土木管理総合試験所 (6171) 企業分析レポート
東京証券取引所スタンダード市場に上場する土木管理総合試験所(証券コード: 6171)について、個人投資家向けに企業分析レポートを作成します。
1. 企業概要
株式会社土木管理総合試験所は、土木建設工事に必要な地質調査、地盤補強、非破壊検査、環境調査といった試験・調査・分析サービスを総合的に提供しています。主力は土木・建設分野における各種調査試験とそのデータ分析であり、地盤補強工事や測量・設計支援ソフトウェアの開発・販売も手掛けています。
同社の主力製品・サービスは、公共インフラの維持管理・建設、災害対策に不可欠な専門技術サービスです。特に、ボーリング調査等の地質調査や、社会インフラの老朽化診断、災害防止システム構築などが強みです。
収益モデルは、試験・調査・分析といった受託型サービスが中心のフロー型であり、主に法人顧客向けのB2B事業を展開しています。景気の変動や公共投資の動向に業績が左右される側面があります。技術的独自性としては、長年の実績で培われた調査・分析ノウハウと全国ネットワークが挙げられます。また、国土強靱化やインフラ老朽化対策への対応、自動化・オフショア活用による効率化推進も特徴です。特定の専門技術や許認可が参入障壁となり得ます。
2. 業界ポジション
土木管理総合試験所は、土木建設分野の調査・試験サービスにおいて、長年の実績と幅広いサービス提供能力を有しています。特定の市場シェアデータは提供されていませんが、全国展開と多様なサービスラインナップから一定の市場ポジションを確立していると推測されます。
市場は国土強靱化策やインフラ老朽化対策の推進により、2025年度までの計画に加え2026~2030年の長期計画でも約20兆円の需要が見込まれており、全体として拡大傾向にあります。同社は、このような市場環境に対し、試験総合サービスの大型案件受注や試験単価の値上げ、M&Aによるグループ再編を通じた経営効率化、DX推進などにより対応を進めています。
競合に対する相対的な強みとしては、総合的な技術提供力と広範な顧客基盤が挙げられます。一方で、工事総合サービスの外注比率の高さや、技術者不足、資材価格高騰といった業界共通の課題に直面している点が弱みとなります。
【定量比較】業界平均との財務指標比較(2024年12月期末実績および会社予想)
| 指標項目 | 土木管理総合試験所 | 業界平均 | 評価 |
|---|---|---|---|
| PER(予想) | 14.45倍 | 15.0倍 | やや割安 |
| PBR(実績) | 1.27倍 | 1.2倍 | やや割高 |
| ROE(実績) | 7.62% | データなし | 業界平均よりやや低い可能性あり |
| 営業利益率(実績) | 7.91% | データなし | データなし |
【同一業種区分企業比較】(33業種区分:サービス業)
| 企業名 | コード | 時価総額(百万円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 営業利益率(%) (参考: 過去12ヶ月のOperating Marginより) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 土木管理総合試験所 | 6171 | 6,165 | 14.45 | 1.27 | 7.62 | 4.91 (過去12ヶ月) |
| エクストリーム | 6033 | 7,799 | 12.31 | 1.24 | 20.40 | データなし |
| SOLIZE Holdings | 5871 | 8,520 | – | 0.69 | 2.40 | データなし |
比較すると、同社のPERはエクストリームよりやや高く、業界平均よりはやや低い水準です。PBRはエクストリームと同等、SOLIZEよりは高いです。ROEはエクストリームと比較すると低い水準にあります。
3. 経営戦略
経営陣は「深化・確立 ~変える・変わるDK~」を中期経営計画のビジョンとして掲げています。個と組織の強化、技術力向上、収益構造改善を重点戦略としています。ROIC 6.0%、PBR 1.0倍を主要なKPI目標としていますが、直近のROE実績7.62%や簡易ROE 3.72%(第3四半期累計)から見ると、収益性改善および資本効率向上が課題です。
重点投資分野としては、DX推進による業務効率化、高付加価値案件の獲得に向けた技術力強化、そして人材確保・育成が挙げられます。
最近の適時開示情報としては、令和8年1月1日予定の連結子会社アイ・エス・ピーの吸収合併と、令和7年10月1日付の連結子会社間の合併(沖縄設計センターがアースプランを吸収)があります。これらはグループ内の経営資源の最適化と管理効率の向上を目指すものであり、将来的には収益構造の改善に寄与する可能性があります。
これらの戦略は、長期的な競争力強化と収益性改善を目指すものですが、短期的な業績への影響は、コスト削減効果やシナジー創出の状況によって変動する可能性があります。
4. 財務分析
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):4.91%
- ROE(過去12か月):7.76% (ベンチマーク10%に対しやや低い)
- ROA(過去12か月):5.52% (ベンチマーク5%を上回る)
- 2024年12月期実績の営業利益率は7.91%、ROEは7.62%でした。直近の第3四半期累計では、営業利益率6.10%と堅調に推移しているものの、ROE(簡易計算)は3.72%と低水準にあります。通期予想では営業利益率8.72%、ROE8.75%と改善を見込んでいます。
【財務健全性】
