1. 企業概要
セレスは、ポイントサイト「モッピー」などのモバイルサービスと、ブロックチェーン関連やオンラインファクタリングといったフィナンシャルサービスを主軸に展開する企業です。主力サービスであるポイントサイト「モッピー」は、ユーザーが広告利用やサービス登録を通じてポイントを獲得し、現金や電子マネーに交換できる仕組みを提供しています。
収益モデルは、モバイルサービス事業においては、広告主からのアフィリエイト報酬が主な収益源であり、法人顧客向けのDX支援やD2C事業も手掛けています。フィナンシャルサービス事業では、暗号資産の販売やオンラインファクタリングの手数料が収益に寄与します。技術的な独自性としては、長年の運営実績により累計626万人を超えるモッピー会員基盤を擁し、アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)として多くの広告主とメディアを繋ぐネットワークを構築している点が挙げられます。
2. 業界ポジション
セレスは、情報・通信業に属し、特にポイントメディア市場においては大手の一角を占めていると推測されます。最近の市場動向としては、国内景気の緩やかな回復基調の中で、消費者の節約志向やポイント経済圏の拡大が追い風となる可能性があります。セレスは、M&Aにより「Point Income」事業を譲受するなど、市場シェアの拡大に積極的に取り組んでいます。
競合に対する強みとしては、強固な「モッピー」の会員基盤と、アフィリエイトネットワーク、多角的な事業展開能力があります。一方、フィナンシャルサービス事業は暗号資産市場の変動リスクに晒されやすく、D2C事業の主力商品で販売不振が報告されるなど、事業ごとの収益安定性に課題が見られます。
【定量比較】
業界平均とのPER、PBR比較では、セレスは割安な水準にあります。
| 指標 | セレス (実績/予想) | 業界平均 | 相対評価 |
|---|---|---|---|
| PER (倍) | 6.68 | 23.2 | 大幅割安 |
| PBR (倍) | 1.70 | 2.3 | 割安 |
ROE(過去12ヶ月)は25.62%と高水準ですが、業界平均データがないため比較はできません。営業利益率(過去12ヶ月)は7.51%です。
3. 経営戦略
経営陣は、モバイルサービス事業を収益の柱としつつ、D2CやDX支援を強化し、フィナンシャルサービス事業においてはブロックチェーン技術への投資とオンラインファクタリング事業の拡大を目指しています。
重点投資分野と成長戦略:
- モバイルサービス:ポイントサイト「モッピー」の会員数(626万人、前年同期比+12.7%)とアプリダウンロード数(647万、前年同期比+22.0%)の拡大、M&Aによる事業領域の拡大(Point Incomeの事業譲受)。
- D2C:主力商品の強化と新商品開発への取り組み。
- DX:企業向けDX支援の継続的な強化。
- フィナンシャルサービス:ブロックチェーン関連技術への投資とオンラインファクタリング「labol」の強化。
最近の適時開示情報:
- 2025年9月19日付で、2025年12月期通期の年間配当予想を80.00円(普通配当60円、特別配当20円)に増額する発表がありました。
- 2025年Q2において、子会社「ゆめみ」の全株式譲渡に伴い特別利益(関係会社株式売却益2,760百万円)を計上しました。同時にApollo Capital2号、DINETTE、イシス(旧エムコーポレーション)を連結子会社に追加しています。
これらの戦略や適時開示情報は、モバイルサービス事業の基盤強化と収益拡大、および新規事業の取り込みによるポートフォリオの多様化を推進する意図が見えます。特に、ゆめみ株式の売却益は一時的な利益拡大に貢献しましたが、今後の成長は本業の各事業での進捗が鍵となります。
4. 財務分析
【収益性】
- 営業利益率: 過去12ヶ月で7.51%、2024年12月期の連結では8.04%です。直近の2025年第3四半期累計では8.7%に改善しています。
- ROE(実績): 過去12ヶ月で25.62%、2024年12月期では14.56%と、ベンチマークの10%を上回る優良な水準です。
- ROA(実績): 過去12ヶ月で5.09%と、ベンチマークの5%を上回る良好な水準です。
【財務健全性】
- 自己資本比率(2025年9月30日時点): 35.3%(2024年12月期は33.8%)。目安の40%以上には届いておらず、やや改善の余地があります。
- 流動比率(2025年9月30日概算): 125%(流動資産25,017百万円 / 流動負債20,018百万円)。流動性確保の目安とされる150%以上には満たないものの、短期的な債務返済能力は有しています。
- D/Eレシオ(負債/自己資本比率、2025年9月30日概算): 1.69倍(総負債23,454百万円 / 純資産13,882百万円)。
【成長性】
- 売上高は2024年12月期まで順調に成長してきましたが、2025年12月期の通期会社予想では前年比+2.5%と成長ペースが鈍化する見通しです。
- 営業利益は、2022年12月期と2023年12月期に前年割れを経験しましたが、2024年12月期は+99.2%、2025年12月期予想も+28.4%と大きく回復する見込みです。
| 決算期 | 売上高成長率 | 営業利益成長率 |
|---|---|---|
