以下に巴工業(6309)の企業分析レポートを提出します。

1. 企業概要

巴工業は、デカンター型遠心分離機に代表される機械製造販売事業と、合成樹脂、工業材料、化成品などの化学工業製品販売事業を展開する企業です。特にデカンター型遠心分離機では国内トップシェアを誇ります。
主力製品である遠心分離機は、固液分離技術を中核とし、水処理、食品、化学、医薬、環境リサイクルなど幅広い産業分野に導入されています。化学工業製品販売では、多様な仕入先から幅広い機能性材料を調達し、顧客のニーズに合わせたソリューションを提供しています。
収益モデルとしては、機械製造販売事業はB2Bの設備投資需要に、化学工業製品販売事業はB2Bの素材提供・商社機能に依存しており、ともにフロー型とストック型(部品・修理、継続的な材料供給)の両方の要素を持っています。技術的独自性としては、デカンター型遠心分離機における長年のノウハウと国内トップの地位が参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

巴工業はデカンター型遠心分離機市場において国内首位のポジションを確立しています。化学工業製品販売事業では、多岐にわたる商材を扱う輸入商社として機能しています。
市場動向としては、国内の官需・民需における機械製造販売事業の受注が好調に推移している一方で、化学工業製品販売事業では機能材料(半導体用途)や電子材料の一部に伸び悩みも見られます。特にアジア地域での売上が減少しており、中国経済の減速などの外部環境リスクへの対応が課題です。
競合に対する相対的な強みとしては、遠心分離機における高い技術力と実績、多様な産業への対応力、および化学品販売における幅広い製品ラインナップと仕入・販売ネットワークが挙げられます。一方、弱みとしては特定国(中国など)の経済状況や地政学リスクへの依存度、販管費増による利益率への影響などが考えられます。

【定量比較】業界平均との財務指標比較

指標 巴工業(会社予想/実績) 業界平均 評価
PER(倍) 13.10 16.6 割安
PBR(倍) 1.29 1.4 やや割安

PER、PBRともに業界平均を下回っており、バリュエーション面では割安感があると言えます。

【同一業種区分企業比較】

企業名 コード 時価総額(百万円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
巴工業 6309 55,047 13.10 1.29 9.38 3.92
タクミナ 6322 12,474 9.08 1.03 11.98 3.10

同業他社と比較すると、巴工業のPERとPBRはタクミナより高い水準にあります。ROEはタクミナが11.98%であるのに対し、巴工業は9.38%とやや劣っていますが、配当利回りはタクミナを上回っています。

3. 経営戦略

経営陣は、新中期経営計画(2026–2028)「Create The New Future」を掲げ、2028年までに連結売上高70,000百万円、営業利益7,000百万円、当期純利益5,000百万円を目指しています。
重点投資分野としては、将来成長に資する設備投資の拡大と研究開発への注力を計画しており、2025年10月期には有形固定資産取得額が前期比で大幅に増加しました(2,505百万円、前期507百万円)。成長戦略としては、各セグメントでの海外展開強化と高付加価値商品の拡充を挙げ、機械事業では国内市場の掘り起こしと安定した海外事業基盤構築、化学事業では市場ニーズへの対応力強化と新たな領域への展開を図っています。
最近の適時開示情報として、2025年10月期決算短信では売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で増収増益となり、過去最高業績を更新したことが報告されています。特に機械製造販売事業の国内受注好調が業績を牽引しました。
これらの経営戦略は、今後の業績に良い影響を与える可能性があります。設備投資の拡大は将来的な生産能力増強や効率化に繋がり、研究開発の強化は競争力のある新製品・サービスの創出を促進するでしょう。新中計の初年度となる2026年10月期の通期予想も増収増益を前提としており、会社の成長意欲が伺えます。

4. 財務分析

【収益性】

  • 営業利益率(2025年10月期実績):9.02%
  • ROE(2025年10月期実績):9.38%(ベンチマーク10%に迫る良好な水準)
  • ROA(過去12か月実績):6.11%(ベンチマーク5%を上回る良好な水準)

営業利益率は堅調であり、ROE、ROAともに良好な水準を維持しており、効率的な資本活用ができていると評価できます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(2025年10月期実績):75.8%(非常に高い水準で、財務基盤が極めて安定している)
  • 流動比率(直近四半期):329%(流動資産41,756百万円 / 流動負債12,693百万円。非常に高く、短期的な支払い能力に優れる)
  • D/Eレシオ:データなし。しかし、自己資本比率の高さから負債は限定的と推測されます。

