1. 企業概要
山洋電気は、通信機器用冷却ファン「San Ace」、無停電電源装置などの「SANUPS」ブランドの電源システム、工作機械向けサーボモーター「SANMOTION」などの精密サーボシステムを主軸とする日本の電気機器メーカーです。長年にわたり培われた技術力により、これらの製品の開発・製造・販売を展開しています。
主力製品・サービスは、高機能冷却ファン、高信頼性電源装置、および高精度サーボモーターです。特にAI関連設備や通信インフラ、FA(ファクトリーオートメーション)分野において、省エネかつ高効率なソリューションを提供しています。
収益モデルは、主にB2B(企業間取引)による製品販売が中心のフロー型であり、顧客企業の設備投資動向に影響を受けやすい特徴があります。NTT向け電源機器の開発・提供をルーツに持ち、高い信頼性と品質が求められる分野での実績を積み重ねています。
技術的独自性としては、熱設計技術、電力変換技術、モーション制御技術において高い専門性を有しています。これらの技術は特定のニッチ市場において高い参入障壁を形成しており、安定的な顧客基盤と競争優位性を支えています。
2. 業界ポジション
山洋電気は「電機・精密」および「電気機器」セクターに属し、冷却ファン、電源、サーボモーターといった特定の産業機器部品市場で事業を展開しています。業界内での明確な市場シェアは提供されていませんが、通信インフラや工作機械、半導体製造装置といった分野において、高い技術力と品質で一定の地位を確立していると推測されます。
市場動向としては、AI関連設備投資の拡大、北米市場の堅調な需要が追い風となっています。一方で、半導体装置関連については回復が遅れているものの、電子部品実装機向けなど一部で回復傾向が見られます。同社は、AIサーバ向けや北米市場の堅調な需要を捉え、積極的な受注活動を行うことで対応しています。
競合に対する相対的な強みとしては、長年の実績と高い技術力に基づく製品の信頼性、そして顧客ニーズに応じたカスタマイズ対応力が挙げられます。弱みとしては、特定の産業機器市場の景気変動に業績が左右されやすい点が考えられます。
【定量比較】
| 指標 | 山洋電気(会社予想/実績) | 業界平均 | 相対評価 |
|---|---|---|---|
| PER(会社予想) | 17.39倍 | 24.2倍 | 割安 |
| PBR(実績) | 1.25倍 | 1.6倍 | 割安 |
| ROE(実績) | 5.04% | データなし | — |
| 営業利益率(過去12か月) | 11.57% | データなし | — |
| 自己資本比率(実績) | 77.8% | データなし | — |
同一業種区分企業データは提供されていません。
3. 経営戦略
経営陣は、AI関連需要や北米市場の堅調な設備投資を主要な成長ドライバーと捉え、これらの分野への注力を進めています。中期経営計画の具体的な数値目標は直近の決算短信では言及されていませんが、高付加価値製品・ソリューションの提供により、収益性の向上と持続的な成長を目指す方針が伺えます。
重点投資分野としては、AIサーバやネットワーク機器向けの冷却システム、電子部品実装機向けのモーション制御システムが挙げられます。これらの分野における技術開発と生産体制の強化が推測されます。
最近の適時開示情報としては、2025年10月1日付での株式分割(1株を3株に分割)が挙げられます。これは投資単位当たりの金額を引き下げ、投資家層の拡大や株式の流動性向上を狙うものです。また、2026年3月期第2四半期において、AI関連需要の拡大などを背景に受注高が前年同期比31.6%増と大幅な伸びを示しています。
これらの戦略や動向は、今後の業績にポジティブな影響を与える可能性があります。特にAI関連需要の取り込みは、足元の業績改善につながっており、受注高の好調は将来の売上収益につながる見込みです。ただし、半導体・FA投資の回復ペースや世界経済の不確実性が下振れリスクとして存在します。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):11.57%(ベンチマーク5-10%を上回る)
- ROE(過去12か月):6.69%(ベンチマーク10%未満)
- ROA(過去12か月):4.06%(ベンチマーク5%未満)
- ROE、ROAはベンチマークを下回りますが、営業利益率は比較的良好です。
- 【財務健全性】
- 自己資本比率(実績):77.8%(極めて高い水準で非常に安定)
- 流動比率(直近四半期):392%(流動資産が流動負債の約4倍であり、短期的な支払い能力に十分な余裕がある)
- D/Eレシオ(直近四半期):5.02%(有利子負債は極めて低く、実質ネットキャッシュポジションと推定され、健全性が高い)
- 【成長性】
- 売上高(年次推移:百万円):2022年3月期101,123 → 2023年3月期120,803 → 2024年3月期112,904 → 2025年3月期97,847(予想)。直近は減少傾向。
- 利益(年次推移:百万円):2022年3月期9,015 → 2023年3月期11,410 → 2024年3月期10,477 → 2025年3月期5,637(予想)。直近は減少傾向。
- 四半期売上成長率(前年比):14.00%(直近過去12か月)
- 四半期利益成長率(前年比):924.20%(直近過去12か月、大幅増)
- 直近の四半期データでは大幅な成長が見られますが、年度ベースの予想では減収減益を見込んでおり、慎重な見方がされております。
- 【キャッシュフロー】(2026年3月期 第2四半期中間累計実績)
- 営業CF:7,678百万円(前年同期8,434百万円から減少)
