1. 企業概要
和弘食品は、ラーメンスープ、麺つゆ、各種業務用調味料の製造・販売を主事業とする食品メーカーです。日本と米国を中心に事業を展開しており、特に外食産業向けの業務用スープや天然エキスのOEM製造に強みを持っています。日清オイリオグループとの緊密な提携関係も特徴の一つです。
主力製品はラーメンスープと麺つゆであり、長年の経験に裏打ちされた製品開発力と天然エキスに関するノウハウが技術的な独自性を形成しています。収益モデルとしては、メーカーや飲食店への継続的な供給を通じたB2Bビジネスが中心であり、安定的な顧客基盤を持つストック型と、外食産業の動向に影響されるフロー型が複合しています。
2. 業界ポジション
和弘食品は、ラーメンスープと麺つゆの分野で業界中堅のポジションを占めています。市場動向としては、国内では外食産業の回復に伴い業務用需要が堅調に推移している一方、米国市場では物価高騰や消費行動の変化により外食需要が減少し、同社の米国事業に影響を与えています。
同社は、中期経営計画「ザ・グレートリセット」に基づき、国内既存事業の強化と米国事業の営業・生産体制強化を進めることで、市場変化への対応と成長を図っています。競合に対する強みとしては、日清オイリオグループとの提携による安定した事業基盤と販売網、および長年の実績による製品の信頼性・開発力があります。しかし、米国事業の遅延や為替変動リスクは弱みとなり得ます。
- 【定量比較】業界平均との財務指標比較
- PER(会社予想):7.38倍 (業界平均:16.8倍)
- PBR(実績):0.88倍 (業界平均:1.2倍)
- 両指標ともに業界平均と比較して大幅に割安な水準にあります。
- 【同一業種区分企業比較】
- 同一業種区分企業データが提供されていないため、比較はできません。
3. 経営戦略
和弘食品の経営戦略は、2023年11月に策定された中期経営計画「ザ・グレートリセット」に集約されます。この計画では「既存事業の磨き込みと進化」「事業領域の拡大と新たな価値創造」「組織改革と人財育成」を重点テーマとしています。
現在の重点投資分野は、米国事業における営業・生産体制の強化および国内での設備投資です。これには、海外拠点での事業展開の足固めと、国内市場での生産効率向上や製品開発力の強化が含まれます。
最近の適時開示情報である2026年3月期第2四半期決算短信では、通期業績予想を据え置いていますが、中間期の実績は増収減益となりました。特に米国セグメントの受注減少と、販管費(人件費、成長投資)の増加が利益を圧迫しています。
これらの戦略的な投資は、短期的には収益性を圧迫する可能性が高いものの、中長期的には海外市場での競争力強化や新たな収益源の確立に繋がり、持続的な成長ドライバーとなることが期待されます。特に、米国事業の回復と投資効果の顕在化が今後の業績を大きく左右する要因となるでしょう。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):5.41%
- ROE(実績/過去12か月):14.95% / 12.67%
- ROA(過去12か月):6.33%
- ROEおよびROAは、それぞれベンチマークの10%および5%を上回る良好な水準です。営業利益率は5.41%と、業界平均と比較すると改善の余地があります。
- 【財務健全性】
- 自己資本比率(実績/直近四半期):58.7% / 60.2%
- 流動比率(直近四半期):185%
- D/Eレシオ(直近四半期):35.80%
- いずれの指標も非常に健全な水準にあり、財務基盤は非常に強固であると評価できます。
- 【成長性】
- 売上高は2022年3月期の11,490百万円から、2025年3月期予想の16,249百万円、2026年3月期予想の17,112百万円と、着実に成長トレンドにあります。
- 直近四半期の売上高成長率(前年比)は7.90%と堅調ですが、利益成長率(前年比)は-12.90%と減益を記録しています。これは、積極的な成長投資と米国事業の不振が複合的に影響していると考えられます。
- 【キャッシュフロー】
- 営業活動によるキャッシュフロー(過去12か月):+1,220百万円
- フリーキャッシュフロー(過去12か月):△226百万円(マイナス)
- 2026年3月期中間期決算短信によると:
- 営業CF:+109百万円(前年同期比 △288百万円と大幅に悪化)
- 投資CF:△780百万円(主に有形固定資産取得746百万円による大規模な支出)
- 財務CF:△401百万円(主に配当支払241百万円および長期借入金返済126百万円)
- フリーCF(営業CF − 投資CF):△671百万円(中間期もマイナスで投資超過)
- 営業CF/純利益比率:過去12か月では1.16と良好ですが、中間期では約0.33と低い水準にあります。これは利益の質が一時的に低下していることを示唆します。
- 配当カバレッジ比率(中間期):約0.45(営業CFに対する配当支払額の比率が低く、やや不十分)
- 【セグメント別分析】(2026年3月期中間期)
- 日本セグメント:
- 売上高:6,210百万円、セグメント利益:125百万円(対前年同期比で売上は増加したものの、利益は若干減少しており、利益率が低下しています。)
- 主に国内の外食需要が好調で売上を牽引していますが、販管費増加が利益を圧迫。
- 米国セグメント:
- 売上高:1,824百万円(対前年同期比 △6.2%)、セグメント利益:357百万円(対前年同期比 △31.1%)
- 米国での受注減少と、営業・生産体制強化に伴う人件費増加が大幅な減益の主因であり、現在の課題セグメントです。
- 成長ドライバーは日本セグメントの堅調な国内需要、一方、米国セグメントの立て直しが喫緊の課題となっています。
- 【四半期進捗】(2026年3月期中間期)
- 通期業績予想に対する進捗率:
- 売上高:47.0% (通期の約半分と概ね順調)
- 営業利益:31.6% (通期予想に対して低く、計画達成には下期の利益回復が不可欠)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:30.6% (同様に低く、下期の回復が不可欠)
- 売上は計画通りですが、利益面での進捗が遅れており、下期での大幅な利益改善が見込まれなければ、通期予想の達成にはリスクがあります。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- PER(会社予想):7.38倍
- PBR(実績):0.88倍
- 業界平均PER 16.8倍、PBR 1.2倍と比較すると、現在のPERは業界平均の約44%、PBRは約73%と、両指標ともに大幅に割安な水準にあります。
- EPS(会社予想)429.93円ベースの目標株価(業種平均PER基準)は7,222.82円です。
- BPS(実績)3,602.12円ベースの目標株価(業種平均PBR基準)は4,322.54円です。
- 現在株価3,175.0円は、理論株価レンジと比較して大幅に低い水準です。
- 【テクニカル】
- 52週高値:6,210円、52週安値:2,946円。現在株価3,175.0円は52週レンジの安値圏(6.7%)に位置しています。
- 移動平均線との位置関係(現在株価3,175.0円):
- 5日MA:3,173.00円(株価がわずかに上回る)
- 25日MA:3,086.00円(株価が上回る)
- 75日MA:3,104.69円(株価が上回る)
- 200日MA:3,539.78円(株価が下回る)
- 短期(5日、25日、75日)の移動平均線を上回っており、短期的な回復基調が見られます。しかし、株価が200日移動平均線を下回っているため、長期的な下降トレンドの中での短期的な反発と見ることができます。明確なゴールデンクロスやデッドクロスはデータからは確認できません。
- 【市場との比較】
- 過去1ヶ月では日経平均とTOPIXをアウトパフォームしていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期の期間では、市場平均指数を大幅にアンダーパフォームしています。特に1年では日経平均に対して約81.84%ポイント下回っており、過去1年間の株価は厳しい状況が続いています。
6. リスク評価
- ベータ値(5Y Monthly):-1.24
- 通常の市場感応度とは異なり、市場全体とは逆の方向に動く傾向を示唆する数値ですが、一般的なマイナスベータは稀であり、出来高の少なさなども要因となっている可能性があります。市場の大きな変動とは異なる独自要因で株価が形成されている可能性があります。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 原材料価格やエネルギーコストの変動による収益性悪化の可能性。
- 米国市場での需要回復の遅延や競合による収益悪化リスク。
- 積極的な設備投資や海外事業展開に伴う投資の回収時期や効果の不確実性。
- 為替レートの変動が連結業績だけでなく海外事業の円換算価値に影響を及ぼすリスク。
- 事業特有のリスク:
- 主力顧客である外食産業の景気変動や消費トレンドの変化に収益が左右されるリスク。
- OEM製造が中心であるため、主要顧客の経営方針変更や契約解除のリスク。
- 食品製造業特有の衛生管理、品質問題、食中毒、製品リコールなどのリスク。
- 52週レンジにおける現在位置は6.7%と安値圏にあり、市場は現在、上記のリスク要因を強く織り込んでいる可能性があると推察されます。
7. 市場センチメント
- 信用買残:70,200株
- 信用売残:0株
- 信用倍率:0.00倍(信用売残が0株のため計算不可)
- 信用買残が直近出来高(3,800株/日)に対して相対的に非常に多く、潜在的な将来の売り圧力となる可能性があります。信用売残が0であるため、短期的な踏み上げ期待は低い状況です。
- 株主構成:
- 和山商店 (21.84%)、日清オイリオグループ (16.85%)、自社(自己株口) (12.38%)が主要な大株主であり、安定株主が多い構造です。
- 日清オイリオグループの存在は、事業戦略や技術協力において安定的なパートナーシップを示唆します。
