個人投資家向け藤商事(6257)企業分析レポート
1. 企業概要
株式会社藤商事は、パチンコおよびパチスロ遊技機の開発、製造、販売を主力事業とする中堅メーカーです。特に「とある」シリーズなどのアニメ原作や、ホラー原作を活用した機種に強みを持っています。
収益モデルは、パチンコホールへの遊技機販売が主体となるフロー型(設備投資型)ビジネスであり、B2B(企業間取引)が中心です。主力とする遊技機事業は、新機種の企画開発力とブランド戦略が重要であり、人気コンテンツとのタイアップや独自の演出技術が技術的独自性および新規参入障壁となっています。サン電子との業務提携も情報として挙げられていますが、具体的なシナジー効果については現時点では不明です。
2. 業界ポジション
同社は遊技機業界の中堅メーカーとして位置づけられています。市場全体では「スマート遊技機」の普及が推進されており、各社から新機種投入による市場活性化の期待があります。特にパチンコ分野では「ラッキートリガー3.0プラス」などの新仕様導入も進んでいます。
同社の強みは、ホラー原作やアニメ原作で培ったコンテンツ企画力と演出技術に定評がある点です。一方で、直近の決算短信では販売台数の大幅減を報告しており、市場動向や競合他社の新機種と比較して、足元の製品投入スケジュールや市場受容性が課題となっています。
【定量比較】
業界平均との財務指標比較(「機械」セクターとの比較)
| 指標 | 藤商事 | 業界平均 |
|---|---|---|
| PER(会社予想) | 10.33倍 | 10.7倍 |
| PBR(実績) | 0.52倍 | 0.7倍 |
PERは業界平均とほぼ同水準、PBRは業界平均より割安な水準にあります。しかし、遊技機業界と「機械」セクターは事業内容が異なるため、単純比較には注意が必要です。
同一業種区分企業比較(機械)
| 企業名 | コード | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 営業利益率(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 藤商事 | 6257 | 10.33 | 0.52 | 5.73 | -25.62 |
| パンチ工業 | 6165 | 24.09 | 0.65 | 4.26 | データなし |
| アネスト岩田 | 6381 | 16.21 | 1.42 | 9.40 | データなし |
藤商事のPERとPBRは、ここで示された同業区分企業と比較して相対的に低水準です。しかし、ROEはパンチ工業より高いものの、アネスト岩田には劣ります。特に直近12ヶ月の営業利益率はマイナスとなっており、同業区分他社との比較では収益性で劣後しています。
3. 経営戦略
経営陣は、2026年3月期の通期連結業績が、売上高36,500百万円、営業利益3,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,200百万円となる見込みで据え置いています。これは、中間期での実績が大幅な減収減益(営業損失△3,753百万円)であったことから、下期での販売回復が前提となっています。
重点投資分野としては、決算短信に具体的な中期経営計画の記載はありませんが、遊技機メーカーであることから、新機種の開発と市場投入が成長戦略の核となります。直近の決算短信では、中間期の主要因がパチンコ遊技機の販売台数大幅減であったため、下期に投入される新機種の市場受容性と販売進度が今後の業績を大きく左右すると考えられます。
大型受注やM&Aに関する最近の適時開示情報はありません。中間期の遅れを挽回するためには、下期の新機種投入と販売戦略が非常に重要視されます。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 直近12か月の営業利益率は△25.62%、ROEは△9.19%、ROAは△7.06%と、いずれも大幅なマイナスとなっています。
- 2026年3月期中間期実績では、営業利益率△42.4%、ROE(簡易計算)△6.8%、ROA(簡易計算)△5.9%と、ベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%、営業利益率5%以上)を大きく下回り、収益性は大きく悪化しています。これは中間期の売上高減少と営業損失が主因です。
- 【財務健全性】
- 自己資本比率は直近四半期で86.7%(実績88.0%)と非常に高水準であり、財務基盤は強固です。
- 流動比率は直近四半期で555%(5.55)と高く、短期的な支払い能力に問題はありません。
- D/Eレシオに関する具体的なデータはありませんが、自己資本比率の高さから有利子負債は少ないと推測されます。
- 【成長性】
- 売上高は、過去12か月で18,334百万円であり、直近四半期の前年同期比は△63.80%と大幅な減収となっています。2026年3月期中間期の売上高も前年同期比△64.8%と大幅に減少しています。
- 利益面では、過去12か月で純利益が△4,238百万円、中間期では純損失△2,997百万円を計上しており、成長性は大きく落ち込み、赤字に転落しています。
- 【キャッシュフロー】
- 営業活動によるCF(中間期): △5,400百万円(前年同期は+4,204百万円)と、キャッシュが大きく流出しています。主な要因として、売上の大幅減に加え、棚卸資産(製品・原材料)や売上債権の増加が挙げられます。
