ナイス (8089) 企業分析レポート

1. 企業概要

ナイス株式会社は、日本を拠点とする住宅関連商社で、建築資材と住宅建設販売を事業の両輪としています。主に木材、建材・住宅設備機器の流通と、マンション・一戸建住宅の製造・販売・管理を手掛けています。特に木材市場においては最大手のポジションを誇り、国産木材の利用促進にも注力しています。

  • 主力製品・サービスの特徴: 木材、建材、住宅設備機器の卸売・小売に加え、プレカット製品の製造、戸建て住宅や免震マンションの建築・販売、さらには不動産管理、非生命保険代理店業、ケーブルTV放送など多角的に事業を展開しています。
  • 収益モデル: 建築資材事業を中核とするフロー型と、住宅販売・管理事業におけるストック型(管理事業)およびフロー型(販売事業)を組み合わせたモデルです。顧客はB2B(工務店、建設会社)とB2C(個人顧客への住宅販売)の両方を含みます。
  • 技術的独自性や参入障壁: 木材市場における長年の経験と規模の経済、全国的な流通ネットワーク、国産材に注力する供給体制、多数保有する森林が強みです。また、マンション・戸建て住宅の開発・販売においては、技術ノウハウとブランド力を構築しています。

2. 業界ポジション

ナイスは「商社・卸売」業界に属しており、特に住宅関連資材および住宅建設において強固な地盤を持っています。木材市場では最大手とされています。

  • 業界内での推定市場シェアまたはポジション: 詳細な市場シェアデータは提供されていませんが、「木材市場業界で最大手」という記述から、関連市場で支配的な地位を確立していると推測されます。
  • 主要競合との差別化要因: 大手建材メーカーや総合商社の一部が競合となり得ますが、ナイスは「木材」に特化した強みと、住宅建設・販売まで一貫して手掛ける垂直統合型のビジネスモデルが特徴です。国産木材への注力も差別化要因となる可能性があります。
  • 市場動向と企業の対応状況: 決算短信によると、建材・住宅設備機器の増収やマンション販売の増加が売上を牽引しており、市場の需要回復に対応できていることが示唆されます。しかし、木材販売や一戸建て住宅販売は減少傾向にあり、市況の変化への適応が課題となるセグメントもあります。
  • 【定量比較】業界平均との財務指標比較:
    • PER(会社予想)7.67倍に対し、業界平均PERは10.1倍。
    • PBR(実績)0.40倍に対し、業界平均PBRは0.7倍。
    • ナイスは業界平均と比較して、PER・PBRともに割安な水準にあります。
  • 【競合比較】競合に対する相対的な強み・弱み:
企業名 コード PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 営業利益率(%)
ナイス 8089 7.67 0.40 6.01 1.33
ケイティケイ 3035 10.09 0.77 7.64 データなし
三信電気 8150 10.04 0.93 8.94 データなし
立花エレテック 8159 13.17 0.73 7.51 データなし
上記の競合企業との比較では、ナイスはPER・PBRにおいて割安な水準にありますが、ROE(6.01%)は競合他社(7.51%~8.94%)と比較して低い水準にとどまっています。直近の営業利益率(過去12ヶ月1.33%、中間期1.04%)も一般的な商社・卸売業の目安(5%前後)と比較して低く、収益性の改善が課題と言えます。

3. 経営戦略

  • 経営陣のビジョンと中期経営計画: 提供データには中期経営計画の具体的な記載はありませんが、2026年3月期の通期業績予想において増収増益を見込んでおり、事業成長を目指す方針であることが伺えます。
  • 重点投資分野と成長戦略: 決算短信からは、住宅事業におけるマンション販売および建築資材事業における建材・住宅設備機器が直近の収益牽引役となっており、これらの分野に注力していると推測されます。設備投資として有形固定資産取得に3,065百万円(中間期)を支出しており、事業基盤強化を図っていると考えられます。
  • 最近の適時開示情報(大型受注、新製品、M&A等): 提供データには特定の大型受注、新製品、M&A等に関する適時開示情報の記載はありません。
  • これらが今後の業績に与える影響: マンション販売や建材・住宅設備機器の堅調な推移は売上高の増加に貢献しますが、営業利益率が低水準であるため、粗利率の改善や販管費の効率化が利益成長には不可欠です。在庫増による営業キャッシュフローの悪化が見られ、運転資本管理が今後の業績と財務健全性に影響を与える可能性があります。

