個人投資家の皆様へ
このレポートは、株式会社鳥取銀行(証券コード: 8383)の企業分析を、提供されたデータに基づき実施したものです。投資判断の一助となる情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
1. 企業概要
鳥取銀行は、鳥取県を主な地盤とする地域金融機関です。預金業務、貸出業務、有価証券運用を主軸とし、地域の中小企業や個人顧客に対して多様な金融サービスを提供しています。特に、住宅ローンや消費者向けローンなどの個人向け融資に加えて、地域の中小企業向けに経営コンサルティング、ビジネスマッチング、M&A支援といった付加価値の高い経営支援サービスに注力しています。
主力製品・サービスは、預金、住宅・消費者向け融資、中小企業向け融資、各種保険商品、そして近年はfreeeやkintone、Smaregiなどのクラウドサービス導入支援まで多岐にわたります。収益モデルは、預貸金業務による利鞘獲得を基本とするストック型であり、B2B(中小企業)とB2C(個人)の両方を顧客基盤としています。鳥取県唯一の地方銀行としての地域基盤と、多岐にわたるコンサルティング機能やITソリューション導入支援といった付加価値サービスが、技術的独自性や地域の関係性に基づく参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
鳥取銀行は、鳥取県を地盤とする地方銀行であり、県内では山陰合同銀行に次ぐ預貸シェアを有しています。県東部を中心に地盤を固めつつ、県西部および島根東部への開拓を強化する戦略をとっています。
市場動向としては、近年、日本銀行の金融政策転換による金利環境の変化があり、貸出金利息の増加が資金運用収益に寄与しています。同行はこの変化に対応し、貸出金利回りの改善に努めています。競合に対しては、地域唯一の地銀としての強みを持つ一方で、山陰地方全体で見ると預貸シェアにおいて上位行に差をつけられています。コンサルティング機能の強化など、非金利収入の拡大にも注力しています。
業界平均との財務指標比較
| 指標 | 鳥取銀行(連結) | 業界平均(銀行) | 割安/割高の判定 |
|---|---|---|---|
| PER(会社予想) | 12.32倍 | 50.4倍 | 割安 |
| PBR(実績) | 0.31倍 | 0.3倍 | 適正~やや割高 |
| ROE(実績) | 2.68% | データなし | 低水準 |
| 営業利益率(実績) | 9.75%(過去12ヶ月) | データなし | データなし |
(注:銀行業の営業利益率は一般企業とは定義が異なる場合があります。決算短信では経常利益率13.1%と算出されています。)
同一業種区分企業データは提供されていません。
3. 経営戦略
鳥取銀行の経営陣は、地域金融機関として「コンサルティング機能強化」を重点戦略として掲げています。企業概要にも記載されている通り、経営支援や事業承継、医療・介護事業支援、M&A、創業支援など多岐にわたるコンサルティングサービス提供に注力しています。また、クラウド会計ソフトfreeeやビジネス改善プラットフォームkintone等のITソリューション導入支援も積極的に行い、顧客企業の基盤強化をサポートしています。
最近の適時開示情報としては、2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信が発表されており、通期業績予想に対しては修正は行われていません。中間実績は、貸出金利息の増加を主因とする資金運用収益の増加により、経常利益・中間純利益ともに前年同期比で改善しており、通期予想に対する進捗は良好です。これにより、利上げ局面における資金運用戦略が奏功していることが伺え、今後の業績にもプラスの影響を与える可能性があります。
4. 財務分析
- 収益性
- 営業利益率: Operating Margin(過去12か月)は9.75%です。決算短信で算出された経常利益率(経常利益 ÷ 経常収益)は13.1%(当中間期)です。
- ROE(実績): 2.68%(過去12か月)と、ベンチマークの10%を下回る低水準にあります。
- ROA(実績): 0.12%(過去12か月)と、ベンチマークの5%を大きく下回っています。銀行業は総資産が大きいため、ROAが低くなる傾向があります。
- 財務健全性
- 自己資本比率(実績): 4.3%(連結)です。ただし、決算短信には「自己資本比率告示に定める自己資本比率ではない」旨の注記があり、国内基準自己資本比率(連結、速報)は8.59%(2025年9月末)と記載されています。銀行業においては、自己資本比率規制に準拠した国内基準自己資本比率がより重要です。
- 流動比率: データなし。
- D/Eレシオ: Total Debt(直近四半期)24.06B円に対し、Book Value Per Shareから推計される純資産は約49.69B円(5,308.58円 × 9,360千株)であるため、約0.48倍と算出されます。銀行業においては、預金が負債に計上されるため、一般企業のD/Eレシオとは性質が異なります。
- 成長性
- 売上高成長率:
- 2022年3月期:-0.81%(対前年)
