1. 企業概要
GMOグローバルサイン・ホールディングスは、GMOインターネットグループ傘下で、デジタル認証・電子署名技術、クラウドインフラサービス、およびDX支援サービスを提供する企業です。主力事業は、ウェブサイトのセキュリティを担保するSSL証明書や、電子契約サービス「GMOサイン」、IDaaS「GMOトラスト・ログイン」を扱う電子認証・印鑑事業です。また、レンタルサーバーやマネージドクラウド「CloudCREW」を提供するクラウドインフラ事業も展開しています。これらのサービスは、主に企業や政府機関を対象としたB2Bモデルで、サブスクリプション型のストック収益が主体です。独自の認証局を保有し、グローバルにサービスを提供している点が技術的な独自性であり、参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
GMOグローバルサイン・ホールディングスは、電子認証・クラウドインフラ市場において国内有数の実績を持つ企業です。電子契約サービス「GMOサイン」は市場で高いシェアを誇り、デジタル化のトレンド加速により成長を続けています。クラウド市場では、生成AIなどの新しい技術トレンドにも対応し、マネージドサービス「CloudCREW」で需要を取り込んでいます。競合に対する強みは、国際的な信頼性を持つ独自の認証局を保有していること、GMOインターネットグループが提供する多様なITインフラとのシナジー、そして長年にわたるインフラ運用実績です。一方で、DX事業の収益性改善が課題となっています。
【定量比較】
| 指標 | GMOグローバルサイン・HD | 業界平均(情報・通信業) |
|---|---|---|
| PER(会社予想) | 30.22倍 | 23.2倍 |
| PBR(実績) | 2.75倍 | 2.3倍 |
PER、PBRともに業界平均と比較して割高な水準にあります。
【同一業種区分企業比較】
| 企業名 | コード | 時価総額(百万円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| GMOグローバルサイン・HD | 3788 | 27,081 | 30.22 | 2.75 | 9.44 | 2.15 |
| Cocolive | 137A | 3,358 | 14.43 | 3.51 | 26.99 | – |
同一業種区分のCocoliveと比較すると、GMOグローバルサイン・HDはPERで割高、PBRで割安、ROEで低い水準にあります。Cocoliveは時価総額が小さく、事業フェーズやビジネスモデルが異なる可能性があるため、単純な比較には留意が必要です。
3. 経営戦略
経営陣は、電子認証・印鑑事業(「GMOサイン」「トラスト・ログイン」)とクラウドインフラ事業(「CloudCREW」)を成長の牽引役と位置づけ、積極的に投資を継続する方針です。これは、デジタル化の進展やクラウド利用の拡大といった中長期的な市場トレンドに合わせた戦略であり、決算短信からもこれらの分野への投資が確認できます。最近の適時開示情報(2025年12月期 第3四半期決算短信)では、電子認証・印鑑事業において自治体向け導入や欧米でのSSL回復、CloudCREWでの大型案件獲得が報告されており、これらが売上高および営業利益の増加に貢献しています。一方で、世界的な人件費高騰に伴う販管費の増加や、DX事業の赤字拡大が今後の業績に与える影響として注視されます。
4. 財務分析
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 7.55%
- ROE(過去12か月): 11.11% (ベンチマーク10%以上で良好)
- ROA(過去12か月): 5.05% (ベンチマーク5%以上で良好)
ROEおよびROAはベンチマークを上回っており、良好な収益性を示しています。営業利益率はベンチマークの5-10%の範囲にあり、妥当な水準です。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 52.5% (安定水準)
- 流動比率(直近四半期): 210% (流動性良好)
- D/Eレシオ(直近四半期): 30.17% (健全)
自己資本比率、流動比率ともに高く、財務の健全性は非常に良好な状態です。
【成長性】
- 売上高成長率:
- 2023年12月期実績から2024年12月期実績: +9.53%
- 2024年12月期実績から2025年12月期予想: +6.42%
- 直近四半期売上成長率(前年同期比): +14.60%
- 利益成長率:
- 営業利益(2023年12月期実績から2024年12月期実績): -3.20% (減益)
- 純利益(2023年12月期実績から2024年12月期実績): +15.56% (増益)
売上高は安定的に成長しており、特に直近の四半期では高い成長を示しています。営業利益は一時的に減益となっていますが、純利益は増益を達成しています。
【キャッシュフロー】
