1. 企業概要
Cocoliveは、不動産会社向けにクラウドサービス「KASIKA(カシカ)」を開発・提供しています。このサービスは、不動産営業における自動追客、顧客管理、商談管理といった機能を統合したSaaS(Software as a Service)型プラットフォームです。導入社数は1,100社を超え、不動産DX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に支援しています。
主力製品・サービスは、不動産営業支援クラウド「KASIKA」です。顧客の行動履歴に基づいた自動メール配信、オンライン接客ツール、顧客管理(CRM)、営業プロセス管理(SFA)等の機能を提供し、不動産会社の営業効率向上と売上最大化に貢献しています。
収益モデルは、月額利用料を主としたストック型のB2B(企業間取引)モデルです。不動産会社に対して継続的にサービスを提供することで安定的な収益基盤を構築しています。技術的独自性としては、不動産業界に特化した深いドメイン知識に基づいた機能開発と、AIを活用した追客自動化が挙げられます。これにより、一般的なCRM/SFAでは対応しきれない不動産取引特有の顧客体験を最適化し、高い参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
Cocoliveは、不動産向け営業支援クラウド市場において、1,100社を超える導入実績を持つ主要プレイヤーの一つです。市場内での具体的なシェアは開示されていませんが、不動産業界のDX推進ニーズの高まりを背景に事業を拡大しています。
市場動向としては、不動産業界全体でオンライン化・効率化が加速しており、同社の主力サービス「KASIKA」はこうしたニーズに合致しています。CocoliveはKASIKAの機能強化ロードマップを公表し、既存ドメインの深化と不動産ドメインの拡大を継続することで、市場ニーズに対応しています。
競合に対する相対的な強みとしては、不動産特化型という専門性の高さと、顧客行動分析に基づく自動追客のような先進機能があります。弱みとしては、新規顧客獲得の効率性や成約率が現状の課題として認識されており、これが通期業績予想の下方修正に繋がっています。
【定量比較】
Cocoliveの各種財務指標と業界平均を比較します。業界平均との比較においては、個別の収益構造や事業サイクルの違いを考慮する必要があります。
| 指標 | Cocolive (会社予想/実績) | 業界平均 (情報・通信業) |
|---|---|---|
| PER | 14.43倍 (単) | 66.2倍 |
| PBR | 3.51倍 (単) | 3.5倍 |
| ROE | 26.99% (単) | データなし |
| 営業利益率 | 21.45% (2025/5単) | データなし |
PERは業界平均と比較して大幅に割安な水準にあります。PBRは業界平均と同水準です。ROEと営業利益率は、業界平均のデータがないため比較できませんが、Cocolive単体としては高い水準を維持しています(2026年5月期中間期では営業利益率15.4%に低下)。同一業種区分企業のデータは提供されていないため比較できません。
3. 経営戦略
Cocoliveの経営陣は、不動産DX市場の成長機会を捉え、「KASIKA」の機能強化と顧客基盤の拡大を重点施策としています。具体的な中期経営計画の詳細は開示されていませんが、決算短信からはKASIKAの機能向上ロードマップを公表し、既存ドメインの深化と不動産ドメインの拡大を継続する方針がうかがえます。
最近の適時開示情報として、2026年1月9日付で2026年5月期の通期業績予想の下方修正を公表しています。これは、想定よりも顧客リーチが不足し、成約獲得が伸び悩んでいること、および先行投資に伴う販管費増加が要因とされています。
これらの戦略と適時開示は、今後の業績に大きく影響を与えます。機能強化やドメイン拡大は長期的な成長に繋がるものの、足元の顧客獲得効率の改善が急務となっています。下方修正は、成長投資の収益化に課題があることを示唆しており、費用の効率的な配分と売上高の再加速が今後の注目点となります。
4. 財務分析
【収益性】
- 営業利益率: 2025年5月期実績は21.45%と高水準でしたが、2026年5月期中間期では15.4%に低下しています。これは先行投資による販管費増加が主要因と見られます。
- ROE(自己資本利益率): 2025年5月期実績は26.99%と、ベンチマークの10%を大きく上回る非常に高い水準です。
- ROA(総資産利益率): 2025年5月期の純利益と期末総資産の平均値から概算ROAは約19.0%となり、ベンチマークの5%を大きく上回り効率的な資産活用ができています。
【財務健全性】
- 自己資本比率: 2026年5月期中間期末で86.4%と、極めて高い水準を維持しています。負債が少なく、財務基盤は非常に強固です。
- 流動比率: 2026年5月期中間期末で、流動資産1,074,321千円に対し流動負債149,735千円であり、約718.8%と極めて高い流動性を誇ります。
- D/Eレシオ(負債資本倍率): 有利子負債の記載がなく、実質無借金経営に近いと推測され、D/Eレシオは非常に低いと見られます。
【成長性】
- 売上高成長率:
- 22/5期→23/5期: +43.08%
