1. 企業概要

ムロコーポレーションは、栃木県宇都宮市に本社を置く独立系精密プレスメーカーです。自動車用駆動部品を主力事業とし、車両、自動車、電動自転車、レクリエーション車両、産業エンジンなどの幅広い分野に金属および樹脂関連部品を提供しています。
主力製品・サービスの最大の特徴は、金型設計からプレス加工まで一貫生産体制を持つことで、ニッチで超精密な加工技術に強みを持っています。これにより、高品質かつ複雑な形状の部品提供を可能にしています。収益モデルは主にB2Bのフロー型ですが、大手自動車メーカーとの長期的な取引関係を通じて安定的な受注基盤を構築しています。技術的独自性としては、培われてきた精密プレス加工技術と一貫生産体制が挙げられ、これが高い品質と顧客の信頼に繋がり、新規参入障壁の一助となっています。

2. 業界ポジション

ムロコーポレーションは、輸送用機器業界に属する独立系精密プレス部品メーカーとして位置しています。特定のニッチな超精密加工部品領域において強みを持っており、高い技術力を背景に自動車メーカーとの連携を深めています。具体的な市場シェアのデータはありませんが、その技術的特徴から特定のセグメントで競争優位を築いていると推測されます。
市場動向としては、世界的な地政学リスクや米国の関税政策、自動車市場の地域差(中国・東南アジアでの販売減速等)が指摘されており、企業もこれらの影響を受けています。しかし、直近では国内中心の販売回復により、金属関連部品事業の売上高が増加するなど、一定の対応が見られます。
競合に対する相対的な強みとしては、前述の一貫生産体制と精密加工技術が挙げられますが、弱みとしては海外市場、特に米国における政策変動や市場の動向に業績が左右されるリスクがあります。
【定量比較】業界平均との財務指標比較 (2026年1月10日時点)

指標 ムロコーポレーション 業界平均(輸送用機器) 評価
PER(会社予想) 25.08倍 7.3倍 割高
PBR(実績) 0.40倍 0.5倍 割安
ROE(実績) 0.93% データなし やや低い
営業利益率(連結) 5.70% データなし 平均水準

PERの水準は業界平均と比較して割高ですが、PBRは割安な水準にあります。収益性を示すROEは低水準ですが、営業利益率は直近中間期で改善傾向にあります。

3. 経営戦略

ムロコーポレーションの経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な詳細はデータからは確認できませんが、事業内容からは「ニッチ・超精密加工」と「金型から一貫生産」を強みとしていることから、技術力の継続的な向上と顧客ニーズへの対応を重視していると考えられます。
重点投資分野としては、直近中間期においても有形固定資産の取得に498.5百万円を支出しており、生産能力や技術基盤の維持・強化に継続的に投資していることが伺えます。また、連続ねじ締め機や柑橘類皮むき機といった新規事業製品の開発も行っており、事業の多角化を通じた成長戦略も図っていると推測されます。
最近の適時開示情報からは、2025年11月14日に発表された2026年3月期第2四半期決算短信において、米国子会社に係る補助金再調査に伴う補助金返還損(163.9百万円)および損害賠償引当金繰入(289.0百万円)等、合計約452百万円の特別的・営業外費用の計上が開示されました。これは一時的な要因であり、中間期の営業利益が前年同期比で50.9%増と好調に推移した一方で、経常利益と純利益を大幅に押し下げました。
これらの情報が今後の業績に与える影響として、基礎事業である金属関連部品は国内需要の堅調さにより営業面では回復基調にありますが、米国子会社関連の一時的な費用計上が当面の間、純利益の重石となる可能性があります。この一時費用が単発で終わるのか、あるいは継続的なリスクとなるのかは、今後の動向を注視する必要があります。会社は通期予想を11月13日に修正済みで、本短信時点での追加修正はありません。