決算短信には四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、詳細なCF情報は不足しています。
- 現金及び預金(直近四半期): 8,533百万円(前期末比74百万円増加)
詳細な営業CF、投資CF、財務CFのデータがないため、FCF、営業CF/純利益比率、配当カバレッジ比率の算出および評価はできません。
【セグメント別分析】
(2025年12月期 第3四半期連結累計)
- 電子認証・印鑑事業:
- 売上高(外部顧客): 9,446百万円(セグメント計 9,573百万円)
- セグメント利益: 881百万円(前年同期比+15.9%)
- 収益性(セグメント利益率): 約9.2%
- 特記事項: 「GMOサイン」「トラスト・ログイン」が事業を牽引し、自治体向け導入拡大、欧米SSLの回復、大型案件獲得が成長ドライバー。
- クラウドインフラ事業:
- 売上高(外部顧客): 5,015百万円(セグメント計 5,263百万円)
- セグメント利益: 164百万円(前年同期比+49.4%)
- 収益性(セグメント利益率): 約3.1%
- 特記事項: 「CloudCREW」のマネージドサービスが好調で、セキュリティ関連のグループシナジーも寄与。
- DX事業:
- 売上高(外部顧客): 645百万円(セグメント計 676百万円)
- セグメント損失: △82百万円(前年同期は△65百万円、損失幅拡大)
- 特記事項: 店舗向けアプリ「GMOおみせアプリ」は導入拡大するも、自治体向け案件の軟調が響き、課題セグメントとなっています。
【四半期進捗】
通期予想(売上高 20,397百万円、営業利益 1,434百万円、当期純利益 880百万円)に対する第3四半期累計の進捗率は以下の通りです。
- 売上高進捗率: 74.1%
- 営業利益進捗率: 68.6%
- 純利益進捗率: 約79.9%
売上高と純利益は概ね順調ですが、営業利益はやや遅れ気味です。しかし、会社は通期予想の修正を行っておらず、現時点での達成可能性は高いと判断されます。
5. 株価分析
【現在の水準】
- PER(会社予想): 30.22倍、PBR(実績): 2.75倍
- 業界平均PER: 23.2倍、PBR: 2.3倍
PER、PBRともに業界平均と比較して割高な水準にあります。バリュエーション分析による目標株価はPER基準で1,537円、PBR基準で1,940円となっており、現在の株価2,316.0円はこれらを上回っています。
【テクニカル】
- 現在株価: 2,316.00円
- 52週高値2,519円、52週安値1,706円。現在株価は52週レンジの約75.0%地点(高値圏)に位置しています。
- 移動平均線(MA)との位置関係:
- 5日MA (2,336.20円) を下回り 0.86%
- 25日MA (2,374.96円) を下回り 2.48%
- 75日MA (2,271.43円) を上回り 1.96%
- 200日MA (2,195.91円) を上回り 5.47%
短期の移動平均線を下回っているため、短期的な下降トレンドを示唆しています。しかし、中長期の移動平均線は上回っており、長期的な上昇トレンドは維持されている可能性があります。直近では5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生していると推測されます。
【市場との比較】
- 日経平均株価およびTOPIXとの相対パフォーマンスは、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年すべての期間でアンダーパフォームしています。特に1年では日経平均に対して35.74%ポイント下回っています。
6. リスク評価
- ベータ値: 0.49 (5Y Monthly)
- ベータ値が1未満であり、市場全体の変動と比較して株価の変動が小さい、市場感応度の低い銘柄と評価されます。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 為替変動による為替差損の拡大: 第3四半期累計で営業外費用として為替差損77,429千円を計上しており、海外事業展開による為替リスクが存在します。
- 世界的な人件費高騰に伴う販管費増: 成長投資の一環として実施されている人的投資による販管費増が、利益を圧迫する可能性があります。
- DX事業の収益改善遅れ: 課題セグメントであり、今後も損失が拡大するリスクがあります。
- 事業特有のリスク:
- クラウド・セキュリティ市場は競争が激しく、技術革新も速いため、新技術への対応や競合との差別化が継続的な課題となります。
- 大規模なシステム障害発生時の事業継続性リスクも考慮されます。
- 52週レンジにおける現在位置: 年初来高値2,519円の約75.0%に位置しており、高値圏にありますが、直近の株価は短期的な調整局面にあると見られます。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残: 131,100株