- 23/5期→24/5期: +28.93%
- 24/5期→25/5期: +26.66%
- 25/5期→26/5期(予想): +11.47%
過去には高い成長率を誇っていましたが、2026年5月期の会社予想では成長が鈍化する見込みです。
- 利益成長率:
- 営業利益: 2025年5月期は前年比+29.9%でしたが、2026年5月期予想では前年比-34.7%と減益を見込んでいます。
- 純利益: 2025年5月期は前年比+39.4%でしたが、2026年5月期予想では前年比-31.6%と減益を見込んでいます。
過去の成長からは一転し、先行投資の増加と売上未達により利益が減少する予想です。
【キャッシュフロー】
- 営業CF: 2026年5月期中間期は+55,483千円(前年同期+63,139千円)とプラスを維持しており、本業で安定してキャッシュを生み出しています。
- 投資CF: 当中間期は△30,834千円(差入保証金△26,634千円、固定資産取得△4,199千円)と投資活動を行っています。
- 財務CF: 当中間期は+24,187千円(新株予約権行使による収入)でした。
- FCF(フリーキャッシュフロー): 概算で営業CF55,483千円 – 投資CF30,834千円 = +24,649千円とプラスであり、事業活動で資金を創出できています。
- 営業CF/純利益比率: 55,483千円 / 76,589千円 = 0.72。目安の1.0を下回りますが、法人税等の支払いタイミングによる一時的な影響の可能性もあります。
- 配当カバレッジ比率: 配当を実施していないため算出できません。
【セグメント別分析】
Cocoliveはクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別分析は省略します。
【四半期進捗】
2026年5月期(修正後通期予想)に対する第2四半期(中間期)の進捗率は以下の通りです。
- 売上高: 49.1%
- 営業利益: 60.4%
- 当期純利益: 53.6%
営業利益の進捗率が売上高と当期純利益を上回っており、中間時点では堅調に見えますが、会社側が通期予想を下方修正していることから、下半期に売上の伸び悩みや費用増加が加速する見込みであると判断していることが示唆されます。
5. 株価分析
【現在の水準】
- PER(会社予想): 14.43倍。業界平均PER 66.2倍と比較して大幅に割安な水準です。
- PBR(実績): 3.51倍。業界平均PBR 3.5倍とほぼ同水準であり、適正と判断できます。
- EPS(会社予想): 47.31円。 BPS(実績): 326.56円。
- EPS/BPSベースの理論株価レンジは、現時点のデータでは算出できません。
【テクニカル】
- 52週高値・安値: 52週高値1,585円、安値855円に対し、現在株価1,111円はレンジの35.1%の位置(安値寄り)にあります。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線(1,049.80円)を上回っており、短期は上昇傾向。
- 25日移動平均線(1,071.52円)を上回っており、短期は上昇傾向。
- 75日移動平均線(1,174.68円)を下回っており、中期は下降傾向。
- 200日移動平均線(1,277.80円)を下回っており、長期は下降傾向。
- トレンドシグナル: 短期的な反発は見られますが、中期・長期では下降トレンドが継続しています。ゴールデンクロス・デッドクロスの発生は確認できません。
【市場との比較】
- 日経平均およびTOPIXとの相対パフォーマンスは、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年全ての期間においてアンダーパフォームしており、市場全体の地合いと比較して株価は軟調に推移しています。特に6ヶ月、1年では大幅に下回っています。
6. リスク評価
- ベータ値: データなし。市場全体の変動に対する感応度は不明です。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 顧客リーチの不足と成約率の伸び悩み: 営業費用対効果が計画を下回るリスク。
- 販売費及び一般管理費等の先行投資: 成長のための投資が収益化されない場合、利益を圧迫するリスク。
- 事業特有のリスク:
- 不動産市況の変動: 不動産会社の業績に影響が及び、KASIKAの導入や利用継続に影響が出る可能性。
- 競合の激化: 不動産DX市場への新規参入や既存競合の機能強化による競争激化。
- 技術陳腐化: SaaS分野での技術革新は早く、常にサービス内容をアップデートしていく必要があります。
- SaaS事業におけるチャーンレート(解約率)の影響: 高い解約率は収益性の悪化を招きます。
- 人件費・広告宣伝費等の先行投資の回収の不確実性。
- 52週レンジにおける現在位置: 現在株価は52週レンジの35.1%と安値圏にあり、上昇余地がある一方で、過去に高値から大きく下落した経緯があるため、市場からの評価が変動しやすい状況を示しています。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況: 信用買残が185,800株と積もっており(前週比+35,700株)、信用倍率は売残が0株のため算出されていません。買残の多さは、今後の株価上昇局面で売り圧力となる可能性があります。