- 投資CF:△3,102百万円(主な支出:その他無形資産取得、有形固定資産取得)
- 財務CF:△3,435百万円(主な支出:配当金支払1,067百万円、自己株式の取得976百万円、長期借入金返済)
- FCF(フリーキャッシュフロー):4,576百万円(営業CF − 投資CF。良好な水準)
- 営業CF/純利益比率:2.19(中間純利益3,509百万円に対する営業CF7,678百万円。1.0以上であり、利益の質は非常に高い)
- 配当カバレッジ比率(中間):営業CF7,678百万円 / 配当支払額1,067百万円 = 7.19倍(配当余力は高い)
- 【セグメント別分析】(2026年3月期 第2四半期中間累計実績)
- サンエースカンパニー
- 売上収益:20,304百万円(構成比約40.0%)、前年同期比+12.3%
- セグメント利益率:18.9%
- AIサーバ、ネットワーク機器向けが好調、高収益セグメント。
- エレクトロニクスカンパニー
- 売上収益:10,300百万円(構成比約20.3%)、前年同期比+3.7%
- セグメント利益率:1.2%
- 再生可能エネルギー、社会インフラ向けは安定も、半導体装置関連の回復遅延が課題。低収益。
- モーションカンパニー
- 売上収益:17,587百万円(構成比約34.6%)、前年同期比+10.2%
- セグメント利益率:4.2%
- 電子部品実装機向けで回復、受注が大幅増。今後の成長ドライバーとして期待。
- その他
- 売上収益:2,592百万円(構成比約5.1%)、前年同期比+1.5%
- セグメント利益率:14.7%
- 電気機器販売や電気工事等を含む。
- 【四半期進捗】(2026年3月期 第2四半期中間累計実績、通期予想に対する進捗率)
- 売上高進捗率:47.4%
- 営業利益進捗率:42.0%
- 親会社帰属当期利益進捗率:41.3%
- 中間時点での進捗率は、通期予想に対して概ね順調に推移していると言えます。特に売上高は通常の上期比率としてはやや高めで、受注高の好調も踏まえると、通期で会社予想を上回る可能性も考えられますが、下期の半導体・工作機械関連需要の回復ペースに依存する側面があります。前年同期と比較して、売上高は9.2%増、営業利益率は大幅に改善しています。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- PER(会社予想):17.39倍
- PBR(実績):1.25倍
- 業界平均PER24.2倍、業界平均PBR1.6倍と比較すると、PER、PBRともに業界平均より割安な水準にあります。これは、同社の株価が市場全体や同業他社と比較して過小評価されている可能性を示唆します。
- EPS(会社予想)239.22円、BPS(実績)3,317.62円に基づくと、業種平均PER基準の目標株価は5,114円、業種平均PBR基準の目標株価は5,305円となり、現在の株価4,160.0円はこれら理論株価レンジを下回っています。
- 【テクニカル】
- 52週高値4,335円、安値2,453円に対し、現在株価4,160.0円は52週レンジの25.3%の位置にあり、安値圏に近い水準です。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線(4,190.00円)を下回っています。
- 25日移動平均線(4,110.80円)を上回っています。
- 75日移動平均線(3,799.67円)を上回っています。
- 200日移動平均線(3,425.41円)を上回っています。
- 短期的には5日移動平均線を下回っていますが、中長期(25日、75日、200日)の移動平均線を上回っており、上昇トレンドが継続していると見ることができます。ただし、明確なゴールデンクロスやデッドクロスのシグナルは現在のデータからは判断できません。
- 【市場との比較】
- 1ヶ月リターンは日経平均、TOPIXを下回っています。
- 3ヶ月リターン、6ヶ月リターンは日経平均、TOPIXを上回っており、中期的には市場をアウトパフォームしています。
- 1年リターンは日経平均、TOPIXを大幅に下回っています。これは過去の高い株価からの調整があったことを示唆しています。
6. リスク評価
- ベータ値:0.90
- 市場全体の動きに対し、山洋電気の株価はやや市場感応度が低い(市場より変動が小さい)傾向があります。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 世界貿易摩擦の激化、半導体投資循環の変動、為替変動(円高進行、原材料輸入コスト増)、原材料価格の動向などが挙げられています。これらの要因は、国際的な事業展開を行う同社の業績に直接的な影響を与える可能性があります。
- 事業特有のリスク:
- 主要顧客である通信機器メーカーや工作機械メーカー、半導体製造装置メーカーにおける設備投資計画の変動が、同社の受注や売上に直接影響します。特に半導体投資の回復遅延は、一部セグメントの収益を圧迫する可能性があります。
- 技術陳腐化のリスク:冷却技術、電源技術、モーター制御技術の進化に対応できない場合、競争力を失う可能性があります。継続的な研究開発投資が不可欠です。
- 特定市場への依存:AI関連市場の需要に強く依存しているため、この市場の成長が鈍化した場合、業績に影響が出る可能性があります。
- 52週レンジにおける現在位置:25.3%
- 現在の株価は、過去1年のレンジにおいて比較的安値圏に近く、下値余地は限定的である一方、上昇余地があるとも考えられます。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残:62,600株