| 2021/12連 | +15.7% | +54.1% |
| 2022/12連 | -12.3% | -45.9% |
| 2023/12連 | +17.2% | -10.3% |
| 2024/12連 | +15.1% | +99.2% |
| 2025/12連 (予) | +2.5% | +28.4% |
【キャッシュフロー】
決算短信では四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。しかし、現金及び預金は2025年9月30日時点で12,765.7百万円と増加しています。詳細なキャッシュフロー分析はデータ不足のため実施できません。
【セグメント別分析】
セレスの事業は、モバイルサービス事業とフィナンシャルサービス事業の二つに大別されます。
- モバイルサービス事業:
- 売上構成比: 2024年12月期で94%を占める主力事業です。2025年第3四半期累計においても、売上高21,136百万円(前年同期比+10.3%)、セグメント利益3,734百万円(前年同期比+22.3%)と成長を牽引しています。
- セグメント利益率: 約17.7%(2025年第3四半期累計)。
- 成長ドライバー: ポイントサイト「モッピー」の会員数増加、アプリダウンロード数拡大、Point Incomeの事業譲受、アフィリエイト広告の連携強化が挙げられます。
- 課題: D2C事業の主力商品「Pitsole」の販売不振が報告されています。
- フィナンシャルサービス事業:
- 売上構成比: 2024年12月期で6%を占める事業です。2025年第3四半期累計では、売上高1,143百万円(前年同期比+7.3%)を計上しましたが、セグメント損失は740百万円(前年同期は735百万円の損失)と損失が拡大しています。
- 成長ドライバー: オンラインファクタリング「labol」やカード決済サービスは順調に推移しています。
- 課題: 暗号資産価格の下落に伴う自己保有暗号資産の評価損や、持分法適用関係会社の持分損失が主な要因となっています。
【四半期進捗】
2025年12月期の通期予想に対する第3四半期累計(1月~9月)の進捗率は以下の通りです。
- 売上高: 22,268百万円 / 28,400百万円 = 78.4%
- 営業利益: 1,943百万円 / 2,850百万円 = 68.2%
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 2,391百万円 / 3,350百万円 = 71.4%
売上高は順調に進捗している一方、営業利益の進捗率は約7割弱です。当期純利益は特別利益の計上により高い進捗率ですが、一時的な要因であることを考慮すると、本業の営業利益の達成が重要となります。
5. 株価分析
【現在の水準】
現在の株価1,943.0円は、会社予想PER6.68倍、実績PBR1.70倍です。業界平均PER23.2倍、PBR2.3倍と比較すると、セレスの株価はPER、PBRともに割安な水準にあります。EPS(会社予想)290.67円、BPS(実績)1,143.47円を基にした理論株価は、業界平均PER基準で6,742円、業界平均PBR基準で2,629円と計算され、現在の株価はこれらを下回っています。
【テクニカル】
現在の株価1,943.00円は、52週高値3,230円、52週安値1,770円のレンジの中で、安値から9.1%の高値位置にあります。
移動平均線を見ると、現在の株価は5日移動平均線(1,961.00円)、25日移動平均線(2,040.96円)、75日移動平均線(2,223.57円)、200日移動平均線(2,273.51円)の全てを下回っています。これは、短期・中期・長期のいずれにおいても下降トレンドを示唆する状況です。
【市場との比較】
過去1年間の株価パフォーマンスは、日経平均株価やTOPIXと比較して大幅に劣後しています。株式のリターンが-39.85%に対し、日経平均は+33.05%であり、72.90%ポイント下回る結果となっています。このパフォーマンスの差は、市場全体と比較してセレスの株価が下落基調にあることを示唆しています。
6. リスク評価
ベータ値:
ベータ値は1.49(5年間の月次データ)であり、市場全体の変動に対して約1.5倍変動しやすい特性を持つ、比較的リスクの高い銘柄と言えます。
決算短信記載のリスク要因:
- フィナンシャルサービス事業における暗号資産価格の変動リスク。
- モバイルサービス事業のD2Cセグメントにおける主力商品の販売低迷。
- ポイント引当金(6,870百万円)の増加に伴う、将来的な支払い負担リスク。
- M&Aによるのれん(2,722.5百万円に増加)の増加、および将来的な償却・減損リスク。
事業特有のリスク:
- 広告・アフィリエイト市場における競争激化や広告単価の変動。
- 規制強化のリスク(暗号資産、健康食品表示など)。
- プラットフォーム運営側の規約変更による事業への影響(例: Apple/Googleのポリシー変更)。
- 技術の陳腐化や新規技術への対応が遅れるリスク。
現在の株価は52週レンジの安値に近い9.1%の位置にあり、これらのリスク要因が株価に織り込まれている可能性も考えられます。
7. 市場センチメント
信用取引の状況:
- 信用買残: 638,300株
- 信用売残: 481,000株
- 信用倍率: 1.33倍
