1. 企業概要
リンテックは、粘接着素材を主力とする化学メーカーです。印刷・情報関連製品から、半導体・電子部品関連の機能性材料、さらには洋紙・加工材まで幅広く手掛けています。主力はシール・ラベル用紙や自動車用粘着テープ、ウインドーフィルムなどの印刷材・産業工材関連と、半導体・積層セラミックコンデンサ向けの粘着テープ、OLED用粘着剤といった電子・光学関連です。
同社の収益モデルは、法人顧客である製造業者や加工業者に素材・部品を供給するB2Bが主軸です。技術的な独自性としては、粘接着技術を基盤に、塗工・加工技術を組み合わせることで高機能なフィルムやシートを開発している点にあります。特に半導体製造工程で不可欠なダイシングテープや、高機能ディスプレイ向けの光学フィルムなど、高い品質と信頼性が求められる分野で強みを発揮しており、これが参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
リンテックは粘接着素材分野で首位級または最大級のポジションを確立しています。市場動向としては、半導体・電子部品市場における生成AI関連の需要増が追い風となる一方、印刷材・産業工材分野では国内の食品・飲料向けが低調であり、米国では売上構成と為替の影響を受けて伸び悩むなど、分野によって濃淡が見られます。
同社は、電子・光学関連分野での増産体制強化に向けた設備投資を進めることで、成長市場への対応を図っています。競合に対する強みとしては、長年の実績と高い技術力に基づいた顧客との信頼関係、多様な製品ラインナップによる幅広い用途への対応力が挙げられます。一方で、特定の市場(例:印刷材)の需要低迷や為替変動、原燃料価格上昇などが収益に影響を与えやすい点が弱みとなり得ます。
業界平均との財務指標比較(2025年3月期 会社予想/実績)
| 指標 | リンテック (7966) | 業界平均 | 評価 |
|---|---|---|---|
| PER (予想) | 16.20倍 | 14.5倍 | やや割高 |
| PBR (実績) | 1.21倍 | 1.3倍 | 割安 |
| ROE (実績) | 6.06% | データなし | やや低い |
| 営業利益率 | 7.77% (25/3期) | データなし | (業種による) |
同一業種区分企業比較
同一業種区分企業データは提供されていません。
3. 経営戦略
リンテックの経営戦略は、今後の成長が期待される電子・光学関連分野への重点投資と高付加価値化推進にあります。中期経営計画の具体的な数値目標は提供データにはありませんが、決算短信からは設備投資を通じて半導体関連製品の増産体制を強化し、成長を牽引する意図が読み取れます。
直近の適時開示情報としては、2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信が最新の情報です。中間期は売上高で前年同期比減、営業利益・純利益で減益となりましたが、電子・光学関連セグメントは堅調な半導体関連需要に支えられ、営業利益を増加させています。この成長ドライバーである電子・光学関連への設備投資は、足元の減価償却費や人件費の増加要因となるものの、中長期的には収益拡大に寄与すると見られます。一方で、印刷材・産業工材関連セグメントの採算悪化や海外子会社(韓国・台湾)の閉鎖影響、為替差損などは今後の業績にマイナスに作用する可能性があります。
収益性
- 営業利益率(過去12か月): 8.97%
- ROE(過去12か月): 5.13% (ベンチマーク10%を下回る)
- ROA(過去12か月): 4.39% (ベンチマーク5%を下回る)
同社の収益性は、ベンチマークと比較してROE・ROAともにやや低い水準にあります。ただし、営業利益率は製造業として一定の水準を維持しています。
財務健全性
- 自己資本比率(2026年3月期中間期): 73.1% (非常に高く安定)
- 流動比率(直近四半期): 285% (非常に高く流動性良好)
- D/Eレシオ(直近四半期): 3.41% (非常に低く無借金経営に近い健全性)
非常に高い自己資本比率と流動比率、低いD/Eレシオから、財務健全性は極めて高いと評価できます。
成長性
- 売上高成長率(過去12か月対前年度): +13.01%
- 利益成長率(過去12か月対前年度 純利益): +140.12%
- 四半期売上高成長率(直近対前年比): -5.80%
- 四半期利益成長率(直近対前年比): +3.80%
過去12か月では売上高、純利益ともに高い成長率を示していますが、直近の四半期では売上高が減少しており、成長ペースに変動が見られます。特に、2024年3月期の純利益が大幅に減少した反動で、過去12か月の利益成長率が高く算出されています。
キャッシュフロー
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 353.9億円
- フリーキャッシュフロー(過去12か月): 126.6億円
