1. 企業概要

株式会社モスフードサービスは、ファストフードチェーン「モスバーガー」を主力事業として国内外で展開する企業です。国内においては、フランチャイズ(FC)方式を中心に店舗を運営しており、その比率は8割強に達します。主力製品であるモスバーガーは、商品開発力に定評があり、高品質・高価格帯を特徴としています。その他、紅茶専門店のマザーリーフ、新規飲食事業など多角的なブランド運営も行っています。
収益モデルは、主にB2C(消費者向け)のフロー型ビジネスですが、FC事業はロイヤリティ収入というストック型要素も持ち合わせています。モスバーガーの独自の食材調達ネットワークや品質管理体制、長年培われたブランド力と顧客ロイヤルティが技術的独自性および高い参入障壁として機能しています。

2. 業界ポジション

モスフードサービスは、国内ファストフード業界において業界2位のポジションを確立しており、特にハンバーガーチェーンにおいては大手の一角を占めています。市場動向としては、雇用・所得環境の緩やかな改善やインバウンド需要の増加が追い風となる一方で、原材料・エネルギーコストの高騰、人手不足による人件費上昇が課題となっています。同社は、価格グラデーション化や時間帯別売上平準化、新商品開発、デジタル化(席で注文、フルセルフレジ等)を通じてこれらの市場変化に対応しています。
競合に対する相対的な強みは、高品質・健康志向の商品力とブランドイメージ、高い顧客ロイヤルティ、そしてFC展開による効率的な出店・運営体制です。弱みとしては、新興勢力や低価格帯競合との価格競争、新規飲食事業における育成期間の収益性課題が挙げられます。

【定量比較】業界平均との財務指標比較(卸売業)

指標 モスフードサービス 業界平均(卸売業) 同一業種区分企業(レスター) 同一業種区分企業(クワザワホールディングス)
PER(会社予想) 45.11倍 12.1倍 10.66倍 10.36倍
PBR(実績) 2.31倍 1.0倍 0.92倍 0.56倍
ROE(実績) 5.95% データなし 8.79% 4.76%
営業利益率(実績) 8.60% (過去12か月) データなし データなし データなし

※モスフードサービスの17業種区分は「商社・卸売」、33業種区分は「卸売業」です。提供された同業種区分企業は卸売業に分類される企業です。
PER、PBRは業界平均と比較して大きく割高な水準にあります。ROEは同業区分企業(レスター)と比較するとやや低い水準です。

3. 経営戦略

経営陣は2025年5月に公表した中期経営計画(2025-2027)に基づき、ブランド育成、海外事業の収益改善、供給網の強化、ESG(環境・社会・ガバナンス)への貢献を重点投資分野としています。
最近の適時開示情報である2026年3月期第2四半期決算短信によると、国内モスバーガー事業が既存店売上高109.5%、客数106.0%、客単価103.3%と好調に推移しており、DX推進による効率化も進んでいます。海外事業では売上高は減少したものの、収益性改善施策が奏功し営業利益は大幅に増加しました。一方で新規飲食事業は育成段階にあり、セグメント損失が拡大しています。
これらの戦略と直近の業績は、国内主力事業の盤石化と収益基盤の強化を目指す中期経営計画の初年度として、概ね順調であると評価できます。国内モスバーガー事業の強固な基盤が全体の業績を牽引し、海外事業の収益性改善も寄与していますが、新規事業の早期黒字化が今後の成長にとって重要な課題となるでしょう。

4. 財務分析

【収益性】

指標 過去12か月 2026年3月期中間期 2025年3月期 2024年3月期 2023年3月期 ベンチマーク 評価
営業利益率 8.60% 7.96% 5.43% 4.50% 0.05% 10% 改善傾向
ROE(実績) 7.60% 約10.0% (年換算) 5.95% 5.16% データなし 10% 改善傾向
ROA(過去12か月) 4.97% 約6.76% (年換算) データなし データなし データなし 5% 改善傾向

過去12か月の営業利益率は8.60%と前年度から改善し、2026年3月期中間期においても約7.96%と高い水準を維持しています。ROEは過去12か月で7.60%であり良好な水準ですが、中間期を単純年換算すると約10.0%となり、ベンチマークの10%に到達します。ROAも過去12か月で4.97%とベンチマークの5%に迫っており、収益性は着実に改善しています。