4. 財務分析

【収益性】

  • 営業利益率(直近中間期): 5.7% (通期予想は3.34%)。ベンチマークである営業利益率10%には届かないものの、前年中間期実績(431百万円)からの改善(650百万円)が見られます。
  • ROE(過去12ヶ月実績): 0.93%。ベンチマークであるROE10%を大きく下回っており、資本効率には改善の余地があります。
  • ROA(過去12ヶ月実績): 1.99%。ベンチマークであるROA5%を下回っており、総資産の活用効率も低い水準にあります。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 72.4%。非常に高い水準を維持しており、財務基盤は極めて安定しています。
  • 流動比率(直近四半期): 232%。ベンチマークである200%を上回っており、短期的な支払い能力は良好です。
  • D/Eレシオ(直近四半期): 9.02%。負債比率が低く、有利子負債への依存度が低い健全な財務状況を示しています。

【成長性】

  • 売上高成長率(過去実績):
    • 2022年3月期: +7.2%
    • 2023年3月期: +6.4%
    • 2024年3月期: +8.3%
    • 2025年3月期: -4.5% (予想)
    • 2026年3月期: +2.1% (予想)
    • 直近12ヶ月 vs 前期売上高: -0.10% (前年同期比)

概ね緩やかな成長を続けてきましたが、2025年3月期は減少後、2026年3月期は回復基調となる見込みです。

  • 利益成長率(過去実績):
    • 営業利益は2023年3月期に一時的な落ち込みがあったものの、2024年3月期は大きく回復。2025年3月期は再び減少予想ですが、2026年3月期は+41.6%の増益予想です。中間期時点では営業利益が前年同期比+50.9%と好進捗を見せています。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(中間期): +1,087百万円(前年中間は▲825百万円)。大幅な改善を見せ、本業でキャッシュを創出しています。
  • 投資CF(中間期): ▲325百万円(有形固定資産取得支出約▲498百万円等)。設備投資を継続的に行っています。
  • 財務CF(中間期): ▲554百万円(長期借入金返済385、配当支払138等)。借入金返済と配当支払により、キャッシュが流出しています。
  • FCF(フリーキャッシュフロー):
    • 中間期: 営業CF 1,087百万円 – 投資CF 325百万円 = +762百万円。
    • 過去12ヶ月: +1.46B (データ提供値)。
      いずれもプラスであり、事業活動で資金を効率的に生み出していると評価できます。
  • 営業CF/純利益比率: 12.63倍(過去12ヶ月)。1.0以上が健全とされる中、大幅に上回っており、利益の質は非常に優れていると評価されます。
  • 配当カバレッジ比率: 営業CF(過去12ヶ月 2,590百万円) / 配当支払額(Payout Ratio 135.49%より、年間配当46円 * 6,042,000株 = 約278百万円)= 約9.3倍。配当支払額に対し営業CFが十分にあり、配当余力は高いです。

【セグメント別分析】 (中間期)

  • 金属関連部品事業: 売上高10,109百万円(+2.9%)、セグメント利益1,089.7百万円。売上の約88%を占める主力事業であり、堅調な国内需要に支えられ、収益改善に貢献しています。成長ドライバーです。
  • 樹脂関連部品事業: 売上高740百万円(+4.3%)、セグメント損失25.4百万円。前年中間期の損失98.3百万円から縮小しましたが、依然として損失を計上しており、課題セグメントです。
  • その他事業: 売上高590百万円(△18.7%)、セグメント損失1.7百万円。新規事業などが含まれますが、売上は減少しており、現状は成長への寄与は小さいです。
  • 地域別売上(中間期): 日本8,782百万円(増加)、北米1,796百万円(減少)、東南アジア715百万円(増加)。北米の売上減少は、米国子会社に関連する特別損失との関連性が示唆されます。

【四半期進捗】

2026年3月期通期予想に対する中間期の進捗率は以下の通りです。

  • 売上高:約49.6% (11,439百万円 / 23,066百万円) → 概ね順調
  • 営業利益:約60.8% (650百万円 / 1,068百万円) → 好進捗
  • 経常利益:約35.2% (285百万円 / 812百万円) → 低め(特別損失の影響)
  • 純利益:約20.0% (69百万円 / 345百万円) → 大きく遅れ(特別損失の影響)