- 信用売残:42,800株
- 信用倍率:1.46倍
- 信用倍率は1倍をやや上回る程度であり、極端な買い圧力や売り圧力は現状見られず、需給バランスは概ね健全な水準にあります。
- 株主構成と大株主の動向:
- 大株主には協同興業(14.22%)、自社(自己株口 8.74%)、日本マスタートラスト信託銀行(信託口 8.41%)などが名を連ね、安定株主の存在が確認できます。機関投資家(% Held by Institutions 33.78%)も一定の比率を保有しています。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
- インサイダー保有比率は23.24%と開示されており、経営陣も一定の株式を保有していると推定され、経営の安定性に寄与します。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想):1.68%
- 配当性向(会社予想、年間配当70円/EPS239.22円で算出):29.26%
- 配当性向は健全な範囲にあり、業績の変動にも耐えうる水準です。
- 配当の継続性・増配傾向:
- 配当金履歴を見ると、年間配当は2021年3月期32.5円→2022年3月期38.33円→2023年3月期45円→2024年3月期48.33円→2025年3月期55円→2026年3月期70円(会社予想)と、継続的な増配傾向にあります。これは株主還元を重視する姿勢を示しています(いずれも株式分割調整前の値で比較されている可能性。分割適用だと2026年3月期予想は70円)。
- 自社株買いの実績と方針:
- 2026年3月期中間期において自己株式取得を976百万円実施しており、株価の下支えやEPS向上に寄与する方針が伺えます。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
- AI関連設備投資の拡大が牽引する需要増と受注高の好調。
- 冷却ファン、電源、サーボモーターにおける高い技術力とニッチ市場での優位性。
- 自己資本比率が高く、有利子負債が少ない極めて健全な財務体質。
- 【強み】
- 高い製品技術力と品質により、重要な産業機器市場で安定した顧客基盤を構築。
- 非常に強固な財務基盤(高い自己資本比率、潤沢なネットキャッシュ、高い流動比率)。
- 営業キャッシュフローが堅調であり、利益の質が高い。
- 【弱み】
- 半導体・工作機械関連などの設備投資循環に業績が左右されやすい。
- 特定のセグメント(エレクトロニクス)の収益性が相対的に低い。
- グローバル経済の減速や原材料価格の高騰、為替変動の影響を受けやすい。
- 【機会】
- AI・データセンター向けの熱対策需要の継続的な拡大。
- EVや再生可能エネルギー関連技術の進化に伴う電源・モーター需要の創出。
- 北米市場など海外事業のさらなる拡大。
- 【脅威】
- 世界的な貿易摩擦や地政学的リスクによるサプライチェーンの混乱。
- 競合他社による技術革新や価格競争の激化。
- 半導体市場の回復遅延や、顧客企業の設備投資削減。
- 【注目すべき指標】
- 受注高の推移(特にAI関連、モーションセグメント):今後の売上成長の先行指標。
- セグメント別利益率の改善(特にエレクトロニクス、モーション):収益性向上への貢献度。
- 通期業績予想に対する進捗率と下方修正リスクの有無:半導体・FA市況回復の動向を見極める。
10. 企業スコア
- 成長性: A
- 直近四半期の売上高成長率(前年比)が14.0%であり、高い成長ポテンシャルを示しています。
- 収益性: A
- 過去12か月の営業利益率が11.57%であり、評価基準の10-15%の範囲にあります。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率が77.8%と60%以上であり、流動比率も392%と200%以上であるため、極めて健全な財務状態です。
- 株価バリュエーション: A
- PER(会社予想17.39倍)は業界平均(24.2倍)の約71.8%、PBR(実績1.25倍)は業界平均(1.6倍)の約78.1%であり、両指標が業界平均の80-90%の範囲で割安と評価されます。
企業情報
| 銘柄コード | 6516 |
| 企業名 | 山洋電気 |
| URL | http://www.sanyodenki.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 4,160円 |
| EPS(1株利益) | 239.22円 |
| 年間配当 | 1.68円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 21.2倍 | 5,065円 | 4.1% |
| 標準 | 0.0% | 18.4倍 | 4,404円 | 1.2% |
| 悲観 | 1.0% | 15.6倍 | 3,935円 | -1.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 4,160円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,194円 | △ 90%割高 |
| 10% | 2,740円 | △ 52%割高 |
| 5% | 3,458円 | △ 20%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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