- 投資活動によるCF(中間期): △637百万円(前年同期△1,335百万円)と、主に有形固定資産の取得に伴う支出です。前年同期と比較して投資規模は縮小しています。
- 財務活動によるCF(中間期): △633百万円(前年同期△634百万円)と、主に配当金の支払いに充てられています。
- FCF(フリーキャッシュフロー): 営業CFから投資CFを差し引くと、△5,400百万円 – (△637百万円) = △4,763百万円となります。これは事業活動で生み出されるキャッシュがマイナスであることを示しており、現状のキャッシュ創出力は厳しい状況です。
- 営業CF/純利益比率:△5,400百万円 / △2,997百万円 = 1.80倍。数値上は1.0以上ですが、純利益も営業CFもマイナスであるため、利益の質は健全とは言えず、むしろキャッシュ流出と赤字の継続を示しています。
- 配当カバレッジ比率:年間予想配当総額(DPS55円 × 期中平均株式数20,913,432株 ≒ 1,150百万円)に対して、中間期営業CFが△5,400百万円であり、配当を賄うキャッシュフローは不足しています。
- 【セグメント別分析】
- 同社は単一セグメント(遊技機事業)ですが、中間期決算短信によるとパチンコ遊技機が売上高の大部分を占めています(8,850百万円、前年同期比△58.1%)。パチスロ遊技機は当中間期に新機種発売がなく、売上への貢献はありませんでした。
- 成長ドライバーは、今後の新機種投入によるパチンコ・パチスロ遊技機の販売回復であり、現在の課題セグメントは依然として両遊技機事業全体です。
- 【四半期進捗】
- 2026年3月期の通期予想に対する中間期(第2四半期)の進捗率は以下の通りです。
- 売上高:8,851百万円 / 36,500百万円 = 24.2%(通常の上期進捗率50%前後を大きく下回る遅れ)
- 営業利益:中間期は△3,753百万円の損失(通期予想3,100百万円に対し、大幅に未達)
- 親会社株主に帰属する中間純利益:△2,997百万円の損失(通期予想2,200百万円に対し、大幅に未達)
- 中間期の業績は通期予想を大きく下回っており、下期での大幅な「巻き返し」が達成の前提となります。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- 現在株価1,087.0円に対し、PER(会社予想)は10.33倍、PBR(実績)は0.52倍です。
- 業界平均PER 10.7倍と比較してPERはほぼ同水準、PBR 0.7倍と比較してPBRは割安感があります。
- BPS(実績)2,097.20円に基づいた目標株価(業種平均PBR基準)は1,468円であり、現在の株価はそれより低い水準にあります。
- 【テクニカル】
- 52週高値1,428円、安値971円に対し、現在の株価1,087.0円は52週レンジの25.2%の位置にあり、安値圏に近い水準です。
- 5日移動平均線1,083.80円、25日移動平均線1,063.76円、75日移動平均線1,060.37円、200日移動平均線1,067.33円と比較すると、現在の株価は全ての移動平均線を上回っています。これは短期的に上昇トレンドを示唆する兆候と捉えられます。
- 現時点での明確なゴールデンクロスやデッドクロスのシグナルは提供データからは特定できません。
- 【市場との比較】
- 過去1ヶ月では日経平均比で0.15%ポイント上回っていますが、過去3ヶ月、6ヶ月、1年では日経平均およびTOPIXに対して大きくアンダーパフォームしています。特に1年間では日経平均に対し56.12%ポイント、TOPIXに対し57.24%ポイント(参考値:日経+33.05%-株式-23.07%、TOPIX+34.17%-株式-23.07%)下回っており、市場全体の上昇トレンドに乗れていない状況です。
6. リスク評価
- ベータ値による市場感応度: 5年間の月次ベータ値は0.28と低く、市場全体の変動に対する株価の感応度が低いことを示しています。これは市場全体が下落する局面では相対的に安定している可能性がありますが、市場が上昇する局面では連動しにくい特性も持ち合わせます。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 遊技機販売台数の回復の遅延:中間期の大幅減収の主因であり、下期での通期予想達成における最大の不確実性です。
- 新機種の市場受容性:投入される新機種が市場で受け入れられるかどうかが直接的に業績に影響します。
- 在庫・売上債権の増加による資金繰り:中間期で棚卸資産と売上債権が増加しており、営業キャッシュフローを圧迫しています。これが継続すると資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
- 遊技機業界全体の需要動向:スマート遊技機の普及など、業界全体での活性化が期待される一方、ユーザー離れなどのリスクも存在します。
- 規制・技術仕様変更等:遊技機業界は公安委員会の規制や技術仕様変更の影響を大きく受けるため、法改正や新基準導入などが事業環境に影響を与える可能性があります。
- 事業特有のリスク: 遊技機市場特有の規制強化、コンテンツ開発競争の激化、ヒット機種を継続的に生み出す難しさなどが挙げられます。