- 営業CF/純利益比率: 2.81 (優良な水準であり、利益の質が高いことを示唆)
- 配当カバレッジ比率(営業CF/配当支払額): 4.44倍 (配当の支払い余力が十分にある)
キャッシュフローは非常に潤沢であり、本業で安定してキャッシュを生み出していることが分かります。投資活動への裏付けも可能で、配当の継続性も高いと判断できます。決算短信に営業CF/投資CF/財務CFの3区分と前年比較の明細は記載されていませんでした。
セグメント別分析(2026年3月期中間累計)
- 印刷材・産業工材関連:
- 売上構成比: 58.1% (898.65億円, 前年同期比△2.8%)
- 営業利益: 16.73億円 (前年同期比△53.0%)
- 成長ドライバーと課題: 国内医薬・物流向けは堅調だが、食品・飲料向けが低調。米国での売上構成変化や為替影響、固定費増により利益が大幅悪化。
- 電子・光学関連:
- 売上構成比: 30.3% (469.46億円, 前年同期比△2.5%)
- 営業利益: 104.56億円 (前年同期比+10.2%)
- 成長ドライバーと課題: 半導体関連粘着テープの生成AI需要等が堅調で高付加価値製品が寄与し、営業増益。一方で、韓国・台湾子会社閉鎖の影響でオプティカル材の売上が大幅減。
- 洋紙・加工材関連:
- 売上構成比: 11.6% (179.40億円, 前年同期比+0.3%)
- 営業利益: 5.92億円 (前年同期比△3.7%)
- 成長ドライバーと課題: 加工材が堅調で売上はほぼ横ばい。人件費等の固定費増により営業利益はやや減少。
全体として、電子・光学関連が成長ドライバーである一方、印刷材・産業工材関連が課題セグメントとなっています。
四半期進捗(2026年3月期中間期)
- 売上高: 1,547.52億円 (通期予想3,170億円に対し進捗率 48.8%)
- 営業利益: 127.67億円 (通期予想240億円に対し進捗率 53.2%)
- 親会社株主に帰属する中間純利益: 89.28億円 (通期予想180億円に対し進捗率 49.6%)
通期予想に対する進捗率は、営業利益がやや上振れしているものの、売上高と純利益は概ね半期相当の水準です。電子・光学分野の回復持続と印刷材セグメントの採算改善が通期目標達成の鍵となります。
現在の水準
- PER(会社予想): 16.20倍 (業界平均14.5倍と比較してやや割高)
- PBR(実績): 1.21倍 (業界平均1.3倍と比較して割安)
- EPS(会社予想): 273.14円
- BPS(実績): 3,652.04円
PERは業界平均よりやや高い水準ですが、PBRは業界平均より低い水準にあり、企業価値評価には両面があります。業種平均PER基準の目標株価は2,746円、PBR基準の目標株価は4,748円と算出されています。
テクニカル
- 52週高値: 4,580.00円、52週安値: 2,316.00円
- 52週レンジ内位置: 93.2% (高値圏に近い)
- 移動平均線との位置関係(本日終値4,425.0円):
- 5日移動平均線 (4,484.00円) を下回る (1.32%下)
- 25日移動平均線 (4,346.80円) を上回る (1.80%上)
- 75日移動平均線 (3,998.80円) を上回る (10.66%上)
- 200日移動平均線 (3,343.21円) を上回る (32.36%上)
株価は短期的な調整局面にあるものの、中長期の移動平均線は上向きであり、全体としては上昇トレンドが継続しています。しかし、52週高値圏に位置し、5日移動平均線を下回っているため、短期的な過熱感や調整圧力がある可能性も示唆されます。
市場との比較
- 日経平均との相対パフォーマンス:
- 1ヶ月: +0.34%ポイント上回り
- 3ヶ月: +10.78%ポイント上回り
- 6ヶ月: +20.48%ポイント上回り
- 1年: +15.04%ポイント上回り
- TOPIXとの相対パフォーマンス:
- 1ヶ月: △0.81%ポイント下回り
リンテックの株価は、中長期的に日経平均をアウトパフォームしており、市場全体のトレンドよりも強い動きを見せています。直近1ヶ月ではTOPIXを若干下回っています。
6. リスク評価
- ベータ値(5年月次): 0.34
- ベータ値が1を下回るため、市場全体の動き(日経平均やTOPIX)と比較して株価の変動が小さい、市場感応度が低いと評価できます。景気全体のリスクに対して比較的安定している可能性があります。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 為替変動、原燃料価格上昇、人件費上昇
- 海外子会社(特に韓国・台湾)の構造調整に伴う影響
- 顧客需要変動(特に印刷材・産業用途)
- 事業特有のリスク:
- 電子・光学関連製品の技術陳腐化リスクや、半導体市場の周期的な変動。
- 主力製品である粘接着素材の品質問題や安全性に関する規制強化。