4. 財務分析

  • 【収益性】
    • 営業利益率(過去12か月): 1.33%(中間期1.04%)
    • ROE(過去12か月): 6.01%
    • ROA(過去12か月): 2.08%
    • ベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)と比較して、いずれも低水準であり、収益性の改善が求められます。
  • 【財務健全性】
    • 自己資本比率(実績): 32.9%(中間期33.1%)
    • 流動比率(直近四半期): 1.38倍
    • D/Eレシオ(直近四半期): 78.50%
    • 自己資本比率は目安とされる40%を下回っており、やや低めです。流動比率も1.38倍と、確保されてはいるものの、さらなる余裕が望まれます。負債合計(110,039百万円)と総資産(172,766百万円)から見ても、財務の安定性に改善余地があります。
  • 【成長性】
    • 売上高成長率(2025年3月期予→2026年3月期予): 約7.05% [(260,000百万円 / 243,054百万円) – 1]
    • 利益成長率(2025年3月期予→2026年3月期予): 営業利益で約3.72% [(4,800百万円 / 4,628百万円) – 1]、純利益で約4.49% [(3,000百万円 / 2,872百万円) – 1]
    • 売上高は堅調な伸びが見込まれていますが、利益成長率は売上成長率と比較して低い水準です。
  • 【キャッシュフロー】
    • 営業CF(中間期): △10,023百万円(前年同期△11,407百万円)- 営業活動で資金流出が継続しており、主な要因は棚卸資産の増加(82,760百万円)と仕入債務の減少(47,330百万円)によるものです。
    • 投資CF(中間期): △2,459百万円(前年同期△3,466百万円)- 有形固定資産取得などに資金を投じています。
    • 財務CF(中間期): +6,750百万円(前年同期△1,361百万円)- 短期・長期借入金の純増加により、資金調達を行っています。
    • FCF(フリーキャッシュフロー、中間期): △12,482百万円(営業CF △10,023百万円 + 投資CF △2,459百万円)- 大幅なマイナスであり、事業活動で生み出すキャッシュでは投資を賄えていない状況です。
    • 営業CF/純利益比率(中間期): △10,023百万円 / 664百万円 ≒ -15.09 – 営業CFがマイナスであるため、利益の質に懸念があります。利益は計上されているものの、実質的なキャッシュの流入を伴っていません。
    • 配当カバレッジ比率: 営業CFがマイナスであるため、算出は困難です。配当支払能力を営業CFだけで賄えていない状況です。
  • 【セグメント別分析】
    • 建築資材事業: 売上高93,795百万円(構成比約75%)、営業利益910百万円(前年同期比+33.9%)。特に建材・住宅設備機器が前年同期比+21.8%と好調ですが、木材販売は△6.6%と減少しています。
    • 住宅事業: 売上高20,101百万円(構成比約21%)、営業利益637百万円(前年同期比+54.9%)。マンション販売が前年同期比+61.3%と大幅に増加した一方で、一戸建て販売は△12.6%と減少しています。
    • その他事業: 売上高5,713百万円(構成比約4%)、営業利益640百万円(前年同期比+97.6%)。売上・利益ともに高い成長率を示しています。
    • 成長ドライバーと課題セグメントの特定: 成長ドライバーは住宅事業の「マンション販売」と建築資材事業の「建材・住宅設備機器」、そして「その他事業」です。一方で、「木材販売」と「一戸建て販売」は課題を抱えるセグメントと言えます。
  • 【四半期進捗】
    • 2026年3月期通期予想に対する第2四半期(中間期)の進捗率は以下の通りです。
    • 売上高: 46.0% (通期予想260,000百万円に対し119,610百万円)
    • 営業利益: 25.9% (通期予想4,800百万円に対し1,244百万円)
    • 純利益: 22.1% (通期予想3,000百万円に対し664百万円)
    • 売上高は中間期時点で順調に進捗していますが、営業利益と純利益の進捗率は通期目標に対して低く、後半での大幅な挽回が必要となる可能性があります。これは、季節性や事業特性(住宅販売の引き渡し時期など)による偏重も考えられますが、下振れリスクとして注視が必要です。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
    • PER(会社予想): 7.67倍
    • PBR(実績): 0.40倍
    • 業界平均PER 10.1倍、業界平均PBR 0.7倍と比較して、ナイスのPER、PBRはともに割安な水準にあります。