営業面は堅調に推移していますが、米国子会社に係る一時費用が経常利益と純利益の進捗を大きく阻害しています。この要因を除いた純粋な事業活動としては順調であるとの評価が可能です。

5. 株価分析

【現在の水準】 (2026年1月10日時点)

  • PER(会社予想): 25.08倍。業界平均PER 7.3倍と比較して大幅に割高な水準にあります。
  • PBR(実績): 0.40倍。業界平均PBR 0.5倍と比較して割安な水準にあります。株価が解散価値であるBPSを大きく下回っています。
  • EPS/BPSベースの理論株価レンジ:
    • 業種平均PER基準目標株価: 248円
    • 業種平均PBR基準目標株価: 1,806円

現在の株価1,432.0円は、PER基準では割高、PBR基準ではやや割安な位置にあります。

【テクニカル】

  • 52週高値・安値との位置関係: 現在株価1,432.0円は52週高値1,460円に近く、52週安値1,002円からは乖離しており、52週レンジ内位置は93.9%(高値圏)です。
  • 移動平均線との位置関係:
    • 5日MA (1,410.40円) を上回り 1.53%
    • 25日MA (1,304.60円) を上回り 9.77%
    • 75日MA (1,283.32円) を上回り 11.59%
    • 200日MA (1,220.39円) を上回り 17.34%

全ての移動平均線を上回って推移しており、短期的から長期的に上昇トレンドにあることを示唆しています。

  • トレンドシグナル: 5日および25日移動平均線、さらに75日および200日移動平均線が上向きで、短期・中期・長期全てで上昇トレンドが持続している状況です。

【市場との比較】

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月パフォーマンス: 株式+14.29% vs 日経+2.68% → 11.60%ポイント上回る
    • 3ヶ月パフォーマンス: 株式+13.20% vs 日経+8.33% → 4.87%ポイント上回る
    • 6ヶ月パフォーマンス: 株式+25.07% vs 日経+30.55% → 5.48%ポイント下回る
    • 1年パフォーマンス: 株式+21.25% vs 日経+33.05% → 11.80%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月パフォーマンス: 株式+14.29% vs TOPIX+3.84% → 10.45%ポイント上回る

直近1~3ヶ月では日経平均およびTOPIXをアウトパフォームしていますが、6ヶ月・1年スパンで見ると日経平均をアンダーパフォームしています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度: ベータ値は0.12 (5Y Monthly)と非常に低い値を示しています。これは市場全体の動きに対する株価変動の感応度が低く、ディフェンシブな特性を持つことを示唆します。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 米国子会社に係る補助金再調査: 米国政府による補助金の再調査とそれに伴う返還損および損害賠償引当金計上が、当面の業績(特に純利益)に影響を与える可能性があります。これが一時的なものか、さらなるリスクが潜在しているかは注視が必要です。
    • 世界的な地政学リスク: 製造業、特に自動車関連部品メーカーはサプライチェーンのリスクや需要変動の影響を受けやすいです。
    • 米国の関税政策: 保護貿易主義の高まりや関税政策の変更が、海外事業(特に北米)に直接影響を与える可能性があります。
    • 海外市場需要の変動: 中国や東南アジアなど、主要市場での自動車販売の減速が売上高に影響を与えるリスクがあります。
    • 原材料・物流コストの上昇: コスト増加が収益性を圧迫する可能性があります。
  • 事業特有のリスク:
    • 自動車産業への高い依存度: 自動車生産台数やモデルチェンジサイクルが業績に大きく影響します。
    • 技術陳腐化リスク: 超精密加工技術は強みですが、EV化など自動車産業の構造変化への適応が求められます。
    • 為替変動リスク: 海外事業における為替レートの変動が、円換算した業績に影響を与えます。
  • 52週レンジにおける現在位置: 株価は52週レンジの93.9%と高値圏にあり、上昇余地が限られている可能性や、高値からの調整リスクを抱えている可能性が考えられます。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残: 48,500株
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍

信用売残がゼロであり、信用買い残も比較的少ないため、空売りによる株価上昇のトリガーとなる買戻しは期待できません。信用倍率が0.00倍であることから、需給面では特段の偏りはないと判断できます。