- 自己資本比率(2023年12月期実績):69.3%
- 自己資本比率(第3四半期末):70.2% (高水準で安定)
- 流動比率(第3四半期末):321.0% (3,887百万円 / 1,211百万円) (財務流動性は非常に良好)
- D/Eレシオ(直近四半期):13.56% (負債比率が低く、財務健全性は非常に高い)
【成長性】
売上高は緩やかな成長傾向にあります。2024年12月期は前年比0.27%増、2025年12月期予想は前年比6.72%増を見込んでいます。営業利益は変動があるものの、2024年12月期は22.57%増、2025年12月期予想は17.73%増と、利益面では回復基調にあります。直近の四半期売上高成長率(前年比)は5.90%、純利益成長率(前年比)は45.70%でした。
| 決算期 | 売上高成長率 | 営業利益成長率 |
|---|---|---|
| 2021/12連 | 18.27% | 25.32% |
| 2022/12連 | -4.67% | 9.69% |
| 2023/12連 | 4.69% | -10.90% |
| 2024/12連 | 0.27% | 22.57% |
| 2025/12連予 | 6.72% | 17.73% |
【キャッシュフロー】
決算短信では四半期連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていないため、詳細な営業CF、投資CF、財務CFの3区分やFCFの算出はできません。「現金及び預金」が2,247百万円と、前期末から23百万円減少しています。営業CF/純利益比率や配当カバレッジ比率も算出できません。
【セグメント別分析】(第3四半期累計)
- 試験総合サービス事業: 売上構成比が最も高く、全体の約80.9%(4,361百万円/5,391百万円)。前年同期比+4.1%の増収、セグメント利益821百万円(同+3.6%)と好調を維持しています。大型案件の受注や試験単価の値上げが寄与している成長ドライバーです。
- 工事総合サービス事業: 売上構成比は約9.3%(504百万円/5,391百万円)。前年同期比▲11.2%の減収、セグメント利益34百万円(同▲11.3%)と苦戦しています。大型工事比率の高さによる進捗の影響や、外注比率の高さが利益率の課題です。
- ソフトウェア開発販売事業: 売上構成比は約9.3%(504百万円/5,391百万円)。前年同期比+3.8%の増収、セグメント利益157百万円(同+0.5%)と堅調に推移しています。グループ会社が牽引し、安定的な売上を上げています。
【四半期進捗】
令和7年12月期通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は以下の通りです。
- 売上高:68.8%
- 営業利益:48.1%
- 親会社株主に帰属する純利益:42.5%
売上高は第3四半期時点で既に約69%を達成しており、通期見通しに対して概ね順調ですが、利益面(営業利益、純利益)の進捗が約40%台と鈍化しています。これは、第3四半期累計で投資有価証券売却益という特別利益があったものの、原価や販管費(給料・賞与引当金など)の増加が影響している可能性があります。下期偏重型の事業特性や工事の進捗状況によって通期達成が左右されるため、今後のコスト管理と利益創出が重要となります。
5. 株価分析
【現在の水準】
- PER(会社予想):14.45倍
- PBR(実績):1.27倍
- 業界平均PER:15.0倍、業界平均PBR:1.2倍
- 業界平均と比較すると、現在のPERは業界平均よりやや割安(96.3%)、PBRは業界平均よりやや割高(105.8%)と評価できます。
- EPS(会社予想)29.96円、BPS(実績)342.18円に基づく理論株価はそれぞれ約433.8円、約434.5円となり、現在の株価433.0円は理論株価に近い水準です。
- 業種平均PER基準の目標株価は376円、業種平均PBR基準の目標株価は411円であり、現在の株価はこれらを上回っています。
【テクニカル】
- 現在の株価433.0円は、52週高値573円と52週安値299円のレンジ内において、約48.9%の位置(ほぼ中央)にあります。
- 移動平均線との位置関係は以下の通りです。
- 5日移動平均線 (425.20円) を上回っています (1.83%上回り)。
- 25日移動平均線 (421.48円) を上回っています (2.73%上回り)。
- 75日移動平均線 (449.11円) を下回っています (3.59%下回り)。
- 200日移動平均線 (410.99円) を上回っています (5.36%上回り)。
- 短期的には移動平均線を上回っており、上昇トレンドを示唆するかもしれませんが、75日移動平均線が抵抗線となる可能性があります。200日移動平均線を上回っていることから、長期的な基調は強気と判断できます。現時点では明確なゴールデンクロスやデッドクロスは確認できません。
【市場との比較】
- 過去1年間の株価リターンは+41.50%で、日経平均の+33.05%を8.45%ポイント上回っています。
- 過去3ヶ月および6ヶ月のリターンでは、日経平均やTOPIXを下回っています。
- 過去1ヶ月では日経平均とほぼ同水準のパフォーマンスです。
6. リスク評価
- ベータ値は0.04と極めて低く、市場全体の変動に対して株価の感応度が非常に低いことを示しています。これは、同社が市場リスクに対しディフェンシブな特性を持つ可能性があることを示唆します。
- 決算短信に記載されているリスク要因としては、以下の点が挙げられます。
- 原材料・資材価格の変動や技術者不足、人件費上昇によるコスト増加リスク。