極めて高い自己資本比率と流動比率から、財務健全性は非常に高いと評価できます。

【成長性】

指標 2021/10連 2022/10連 2023/10連 2024/10連 2025/10連
売上高(百万円) 45,132 45,588 49,628 52,119 59,365
営業利益(百万円) 2,843 3,299 4,048 4,703 5,352
純利益(百万円) 2,108 2,659 2,733 3,616 3,851

売上高は着実に成長しており、特に2025年10月期は前期比13.9%増と高い成長率を示しました。営業利益、純利益も継続的に成長しており、特に営業利益は直近数年で大幅に増加しています。

【キャッシュフロー(連結、百万円)】

分類 2025年10月期 2024年10月期
営業CF +2,376 +3,363
投資CF △2,474 △629
財務CF △1,546 △1,327
  • 営業CFは前期比で減少していますが、依然としてプラスを維持しています。
  • 投資CFは有形固定資産の取得(2,505百万円)により大幅な支出増となりました。これは将来の成長に向けた積極的な投資を示唆しています。
  • 財務CFは配当支払等によりマイナスとなっています。
  • フリーキャッシュフロー(FCF):営業CF 2,376百万円 – 投資CF △2,474百万円 = △98百万円(小幅マイナス)。積極的な設備投資により小幅ながらマイナスに転じていますが、投資の性質を考慮すると一過性である可能性もあります。
  • 営業CF/純利益比率:2,376百万円 / 3,851百万円 = 0.62。1.0未満であり、利益の質にはやや懸念があるものの、減価償却費等の非現金支出を考慮すると、必ずしも問題とは限りません。
  • 配当カバレッジ比率:営業CF 2,376百万円 / 配当支払総額 1,806百万円 = 1.32倍。営業キャッシュフローで配当をカバーできる水準です。

【セグメント別分析(連結、百万円)】

  • 機械製造販売事業
    • 売上高:15,238(前期比+17.2%)
    • セグメント利益:1,844(前期比+55.4%)
    • 国内の官需・民需が好調で、売上・利益ともに大幅な成長を牽引しました。
  • 化学工業製品販売事業
    • 売上高:44,127(前期比+12.8%)
    • セグメント利益:3,508(前期比△0.2%)
    • 売上は増加したものの、人件費等の販管費増加により営業利益はほぼ横ばいとなりました。機能材料や電子材料の一部に伸び悩みが見られます。

成長ドライバーは機械製造販売事業であり、化学工業製品販売事業は売上成長にもかかわらず販管費の増加が利益改善の課題となっています。

【四半期進捗】

通期決算であるため、四半期進捗率のデータは提供されていません。

5. 株価分析

【現在の水準】

  • PER(会社予想):13.10倍
  • PBR(実績):1.29倍

業界平均PER16.6倍、業界平均PBR1.4倍と比較すると、現在のPERとPBRは業界平均を下回っており、株価は割安な水準にあると判断できます。

  • EPS(会社予想):140.31円
  • BPS(実績):1,427.68円
  • 目標株価(業種平均PER基準):2,242円
  • 目標株価(業種平均PBR基準):1,999円

現在の株価1,838.0円は、これらの目標株価レンジに対して下方に位置しており、割安感がある可能性があります。

【テクニカル】

  • 52週高値・安値:52週高値1,838円に対し、現在の株価は1,838.0円で年初来高値に位置しています。52週安値は1,182円です。
  • 移動平均線との位置関係
    • 5日MA(1,808.00円)を1.66%上回る
    • 25日MA(1,749.28円)を5.07%上回る
    • 75日MA(1,682.37円)を9.25%上回る
    • 200日MA(1,563.33円)を17.57%上回る

すべての移動平均線を上回っており、特に短期・中期・長期の移動平均線から大きく乖離して上昇トレンドを示しています。

  • トレンドシグナル:現在の株価水準と移動平均線の位置関係からは、強い上昇トレンドが示唆され、ゴールデンクロスが継続している、あるいはより長期の移動平均線でも発生している可能性があります。

【市場との比較】

  • 日経平均比:1年リターンで日経平均を12.24%ポイント上回り、アウトパフォームしています。
  • TOPIX比:1年リターンでTOPIXを上回っており、相対的に良好なパフォーマンスを示しています。

