以下は株式会社ピジョン(7956)の企業分析レポートです。
1. 企業概要
ピジョンは、育児用品の製造、販売、輸出入を日本国内外で展開する最大手企業です。主力製品は哺乳瓶、乳首、スキンケアなどの小物育児用品に加え、ベビーカー、マタニティ用品、女性向けケア用品、ホームヘルスケア製品、介護用品など多岐にわたります。また、子育て支援や介護サービスなども提供しています。
収益モデルは製品販売が主となるフロー型が中心ですが、保育事業はストック型と捉えることもできます。顧客層はB2Cがほとんどですが、一部B2B事業も展開しています。同社の強みは、創業以来培ってきた育児用品における高いブランド力と品質への信頼性、長年にわたる製品開発力にあります。特に中国市場では高いシェアを誇り、グローバルな事業展開を強みとしています。
2. 業界ポジション
ピジョンは国内の育児用品市場においてトップシェアを誇り、特に哺乳瓶などの小物製品に強みを持っています。海外では中国市場で高いシェアを確立しており、同社の成長ドライバーとなっています。
- 主要競合との差別化要因:
- 長年の実績と高いブランド信頼性、品質へのこだわり。
- 哺乳瓶からベビーカー、マタニティ、介護用品、保育事業まで幅広い製品・サービスラインナップ。
- グローバルな事業展開、特に中国市場での強力な存在感。
- 市場動向と企業の対応状況:
- 主要市場である日本や中国では少子化トレンドが続いていますが、中国では依然として数百万規模の出生数があり、市場としての規模は大きい状況です。
- 同社は、中国市場において高月齢・キッズ向け(エイジアップ)商品の強化を進めることで、新たな成長機会を捉えています。
- Eコマースとデジタルマーケティングの重要性が高まる中、同社もこれらのチャネル活用を強化しています。
- 【定量比較】業界平均との財務指標比較:
| 指標 | ピジョン (会社予想/実績) | 業界平均 | 相対評価 |
|---|---|---|---|
| PER(予想) | 23.07倍 | 14.5倍 | 割高 |
| PBR(実績) | 2.50倍 | 1.3倍 | 割高 |
| ROE(実績) | 10.55% | データなし | 良好 (ベンチマーク10%超) |
| 営業利益率(過去12か月) | 12.48% | データなし | 良好 |
- 【競合比較】: 競合企業に関する具体的なデータが提供されていないため、比較はできません。
3. 経営戦略
ピジョンは「第8次中期経営計画(2023~2025)」の最終年を迎えており、成長戦略の継続実行に注力しています。
- 経営陣のビジョンと中期経営計画:
- ブランド力強化、基幹商品の育成、地域戦略の推進を重点に置いています。
- 最終年度として、これまでの取り組みの成果創出と残された課題への対応を進めています。
- 重点投資分野と成長戦略:
- 新商品開発(保育園向け幼児食、育児家電など)による製品ポートフォリオの拡充。
- 中国市場での「エイジアップ」戦略(高月齢・キッズ向け商品)の推進。
- グローバルブランド「Lansinoh(ランシノ)」を通じた北米市場でのプレゼンス拡大。
- 最近の適時開示情報:
- 2025年12月期第3四半期決算短信において、製品自主回収関連費用として454百万円を特別損失に計上した一方で、受取損害賠償金361百万円を特別利益に計上しました。
- 通期業績予想は現時点では変更していません。
- これらが今後の業績に与える影響:
- 製品自主回収費用は一時的な要因ですが、品質問題への対応はブランドイメージに影響を与える可能性があります。
- 中国事業やランシノ事業の成長戦略が順調に進めば、今後の業績拡大に寄与するでしょう。米国相互関税や中国EC商戦の激化といったリスク要因への対応が課題となります。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 12.48%(指標として良好)
- ROE(実績): 10.55%(過去12か月は12.90%、第3四半期累計ベースでは約9.1%)
- ROA(実績): 8.34%(第3四半期累計ベースでは約6.7%)
- いずれの指標もベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を上回っており、良好な収益性を示しています。
- 【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 74.9%(第3四半期末は73.6%)
- 流動比率(直近四半期): 3.75倍 (375%)
- D/Eレシオ(負債/純資産): 約0.31倍
- 自己資本比率は高水準であり、流動比率も非常に高く、極めて健全な財務体質であることが示唆されます。有利子負債も少ないため、負債依存度は低いです。
- 【成長性(対前年比)】
- 売上高成長率:
- 2025年12月期 第3四半期累計: +5.9% (80,526百万円)
- 2025年12月期 通期予想: +5.3% (109,700百万円)
- 営業利益成長率:
- 2025年12月期 第3四半期累計: +18.2% (10,028百万円)
- 2025年12月期 通期予想: +6.3% (12,900百万円)
- 第3四半期累計では売上高、営業利益ともに前年同期比で増加しており、堅調な成長を示しています。特に営業利益の伸びが顕著です。
- 【キャッシュフロー】
- 決算短信において、四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないと注記されているため、詳細な数値分析はできません。
- ただし、現金及び預金は前期末比で約5,044百万円減少しています。