- 経営陣である代表者(加世田十七七氏)の持株比率は0.88%です。自己株式の保有は、株主還元やM&A戦略に活用される可能性があります。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想):2.71%
- 1株配当(会社予想):86.00円
- 配当性向(会社予想):20.0%
- 配当の継続性・増配傾向:過去の配当履歴を見ると、2022年3月期以降は増配傾向にありましたが、2026年3月期予想では減配予想(97円から86円)となっています。これは、成長投資による利益の一時的な圧迫と、配当性向20%の方針に基づいたもので、今後も安定的な配当維持を目指すとみられます。
- 自社株買いの実績と方針:直近では、譲渡制限付株式報酬制度に係る自己株式処分(2025年7月、2,858株)が実施されています。積極的な自社株買いの方針は示されていませんが、豊富な自己株式を保有していることから、今後の株主還元策として柔軟に検討される可能性があります。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
- 業界平均と比較してPBR・PERが大幅に割安なバリュエーション水準。
- 高い自己資本比率と流動比率に裏打ちされた非常に強固な財務健全性。
- 国内外食需要は堅調であり、中期経営計画に基づく成長戦略の進展に期待。
- 【強み】
- 非常に高い財務健全性(自己資本比率60%超、流動比率185%)。
- 日清オイリオグループとの緊密な提携による事業安定性。
- 国内業務用スープ市場における確立された地位とノウハウ。
- 高いROEとROAを継続的に維持。
- 【弱み】
- 米国セグメントの業績不振と回復の不確実性。
- 積極的な設備投資による直近中間期のフリーキャッシュフローのマイナス化と営業キャッシュフローの悪化。
- 中間期の低い利益進捗率と通期目標達成へのリスク。
- 【機会】
- 国内外食市場のさらなる回復による業務用製品需要の拡大。
- 米国市場での戦略的な営業・生産体制強化による成長可能性。
- 長期的な視点でのアジア市場などへの海外展開。
- 【脅威】
- 原材料価格やエネルギーコストの継続的な高騰による収益圧迫。
- 北米市場における地政学的リスクや競争激化。
- 設備投資の回収が想定通りに進まないことによる投資リスク。
- 為替変動が海外事業の収益に与えるネガティブな影響。
- 【注目すべき指標】
- 米国セグメントの売上高成長率とセグメント利益率の推移。
- 2026年3月期における営業利益率の改善状況。
- 営業活動によるキャッシュフローの回復とフリーキャッシュフローの黒字転換。
- 通期業績予想に対する下期の利益進捗率。
10. 企業スコア
- 成長性:B
- 売上成長率(過去12か月)7.90%、通期予想売上成長率 5.3%であり、売上成長率5-10%の範囲であるため。
- 収益性:A
- ROE(実績/過去12か月):14.95% / 12.67%であり、10-15%の範囲を満たしています。営業利益率5.41%はB評価の範囲ですが、ROEを重視し総合的に「A」と評価します。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率(直近四半期)60.2%はS評価基準を満たし、流動比率185%はA評価基準を満たしています。総合的に非常に強固な財務体質であるため「A」と評価します。
- 株価バリュエーション:S
- PER(会社予想)7.38倍、PBR(実績)0.88倍は、それぞれ業界平均PER 16.8倍およびPBR 1.2倍と比較して、大幅に割安な水準にあるため「S」と評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 2813 |
| 企業名 | 和弘食品 |
| URL | http://www.wakoushokuhin.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 3,175円 |
| EPS(1株利益) | 429.93円 |
| 年間配当 | 2.71円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 8.5倍 | 3,649円 | 2.9% |
| 標準 | 0.0% | 7.4倍 | 3,173円 | 0.1% |
| 悲観 | 1.0% | 6.3倍 | 2,835円 | -2.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 3,175円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,584円 | △ 100%割高 |
| 10% | 1,979円 | △ 60%割高 |
| 5% | 2,497円 | △ 27%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
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