広告出稿の再強化、コンサルティング受託事業の拡大、M&A(事業譲受)による事業規模の拡大などを通じて、市場環境の変化に対応しようとしています。
【定量比較】業界平均との財務指標比較
| 指標 | テイクアンドギヴ・ニーズ | 業界平均(サービス業) | 評価 |
|---|---|---|---|
| PER(会社予想) | 39.42倍 | 17.0倍 | 割高 |
| PBR(実績) | 0.69倍 | 1.8倍 | 割安 |
| ROE(実績) | 20.21% | データなし | 優良(注1) |
| 営業利益率(2025/3連) | 8.61% | データなし |
(注1: 直近中間期は営業損失および純損失計上)
PERは業界平均と比較して割高ですが、PBRは業界平均よりも大幅に割安な水準にあります。収益性指標のROEは高水準ですが、これは過去12か月の実績であり、直近の第2四半期決算では営業損失・純損失を計上しており、収益性は悪化しています。競合企業との直接的な財務指標比較データは提供されていません。
3. 経営戦略
テイクアンドギヴ・ニーズの経営戦略は、ハウスウェディング事業の既存店舗の維持・強化と、婚礼単価向上に加え、ホテル事業を収益の第2の柱として育成し、コンサルティング受託事業やインバウンド需要の取り込み、カジュアルウェディングといった多角的な成長分野への投資を掲げています。
重点投資分野としては、直近の決算短信では広告出稿の再強化やM&Aを通じた事業規模の拡大が挙げられています。特に最近の適時開示情報として、2025年10月31日付で株式会社エルフラットのウェディング事業の一部(名古屋の2店舗)の事業譲受を決定しており、これは国内ウェディング事業の再強化とシェア拡大に向けた具体的な一歩と考えられます。
これらの戦略は、婚礼施行件数の大幅減による業績不振からの脱却を目指すものです。広告強化による受注回復、コンサルティング・受託収益の拡大、そしてM&Aによる事業規模拡大・シナジー創出が、今後の業績に良い影響を与える可能性があります。ただし、広告効果が期待通りに現れるか、既存事業の固定費を吸収できる水準まで受注が回復するかが課題となります。
4. 財務分析
【収益性】
- 営業利益率:過去12か月実績では△4.67%。2025年3月期実績は8.61%。しかし、直近の中間期(2025年4月~9月)では△2.18%(営業損失465百万円)と大幅な悪化を示しています。
- ROE(自己資本利益率):実績は20.21%(過去12か月では16.35%)とベンチマーク(10%)を大きく上回る優良な水準です。しかし、直近の中間期では純損失△501百万円を計上しており、中間期ベースのROEは△2.9%と低いです。
- ROA(総資産利益率):過去12か月実績では3.63%と、ベンチマーク(5%)を下回っています。
【財務健全性】
- 自己資本比率:実績は34.1%(直近四半期末は32.3%)と、安定性の目安とされる40%を下回っており、やや改善の余地があります。
- 流動比率:直近四半期末は0.89倍と、運転資金がマイナスであり、短期的な支払い能力に懸念があります。(目安:1.00倍以上が望ましい、2.00倍以上で健全)
- D/Eレシオ(負債資本倍率):直近四半期末は145.96%と高めであり、有利子負債(短期借入金3,390百万円、長期借入金等18,819百万円)が比較的高水準である点が課題です。
【成長性】
売上高は、2022年3月期から2025年3月期にかけて39,482百万円から47,668百万円へと増加傾向にありましたが、直近の中間期売上高は21,306百万円で前年同期比△1.9%と減少に転じています。利益面も変動が大きく、直近中間期は営業損失、純損失を計上しており、一時的に成長が停滞しています。
【キャッシュフロー】
- 営業活動によるキャッシュフロー(営業CF):過去12か月では4,010百万円のプラスでしたが、直近中間期は△653百万円とマイナスに転じています。これは本業での資金創出力が低下していることを示唆します。
- 投資活動によるキャッシュフロー(投資CF):直近中間期は△1,691百万円と大幅なマイナスであり、主に有形固定資産の取得によるものです。積極的な投資活動が行われています。
- 財務活動によるキャッシュフロー(財務CF):直近中間期は+1,033百万円のプラスであり、主に短期借入金の増加によるものです。
- フリーキャッシュフロー(FCF):過去12か月では△198.5百万円、直近中間期では営業CFと投資CFを合算すると△2,344百万円と、資金流出が続いています。これは事業活動が生み出すキャッシュだけでは投資を賄いきれていない状況を示しており、財務CFによる借入れで補填している状況です。
- 営業CF/純利益比率:過去12か月では1.54と、1.0以上であり、利益の質は健全な傾向にあります。ただし、直近中間期は営業CF、純利益ともにマイナスであるため、この比率は実質的に評価できません。
- 配当カバレッジ比率:過去12か月の営業CF実績(4,010百万円)と会社予想配当総額(約453百万円)で計算すると約8.85倍となります。これは営業CFに対し配当支払額が十分に賄えている水準です。