- FCF(フリーキャッシュフロー)の算出と評価: データなし
- 営業CF/純利益比率による利益の質評価: データなし
- 配当カバレッジ比率: データなし
- 【セグメント別分析(2025年12月期 第3四半期累計)】
| セグメント | 売上高(百万円) | 構成比 | 対前年増減率 | セグメント利益(百万円) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本事業 | 26,451 | 32.8% | +3.5% | 1,714 | 6.48% |
| 中国事業 | 30,454 | 37.8% | +11.5% | 8,076 | 26.52% |
| シンガポール事業 | 7,353 | 9.1% | +4.1% | 1,870 | 25.43% |
| ランシノ事業 | 16,266 | 20.2% | +4.4% | 1,012 | 6.22% |
- **成長ドライバー**: 中国事業が売上高・利益ともに最大の貢献をしており、高月齢・キッズ向け商品が成長を牽引しています。非常に高い利益率も特徴です。
- **課題セグメント**: ランシノ事業は北米での哺乳器・乳首の拡大が見られるものの、さく乳器の競争激化により一部カテゴリでの売上減少が課題となっています。日本事業も堅調ですが、育児家電の一部自主回収による影響がありました。
- 【四半期進捗(通期予想に対する進捗率)】
- 売上高: 73.4%
- 営業利益: 77.7%
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 83.8%
- 第3四半期累計時点での進捗率は、各項目で7割を超えており、通期予想達成に向けては順調なペースと評価できます。前年同期比での増収増益も良好です。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- 株価: 1,621.0円
- PER(会社予想): 23.07倍(業界平均14.5倍と比較して割高)
- PBR(実績): 2.50倍(業界平均1.3倍と比較して割高)
- EPS(会社予想): 70.22円
- BPS(実績): 646.86円
- 理論株価レンジ(参照):
- 業種平均PER基準: 1,142円
- 業種平均PBR基準: 841円
- 現在の株価は理論株価レンジと比較すると大幅に割高な水準にあります。
- 【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置関係: 現在株価1,621.0円は、52週高値1,909円、52週安値1,385円の約45.0%の位置にあり、安値圏寄りの水準です。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線(1,622.90円)を下回っています。
- 25日移動平均線(1,616.10円)をわずかに上回っています。
- 75日移動平均線(1,687.32円)を下回っています。
- 200日移動平均線(1,732.83円)を下回っています。
- 短期的には25日移動平均線を上回っていますが、中長期的には75日線、200日線を下回っており、下降トレンドが継続していると見られます。
- トレンドシグナル: 現時点では明確なゴールデンクロスやデッドクロスは確認できませんが、中長期移動平均線が上値抵抗線として機能している状況です。
- 【市場との比較】
- 日経平均との相対パフォーマンス:
- 1ヶ月: 株式+0.46% vs 日経+1.24% → 0.77%ポイント下回る
- 3ヶ月: 株式-5.97% vs 日経+11.68% → 17.66%ポイント下回る
- 6ヶ月: 株式-6.92% vs 日経+28.56% → 35.48%ポイント下回る
- 1年: 株式+10.57% vs 日経+30.53% → 19.96%ポイント下回る
- 1年を通して市場全体(日経平均)と比較して大きくアンダーパフォームしています。
6. リスク評価
- ベータ値による市場感応度: ベータ値は0.13(5年月次)と非常に低く、市場全体の変動に対する株価の感応度が低い、いわゆるディフェンシブ銘柄の特性を示しています。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 為替変動: 海外事業の比率が高いため、為替レートの変動が業績に影響を与えます。第3四半期では為替に関連するマイナス影響が見られました。
- 米国相互関税: 米国での関税政策の変更がコスト上昇につながる可能性があります。
- 中国EC商戦での競争激化: 中国市場の競争環境は厳しく、価格競争や販促費用の増加が利益を圧迫する可能性があります。
- 原材料・エネルギー価格: 原材料やエネルギー価格の高騰が製造コストに影響を与えるリスクがあります。
- 消費者行動の変化: 少子化の進行や消費者の価値観の変化に対応できない場合、市場シェアを失う可能性があります。
- 製品安全・品質問題: 製品の自主回収が発生しており、品質問題はブランドイメージ毀損や追加費用発生につながる可能性があります。
- 事業特有のリスク:
- 国内外の出生数減少トレンドは、育児用品事業の構造的な逆風となります。
- 海外でのビジネス展開は、各国の規制、政治・経済情勢、文化的な違いなど、カントリーリスクに晒されます。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残: 892,000株(前週比 -142,000株)
- 信用売残: 679,300株(前週比 +630,400株)
- 信用倍率: 1.31倍
