1. 企業概要

ダイワ通信は、セキュリティ事業とモバイル事業を二本柱とする企業です。防犯・監視カメラ、AIロボット、入退室管理システムなどの企画・販売・施工・保守を行うセキュリティソリューションと、モバイル通信機器・周辺機器の販売、料金プラン提案、光回線やコンテンツ、決済サービスなどを手掛けるモバイルサービスを提供しています。
主力製品・サービスは、高度なAI技術を搭載した防犯・監視カメラシステムやAI顔認証温度検知システムなど、時代のニーズに合わせたセキュリティ製品と、携帯端末販売から多角的な通信関連サービスです。
収益モデルは、セキュリティ事業での機器販売やソリューション提供、保守サービスがフロー型とストック型を組み合わせた形態で、主にB2Bが中心です。モバイル事業は端末販売がフロー型ですが、光回線やコンテンツ、決済サービスは月額課金型に近いストック型収益構造を含み、主にB2Cを対象としています。技術的独自性としては、AIを活用した先端セキュリティソリューションを提供している点、参入障壁としては大手事務機器メーカーや警備会社との連携による販売チャネルの確立が挙げられます。

2. 業界ポジション

ダイワ通信は「商社・卸売」業種に属し、特にセキュリティサービスとモバイル通信関連の販売・ソリューション提供を行っています。
具体的な市場シェアのデータは開示されていませんが、決算短信からは「防犯意識の高まりで防犯セキュリティ市場は高需要」「携帯端末市場は端末価格上昇の中で乗換促進キャンペーンが活発」という市場動向に対し、両事業で増収・増益を達成しており、市場の需要を捉えている状況が伺えます。
競合に対する強みとしては、AI技術を活用した高付加価値なセキュリティ製品の提供と、モバイル事業における収益多様化戦略が挙げられます。一方、大規模な設備投資に伴う資金調達の負担は弱みとなる可能性があります。

【定量比較】業界平均との財務指標比較

指標 ダイワ通信(株) 業界平均(卸売業) 評価
PER(会社予想) 17.99倍 10.1倍 割高
PBR(実績) 1.38倍 0.7倍 割高
ROE(実績) -6.88% データなし 低い

ダイワ通信のPERおよびPBRは、業界平均と比較して割高な水準にあります。これは市場が将来の成長性を現在価値に織り込んでいる可能性も示唆されますが、現状の財務指標からはその妥当性を判断しにくい結果となっています。ROEはマイナスであり、収益性の課題を示唆しています。

【同一業種区分企業比較】

同一業種区分企業として提供された「岩谷産業(8088)」との比較です。

企業名 時価総額(百万円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ダイワ通信 3,167 17.99 1.38 -6.88 1.28
岩谷産業 394,471 7.94 0.97 10.81 2.79

岩谷産業と比較すると、ダイワ通信はPER、PBRともに高水準にあり、一方でROEはマイナスと収益性に課題を抱えています。時価総額も大きく異なり、企業規模や事業内容の多様性にも違いがあるため、単純な比較は難しい点に留意が必要です。

3. 経営戦略

経営陣は「Safe City」の実現をビジョンに掲げ、人財育成や収益多様化を中期経営計画の柱としています。重点投資分野として、固定資産(建設仮勘定)の大幅増を伴う新規設備・建物への積極的な投資を進めています。
最近の適時開示情報としては、2025年11月14日に2026年3月期通期業績予想の修正および中間配当の無配への修正を発表しています。これらの修正は、業績予想の上方修正を伴うものであり、中間決算における利益進捗が通期予想を上回るペースで推移していることを示しています。しかし、大規模投資に伴うキャッシュ流出と短期借入の増加は、今後の資金繰りや投資回収の成否が業績に大きく影響する可能性があります。

4. 財務分析

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月):8.96%(ベンチマーク: 営業利益率 5-10%でB評価)
  • ROE(過去12か月):-4.89%(ベンチマーク: ROE 5%未満でD評価)
  • ROA(過去12か月):6.78%(ベンチマーク: ROA 5%以上で良好)

決算短信の中間純利益を年率換算するとROEは約11.6%となり、中期的な収益性改善期待はありますが、直近の実績ROEはマイナスであり、引き続き注視が必要です。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績):42.6%(ベンチマーク: 自己資本比率 40-60%でA評価)
  • 流動比率(直近四半期):0.66倍(66.2%)(ベンチマーク: 流動比率 100%未満は流動性指標として注意)
  • D/Eレシオ(直近四半期):117.90%

自己資本比率は安定水準を保っていますが、流動比率が1倍を下回っており、短期的な資金繰りには注意が必要です。大規模投資に伴う短期借入の急増も確認されており、財務レバレッジは高まる傾向にあります。有利子負債は概算で約2,534百万円、ネット負債は約2,133百万円です。