    • EPS(会社予想)252.41円、BPS(実績)4,794.85円。業種平均PER基準の目標株価は2,932円、業種平均PBR基準の目標株価は3,356円であり、現在の株価1,935円と比較して大幅に上回ります。
  • 【テクニカル】
    • 現在株価1,935.0円に対し、52週高値1,964.0円、52週安値1,412.0円。現在の株価は52週高値の94.7%の位置(高値圏)にあります。
    • 移動平均線は、5日MA(1,932.40円)、25日MA(1,863.24円)、75日MA(1,832.56円)、200日MA(1,746.10円)の全てを上回っており、短期から長期にかけて上昇トレンドにあることを示唆しています。
    • 現在の移動平均線の位置関係から判断すると、ゴールデンクロスが発生している可能性が高いです。
  • 【市場との比較】
    • 過去1ヶ月では日経平均およびTOPIXを上回るパフォーマンスを示していますが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期では日経平均を下回るパフォーマンスとなっています。一方、1ヶ月のTOPIX比ではアウトパフォームしています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度: ベータ値は0.45であり、市場全体の値動きに対し比較的感応度が低い(市場が10%動いた場合、ナイスの株価は約4.5%動く)と評価できます。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 棚卸資産(特に販売用不動産)の増加による資金繰り悪化の可能性。
    • 短期借入金増加による金利負担および返済負担の増加。
    • 住宅市場や建材市況の変動、原材料価格変動(木材価格等)による業績への影響。
    • 投資有価証券売却益など一時的な特別利益に依存する収益構成の変化。
  • 事業特有のリスク:
    • 住宅・建設市場は景気変動、金利動向、消費者の購買意欲に大きく左右されます。
    • 原材料価格(特に木材)の変動が仕入れコストに影響し、利益率を圧迫する可能性があります。
    • 規制強化(建築基準、環境規制など)や技術革新(新たな建材、工法)への対応が必要です。
  • 52週レンジにおける現在位置: 94.7%(安値=0%、高値=100%)。現在の株価は52週高値圏にあり、高値を更新する展開には材料が必要となるか、反落リスクも存在します。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況: 信用買残53,200株、信用売残2,000株、信用倍率26.60倍。信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率が高いことから、株価上昇に対する期待(買い需要)が一定数存在するものの、将来的に株価下落圧力となる可能性もあります。
  • 株主構成と大株主の動向: 主要株主としてヤマダホールディングス(17.15%)、技研ホールディングス(16.66%)が約3割を保有しており、安定株主として経営を支える一方で、今後の事業提携や資本政策に影響を与える可能性があります。金融機関や機関投資家も一定割合保有しています。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 提供データに経営陣個別の持株比率の記載はありませんが、「% Held by Insiders」が47.16%と高く、経営陣および関係者が株主基盤の一定部分を占め、経営の安定性や株主視点での経営が期待できる側面があります。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 3.72%(1株配当72.00円、株価1935.0円)は、現在の低金利環境下において比較的高水準と言えます。
  • 配当性向(会社予想): 28.6% [(72円 / 251.4円) * 100]。同社の配当性向履歴を見ると、2021年3月期以降は12%~26%台で推移しており、現在の28.6%は成長投資と株主還元をバランスさせた保守的な水準と考えられます。
  • 配当の継続性・増配傾向: 2024年3月期実績(60円)、2025年3月期予想(65円)、2026年3月期予想(72円)と、継続的に増配する傾向が見られます。
  • 自社株買いの実績と方針: 直近の決算短信では、当中間期に目立った自社株買いの記載はありません。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • PER、PBRともに業界平均と比較して割安水準にあり、大幅な株価上昇余地を示す理論株価水準。
  • 住宅関連商社として、木材市場最大手という強固な事業基盤と多角化された事業展開。
  • 増配傾向にあり、配当利回りも3.72%と魅力的な水準。

