以下、石原ケミカル(証券コード: 4462)の企業分析レポートです。
1. 企業概要
石原ケミカルは、はんだメッキ薬を主力とする金属表面処理剤の研究開発型メーカーです。先端電子部品向けに強みを持ち、台湾をはじめとする国際市場にも展開しています。電子材料、自動車用化学製品、工業薬品など多岐にわたる事業を手掛けています。
同社の主力製品・サービスは、コンピューター、モバイル機器、デジタル家電などに使用される電子部品向けの金属表面処理剤、コンデンサ電極用ニッケル粉末や半導体・LCD製造装置向けセラミックスなどの電子材料です。また、自動車用洗車剤やメンテナンスケミカルを「ユニコン」ブランドで提供し、消費者市場にも展開しています。
収益モデルは主にB2Bであり、高機能な化学製品や材料の提供を通じて顧客の生産活動を支えています。自動制御装置や継続的な薬品供給には一部ストック型の要素も含まれますが、基本的にはフロー型のビジネスが中心です。長年にわたる研究開発で培われた専門技術と独自のノウハウが、高い参入障壁を形成していると考えられます。
2. 業界ポジション
石原ケミカルは「はんだメッキ薬大手」と称され、特定のニッチ市場で高い技術力と市場地位を確立していると推測されます。主要競合データは提供されていませんが、同社の差別化要因は、研究開発型メーカーとしての技術優位性、金属表面処理剤に加え、電子材料、自動車用化学製品、工業薬品と多角的な事業ポートフォリオを持つ点、および台湾を含め海外展開を進めている点にあります。
市場動向としては、半導体市況の回復により電子材料セグメントは好調ですが、車載・PC・スマホ向けの生産調整や鉄鋼需要の低下が、金属表面処理剤や工業薬品セグメントの業績に影響を与えています。自動車用化学製品は、カーディーラーとの連携強化により拡販し、増収増益を達成しています。
【定量比較】
同社のPER(会社予想)は12.51倍であり、業界平均PERの20.4倍と比較すると割安な水準にあります。一方、PBR(実績)は1.38倍であり、業界平均PBRの1.1倍と比較するとやや割高です。財務指標では、ROE(実績)10.95%、営業利益率(過去12か月)16.84%、自己資本比率(実績)81.1%と、業界内で見ても高い収益性と非常に強固な財務健全性を示しており、一般的に良好な水準と評価されます。
3. 経営戦略
経営陣は中期経営計画の具体的な数値目標は開示していませんが、高付加価値製品の開発と海外営業の拡大を継続的な成長戦略として掲げています。海外売上比率が43%であることからも、グローバル展開を重視している姿勢が窺えます。
重点投資分野としては、研究開発型企業として先端技術を追求し、高付加価値製品の創出に注力していると見られます。特に、半導体市場の回復を背景とした電子材料セグメントや、拡販が奏功している自動車用化学製品セグメントが今後の成長ドライバーとなるでしょう。
直近の適時開示情報(2026年3月期第2四半期決算短信)では、特別利益として投資有価証券売却益104百万円を計上しましたが、これは一時的な要因です。主業績面では、金属表面処理剤の需要調整や大型案件不足が課題ですが、電子材料や自動車用化学製品の堅調さが業績を下支えしています。
4. 財務分析
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 16.84% (ベンチマーク15%を上回り高水準)
- ROE(実績、2025年3月期): 10.95% (ベンチマーク10%を上回り良好)
- ROA(過去12か月): 7.20% (ベンチマーク5%を上回り良好)
- 2026年3月期中間期の営業利益率は14.2%で、これも良好な水準です。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 81.1% (非常に高く、中間期には81.8%に上昇しており極めて安定)
- 流動比率(直近四半期): 408% (非常に高く、流動資産が流動負債を大幅に上回るため短期的な支払い能力は極めて高い)
- D/Eレシオ(負債合計/純資産、中間期概算): 約0.22 (22.3%) (非常に低く、負債依存度が低い健全な財務体質)
【成長性】
- 売上高成長率: 2026年3月期通期予想は24,500百万円で、2025年3月期予想23,630百万円に対し+3.7%の成長を計画。
- 直近四半期の売上高成長率(前年比)は-0.50%ですが、中間期累計では売上高△3.7%減収となっています。
- 利益成長率: 2026年3月期通期予想の親会社株主に帰属する当期純利益は2,550百万円で、2025年3月期予想2,465百万円に対し+3.4%の成長を計画。
- 直近四半期の四半期ベースの利益成長率(前年比)は+24.40%と高成長ですが、中間純利益では△1.4%減益です。通期予想では増収増益を見込んでいます。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 3,150百万円
- フリーキャッシュフロー(過去12か月、Levered FCF): 1,620百万円