【成長性】

  • 売上高成長率(前年比、直近四半期):11.30%
  • 過去数年の売上高は47億円〜54億円程度で推移しています。2025年3月期に純利益はマイナスに転じましたが、2026年3月期の会社予想では黒字転換を見込んでいます。売上は堅調な伸びを見せる一方で、利益は投資の影響などにより変動しています。

【キャッシュフロー】

  • 営業活動によるキャッシュフロー(中間):△297百万円(前年同期は+163百万円)
  • 投資活動によるキャッシュフロー(中間):△932百万円(主に固定資産取得1,035.9百万円)
  • 財務活動によるキャッシュフロー(中間):+951百万円(主に短期借入純増1,096百万円)
  • フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF):約△1,229百万円
  • 営業CF/純利益比率:営業CF△297百万円 ÷ 中間税引前利益214百万円 = △1.39(目安1.0以上が健全 → 目標未達)

営業キャッシュフローがマイナスに転じ、大規模な設備投資によりフリーキャッシュフローは大幅なマイナスとなっています。これを短期借入で賄っている状況であり、資金繰りへの影響が懸念されます。

【セグメント別分析】

  • セキュリティ事業:
    • 売上構成比:約52.2%(中間)
    • 売上高:1,359.8百万円(前年同期比+3.2%)
    • セグメント利益:242.5百万円(前年同期比+32.9%)
    • 成長ドライバー:大手メーカー・警備会社との連携を強化し、カメラ販売とソリューション提供を推進しています。
  • モバイル事業:
    • 売上構成比:約47.5%(中間)
    • 売上高:1,235.9百万円(前年同期比+15.2%)
    • セグメント利益:136.5百万円(前年同期比+20.9%)
    • 成長ドライバー:販促強化と乗換キャンペーンを活用し、通信以外の収益(光回線、コンテンツ、決済サービス)への多角化を図っています。

両セグメントともに売上・利益ともに成長しており、事業戦略が奏功していることが伺えます。

【四半期進捗】

2026年3月期の中間実績は、会社が修正した通期予想に対して営業利益進捗率72.9%、純利益進捗率75.3%と、利益面で非常に高い進捗率を示しています。売上高進捗率も48.3%と概ね計画通りであり、中間期までの業績は好調に推移しています。

5. 株価分析

【現在の水準】

  • PER(会社予想):17.99倍
  • PBR(実績):1.38倍
  • 業界平均PER: 10.1倍、業界平均PBR: 0.7倍と比較すると、ダイワ通信の株価は割高な水準にあります。
  • EPS(会社予想):65.02円、BPS(実績):846.34円。これらの数値から過去の業界平均PER/PBRを適用した理論株価レンジは、PER基準で約657円(65.02円 × 10.1倍)、PBR基準で約592円(846.34円 × 0.7倍)となり、現在の株価1170.0円と比較すると、大幅な乖離が見られます。

【テクニカル】

  • 52週高値:1,236円、安値:741円。現在の株価1,170.0円は52週レンジの86.7%位置にあり、高値圏で推移しています。
  • 移動平均線との位置関係:
    • 5日移動平均線:1,170.60円(現在株価は下回り 0.05%)
    • 25日移動平均線:908.76円(現在株価は上回り 28.75%)
    • 75日移動平均線:889.95円(現在株価は上回り 31.47%)
    • 200日移動平均線:872.07円(現在株価は上回り 34.16%)

短期的には5日移動平均線をわずかに下回っていますが、25日、75日、200日の各移動平均線を大きく上回っており、中長期的な上昇トレンドを示唆しています。現時点でのゴールデンクロスやデッドクロスに関する明確なシグナルは提供データからは特定できませんが、過去数か月の株価推移は上昇基調にあります。

