1. 企業概要

昭和化学工業は、珪藻土やパーライトを主原料とした濾過助剤の製造・販売を主力事業とする企業です。特に「Radiolite」や「Topco」ブランドで知られており、ビールなどの食品・飲料向け、プール向けなど幅広い液体の濾過用途に利用されています。また、コーティング材や農薬などの工業製品に用いられる機能性添加剤である化成品の製造・販売も手掛けています。
主力製品である濾過助剤は、液体や気体から微粒子を除去するために不可欠な消耗品であり、主にB2Bモデルで安定的な需要に支えられています。中国での合弁生産を通じて海外市場の深耕も図っています。珪藻土やパーライトという天然資源を加工する専門技術に強みを持ち、長年の実績と独自のノウハウが参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

昭和化学工業が属する「化学」業界は、グローバルな経済動向や原材料価格、為替変動の影響を受けやすい特徴があります。国内市場では個人消費が緩やかに回復基調にある一方、食料品価格の高騰や国際的な関税問題など、先行き不透明な要素も存在しています。同社は濾過助剤というニッチな分野で専門性を確立していますが、推定市場シェアに関する具体的なデータは提供されていません。
競合に対する相対的な強みとしては、長年の実績と特定の用途における高いブランド認知度が挙げられます。一方で、特定の産業(食品、飲料、水処理など)への依存度が高い点が脆弱性となる可能性があります。

定量比較:業界平均との財務指標比較

  • PER(会社予想): 10.41倍(業界平均: 15.9倍)→ 業界平均より割安
  • PBR(実績): 0.63倍(業界平均: 0.7倍)→ 業界平均より割安

同一業種区分企業比較(高砂香料工業:4914)

企業名 コード PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 営業利益率(%)
昭和化学工業 4990 10.41 0.63 5.23 5.50
高砂香料工業 4914 12.28 1.00 9.75 データなし

比較すると、昭和化学工業はPERおよびPBRにおいて高砂香料工業より割安な水準にあります。しかし、ROEに関しては昭和化学工業が5.23%と、高砂香料工業の9.75%を下回っており、収益性においては後塵を拝していると言えます。営業利益率は高砂香料工業のデータがないため比較できません。

3. 経営戦略

経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な数値目標は、提供された決算短信からは明確に読み取れません。しかし、中国での合弁生産による海外市場の深耕は、成長戦略の一環として継続されていると推測されます。
重点投資分野としては、「生産性向上・省エネのための設備投資を継続」していく方針が示されています。これは、製造コストの削減と競争力強化を目的としていると考えられます。
最近の適時開示情報としては、2025年11月14日に2026年3月期第2四半期決算短信が発表され、同日付で通期業績予想の修正も行われました。中間期決算では、売上高は前年同期比ほぼ横ばいながらも、売上原価の改善や持分法投資利益・受取手数料の増加により、営業利益、経常利益、純利益が大幅に改善しています。
これらの開示情報は、短期的には利益面でポジティブな影響を与えていますが、経常利益や純利益の改善が持分法投資利益などの営業外要因に大きく依存しているため、今後の業績への持続的な影響については慎重な見極めが必要です。生産性向上への投資は、長期的な収益性改善に寄与する可能性があります。

4. 財務分析

収益性

  • 営業利益率(過去12か月): 5.50%
  • ROE(過去12か月): 6.92% (実績ベース 5.23%)
  • ROA(過去12か月): 1.91%

ベンチマークと比較すると、ROE(ベンチマーク: 10%)およびROA(ベンチマーク: 5%)は概ねベンチマークを下回っており、収益性には改善の余地があると言えます。

財務健全性

  • 自己資本比率(実績): 59.5%(2025年3月期)→ 中間期では61.7%に改善。非常に高い水準を維持しており、財務基盤は強固です。
  • 流動比率(直近四半期): 2.00倍(200%)→ 短期的な支払い能力は十分に高いです。
  • D/Eレシオ(直近四半期): 28.17% → 負債と比較して自己資本が十分であり、財務健全性が高いことを示します。

成長性

  • 売上高成長率: 過去5年間の売上高は7,779百万円から9,237百万円で推移し、直近2会計年度はほぼ横ばいです。過去12か月の売上高は9,264百万円で、2025年3月期通期予想の9,237百万円と比較して微増。直近四半期の売上高成長率(前年比)は-2.00%と横ばいから微減傾向にあります。
  • 利益成長率: 営業利益は年によって変動が大きく、安定した成長は見られません。2026年3月期第2四半期決算では、中間純利益が前年同期比+88.1%と大幅な増加を記録しましたが、これは主に持分法投資利益などの営業外収益の寄与が大きいため、継続的な成長性判断には注意が必要です。

キャッシュフロー

  • 営業CF(過去12か月): 685百万円
  • 投資CF: データなし(決算短信に明示なし)
  • 財務CF: データなし(決算短信に明示なし)
  • FCF(フリーキャッシュフロー)(過去12か月): 115.25百万円 → プラスであり、本業で稼いだ資金が設備投資などに回った後も残っている状態を示します。
  • 営業CF/純利益比率: 1.21 → 本業で創出されたキャッシュフローが純利益を上回っており、「利益の質」は優良と評価できます。
  • 配当カバレッジ比率: 配当支払額データがないため算出不可。中間期決算短信によると現金及び預金は中間で約493百万円減少しており、売掛金の増加も運転資金の増加を示唆しています。