- 52週レンジにおける現在位置: 93.2% (高値圏にあり、高値からの反落リスクを考慮する必要がある)
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残: 329,000株 (前週比+121,700株と大幅増加)
- 信用売残: 11,900株 (前週比-3,600株と減少)
- 信用倍率: 27.65倍
- 信用買残の大幅増加と信用倍率の高さは、将来の売り圧力となる可能性があります。
- 株主構成と大株主の動向:
- 日本製紙が27.12%を保有する筆頭株主であり、安定株主と見なせます。
- 自社(自己株口)が9.67%を保有しています。
- 機関投資家の保有割合も高いです。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
- % Held by Insiders: 33.59%
- 経営陣の持株比率と日本製紙などの安定株主の存在は、経営の安定性を示唆しています。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.49%
- 1株配当(会社予想): 110.00円 (前期100円から増配予想)
- 配当性向(会社予想2026年3月期): 47.2%
- 配当の継続性・増配傾向: 2024年3月期を除き、配当性向は比較的安定しており、2026年3月期には増配予想を示しています。配当維持・増配の姿勢が確認できます。
- 自社株買いの実績と方針: 提供データに自社株買いに関する明確な実績や方針の記載はありませんでした。
投資ポイント
- 半導体・電子部品市場の成長を背景とした、電子・光学関連セグメントの堅調な事業拡大と設備投資。
- 極めて高い自己資本比率や流動比率、潤沢なキャッシュフローに裏打ちされた盤石な財務基盤。
- 市場感応度が低い(ベータ値0.34)ため、市場全体の変動リスクに対して比較的安定した推移が期待できる点。
強み
- 粘接着素材分野における高い市場ポジションと技術的優位性。
- 特定市場(半導体関連など)での高付加価値製品への転換能力。
- 非常に強固な財務体質と安定したキャッシュフロー創出力。
弱み
- 印刷材・産業工材セグメントにおける採算性の悪化と需要変動。
- 為替変動、原燃料価格上昇、人件費増加など外部環境変化による収益圧迫リスク。
- ROE、ROAがベンチマークを下回っており、資本効率の改善余地。
機会
- 生成AI、5Gなどの技術進化に伴う半導体・電子部品需要のさらなる拡大。
- 環境対応型製品や高機能材料開発による新規市場開拓。
- 海外市場での事業拡大(特に成長著しいアジア市場)。
脅威
- 世界経済の減速や地政学リスクの顕在化による需要低迷。
- 競合他社との価格競争激化や技術革新への追随遅れ。
- 貿易摩擦や規制強化によるサプライチェーンへの影響。
注目すべき指標
- 電子・光学関連セグメントの売上高成長率と営業利益率。
- 印刷材・産業工材セグメントの営業利益率の改善状況。
- 四半期ごとの売上高成長率と利益成長率の推移。
10. 企業スコア
- 成長性: A (売上成長率 13.01%で10-15%の範囲)
- 収益性: C (ROE 5.13%が5-8%の範囲、営業利益率8.97%は5-10%の範囲だが、ROEベンチマーク未達を考慮)
- 財務健全性: S (自己資本比率 73.1%以上かつ流動比率 285%以上)
- 株価バリュエーション: C (PER 16.20倍が業界平均14.5倍の111.7%とやや割高評価の範囲に該当するため)
企業情報
| 銘柄コード | 7966 |
| 企業名 | リンテック |
| URL | http://www.lintec.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 4,425円 |
| EPS(1株利益) | 273.14円 |
| 年間配当 | 2.49円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.2% | 18.3倍 | 6,450円 | 7.9% |
| 標準 | 4.0% | 15.9倍 | 5,297円 | 3.7% |
| 悲観 | 2.4% | 13.6倍 | 4,167円 | -1.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 4,425円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,640円 | △ 68%割高 |
| 10% | 3,298円 | △ 34%割高 |
| 5% | 4,161円 | △ 6%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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