【市場との比較】

  • 直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月では、日経平均およびTOPIXといった主要市場指数を大幅にアウトパフォームしています。
  • しかし、直近1年間では、日経平均を30.96%ポイント、TOPIXをデータなしポイント下回るパフォーマンスとなっています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度: β値は-0.61と算出されており、市場全体と逆相関の動きをする可能性を示しています。ただし、通常このような低いベータ値は稀であり、データ解釈には注意が必要です。この指標が市場全体のリスクに対して企業の株価が反応しにくい、あるいは逆行する性質を持つと解釈することもできます。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 大規模投資に伴う短期借入依存度の上昇。
    • 投資回収の遅延または想定を下回るリターン。
    • 消費者の端末需要や通信契約の変化。
    • 原材料・部材価格や外部環境(為替、エネルギー価格)の変動。
  • 事業特有のリスク:
    • セキュリティ事業におけるAI技術の急速な進化による旧製品の陳腐化リスク。
    • モバイル事業における大手キャリアの価格競争激化や政策変更、販売奨励金の見直しリスク。
  • 52週レンジにおける現在位置: 現在株価は52週レンジの86.7%に位置しており、高値圏にあります。これは、短期的な調整や下落圧力が生じる可能性があることを示唆しています。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況: 信用買残は92,200株と多く、信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。信用買残が多い状況は、株価が上昇した際に将来的な売り圧力となる可能性があります。
  • 株主構成と大株主の動向: 大株主はIWAMOTOアセットマネジメント(株)が49.87%、岩本秀成氏が17.19%を保有しており、特定の株主に株式が集中している構造です。このことは経営の安定性やM&Aに対する防衛策となり得る一方、市場流通量の少なさや一部株主の意向が株価に大きく影響する可能性も持ちます。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 代表取締役社長の隈田佳孝氏が0.98%を保有しています。大株主の顔ぶれから、安定した株主構成であると推測されます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): データなし。(Forward Annual Dividend Yield: 1.28%、Trailing Annual Dividend Yield: 0.85%)
  • 1株配当(会社予想): データなし。(Forward Annual Dividend Rate: 15円、Trailing Annual Dividend Rate: 10円)
  • 配当性向: Payout Ratio (4) は16.18%ですが、2025年3月期はEPSがマイナスであったため配当性向もマイナスです。
  • 配当の継続性・増配傾向: 2026年3月期の中間配当は無配に修正されており、通期の配当予想も未定となっています。これは積極的な設備投資に伴う資金留保の意図があると推測されますが、配当の継続性や増配傾向には不透明感が伴います。
  • 自社株買いの実績と方針: データが提供されていません。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • セキュリティ市場の成長性:防犯意識の高まりと共に、AI関連技術を搭載したセキュリティソリューションの需要増加が期待されます。
  • 中間期利益の高い進捗率:修正後の通期予想に対して利益面で良好な進捗を見せており、本業の収益性が改善している可能性があります。
  • 経営陣による明確な成長戦略と積極的な投資:中期計画に基づいた設備投資は、将来の収益基盤強化に繋がる可能性があります。

【強み】

  • セキュリティ事業とモバイル事業の二本柱による事業の多角化。
  • AI技術を活用した高付加価値ソリューションの提供能力。
  • 大手メーカー・警備会社との連携による安定的な販売チャネル。

【弱み】

  • 大規模投資に伴うキャッシュフローの悪化と短期借入の増加による財務負担。
  • 流動比率が低い水準にあり、短期的な資金繰りの懸念。
  • 直近のROEがマイナスであり、収益性の不安定さ。

【機会】

  • 防犯・監視カメラ市場のさらなる拡大と技術革新への対応。
  • モバイル事業における非通信分野(光回線、コンテンツ、決済)での収益多様化と顧客基盤の拡大。
  • 働き方改革やリモートワーク普及に伴う新たなセキュリティニーズの創出。

【脅威】

  • 設備投資の回収遅延や想定を下回る投資効果。
  • 金利上昇局面における短期借入の利払い負担増加。
  • 競合の激化による価格競争や技術競争。
  • 経済環境の変化や消費者の購買活動への影響。

【注目すべき指標】

  • 営業キャッシュフローの黒字転換と安定化。
  • 流動比率の改善、特に流動資産増加と短期借入の削減。
  • 設備投資による売上・利益貢献度合い(ROI)。
  • 通期純利益の黒字化およびROEの改善状況。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    • 理由: 会社の通期予想における売上成長率が+2.7%と、5%未満であったため。
  • 収益性: C
    • 理由: ROE(実績)が-6.88%であり5%未満である一方、営業利益率(過去12か月)が8.96%で5-10%の範囲にあり、DとBが混在するためC評価とします。
  • 財務健全性: C
    • 理由: 自己資本比率42.6%はA評価ですが、流動比率66.2%は100%未満であり流動性リスクを示唆し、財務活動CFが短期借入増で補填されている状況を考慮すると、C評価とします。
  • 株価バリュエーション: D
    • 理由: PER(17.99倍)とPBR(1.38倍)がともに業界平均(PER 10.1倍、PBR 0.7倍)を大きく上回っており、割高な水準であるため。

企業情報

銘柄コード 7116
企業名 ダイワ通信
URL https://daiwawa.com/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,170円
EPS(1株利益) 65.02円
年間配当 15.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 19.3倍 1,257円 2.6%
標準 0.0% 16.8倍 1,093円 -0.0%
悲観 1.0% 14.3倍 976円 -2.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,170円

目標年率 理論株価 判定
15% 581円 △ 102%割高
10% 725円 △ 61%割高
5% 915円 △ 28%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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