セグメント別分析

同社は単一セグメントですが、製品別の売上高が開示されています。(2026年3月期第2四半期中間期)

  • 濾過助剤: 2,862百万円(前年同期比 -2.6%)
    • 国内のビール・清涼飲料向けは増加したものの、海外で減少しました。
  • 建材・充填材: 739百万円(前年同期比 +9.1%)
    • 国内・海外ともに増加しており、成長ドライバーの一つと言えます。
  • 化成品: 973百万円(前年同期比 +4.2%)
    • 浄化槽用塩素剤が増加しましたが、プール用が減少しました。
  • その他: 268百万円(前年同期比 +1.3%)

成長ドライバーとしては建材・充填材セグメントが最も好調であり、化成品も堅調です。主力である濾過助剤は海外需要の減少が課題となっています。

四半期進捗

2026年3月期通期予想(修正後)に対する中間期(第2四半期)の進捗率は以下の通りです。

  • 売上高: 4,843百万円 / 9,300百万円 → 約52.1%
  • 営業利益: 276.7百万円 / 350百万円 → 約79.1%
  • 経常利益: 476.9百万円 / 610百万円 → 約78.2%
  • 親会社株主に帰属する中間純利益: 335.8百万円 / 520百万円 → 約64.6%

売上高は概ね標準的な進捗ですが、営業利益および経常利益の進捗が非常に良好です。純利益も通期予想に対して比較的高い進捗ですが、これには持分法投資利益などの営業外収益の寄与が大きいため、下期の持続的な収益獲得が鍵となります。

5. 株価分析

現在の水準

  • PER(会社予想): 10.41倍
  • PBR(実績): 0.63倍

業界平均PER 15.9倍、PBR 0.7倍と比較すると、PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安な水準にあると判断できます。
EPS(会社予想)48.82円に基づくと、業界平均PER15.9倍を適用した場合の理論株価は約777円。BPS(実績)807.50円に基づくと、業界平均PBR0.7倍を適用した場合の理論株価は約565円となります。現在の株価509円は、これらの理論株価レンジと比較しても割安感が示唆されます。

テクニカル

  • 52週高値・安値: 52週高値546円、安値420円に対し、現在の株価は509円であり、52週レンジの約70.6%の位置にあります。高値圏に近いですが、高値更新の余地はあります。
  • 移動平均線との位置関係: 現在株価509円は、5日移動平均線(506.80円)、25日移動平均線(491.08円)、75日移動平均線(488.57円)、200日移動平均線(477.07円)を全て上回っています。これは短期・中期・長期的に上昇トレンドにあることを示唆しています。
  • トレンドシグナル: 全ての主要移動平均線を上回っていることから、現在のところ上昇基調と見られます。明確なゴールデンクロスやデッドクロスのシグナルはデータから確認できませんが、安定した上昇トレンドにあると言えます。

市場との比較

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月リターン: 株式+6.93% vs 日経+2.68% → 4.25%ポイント上回る
    • 3ヶ月リターン: 株式+3.25% vs 日経+8.33% → 5.09%ポイント下回る
    • 6ヶ月リターン: 株式+9.70% vs 日経+30.55% → 20.85%ポイント下回る
    • 1年リターン: 株式+14.38% vs 日経+33.05% → 18.67%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月リターン: 株式+6.93% vs TOPIX+3.84% → 3.10%ポイント上回る

直近1ヶ月では日経平均およびTOPIXをアウトパフォームしていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期では市場指数を下回るパフォーマンスとなっています。これは、市場全体の強い上昇トレンドに対して同社の株価上昇が緩やかであったことを示唆します。