【財務健全性】

指標 直近実績(中間末) 2025年3月期末 ベンチマーク 評価
自己資本比率 67.5% 67.1% 40%以上 非常に良好
流動比率 238% データなし 150%以上 非常に良好
D/Eレシオ 0.0891倍 データなし 1.0倍以下 非常に良好

自己資本比率は67.5%と極めて高く、流動比率も238%と安全域を大幅に上回っています。有利子負債は総額2,475百万円に対して現預金が26,705百万円あり、財務は非常に健全な状態です。

【成長性】

指標 2025/3期 → 2026/3期予想 2024/3期 → 2025/3期 2023/3期 → 2024/3期 2022/3期 → 2023/3期 2021/3期 → 2022/3期
売上高成長率 +0.85% +3.36% +9.40% +8.43% +9.00%
営業利益成長率 +0.52% +24.81% +10000%超* -98.82%* +144.23%

*2023年3月期営業利益が41百万円と極端に低いため、対前年比の変動率が非常に大きくなっています。
売上高は安定的に成長していますが、2026年3月期の通期予想では約0.85%と成長率が鈍化する見込みです。しかし、過去12か月の売上高成長率は+3.30%、直近四半期売上高成長率(前年比)は+7.60%と堅調であり、通期予想は保守的である可能性があります。営業利益は2023年3月期に一時的に大幅減少しましたが、その後回復し、過去12か月では+25.5%と高い成長を示しています。

【キャッシュフロー】

キャッシュフロー(百万円) 過去12か月実績 2026年3月期中間期 2025年3月期予想 2024年3月期 2023年3月期 2022年3月期
営業活動によるCF +9,260 +4,080 データなし データなし データなし データなし
投資活動によるCF データなし △1,366 データなし データなし データなし データなし
財務活動によるCF データなし △1,169 データなし データなし データなし データなし
FCF(フリーキャッシュフロー) +4,910 +2,714 データなし データなし データなし データなし

過去12か月の営業CFは+9,260百万円と潤沢であり、投資活動によるCFを賄い、フリーキャッシュフローも+4,910百万円と安定しています。2026年3月期中間期においても営業CFは+4,080百万円と前年同期比で改善しており、FCFも+2,714百万円と順調です。

  • 営業CF/純利益比率: 過去12か月実績では2.20倍、2026年3月期中間期では約1.44倍。どちらも1.0倍を大きく上回っており、利益の質は非常に健全であると評価できます。
  • 配当カバレッジ比率: 営業CF(過去12か月)9,260百万円 / 配当支払額(直近年間配当30円 × 発行済株式数32,009,910株 = 960百万円)≒ 9.65倍。配当の安定性は高いと言えます。

【セグメント別分析】

2026年3月期中間期の実績は以下の通りです。

セグメント 売上高(百万円) 前年同期比(%) 利益/損失(百万円) 前年同期比(%) 構成比(売上) 店舗数(中間期末)
国内モスバーガー 41,416 +9.8 4,556 +31.2 81.6% 1,314
海外事業 7,685 △8.5 247 +165.9 15.1% 414
新規飲食事業 1,010 +9.6 △91 損失拡大 2.0% 26
その他の事業 646 +17.8 293 +13.5 1.3% データなし

国内モスバーガー事業が売上の8割以上を占める主力セグメントであり、売上高・利益ともに大幅に成長し、全体の収益ドライバーとなっています。海外事業は売上高が減少したものの、収益性改善施策により利益が増加しています。新規飲食事業は売上高は増加していますが、依然として損失が拡大しており、今後の課題セグメントです。

【四半期進捗】

2026年3月期通期予想に対する中間期実績の進捗率は以下の通りです。

  • 売上高進捗率: 50,758百万円 / 97,000百万円 ≒ 52.4%
  • 営業利益進捗率: 4,041百万円 / 5,250百万円 ≒ 77.0%
  • 親会社株主に帰属する当期純利益進捗率: 2,834百万円 / 2,900百万円 ≒ 97.7%

中間期において、売上高は通期予想の5割強と順調であり、営業利益および純利益はそれぞれ約77%と約98%と通期予想に対して極めて高い進捗を示しています。これは、上期に利益が先行する傾向があるためと考えられますが、通期予想の達成可能性は非常に高いと評価できます。