- 2023年3月期:+5.78%(対前年)
- 2024年3月期:+5.70%(対前年)
- 過去12か月: Total Revenue 13,099百万円。Quarterly Revenue Growth(前年比)は6.80%です。
- 利益成長率:
- 2022年3月期:-10.54%(対前年)
- 2023年3月期:+17.17%(対前年)
- 2024年3月期:+1.15%(対前年)
- 過去12か月: Net Income 1,389百万円。Quarterly Earnings Growth(前年比)は68.10%です。直近の利益成長は顕著です。
- キャッシュフロー
- 営業CF: -38,480百万円(過去12か月)とマイナスです。銀行業の営業キャッシュフローは、預金の増減が大きな影響を与えるため、預金増加時には営業CFがマイナスとなる特性があります。
- 投資CF: データなし。
- 財務CF: データなし。
- FCF(フリーキャッシュフロー): データなし。(投資CFの情報がないため算出不可)
- 営業CF/純利益比率: -27.68です。銀行業の特殊性を考慮する必要がありますが、比率が大きくマイナスとなっている点は留意が必要です。
- 配当カバレッジ比率: 営業CFがマイナスであるため、算出しても意味をなしません。
- セグメント別分析
- 決算短信において、明確なセグメント別損益の明細は記載されていません。主要事業は預金、貸出、有価証券管理等の地域金融業務が一体となっています。
- 地域別では、県内貸出金比率が78.32%、県内預金が86.49%となっており、鳥取県内における事業基盤が強固であることが示されています。
- 四半期進捗
- 2026年3月期第2四半期(中間期)の経常利益は1,141百万円であり、通期会社予想1,800百万円に対し進捗率63.4%です。
- 親会社株主に帰属する中間純利益は789百万円であり、通期会社予想1,250百万円に対し進捗率63.1%です。
- これは中間時点としては順調な進捗であり、通期予想達成に向けて良好な状況にあると言えます。
5. 株価分析
- 現在の水準
- PER(会社予想): 12.32倍で、業界平均50.4倍と比較すると大幅に割安な水準にあります。
- PBR(実績): 0.31倍で、業界平均0.3倍と比較するとほぼ適正水準です。
- EPS(会社予想): 133.56円、BPS(実績): 5,308.58円です。
- 業種平均PER基準で算出した目標株価は7,478円、業種平均PBR基準では1,593円です。
- テクニカル
- 現在の株価1,645.0円は、52週高値1,660円に近く、52週安値1,061円からは上昇した高値圏(52週レンジ内位置: 97.5%)にあります。
- 株価は5日移動平均線(1,593.40円)、25日移動平均線(1,497.72円)、75日移動平均線(1,410.00円)、200日移動平均線(1,333.05円)の全てを上回っており、強い上昇トレンドにあることを示唆しています。
- 全ての移動平均線が上向きであり、短期移動平均線が中長期移動平均線を上回っているため、ゴールデンクロスが発生している(または継続している)状態と判断できます。
- 市場との比較
- 過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間において、日経平均およびTOPIXといった市場指数を上回る相対パフォーマンスを示しており、市場内で注目を集めていることが伺えます。
6. リスク評価
- ベータ値: 0.23(5年Monthly)と非常に低い値であり、市場全体の変動に対する感応度が低いことを示しています。これは市場全体が大きく変動する場面で、相対的に株価が安定しやすい特性を持つことを意味します。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 金利変動リスク: 日本銀行の金融政策や市場金利の動向が、貸出金利や預金金利、保有有価証券の評価に与える影響。長期金利の上昇は利鞘改善に寄与する一方で、保有債券の評価損や預金金利の上昇リスクも伴います。
- 有価証券評価変動リスク: 株価や金利変動による保有有価証券の評価額の変動が、純資産や包括利益に直接的に影響するリスク。
- 地域経済の動向: 鳥取県内の景気動向、企業業績、個人消費、人口減少などが、貸出需要や不良債権発生に影響を与えるリスク。
- 事業特有のリスク:
- 人口減少や少子高齢化による地域社会構造の変化、それに伴う顧客基盤の縮小リスク。
- 金融テクノロジーの進化や異業種からの参入による競争激化リスク。
- 52週レンジにおける現在位置: 現在株価は52週レンジの97.5%と、高値圏に位置しており、短期的には調整局面に入る可能性も考慮する必要があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況: 信用買残が59,300株(前週比+200株)、信用売残が7,400株(前週比-3,300株)です。信用倍率は8.01倍と高めであり、株価の上昇期待から買方が優勢な状況が見られます。信用売残が減少していることも、強気なセンチメントを示唆しています。