直近で信用買残は-96,800株減少、信用売残は+153,700株増加しており、信用倍率は低下傾向にあります。信用売残の増加は、将来的な買い戻し圧力につながる可能性があります。
株主構成と大株主の動向:
主要株主には、(有)ジュノー・アンド・カンパニー (9.74%)、日本カストディ銀行(信託口) (8.77%)、日本マスタートラスト信託銀行(信託口) (7.19%)、代表取締役の都木聡氏 (6.18%)、サイバーエージェント (4.13%)などが名を連ねています。代表者自身も一定の株式を保有しており、経営陣と株主の利益が一致しやすい構造であると言えます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 4.12%(株価1,943円、予想配当80.00円に基づく)
- 配当性向(会社予想): 27.5%(2025年12月期予想EPS290.3円、年間配当80.00円に基づく)
配当は、2023年12月期の20円から2024年12月期に60円、そして2025年12月期には80円(特別配当20円含む)へと増配傾向にあります。特別配当を実施する方針は、利益水準に応じた積極的な株主還元姿勢を示しています。
自社株買いの実績や今後の計画については、提供されたデータからは確認できません。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 主力であるモバイルサービス事業の安定的な成長と強固な会員基盤。
- PER/PBRともに業界平均と比較して割安なバリュエーション水準。
- 増配傾向にある株主還元姿勢と、高いROE・ROA水準。
【強み】
- 累計626万人を超えるポイントサイト「モッピー」のユーザー基盤。
- モバイルサービス事業の高い収益性と安定した成長。
- 高い資本効率性を示すROE25.62%、ROA5.09%。
【弱み】
- フィナンシャルサービス事業の収益が暗号資産市場の変動に大きく左右される点。
- D2C主力商品の販売不振と、特定の事業セグメントへの依存度が高いこと。
- 自己資本比率が目安とされる水準をやや下回っている点。
【機会】
- M&Aによるポイントメディア市場でのさらなるシェア拡大。
- 企業からのDX需要の増加によるDX支援事業の成長。
- オンラインファクタリング「labol」事業のさらなる拡大。
【脅威】
- 暗号資産市場の継続的な低迷や規制強化。
- ポイントサービス事業における競合激化と広告単価の下落。
- M&Aで増加した「のれん」の減損リスク。
【注目すべき指標】
- フィナンシャルサービス事業の黒字化に向けた進捗状況。
- D2C事業の主力商品の販売回復状況および新商品開発の成功度。
- 自己資本比率の改善と財務体質の強化。
- 「モッピー」の月間アクティブユーザー数(MAU)とその収益性(ARPPU)。
10. 企業スコア
- 成長性: B
- 2025年第3四半期累計の売上高成長率は+10.1%とA基準に該当しますが、通期予想売上高成長率は+2.5%と大きく減速する予想です。これらの情報と、過去数年の変動を総合的に考慮し、B評価とします。
- 収益性: A
- ROE(過去12ヶ月)は25.62%とS基準(15%以上)を満たしていますが、営業利益率(過去12ヶ月)は7.51%でS基準(15%以上)には届いていません。ROEが10-15%または営業利益率が10-15%でA評価となるため、ROEの水準からA評価と判断します。
- 財務健全性: B
- 自己資本比率(2025年9月30日時点)は35.3%であり、B基準(30-40%)に該当します。流動比率(2025年9月30日概算)は125%でC基準に近い水準ですが、自己資本比率を考慮し、B評価とします。
- 株価バリュエーション: S
- PER(会社予想)は6.68倍であり、業界平均23.2倍の約28.8%と大幅に低い水準です。PBR(実績)は1.70倍であり、業界平均2.3倍の約73.9%と割安です。PERが業界平均の70%以下であるため、S評価と判断します。
企業情報
| 銘柄コード | 3696 |
| 企業名 | セレス |
| URL | http://ceres-inc.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,943円 |
| EPS(1株利益) | 290.67円 |
| 年間配当 | 4.12円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 18.6% | 7.7倍 | 5,237円 | 22.1% |
| 標準 | 14.3% | 6.7倍 | 3,788円 | 14.5% |
| 悲観 | 8.6% | 5.7倍 | 2,491円 | 5.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,943円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,899円 | △ 2%割高 |
| 10% | 2,371円 | ○ 18%割安 |
| 5% | 2,993円 | ○ 35%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
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