5. 株価分析

【現在の水準】

  • PER(会社予想): 45.11倍
    • 業界平均PER 12.1倍と比較すると、大きく割高な水準です。
  • PBR(実績): 2.31倍
    • 業界平均PBR 1.0倍と比較すると、割高な水準です。
  • EPS(会社予想)ベースの理論株価レンジ:
    • 業界平均PER基準の目標株価: 1,647円(現在株価4,240円に対し割高)
  • BPS(実績)ベースの理論株価レンジ:
    • 業界平均PBR基準の目標株価: 1,834円(現在株価4,240円に対し割高)

現在のPER/PBRは、業界平均と比較してかなり割高な水準にあります。収益性改善や高いブランド価値が評価されている可能性がありますが、バリュエーション指標だけを見ると割高感があります。

【テクニカル】

  • 52週高値・安値との位置関係:
    • 現在株価4,240円は、52週高値4,380円と52週安値3,375円のレンジ内において、安値から86.1%の位置にあり、高値圏で推移しています。
  • 移動平均線との位置関係:
    • 現在株価 (4,240.00円) は、5日移動平均線 (4,230.00円) をわずかに上回っています(+0.24%)。
    • 25日移動平均線 (4,244.80円) をわずかに下回っています(-0.11%)。
    • 75日移動平均線 (4,080.40円) は上回っています(+3.91%)。
    • 200日移動平均線 (3,887.70円) は上回っています(+9.06%)。
    • 短期的な方向性が定まらない中で、中・長期移動平均線は上向きであり、全体としては上昇トレンドが継続していることを示唆しています。
  • トレンドシグナル:
    • 明確なゴールデンクロスやデッドクロスの発生は直近では見られませんが、中長期の移動平均線が上向きであることから、長期的な買い圧力が続いていると考えられます。

【市場との比較】

  • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス:
    • 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の期間において、日経平均およびTOPIXのパフォーマンスを下回っています。特に6ヶ月、1年では日経平均とTOPIXが大幅に上昇しているのに対し、同社の株価上昇率は相対的に低い結果となっています。これは、市場全体の成長モメンタムに対して、同社株の魅力が相対的に薄れていることを示唆する可能性があります。

6. リスク評価

  • ベータ値: 0.06
    • 市場全体の値動きに対する感応度を示すベータ値は0.06と非常に低く、市場全体の変動による影響を受けにくい、安定性の高い銘柄であると言えます。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 原材料価格の高騰: 穀物、肉類、乳製品などの価格変動は原価率に直接影響します。
    • エネルギー費用の上昇: 電気代、ガス代などの上昇は店舗運営コストを押し上げます。
    • 人件費上昇: 人手不足に伴う採用コスト増や賃金上昇は販管費増につながります。
    • 為替変動リスク: 食材輸入や海外事業における為替変動は業績に影響を与える可能性があります。
    • 海外事業の商圏変化、国際情勢の悪化、競合他社との競争激化もリスク要因として挙げられています。
  • 事業特有のリスク:
    • 食品の安全・安心への意識の高まり: 食の安全に関わる問題が発生した場合、ブランドイメージや売上に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
    • 急速な消費トレンドの変化: 消費者の嗜好の変化に迅速に対応できない場合、競争力が低下するリスクがあります。
    • 新たな技術の導入への対応: デジタル化や省人化技術への投資が遅れると、競合に遅れをとる可能性があります。
  • 52週レンジにおける現在位置:
    • 現在株価は52週レンジの高値圏(86.1%)にあり、高値を更新し続けるか、反落するかの転換点にある可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残: 13,800株(前週比 +800株)
    • 信用売残: 21,200株(前週比 -700株)
    • 信用倍率: 0.65倍
    • 信用売残が買残を上回っており、信用倍率が1倍を下回ることから、株価上昇に対する期待が低い、または売り方の買い戻し期待が高い状況と解釈できます。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 日本マスタートラスト信託銀行が9.11%を保有する筆頭株主であり、他には紅梅食品工業(4.37%)、ダスキン(4.11%)、日本生命保険(3.78%)などの安定株主が名を連ねています。機関投資家による保有も約16.60%と一定数存在します。主要な機関投資家が安定株主として存在していると考えられます。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
    • 発行済株式数に対するインサイダー(経営陣)保有比率は16.06%です。経営陣が一定の株式を保有しており、経営へのコミットメントは高いとみられます。自社(自己株口)も2.13%保有しています。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 0.71%
  • 配当性向(会社予想): 29.4% (中間実績から算定すると、通期予想EPS 94円に対し配当30円で約31.9%)
  • 配当の継続性・増配傾向:
    • 2026年3月期の年間配当予想は30円で、2025年3月期と同額を維持する方針です。
    • 過去には2023年3月期に純損失を計上した際も配当を維持しており、安定配当を重視する方針が見られます。
  • 自社株買いの実績と方針:
    • 2026年3月期中間期に83百万円の自己株式取得実績があります。株主還元策として自社株買いも活用しています。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • 国内モスバーガー事業の堅調な成長と収益改善: 中間期決算で国内主力事業が売上・利益ともに大きく伸長し、価格改定やDX推進が奏功しており、今後も安定的な収益貢献が期待されます。
  • 極めて健全な財務基盤と高い利益の質: 自己資本比率67.5%、流動比率238%、営業CF/純利益比率1.44倍と、財務健全性とキャッシュ創出力は非常に高く、事業の安定性を裏付けています。
  • 高い通期予想達成率: 中間期で既に通期利益予想の約98%を達成しており、会社の業績予想は保守的である可能性が高く、通期で上振れる期待があります。