- 営業CF/純利益比率: 1.29 (純利益を営業CFが大幅に上回っており、利益の質は非常に優良)
- 配当カバレッジ比率(営業CF/配当支払額): 約4.72倍 (非常に高く、株主還元余力は十分)
- 決算短信には営業CF、投資CF、財務CFの個別詳細な数値は記載されていませんが、現金及び預金残高は前期末の6,531百万円から中間期末には7,744百万円と1,213百万円増加しており、キャッシュ創出力の高さを示しています。
【セグメント別分析】
- 金属表面処理剤及び機器等: 売上構成比53.1%と主力ですが、中間期売上高は前年同期比△7.3%、セグメント利益は△11.4%と減収減益。車載・PC・スマホ向け低迷や大型装置の大口需要不足が響いています。
- 電子材料: 売上構成比3.9%と小さいながら、半導体市況回復の恩恵を受け、中間期売上高は+12.2%、セグメント利益は+33.4%と高成長。セグメント利益率は3.6%と他と比較し低い水準です。
- 自動車用化学製品等: 売上構成比17.8%。カーディーラーへの拡販が奏功し、中間期売上高は+6.8%、セグメント利益は+8.4%と堅調に推移。セグメント利益率は24.7%と最も高い収益性を示しています。
- 工業薬品: 売上構成比25.2%。鉄鋼需要の低下や触媒交換サイクルの影響で、中間期売上高は△4.5%、セグメント利益は△11.5%と減収減益。セグメント利益率は3.9%です。
- 成長ドライバーは電子材料と自動車用化学製品、課題セグメントは金属表面処理剤と工業薬品です。
【四半期進捗】
2026年3月期通期予想に対する中間期(第2四半期)の進捗率は以下の通りです。
- 売上高: 47.3%
- 営業利益: 46.9%
- 親会社株主に帰属する中間純利益: 49.8%
通期予想に対しておおむね均等な進捗であり、現時点では通期予想達成の見通しに大きな変更はないと判断されます。
5. 株価分析
【現在の水準】
- 現在株価は2,337.0円です。
- PER(会社予想): 12.51倍
- PBR(実績): 1.38倍
- 業界平均PERが20.4倍であるため、PERベースでは業界平均よりも割安と評価できます。
- 業界平均PBRが1.1倍であるため、PBRベースでは業界平均よりもやや割高と評価できます。
- EPS(会社予想)186.67円に基づく業種平均PER基準の目標株価は3,808円、BPS(実績)1,690.67円に基づく業種平均PBR基準の目標株価は1,860円となります。
【テクニカル】
- 現在株価2,337.0円は、52週高値2,454円に近く、52週レンジ内位置は79.4%と高値圏にあります。
- 株価は5日移動平均線(2,284.60円)、25日移動平均線(2,212.52円)、75日移動平均線(2,124.53円)、200日移動平均線(2,040.07円)の全てを上回っています。これは、短期から長期にわたる強い上昇トレンドを示唆しています。全ての移動平均線が上向きで、短期線が長期線を上回るゴールデンクロスが発生している(または発生済み)状況です。
【市場との比較】
- 過去1ヶ月および3ヶ月では、日経平均およびTOPIXといった市場平均指数を上回るパフォーマンスを示しており、短期的には好調です。
- しかし、過去6ヶ月および1年では、日経平均を大幅に下回るパフォーマンスとなっており、中長期的には市場平均に対して劣後しています。
6. リスク評価
- 市場感応度: ベータ値は0.35であり、市場全体の値動きに対する感応度が低い(ディフェンシブな)特性を持っていることを示します。
- 事業特有のリスク要因:
- 景気変動: 主要顧客である電子部品、自動車、鉄鋼業界の景気変動や生産調整は、金属表面処理剤や工業薬品セグメントの業績に直接的な影響を与えます。特に大型装置の大口案件の動向が重要です。
- 為替変動: 海外売上比率が43%と高いため、為替レートの変動は連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料価格変動: 化学製品メーカーとして、原材料価格の変動は製造コストに直結し、収益性を圧迫するリスクがあります。
- 技術陳腐化: 研究開発型企業であるため、常に最先端技術への対応と新製品開発が求められます。技術革新の遅れは競争力低下につながる可能性があります。
- 通商政策: 米国等の通商政策の変更は、国際的な事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
- 株価位置: 現在の株価は52週レンジの高値圏(79.4%)に位置しており、短期的な下落リスクには注意が必要です。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況: 信用買残は11,000株(前週比+300株)、信用売残は5,900株(前週比-100株)で、信用倍率は1.86倍です。信用倍率が2倍を下回っているため、需給は比較的引き締まっている状態と言えます。