- 大型プロジェクトの受注状況や工事の進捗による業績変動リスク。
- 地政学リスクや為替変動(ベータ値の低さを考慮すると為替リスクは限定的と推察されます)。
- 工事関連や子会社の業務に関する偶発債務として、合計160,339千円の損害賠償請求が係争中にあります。これらの訴訟の結果が業績に影響を与える可能性があります。
- 事業特有のリスクとしては、公共投資政策の変更、インフラ予算の変動、過度な競争激化、新しい調査技術の登場による既存技術の陳腐化などが考えられます。
- 現在の株価は52週レンジの中間に位置しており、割高感が極端に出ているわけではありませんが、上値には高値からの一段と上昇する為には強力な材料が必要になります。
7. 市場センチメント
- 信用買残は442,900株、信用売残は159,600株で、信用倍率は2.78倍です。信用買残が信用売残を上回っており、需給はやや買い方に偏っていますが、極端な水準ではありません。
- 株主構成を見ると、(株)Feelが21.73%、代表者の下平雄二氏が11.15%を保有しており、特定の株主や経営陣による持株比率が高い構造です。自社従業員持株会も4.22%保有しています。
- 内部者保有比率は48.52%と高く、安定した株主構成です。一方で、機関投資家による保有比率は1.86%と低い水準にあります。経営陣による高い持株比率は経営の安定性につながる一方で、市場からの注目度が低い可能性も示唆します。
8. 株主還元
- 配当利回りは会社予想で2.77%です。
- 1株配当は会社予想で12.00円であり、2023年、2024年の実績と同じ水準です。過去5年間の配当履歴を見ると、年間配当は11円から12円で推移しており、増配傾向は認められませんが、安定した配当を実施しています。
- 配当性向は会社予想ベースで47.0%であり、比較的安定的な水準にあります。
- 自社株買いの実績や方針については、提供されたデータからは確認できません。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 堅実な財務基盤と安定した事業: 自己資本比率70.2%、流動比率321.0%と財務健全性が非常に高く、インフラ整備・維持管理という安定した需要を持つ事業を基盤としています。
- 国土強靱化策による需要拡大期待: 国土強靱化計画やインフラ老朽化対策を背景に、中長期的な需要拡大が見込まれており、主力である試験総合サービス事業が恩恵を受ける可能性が高いです。
- ディフェンシブな株価特性: ベータ値が0.04と市場感応度が極めて低く、相場全体の変動に左右されにくい安定的な投資対象としての一面があります。
【強み】
- 高い財務健全性(自己資本比率、流動比率)と安定した経営基盤。
- 社会インフラ維持管理という需要が底堅い事業分野。
- 経営陣や関連企業による高持株比率による経営の安定性。
【弱み】
- 利益の成長性が売上の成長性に比べて鈍く、特に第3四半期累計の進捗が通期予想に対して遅れている。
- キャッシュフロー情報の不足により、利益の質や財務の柔軟性評価が限定的。
- 工事総合サービス事業の収益性改善が課題。
【機会】
- 国土強靱化計画やインフラ老朽化対策の国家プロジェクトによる継続的な事業機会。
- DX推進やM&Aを通じた効率化・収益構造改善の可能性。
- 高い自己資本比率を活かした戦略的な投資余力。
【脅威】
- 技術者不足や人件費高騰、建設資材価格の変動によるコスト増加。
- 偶発債務(損害賠償請求)等の訴訟リスクが顕在化する可能性。
- 公共投資の変動や景気後退による建設需要の低迷。
【注目すべき指標】
- 営業利益率の改善: 直近の予想通りに8%台に定着するか。
- 年間配当の継続性: 12.00円の安定配当が維持されるか、または増配に転じるか。
- 工事総合サービス事業の収益性: セグメント利益率の向上と売上回復。
- 進捗率の動向: 特に第4四半期での通期実績達成度合い。
10. 企業スコア
- 成長性: B (売上成長率(2025/12予想)6.72%)
- 収益性: C (ROE(過去12か月)7.76%、営業利益率(過去12か月)4.91%)
- 財務健全性: S (自己資本比率70.2%以上 かつ 流動比率321.0%以上)
- 株価バリュエーション: C (PER/PBR共に業界平均に対し一部割高水準)
企業情報
| 銘柄コード | 6171 |
| 企業名 | 土木管理総合試験所 |
| URL | http://www.dksiken.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 433円 |
| EPS(1株利益) | 29.96円 |
| 年間配当 | 2.77円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 2.8% | 16.6倍 | 573円 | 6.3% |
| 標準 | 2.2% | 14.4倍 | 482円 | 2.8% |
| 悲観 | 1.3% | 12.3倍 | 393円 | -1.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 433円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 247円 | △ 75%割高 |
| 10% | 309円 | △ 40%割高 |
| 5% | 390円 | △ 11%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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