- 株主構成と大株主の動向: 代表者である山本考伸氏が全体の43.82%を保有しており、その他上位株主も特定の個人や関連企業が占めています。経営陣による安定的な株式保有比率が高く、経営基盤の安定性は高いと言えます。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 大株主上位10名で全体の約75%を保有しており、安定株主が非常に多い構造です。
8. 株主還元
- 配当利回り: 0.00%(会社予想)。
- 1株配当(会社予想): 0.00円。
- 配当性向: 0.0%(無配)。
- 配当の継続性・増配傾向: 無配のため、配当の継続性や増配傾向はありません。
- 自社株買いの実績と方針: 自社株買いの実績や今後の具体的な方針については、開示されている情報からは確認できません。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 不動産DX市場の成長を取り込むSaaSモデルであり、長期的な市場拡大の恩恵を受ける可能性があります。
- 自己資本比率86.4%、流動比率700%超と、極めて強固な財務基盤と豊富なキャッシュを保有しています。
- PER(会社予想)が業界平均に比べて大幅に割安な水準にあり、利益回復が見られれば評価修正の可能性があります。
【強み】
- 高い自己資本比率と潤沢なキャッシュによる安定した財務体質。
- 不動産業界に特化したSaaS「KASIKA」の高い専門性と導入実績。
- 将来的な市場拡大が見込まれる不動産DX領域での事業展開。
【弱み】
- 2026年5月期の通期業績予想が下方修正され、利益が減少する見込みであること。
- 顧客獲得のための先行投資増加により、営業利益率が中間期で低下していること。
- 市場全体の動きと比較して株価が軟調に推移しており、相対的にアンダーパフォームしていること。
【機会】
- 不動産業界におけるDX化のさらなる進展と、SaaSサービスの普及拡大。
- 「KASIKA」の機能強化とプロダクトラインナップ拡充による競争優位性の確立。
- 新規顧客獲得効率の改善や既存顧客からの収益最大化。
【脅威】
- 競合他社の新規参入や既存競合プロダクトの強化による競争激化。
- 先行投資(広告宣伝費、人件費など)が期待通りの売上や利益に繋がらないリスク。
- 不動産市況の悪化や景気変動が不動産会社の投資意欲を減退させるリスク。
【注目すべき指標】
- 今後の四半期決算における売上高成長率の回復と営業利益率の改善。
- 「KASIKA」の顧客導入社数および顧客単価(ARPU)の推移。
- 販管費の対売上高比率と、それが利益率に与える影響。
10. 企業スコア
- 成長性: A
- 2025年5月期から2026年5月期(予想)の売上成長率は11.47%。売上成長率10-15%の基準を満たします。
- 収益性: S
- ROE(2025年5月期実績)は26.99%。営業利益率(2025年5月期実績)は21.45%。ROE15%以上かつ営業利益率15%以上の基準を満たします。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率(2026年5月期中間期)は86.4%。流動比率(2026年5月期中間期概算)は718.8%。自己資本比率60%以上かつ流動比率200%以上の基準を満たします。
- 株価バリュエーション: B
- PER(会社予想)14.43倍は業界平均66.2倍の約21.8%であり、S基準(70%以下)を満たします。
- PBR(実績)3.51倍は業界平均3.5倍の約100.3%であり、B基準(90-110%)を満たします。
- PER/PBR共に基準を満たす必要があるため、Bと評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 137A |
| 企業名 | Cocolive |
| URL | https://cocolive.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,111円 |
| EPS(1株利益) | 47.31円 |
| 年間配当 | 0.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 20.0% | 16.6倍 | 1,956円 | 12.0% |
| 標準 | 15.4% | 14.4倍 | 1,398円 | 4.7% |
| 悲観 | 9.2% | 12.3倍 | 903円 | -4.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,111円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 695円 | △ 60%割高 |
| 10% | 868円 | △ 28%割高 |
| 5% | 1,095円 | △ 1%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
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