- 株主構成: 大株主には自社(自己株口)9.82%、自社取引先持株会7.7%、日本カストディ銀行(信託口)5.54%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)5.15%、日本生命保険5%などが含まれ、安定株主が多数を占めています。
- 経営陣の持株比率: インサイダー保有比率は13.86%であり、経営陣が一定の株式を保有することで、経営の安定性や株主との利害一致があると評価できます。
8. 株主還元
- 配当利回り・配当性向: 会社予想の年間配当は44.00円で、現在の株価に基づく配当利回りは1.88%です。配当性向(会社予想)は23.43%と、業績に合った適切な水準であり、成長投資と株主還元のバランスが取れていると言えます。
- 配当の継続性・増配傾向: 2022年3月期から2026年3月期(予想)まで4期連続で増配予想を示しており、積極的な株主還元姿勢が明確です。
- 自社株買い: 直近の決算短信に自社株買いに関する具体的な記載はありませんが、大株主の中に「自社(自己株口)」が含まれていることから、過去に自社株買いを実施した実績があると考えられます。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 高い財務健全性: 自己資本比率81.8%、流動比率408%、営業CF/純利益比率1.29と、非常に安定した財務基盤とキャッシュ創出力。
- 安定的な株主還元: 4期連続の増配予想を示し、配当性向も適正水準で、株主への還元意識が高い。
- 事業ポートフォリオのバランス: 電子材料や自動車用化学製品の成長セグメントが、主力セグメントの需要変動リスクを補完し、企業全体の安定性を担保。
【強み】
- 強固な財務体質と豊富な手元流動性。
- はんだメッキ薬など特殊化学品における高い技術力と研究開発力。
- 多様な事業セグメント(電子材料、自動車用化学製品等)によるリスク分散と成長機会。
【弱み】
- 主力である金属表面処理剤および工業薬品セグメントの業績が景気変動に左右されやすい。
- 一時的な特別利益(投資有価証券売却益)が収益の一部を押し上げており、本業の利益成長が鈍化する可能性。
- 中長期的な株価パフォーマンスが市場平均に劣後している現状。
【機会】
- グローバル半導体市場の継続的な拡大による電子材料セグメントのさらなる成長。
- 自動車業界の電動化や高機能化に伴う自動車用化学製品の新たな需要創出。
- 海外市場、特にアジア地域での事業拡大。
【脅威】
- 世界経済の不確実性増大と主要顧客業界の生産活動の停滞。
- 原材料価格の高騰や為替レートの不利な変動による収益性悪化。
- 化学品市場における競争激化と技術革新への継続的な対応圧力。
【注目すべき指標】
- 金属表面処理剤及び機器等セグメントの売上高成長率と利益率の改善状況。
- 電子材料および自動車用化学製品セグメントの売上高成長率の持続性。
- 通期配当予想の維持または上方修正の有無。
10. 企業スコア
- 成長性: C (2026年3月期通期売上高予想成長率+3.7%であり、中間期実績は減収。売上成長率0-5%の範囲)
- 収益性: A (ROE 10.95% (10-15%)、営業利益率 16.84% (15%以上) の両方を満たし、特に営業利益率が高い)
- 財務健全性: S (自己資本比率 81.1% (60%以上) かつ 流動比率 408% (200%以上) と極めて高い水準)
- 株価バリュエーション: B (PERは業界平均の約61%とS評価だが、PBRは業界平均の約125%とC評価。共に一致しないため適正水準に近いB評価とする)
企業情報
| 銘柄コード | 4462 |
| 企業名 | 石原ケミカル |
| URL | http://www.unicon.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,337円 |
| EPS(1株利益) | 186.67円 |
| 年間配当 | 1.88円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 16.9% | 14.4倍 | 5,870円 | 20.3% |
| 標準 | 13.0% | 12.5倍 | 4,307円 | 13.1% |
| 悲観 | 7.8% | 10.6倍 | 2,892円 | 4.4% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,337円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,148円 | △ 9%割高 |
| 10% | 2,683円 | ○ 13%割安 |
| 5% | 3,385円 | ○ 31%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
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