- 株主構成と大株主の動向: 筆頭株主は千代田プロパティホールディングス(3.49%)であり、自社従業員持株会(3.13%)や自社(自己株口2.71%)、損害保険ジャパン(2.21%)などが続きます。特定の大株主が極めて高い比率を占めているわけではなく、幅広い株主によって株式が保有されています。安定株主として、事業会社や生命保険会社の保有があります。
- 経営陣の持株比率: データなし。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 3.04%です。
- 1株配当(会社予想): 50.00円です。2022年3月期以降、50円の年間配当を継続しており、安定配当を志向していることが伺えます。
- 配当性向(会社予想): 33.69%~35.6%程度で推移しており、健全な水準です。過去10年間も30%~50%台で安定しており、利益成長に合わせて配当を維持する方針が見られます。
- 自社株買い: 決算短信には自社株買いに関する具体的な記載はありませんが、自己株口として2.71%(260,300株)を保有しています。特別配当の方針は記載されていません。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 金利上昇トレンドにおける業績改善: 貸出金利息の増加により、資金運用収益が改善し、経常利益・純利益が順調に伸びています。
- 割安感のあるバリュエーション: 業界平均PERと比較して大幅に割安な水準にあり、PBRも適正圏内です。
- 低い市場感応度(低ベータ値): ベータ値が0.23と低く、市場全体の大きな変動から影響を受けにくい特性を持っています。
【強み】
- 地域唯一の地方銀行としての強固な地域基盤と高い県内シェア。
- 経営コンサルティング等の付加価値サービス提供による非金利収益の強化志向。
- 安定的な配当実績と健全な配当性向。
【弱み】
- ROE2.68%、ROA0.12%と、一般的に推奨される水準を下回る収益性の低さ。
- 営業キャッシュフローが大きくマイナスを示しており、銀行業特有の性質を考慮しても利益の質には懸念(ただし、預金増加によるものも含む)がある。
- 全国的な地銀再編の流れの中での、山陰地方における預貸シェアの競争力。
【機会】
- 日本銀行の金融政策正常化による金利引き上げが継続した場合の利鞘改善機会。
- 地域の事業者に対するコンサルティング強化を通じた顧客基盤の深耕と新たな収益源泉の獲得。
- クラウドサービス導入支援など、地域企業のDX推進に貢献することで、新たなビジネスチャンスを創出。
【脅威】
- 金融市場の金利変動、特に預金金利の上昇や保有有価証券の評価損発生リスク。
- 鳥取県における人口減少や地域経済の停滞が、貸出需要の減少や不良債権の増加を招く可能性。
- 金融業界におけるデジタル化や異業種からの参入による競争激化。
【注目すべき指標】
- ROE: 今後、収益性改善により持続的な上昇が実現できるか(目標値 5%以上)。
- 国内基準自己資本比率: 8.59%を維持・向上できるか(規制対応と健全性確保の観点)。
- 通期経常利益の進捗率: 2026年3月期は63.4%と順調なため、第3四半期以降もこの水準を維持できるか。
10. 企業スコア
- 成長性: B (Quarterly Revenue Growth: 6.80%)
- 収益性: D (ROE: 2.68% かつ 営業利益率: 9.75%)
- 財務健全性: D (自己資本比率: 4.3%と20%未満。ただし国内基準自己資本比率8.59%は確保)
- 株価バリュエーション: B (PERは業界平均の24.4%とS相当だが、PBRが業界平均の103.3%とB相当のため、PER/PBR共にの基準ではB評価)
企業情報
| 銘柄コード | 8383 |
| 企業名 | 鳥取銀行 |
| URL | http://www.tottoribank.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,645円 |
| EPS(1株利益) | 133.56円 |
| 年間配当 | 3.04円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7.9% | 14.2倍 | 2,765円 | 11.1% |
| 標準 | 6.1% | 12.3倍 | 2,208円 | 6.2% |
| 悲観 | 3.6% | 10.5倍 | 1,672円 | 0.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,645円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,107円 | △ 49%割高 |
| 10% | 1,383円 | △ 19%割高 |
| 5% | 1,745円 | ○ 6%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
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