- 52週レンジにおける現在位置: 現在株価は52週レンジの25.2%と安値圏に近く、過去1年間の株価パフォーマンスは低迷しています。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況: 信用買残が124,600株、信用売残が19,200株であり、信用倍率は6.49倍です。買残が売残を大きく上回っており、株価上昇を期待する買い方が信用取引残高に多く積み上がっている状態です。前週比では買残が微増、売残が増加しています。
- 株主構成と大株主の動向: 大株主は松元邦夫氏(23.08%)、松元正夫氏(18.31%)、松元ホールディングス(12.67%)など、創業家による保有比率が高いです。インサイダー保有比率が63.50%と非常に高く、安定株主による経営安定化が図られている一方、市場での流通量が少ない可能性もあります。サン電子も4.00%を保有しています。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 創業家が過半数の株式を保有しており、経営は非常に安定しています。
8. 株主還元
- 配当利回りと配当性向: 会社予想1株配当55.00円に基づくと、現在の株価(1,087.0円)に対する配当利回りは5.06%と高水準です。配当性向(会社予想)は44.77%であり、利益に対する配当の割合はやや高めです。
- 配当の継続性・増配傾向: 2024年3月期、2025年3月期、2026年3月期(予想)といずれも年間配当55円を維持する方針であり、配当の継続性を重視しています。ただし、今期中間期に純損失を計上しているため、下期の業績回復がなければ、この配当水準を維持することが困難になる可能性もあります。
- 自社株買いの実績と方針: 提供データに自社株買いの実績や方針に関する記載はありませんでした。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
- 高水準な配当利回り(5.06%)と強固な財務健全性(自己資本比率86.7%)。
- PBRが業界平均を下回る水準にあり、割安感がある。
- ホラー・アニメ系コンテンツに強みを持つ遊技機メーカーとしての潜在力。
- 【強み】
- 自己資本比率が高く、無借金経営に近い非常に安定した財務体質。
- 高い配当性向を維持する株主還元意識。
- アニメやホラーコンテンツとのタイアップによる機種開発力。
- 【弱み】
- 直近中間期および過去1年間の業績が大幅な減収減益(営業赤字)に陥っており、収益性が著しく悪化。
- 営業活動によるキャッシュフローが大幅にマイナスであり、キャッシュ創出力が低い。
- 通期予想に対する中間期間の進捗が著しく遅れており、下期での大幅な回復が必須。
- 【機会】
- 「スマート遊技機」などの新機種導入による遊技機市場の活性化。
- 新規コンテンツとのタイアップや独自の演出技術によるヒット機種創出。
- PBRが割安水準にあるため、今後の業績回復による株価是正の可能性。
- 【脅威】
- 遊技機業界全体の市場規模縮小や規制強化。
- 競合他社の人気機種の台頭による販売競争の激化。
- 下期における想定通りの新機種投入や販売が達成できないリスク。
- 【注目すべき指標】
- 2026年3月期末までのパチンコ・パチスロ遊技機の販売台数。
- 2026年3月期の通期連結営業利益目標3,100百万円の達成状況。
- 次期四半期決算における営業活動によるキャッシュフローの改善状況。
10. 企業スコア
- 成長性: D
- 売上成長率(過去12か月では-63.80%、中間期実績も前年同期比△64.8%)が大幅なマイナスであるため。
- 収益性: D
- ROE(過去12か月△9.19%、中間期△6.8%)が5%未満かつ、営業利益率(過去12か月△25.62%、中間期△42.4%)が3%未満であるため。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率86.7%(60%以上)かつ流動比率555%(200%以上)と非常に高水準であるため。
- 株価バリュエーション: A
- PER 10.33倍(業界平均10.7倍の約96%)
- PBR 0.52倍(業界平均0.7倍の約74%)
- PBRが業界平均の70〜80%の範囲であり、全体として割安と判断されるため。
企業情報
| 銘柄コード | 6257 |
| 企業名 | 藤商事 |
| URL | http://www.fujimarukun.co.jp |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,087円 |
| EPS(1株利益) | 105.20円 |
| 年間配当 | 5.06円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 11.9倍 | 1,250円 | 3.2% |
| 標準 | 0.0% | 10.3倍 | 1,087円 | 0.5% |
| 悲観 | 1.0% | 8.8倍 | 971円 | -1.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,087円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 553円 | △ 97%割高 |
| 10% | 690円 | △ 57%割高 |
| 5% | 871円 | △ 25%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。