【強み】

  • 木材流通市場における最大手としての地位とネットワーク。
  • 建築資材販売から住宅建設・販売まで手掛ける幅広い事業ポートフォリオ。
  • 財務指標PER、PBRが業界平均と比較して割安である点。
  • 安定的な株主構成と経営陣による一定のインサイダー保有比率の高さ。

【弱み】

  • 営業利益率およびROE、ROAが業界平均やベンチマークと比較して低く、収益性に課題がある。
  • 営業キャッシュフローがマイナスであり、運転資本の増加による資金負担が大きい。
  • 有利子負債が増加傾向にあり、財務健全性の改善が必要。

【機会】

  • 住宅関連市場の回復や政府の住宅政策による需要増加。
  • 国産木材の利用促進、環境意識の高まりに伴うサステナブルな建築資材への需要増。
  • 老朽化マンションの建替需要やリノベーション市場の拡大。

【脅威】

  • 国内住宅着工数の低迷や少子高齢化による長期的な需要減少。
  • 原材料価格(特に木材)の高騰や供給不安定化。
  • 金利上昇による住宅ローン金利の上昇が、住宅販売にマイナス影響を与える可能性。

【注目すべき指標】

  • 営業利益率: 早期に3%以上への改善。
  • ROE: ベンチマーク10%以上への達成。
  • 営業キャッシュフロー: プラス転換し、フリーキャッシュフローの改善。
  • 通期営業利益進捗率: 下半期での巻き返しによる目標達成度合い。

10. 企業スコア

  • 成長性: B
    • 評価基準: 売上成長率 5-10%
    • 理由: 2026年3月期予想売上成長率は約7.05%であり、この基準に該当します。
  • 収益性: C
    • 評価基準: ROE 5-8% または 営業利益率 3-5%
    • 理由: 過去12ヶ月の実績ROEは6.01%(5-8%の範囲)ですが、営業利益率は1.33%(3%未満)であり、より低い方の基準で評価します。
  • 財務健全性: B
    • 評価基準: 自己資本比率 30-40%
    • 理由: 自己資本比率は32.9%であり、この基準に該当します。流動比率は1.38倍で150%以上ではないものの、30-40%の自己資本比率を満たします。
  • 株価バリュエーション: A
    • 評価基準: PER/PBR共に業界平均の80-90%(割安)
    • 理由: PER 7.67倍は業界平均10.1倍の約76%(80-90%未満)、PBR 0.40倍は業界平均0.7倍の約57%(80-90%未満)であり、大幅な割安感を示しているためA評価とします。

企業情報

銘柄コード 8089
企業名 ナイス
URL https://www.nice.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,935円
EPS(1株利益) 252.41円
年間配当 3.72円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 8.8倍 2,226円 3.0%
標準 0.0% 7.7倍 1,936円 0.2%
悲観 1.0% 6.5倍 1,730円 -2.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,935円

目標年率 理論株価 判定
15% 972円 △ 99%割高
10% 1,214円 △ 59%割高
5% 1,531円 △ 26%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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