長期的に見て市場全体をアウトパフォームしており、株価は堅調に推移しています。

6. リスク評価

  • ベータ値:0.47(5Y Monthly)。市場全体の変動に対する感応度が低く、株式市場全体が変動する局面において比較的安定した値動きをする傾向があります。
  • 決算短信記載のリスク要因
    • 米国の関税政策、中東・ウクライナ紛争の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰
    • 急激な為替変動(円安は輸出に有利な面もあるが、輸入化学品販売には不利に作用する可能性)
    • 日中関係悪化、中国経済の減速(アジア地域の売上減少として既に影響が出ている)
    • 受注変動、人件費上昇、地政学リスク等
  • 事業特有のリスク:デカンター型遠心分離機はインフラ関連や産業設備投資に需要が左右されるため、景気変動の影響を受けやすい可能性があります。化学工業製品販売事業は、原材料価格の高騰や特定の機能材料市場の需給バランスの変動リスクがあります。また、主要な仕入先や販売先との関係性もリスク要因となり得ます。
  • 52週レンジにおける現在位置:100.0%(年初来高値)。現状は株価が52週高値に到達しているため、短期的には調整リスクも考慮する必要があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:信用買残129,400株、信用売残200株、信用倍率647.00倍。信用倍率が極めて高く、この水準は将来的な売り圧力になり得る可能性がありますが、信用買残が先週比で減少している点は注目されます。
  • 株主構成と大株主の動向
    • 日本マスタートラスト信託銀行(8.68%)、光通信(株)(7.09%)など、機関投資家や事業会社が大株主として名を連ねています。
    • 大株主上位には「自社(自己株口)」や「自社取引先持株会」「自社従業員持株会」も含まれており、安定株主が一定割合を占めていると考えられます。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況:% Held by Insidersは32.84%であり、経営陣が相当な株式を保有していることから、経営の安定性に寄与していると言えます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想):3.92%
  • 1株配当(会社予想):72.00円
  • 配当性向(2025年10月期実績):46.9%
  • 配当の継続性・増配傾向:決算期ごとの年間配当は、2020年10月期から2025年10月期までは増加傾向にあり、2026年10月期も増配予想となっています。継続的な株主還元姿勢が伺えます。
  • 自社株買いの実績と方針:決算短信では自己株式の取り扱いについては都度検討する方針と記載されており、具体的な実績や計画は明記されていません。

新中期経営計画では、連結配当性向目標を50%以上、DOE(自己資本配当率)下限5%と定めており、今後も株主還元強化の意思が明確に示されています。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • 国内トップのデカンター型遠心分離機技術と安定した化学品販売事業を両軸とした堅実な事業構造。
  • 自己資本比率75.8%に代表される極めて強固な財務体質と、配当性向50%以上・DOE5%下限を目指す積極的な株主還元方針。
  • 新中期経営計画に基づく明確な成長戦略と、2025年10月期の過去最高業績達成に見られる順調な進捗。

【強み】

  • デカンター型遠心分離機における国内トップシェアと高い技術的優位性。
  • 極めて高い自己資本比率と流動比率による、強固な財務基盤。
  • 複数事業セグメントによる収益の安定性とリスク分散。

【弱み】

  • 化学工業製品販売事業における販管費増が利益率改善のボトルネックとなっている点。
  • FCFが小幅ながらマイナスとなっている点(設備投資増による一時的要因の可能性あり)。
  • アジア地域(特に中国)の経済情勢や地政学リスクへの感応度が高いこと。

【機会】

  • 中期経営計画に基づく設備投資と研究開発により、新たな成長市場や高付加価値製品への展開。
  • 国内官需・民需の安定的な需要と、成長が見込まれる環境・リサイクル分野での遠心分離機需要拡大。
  • 積極的な株主還元方針の明示による投資家からの評価向上。

【脅威】

  • 原材料価格やエネルギー価格の高騰、急激な為替変動が利益率を圧迫する可能性。
  • 特定地域(中国)の経済減速や地政学リスクの顕在化。
  • 足元の株価が52週高値に位置しており、短期間での利益確定売りによる調整リスク。

【注目すべき指標】

  • 2026年10月期 連結営業利益目標:5,750百万円
  • 新中期経営計画における2028年度 連結営業利益目標:7,000百万円
  • 連結配当性向目標:50%以上、DOE下限:5%

10. 企業スコア

  • 成長性: A (売上成長率 13.9% [2025年10月期実績])
  • 収益性: B (ROE 9.38% かつ 営業利益率 9.02% [2025年10月期実績])
  • 財務健全性: S (自己資本比率 75.8% かつ 流動比率 329% [2025年10月期実績])
  • 株価バリュエーション: B (PER 13.10倍 / 業界平均16.6倍 = 78.9%、PBR 1.29倍 / 業界平均1.4倍 = 92.1% [PERは業界平均の70-80%台、PBRは業界平均の90-110%])

企業情報

銘柄コード 6309
企業名 巴工業
URL http://www.tomo-e.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,838円
EPS(1株利益) 140.31円
年間配当 3.92円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 11.9% 15.1倍 3,712円 15.3%
標準 9.2% 13.1倍 2,850円 9.4%
悲観 5.5% 11.1倍 2,042円 2.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,838円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,430円 △ 29%割高
10% 1,786円 △ 3%割高
5% 2,253円 ○ 18%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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