6. リスク評価

  • ベータ値: 0.22(5年 月次)
    • ベータ値が1.0を下回るため、市場全体の動きに対する感応度が低い(市場変動の影響を受けにくい)銘柄と言えます。これは安定性志向の投資家にとっては安心材料となる一方、市場全体の強い上昇局面ではパフォーマンスが劣後する可能性もあります。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 為替レートおよび原材料価格の変動: 主要な原材料の輸入価格や海外売上高に影響し、業績に変動をもたらす可能性があります。
    • 国内外の需要変動: 主力製品である濾過助剤の需要は、ビール・飲料業界や水処理市場の動向に左右されます。
    • 関連会社業績の変動: 持分法投資利益が経常利益に大きく寄与しているため、関連会社の業績低迷は同社の利益を圧迫する可能性があります。
  • 事業特有のリスク:
    • 特定産業への依存: 食品・飲料やプールなどの水処理市場への依存度が高く、これらの産業の景気変動や構造変化が直接的なリスクとなりえます。
    • 環境規制: 環境保全意識の高まりに伴う規制強化が、製品の製造プロセスや利用用途に影響を与える可能性があります。
    • 技術陳腐化: 新しい濾過技術や代替材料が登場した場合、同社の製品優位性が失われるリスクがあります。ただし、現在の情報からはその可能性に関する具体的なデータはありません。
  • 52週レンジにおける現在位置:
    • 52週レンジの70.6%の位置にあり、高値圏に位置しますが、過熱感があるほどではありません。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残: 19,600株
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍
    • 信用売残がゼロであり、信用倍率が低いことから、現時点では短期的な買い方の過熱感や売り方の圧力は小さいと判断できます。出来高が少ないため、少額の買い残でも株価変動に影響を与える可能性があります。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 大株主にはシグマ(株) (16.18%)、代表者の石橋健藏氏 (11.85%)、公益財団法人石橋奨学会 (8.35%)、自社(自己株口) (8.24%)、朝日生命保険 (6.41%)などが名を連ねています。
    • 代表者や関係法人、自己株式が上位を占めており、安定株主が比較的多い構造です。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
    • インサイダー保有比率が56.29%と非常に高く、経営陣が株価に対する高いコミットメントを持っていることを示唆します。安定的な株主構成により、短期的な投機筋からの影響を受けにくい環境にあると考えられます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 1.18%
  • 1株配当(会社予想): 6.00円
  • 配当性向(会社予想): 15.5%
  • 配当の継続性・増配傾向: 2026年3月期の年間配当予想は6.00円で、中間期実績は3.00円です。過去の配当性向は11%~18%で推移しており、株主に利益を還元する方針は継続的です。ただし、近年は増配基調というよりは安定した配当を目指す傾向が見られます。
  • 自社株買いの実績と方針: 提供された情報(決算短信含む)には、自社株買いの実績や今後の具体的な方針に関する記載はありません。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • 安定した財務基盤と割安なバリュエーション: 自己資本比率が高く、流動比率も健全な上、PER・PBRともに業界平均と比較して割安な水準にあります。
  • 堅調な中間期の利益進捗: 中間期決算は営業利益・経常利益・純利益が大幅に改善し、通期業績予想に対する進捗率が高く、利益面での成長余地を示唆します。
  • ニッチ市場での専門性と安定した需要: 濾過助剤という専門分野でブランド力と技術力を確立しており、特定の産業における基盤的な需要が存在します。

【強み】

  • 高い自己資本比率と流動比率に裏打ちされた盤石な財務健全性。
  • 「Radiolite」等のブランド力を持つ濾過助剤の製造・販売における専門性と実績。
  • 経営陣の株式保有比率が高く、安定株主が多い堅固な株主構成。

【弱み】

  • 売上高の成長が鈍化傾向にあり、持続的な成長ドライバーが不足している点。
  • 営業利益の変動性が高く、収益性指標(ROE、ROA)が業界平均やベンチマークを下回る点。
  • 経常利益・純利益が持分法投資利益などの営業外収益に左右されやすい点。

【機会】

  • 中国での合弁生産を含む海外展開のさらなる深化による高成長市場の獲得。
  • 生産性向上や省エネのための設備投資によるコスト競争力の強化。
  • 新規用途開拓や環境規制への対応による製品・技術の高付加価値化。

【脅威】

  • 原材料価格や為替レートの変動が収益へ与える影響。
  • 主力製品の需要が依存する産業(食品・飲料等)の景気変動や消費動向の変化。
  • 関連会社業績の悪化が持分法投資利益を通じて連結業績に悪影響を及ぼす可能性。

【注目すべき指標】

  • 売上高成長率: 特に濾過助剤の海外売上高の推移と、建材・充填材の成長持続性。
  • 営業利益率: 原価改善効果の継続性や販売費・一般管理費のコントロール状況。
  • 持分法投資利益の推移: 経常利益への影響度が高いため、関連会社の業績動向。
  • フリーキャッシュフロー (FCF): 投資と成長戦略を支えるキャッシュ創出能力。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    • 売上成長率が0-5%で推移しており、直近の四半期売上成長率はマイナス。
  • 収益性: B
    • ROE 6.92%(過去12か月)、営業利益率 5.50%(過去12か月)。ROEが8-10%未満、営業利益率が5-10%の範囲。
  • 財務健全性: A
    • 自己資本比率 59.5%(実績)、中間期61.7%。流動比率 200%。自己資本比率40-60%かつ流動比率150%以上であり、Sに近い強固な財務体質。
  • 株価バリュエーション: S
    • PER 10.41倍(業界平均15.9倍の約65%)、PBR 0.63倍(業界平均0.7倍の約90%)。PER/PBR共に業界平均の70%以下ではないものの、PERが70%を大きく下回る水準であり、総合的に大幅割安と判断。

企業情報

銘柄コード 4990
企業名 昭和化学工業
URL http://www.showa-chemical.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 509円
EPS(1株利益) 48.82円
年間配当 1.18円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 12.0倍 584円 3.0%
標準 0.0% 10.4倍 508円 0.2%
悲観 1.0% 8.8倍 454円 -2.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 509円

目標年率 理論株価 判定
15% 256円 △ 99%割高
10% 319円 △ 59%割高
5% 403円 △ 26%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。