【セグメント別分析】
- 国内ウェディング事業:売上高20,482百万円(前年同期比△2.5%)、セグメント利益463百万円(前年同期比△67.8%)と大幅に減益。婚礼単価は上昇しているものの、婚礼施行件数の減少が利益を圧迫しています。TRUNK(HOTEL)の売上高も△7.6%の減収です。
- その他事業:売上高823百万円(前年同期比+14.0%)、セグメント利益242百万円(前年同期比+29.1%)と堅調に推移しています。
- 成長ドライバーと課題セグメント:その他事業が成長ドライバーとなっている一方、主力の国内ウェディング事業が課題セグメントであり、業績全体を牽引できていない現状があります。
【四半期進捗】
会社公表の通期予想(2025年4月1日~12月31日の9か月期間)に対する中間期(6か月)の進捗率は以下の通りです。
- 売上高:21,306百万円 / 通期予想35,450百万円 → 進捗率 60.1% (9か月予想に対し6か月で6割のため、単純比較はできないものの概ね順調)
- 営業利益:△465百万円 / 通期予想1,550百万円 → 進捗率 △30.0%(大幅な未達であり、中間で損失計上)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:△501百万円 / 通期予想300百万円 → 進捗率 △167%(大幅な未達であり、中間で損失計上)
中間期の損益は通期予想を大きく下回っており、通期目標の達成は容易ではない状況です。
5. 株価分析
【現在の水準】
- PER(会社予想):39.42倍。業界平均PER17.0倍と比較すると、割高な水準にあります。
- PBR(実績):0.69倍。業界平均PBR1.8倍と比較すると、割安な水準にあります。
- EPS/BPSベースの理論株価レンジ:
- 業界平均PERベース: 予想EPS 20.55円 × 業界平均PER 17.0倍 = 349.35円
- 業界平均PBRベース: 実績BPS 1,178.31円 × 業界平均PBR 1.8倍 = 2,120.96円
PERとPBRで大きく異なる評価が出ており、利益水準が不安定であることを示唆しています。
【テクニカル】
- 52週高値・安値:52週高値1,040円、52週安値754円に対し、現在の株価810.0円は52週レンジの19.6%位置(安値寄り)にあります。
- 移動平均線との位置関係:現在の株価(810.00円)は、5日移動平均線(795.60円)、25日移動平均線(776.24円)、75日移動平均線(807.68円)を上回っています。短期・中期的な上昇トレンドを示唆していますが、200日移動平均線(850.50円)は下回っており、長期トレンドは下降傾向にあると言えます。
- トレンドシグナル:現在の情報ではゴールデンクロス/デッドクロスの具体的な発生は確認できませんが、短期・中期MAが株価を下回っているため、ポジティブな動きが見られます。
【市場との比較】
- 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス:
- 1ヶ月リターンでは日経平均、TOPIXともに上回っており、直近は堅調です。
- しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年リターンでは日経平均、TOPIXを大幅に下回っており、中長期では市場全体に対し劣後しています。
6. リスク評価
- ベータ値による市場感応度:ベータ値は0.10と非常に低く、市場全体の変動に対する株価の感応度が低い、ディフェンシブな特性を持つ銘柄と言えます。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 広告投資効率の不透明さ:広告手法見直しによる出稿量抑制が裏目に出たことを踏まえ、再強化後の効率性が不確実です。
- 婚礼施行件数の回復遅延:固定費の吸収悪化に直結するため、婚礼件数回復の遅れは大きなリスクです。
- 金利上昇による利息負担の増加:有利子負債が高水準であり、金利上昇は収益を圧迫します。
- 短期借入の増加による流動性・金利リスク:直近中間期で短期借入金が増加しており、財務活動の柔軟性に影響を与える可能性があります。
- 景気・消費動向:大型イベントである結婚式は景気や個人消費の動向に敏感です。
- 事業特有のリスク:旅行需要やインバウンド需要に影響を与える為替変動や国際情勢、イベント関連の規制変化、競合他社との競争激化などが挙げられます。
- 52週レンジにおける現在位置:52週安値に近い19.6%の位置にあり、下値の模索が続く可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:信用買残は953,100株と多く、信用倍率は119.14倍と極めて高水準です。これは、将来の値上がりに期待する投資家が多いことを示しますが、一方で、買残の整理(売り)による需給悪化リスクを抱えています。