- 信用売残: 31,300株
- 信用倍率: 4.19倍
信用買残が信用売残を大きく上回っており、買い方が多い状態です。信用倍率が高いため、将来的に需給が悪化するリスクも存在します。
- 株主構成と大株主の動向:
- GMOインターネットグループが51.03%の株式を保有しており、安定した大株主です。
- その他の大株主には機関投資家が含まれます。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
- 代表取締役の青山満氏は1.7%の株式を保有しています。
- GMOインターネットグループが過半数の株式を保有しているため、経営基盤は非常に安定していると考えられます。発行済株式数の57.78%がインサイダーによって保有されています。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.15%
- 1株配当(会社予想): 49.84円
- 配当性向(会社予想): 50.2%(Yahoo Japan)または約65.0%(自社算出: 49.84円/76.67円)
配当性向は比較的高く、利益還元への意識が高いことが伺えます。
- 配当の継続性・増配傾向:
過去の配当履歴からは、継続的に配当を実施していることが確認できます。2024年12月期実績の37.22円から2025年12月期予想の49.84円へと、増配傾向にあります。 - 自社株買いの実績と方針:
決算短信には自社株買いの実績や方針に関する具体的な記載はありませんでした。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- デジタル政府や企業のDX推進を背景に、電子認証・電子契約市場の拡大がサービス成長を牽引。
- 独自の認証局とクラウドインフラ提供能力により、安定したストック型収益基盤を確立。
- 財務健全性が高く、豊富な現金預金を保有しており、成長投資余力がある。
【強み】
- 国内外での高いブランド認知度と技術的優位性(独自の認証局)。
- 電子認証・印鑑事業およびクラウドインフラ事業の堅調な成長。
- 非常に良好な自己資本比率と流動性を持つ財務体質。
【弱み】
- DX事業の赤字が継続・拡大しており、グループ全体の収益性を圧迫。
- 世界的な人件費高騰が販管費を押し上げ、利益率改善の課題。
- 足元の株価バリュエーションが業界平均と比較して割高水準。
【機会】
- 電子契約やIDaaSなど、デジタル化推進に伴うセキュリティ・認証需要のさらなる増加。
- 生成AIなどの新技術への対応によるクラウド事業の高付加価値化。
- 海外市場での電子認証サービスの拡大余地。
【脅威】
- 為替変動による為替差損の拡大リスク。
- 競合他社との価格競争激化や新技術への対応遅れ。
- DX事業の構造改革が遅延した場合の損失拡大。
【注目すべき指標】
- DX事業のセグメント利益率の推移と改善状況
- 営業利益率の動向(特に販管費コントロールによる改善)
- 電子認証・印鑑事業およびクラウドインフラ事業の国内外における新規受注獲得状況
- 為替変動による損益への影響
10. 企業スコア
- 成長性: A (Quarterly Revenue Growth (前年比): 14.60%)
- 収益性: A (ROE 11.11%)
- 財務健全性: A (自己資本比率 52.5% かつ 流動比率 210%)
- 株価バリュエーション: D (PERとPBRが共に業界平均よりも割高な水準)
企業情報
| 銘柄コード | 3788 |
| 企業名 | GMOグローバルサイン・ホールディングス |
| URL | https://www.gmogshd.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,316円 |
| EPS(1株利益) | 76.64円 |
| 年間配当 | 2.15円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.4% | 32.3倍 | 3,228円 | 7.0% |
| 標準 | 4.2% | 28.1倍 | 2,644円 | 2.8% |
| 悲観 | 2.5% | 23.9倍 | 2,073円 | -2.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,316円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,321円 | △ 75%割高 |
| 10% | 1,649円 | △ 40%割高 |
| 5% | 2,081円 | △ 11%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
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