【強み】

  • 高品質で健康志向のブランドイメージと商品開発力
  • フランチャイズ展開による効率的な事業運営と安定的なロイヤリティ収入
  • 極めて高い財務健全性と潤沢なキャッシュフロー
  • 好調な国内モスバーガー事業が主力の収益源

【弱み】

  • 新規飲食事業の育成に時間がかかり、現状はセグメント損失が継続している点
  • 原材料費、人件費、エネルギー価格の高騰など、コスト増圧力
  • 業界平均と比較して割高なPER/PBR水準

【機会】

  • インバウンド需要の回復と取り込み
  • DX推進による店舗オペレーションの効率化と顧客体験向上
  • 海外事業における収益改善施策のさらなる進展
  • 健康志向の高まりやサステナビリティへの対応によるブランド価値向上

【脅威】

  • 景気変動による消費マインドの冷え込み
  • 深刻な人手不足による店舗運営への影響
  • 競合他社との激しい価格競争や新業態との競争
  • 予期せぬ食の安全問題発生によるブランド毀損リスク

【注目すべき指標】

  • 2026年3月期下期における営業利益進捗率(通期予想達成可否)
  • 国内モスバーガー事業の既存店売上高成長率
  • 新規飲食事業の損失縮小または黒字化への方向性
  • 原材料費・人件費の上昇に対して、販売価格への転嫁とコストコントロールの状況

10. 企業スコア

  • 成長性: B
    • 直近四半期および中間期の売上成長率は5-10%の範囲にありますが、通期予想の売上成長率は0-5%の範囲です。国内モスバーガー事業の好調さを考慮し、B評価とします。
  • 収益性: B
    • 過去12か月のROEは7.60%(C)、営業利益率は8.60%(B)です。中間期のROE年換算は約10%(A)、営業利益率は約8%(B)であり、総合的にB評価とします。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率67.5%(60%以上)かつ流動比率238%(200%以上)であり、明確なS評価基準を満たしています。
  • 株価バリュエーション: D
    • PER45.11倍は業界平均12.1倍の約3.7倍、PBR2.31倍は業界平均1.0倍の約2.3倍であり、両指標とも業界平均を大幅に上回り、割高であるためD評価とします。

企業情報

銘柄コード 8153
企業名 モスフードサービス
URL http://www.mos.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,240円
EPS(1株利益) 93.99円
年間配当 0.71円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 22.5% 40.5倍 10,487円 19.9%
標準 17.3% 35.2倍 7,345円 11.6%
悲観 10.4% 29.9倍 4,607円 1.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,240円

目標年率 理論株価 判定
15% 3,655円 △ 16%割高
10% 4,564円 ○ 7%割安
5% 5,760円 ○ 26%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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