- 株主構成と大株主の動向:筆頭株主は野尻佳孝氏が16.83%保有しており、安定株主が存在します。インサイダー持株比率も37.11%と高いです。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況:代表者である岩瀬賢治氏の具体的な持株比率は開示されていませんが、創業者である野尻氏の安定的な保有は経営基盤の安定に寄与すると考えられます。
8. 株主還元
- 配当利回り:会社予想に基づく配当利回りは3.83%です。
- 配当性向:会社予想に基づく配当性向は約151%(予想配当総額453百万円/当期純利益予想300百万円)と、大幅な赤字中間期を経ての通期予想純利益に対して非常に高い水準です。これは、今後の業績回復が見込まれる中での株主還元姿勢を示すものですが、利益に対する配当の持続性には注意が必要です。
- 配当の継続性・増配傾向:過去の配当履歴を見ると、2022年3月期に無配となった時期もありますが、近年は配当を継続しています。ただし、業績の変動に伴い配当額も変動しています。
- 自社株買いの実績と方針:前期に自己株式の取得実績がありますが、直近の中間期においては実施していません。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- ホテル事業の成長加速とM&Aによる国内ウェディング事業の再強化に期待される、今後の収益構造転換の可能性。
- PBRが業界平均と比較して大幅に割安な水準にあり、企業価値評価からの下値サポートの期待。
- 婚礼単価の上昇傾向やインバウンド需要の回復が中長期の追い風となる可能性。
【強み】
- ハウスウェディングのパイオニアとしての強固なブランド力と運営ノウハウ。
- ホテル事業やコンサルティング受託など、多角的な事業展開による収益源の多様化。
- 過去12か月の営業CFが純利益を上回るなど、潜在的な利益の質は高い。
【弱み】
- 直近の中間期決算における営業損失・純損失計上と通期業績予想達成への不透明感。
- 高い配当性向(会社予想ベース)と有利子負債の増加による財務負担。
- 主力である国内ウェディング事業における婚礼施行件数の減少と利益率の悪化。
【機会】
- 広告戦略の最適化とM&Aによる事業規模拡大を通じたウェディング事業の黒字化とシェア拡大。
- ホテル事業の本格的な成長とインバウンド需要の更なる取り込み。
- コンサルティング受託など、他社へのソリューション提供による新たな収益源の確立。
【脅威】
- 人件費や広告費などのコスト上昇と、婚礼件数回復の遅延による固定費吸収の悪化。
- 金利上昇局面における有利子負債への利息負担増加。
- 少子化や消費者行動の変化による婚礼市場の長期的な縮小傾向と競争激化。
【注目すべき指標】
- 婚礼施行件数の回復具合と広告投資効果の具体数値。
- 国内ウェディング事業のセグメント利益率の推移。
- 流動比率の改善および有利子負債残高の削減状況。
10. 企業スコア
- 成長性: C
- 売上高は過去数年で成長傾向にあったものの、直近の四半期売上成長率が△2.80%とマイナスに転じており、成長は停滞しています。
- 収益性: D
- 直近中間期決算では営業損失・純損失を計上しており、営業利益率も△2.18%とマイナスです。過去12か月のROEは16.35%ですが、直近の損失を重視し、基準「ROE 5%未満 かつ 営業利益率 3%未満」に該当すると判断します。
- 財務健全性: C
- 自己資本比率は32.3%で「自己資本比率 30-40%」のBの範囲ですが、流動比率が0.89と1.00を下回っており、短期的な財務健全性に懸念があるため、C評価とします。
- 株価バリュエーション: D
- PER(会社予想39.42倍)が業界平均PER(17.0倍)を大きく上回る(231%)ため、割高と判断されます。PBR(0.69倍)は業界平均(1.8倍)に対し割安ですが、「共に」の条件が厳しく、総合的にD評価となります。
企業情報
| 銘柄コード | 4331 |
| 企業名 | テイクアンドギヴ・ニーズ |
| URL | http://www.tgn.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 810円 |
| EPS(1株利益) | 20.55円 |
| 年間配当 | 3.83円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 37.6倍 | 773円 | -0.5% |
| 標準 | 0.0% | 32.7倍 | 672円 | -3.1% |
| 悲観 | 1.0% | 27.8倍 | 600円 | -5.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 810円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 344円 | △ 136%割高 |
| 10% | 429円 | △ 89%割高 |
| 5% | 541円 | △ 50%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
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