  • 株主構成と大株主の動向:
    筆頭株主は(有)インテレクチュアルで25.07%を保有しています。自社(自己株口)が7.70%、自社協力企業持株会が3.86%、自社社員持株会が2.09%を保有しており、安定株主が比較的多い構造です。代表者である室雅文氏も2.72%を保有しています。特定の大株主が過半数を握っているわけではないものの、事業会社や関連する持株会が一定の株式を保有し、安定した株主構成と言えます。

8. 株主還元

  • 配当利回り: 3.21% (会社予想)。現在の株価水準においては比較的高水準の利回りです。
  • 配当性向:
    • 会社予想ベース(年間配当46円 / 会社予想EPS 57.10円): 約80.6%
    • 提供データ(Yahoo Japan): 55.9%

会社予想ベースのPERから計算すると配当性向は高水準であり、将来の業績変動によっては減配リスクも考慮する必要があります。

  • 配当の継続性・増配傾向: 過去の配当金履歴を見ると、年間配当は2022年3月期から44円、44円、45円と推移し、2026年3月期は46円と安定した配当を維持しつつ、緩やかな増配傾向にあります。中間配当も23円と前年(22円)から増額しています。
  • 自社株買いの実績と方針: データなし。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • 極めて高い自己資本比率と潤沢なフリーキャッシュフローに裏打ちされた盤石な財務健全性。
  • 自動車用駆動部品におけるニッチな超精密加工技術と金型からの一貫生産体制という競争優位性。
  • 直近の中間期決算で営業利益が大幅増益と、本業の収益力が回復基調にあること。

【強み】

  • 財務基盤が非常に安定しており、自己資本比率72.4%、流動比率232%と高い安全性を誇る。
  • 精密プレス加工における技術的優位性と一貫生産体制。
  • 営業活動によるキャッシュフローが大幅に改善し、利益の質が高い。

【弱み】

  • ROE、ROAが低く、資本効率や総資産の活用効率に課題がある。
  • 米国子会社に係る一時的な特別損失が純利益を大きく押し下げ、業績の不透明要因となっている。
  • 自動車産業への依存度が高く、市場動向や政策変更の影響を受けやすい。

【機会】

  • 新規事業製品(連続ねじ締め機、柑橘類皮むき機等)の育成による収益源の多角化。
  • 主要顧客との長期的な関係維持による安定した受注確保。
  • 増配傾向から株主還元の積極化への期待。

【脅威】

  • 世界的な地政学リスクや各国の関税政策(特に米国)が海外事業に与える影響。
  • 主要市場における自動車販売の減速、およびEV化への急速なシフトへの対応。
  • 原材料価格や物流コストの変動による収益圧迫。

【注目すべき指標】

  • 米国子会社に係る補助金返還損および損害賠償引当金に関する今後の進捗と最終的な影響額。
  • 樹脂関連部品事業の損益改善状況と、新規事業の売上高・利益への貢献度。
  • 営業利益率の持続的な改善と、それに伴うROE、ROAの向上。

10. 企業スコア

  • 成長性: D (Quarterly Revenue Growth (前年比): -0.10%であるため)
  • 収益性: B (ROE 0.93%は低いが、営業利益率 6.33%が5-10%の範囲であるため)
  • 財務健全性: S (自己資本比率 72.4% (>60%) かつ 流動比率 232% (>200%)であるため)
  • 株価バリュエーション: D (PER 25.08倍が業界平均7.3倍の343%であるため、大幅な割高と判断)

企業情報

銘柄コード 7264
企業名 ムロコーポレーション
URL http://www.muro.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,432円
EPS(1株利益) 57.10円
年間配当 3.21円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 25.8倍 1,472円 0.8%
標準 0.0% 22.4倍 1,280円 -2.0%
悲観 1.0% 19.1倍 1,143円 -4.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,432円

目標年率 理論株価 判定
15% 644円 △ 122%割高
10% 805円 △ 78%割高
5% 1,015円 △ 41%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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