- 信用売残が大きく増加し、信用買残が減少しているため、需給は引き締まり方向にあると考えられます。信用倍率は低い水準にあり、売り方の買い戻しが入る可能性もあります。
- 株主構成と大株主の動向:
- 大株主上位には日本マスタートラスト信託銀行(16.12%)、日本カストディ銀行(6.99%)などの信託銀行が名を連ねており、機関投資家の保有比率が高いことがうかがえます(機関投資家保有比率41.26%)。信託銀行は株価の安定化に寄与する安定株主と考えられます。
- ジャパン・アクティベーション・キャピタルI(3.50%)のような投資ファンドの動向は注目されます。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 経営陣の具体的な持株比率は開示されていませんが、インサイダー保有比率は5.24%です。大株主における信託銀行の比率から、比較的安定した株主構成であると推測されます。
8. 株主還元
- 配当利回りと配当性向:
- 配当利回り(会社予想): 4.69%(現在の株価水準で非常に高い利回り)
- 1株配当(会社予想): 76.00円
- 配当性向(会社予想): 108.2% (Yahoo Japanでは108.7%)
- 配当性向が100%を超過しており、利益以上に配当を支払う状況が続いています。これは、現行の配当水準を維持しつつ、利益成長が追いついていないことを示唆しています。
- 配当の継続性・増配傾向:
- 年間配当は2022年12月期から76円を維持しており、継続性は高いです。
- しかし、配当性向が近年100%超で推移しているため、今後EPSが伸び悩む場合は増配の余地が限られるか、配当政策の見直しが検討される可能性もあります。
- 自社株買いの実績と方針:
- 決算短信には自社株買いに関する明確な方針や実績の記載はありません。
- 自己株口保有株式が1,894,300株あります。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
- 中国市場を核としたグローバル成長性: 少子化トレンド下でも中国事業が売上・利益の最大ドライバーとして好調を維持し、高月齢向け製品で新たな成長領域を確立しつつあります。
- 極めて堅固な財務基盤: 自己資本比率73.6%、流動比率375%と非常に健全な財務体質であり、安定性に優れています。
- 高い配当利回りとディフェンシブ特性: 予想配当利回り4.69%は魅力的で、ベータ値0.13と市場感応度が低く、株式市場全体の変動リスクが低い傾向にあります。
- 【強み】
- 国内外での高いブランド認知度と市場競争力(特に中国)。
- 盤石な財務体質と豊富な現金創出力(四半期CF非開示だが現金預金残高は維持)。
- 育児用品から介護まで事業ポートフォリオが多角化されている点。
- 高い収益性指標(ROE、ROA、営業利益率)。
- 【弱み】
- 高度な配当性向(100%超)が継続しており、事業利益からの配当支払余力が低い状況。
- 業界平均と比較してPER、PBRが割高なバリュエーション。
- 国内市場における少子化という構造的な逆風。
- 【機会】
- 中国市場での高付加価値製品や「エイジアップ」戦略のさらなる進展。
- Eコマースやデジタルマーケティングの強化による販路拡大と効率化。
- マタニティ・介護・保育事業など隣接領域でのサービス拡充。
- 【脅威】
- 主要市場(日本、中国)における出生数の減少傾向の継続。
- グローバルサプライチェーンの混乱、原材料費高騰、為替変動、関税といったコスト上昇リスク。
- 新興ブランドや競合他社との価格競争激化。
- 製品品質問題や自主回収によるブランドイメージと収益への影響。
- 【注目すべき指標】
- 中国事業の売上高成長率とセグメント利益率の維持・向上。
- 全体としての営業利益率の12%台の安定的な維持。
- 配当性向の改善またはEPSの着実な成長による配当の持続可能性。
10. 企業スコア
- 成長性: B (売上成長率 5.30%は5-10%の範囲)
- 収益性: A (ROE 12.90% および 営業利益率 12.48% はROE10-15%または営業利益率10-15%に該当)
- 財務健全性: S (自己資本比率 74.9% (60%以上) かつ 流動比率 375% (200%以上) に該当)
- 株価バリュエーション: D (PER 159%、PBR 192% と業界平均の130%以上)
企業情報
| 銘柄コード | 7956 |
| 企業名 | ピジョン |
| URL | http://www.pigeon.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,621円 |
| EPS(1株利益) | 70.22円 |
| 年間配当 | 4.69円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.7% | 25.1倍 | 2,323円 | 7.7% |
| 標準 | 4.4% | 21.8倍 | 1,897円 | 3.5% |
| 悲観 | 2.6% | 18.5倍 | 1,481円 | -1.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,621円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 956円 | △ 69%割高 |
| 10% | 1,195円 | △ 36%割高 |
| 5% | 1,507円 | △ 8%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
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