企業分析レポート:ケアサービス (2425)
個人投資家の皆様へ
本レポートは、株式会社ケアサービス(証券コード: 2425)の企業情報を分析し、その事業内容、財務状況、株価動向、リスク要因、および株主還元策について分かりやすく解説するものです。
1. 企業概要
ケアサービスは、主に在宅介護サービスとシニア向け総合サービスを提供する企業です。通所介護施設(デイサービス)の運営を主力としており、東京23区にドミナント展開しています。第二の柱として、葬儀用湯灌サービス(エンゼルケア)を西日本にも拠点を持ち全国展開しています。高齢者専用賃貸住宅事業にも注力しています。
主力製品・サービスは、デイサービス、訪問入浴、訪問看護などの在宅介護サービスと、葬儀関連のエンゼルケアです。収益モデルは、介護保険制度に基づくサービス提供が中心で、利用者の増加に伴って安定した収入が見込めるストック型の性質を持ちます。また、葬儀関連サービスは個別の依頼に基づくフロー型に近い性質を持ちます。主な顧客は高齢者とその家族であるため、B2C(企業対消費者)が中心です。
技術的独自性に関する特段の記載はありませんが、長年にわたる介護サービスの提供実績と地域密着型のドミナント展開によるノウハウ、および許認可事業である点が参入障壁として機能しています。
2. 業界ポジション
ケアサービスは「サービス業」に分類されますが、事業内容から医療・介護系のサービス業に属すると考えられます。介護業界は高齢化社会の進展に伴い堅調な需要が見込まれる一方で、人手不足、人件費・物価高騰が大きな課題となっています。葬儀市場は全国的に施行件数が減少傾向にあります。同社は、事業所の効率化やコスト削減、採用・定着率向上を通じてこれらの市場動向に対応しようとしています。
競合に対する強みとしては、東京23区に特化したデイサービスのドミナント展開による地域での知名度と効率的な運営、そして葬儀用湯灌サービスという専門性の高いニッチ分野での全国展開が挙げられます。弱みとしては、人件費高騰や事業所閉鎖といったコスト構造変化による収益性の悪化が直近の課題です。
【定量比較】業界平均との財務指標比較
- PER(株価収益率):会社予想7.43倍(業界平均15.0倍)- 業界平均より大幅に割安な水準です。「株価が利益の何年分か」を示す指標で、業界平均より低ければ割安の可能性を示します。
- PBR(株価純資産倍率):実績1.06倍(業界平均1.2倍)- 業界平均と比較してやや割安、または適正な水準です。「株価が純資産の何倍か」を示す指標で、1倍未満は解散価値を下回る状態とされます。
- ROE(自己資本利益率):実績13.44%(ベンチマーク10%)- 良好な水準です。「株主のお金でどれだけ稼いだか」を示す指標で、10%以上が一般的な目安として良好とされます。
- 営業利益率:2025年3月期実績で5.27%です。
【同一業種区分企業比較】
同業他社のPER、PBR、ROEとの比較は以下の通りです。
| 企業名 | コード | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) |
|---|---|---|---|---|
| ケアサービス | 2425 | 7.43 | 1.06 | 13.44 |
| 共和コーポレーション | 6570 | 9.25 | 1.38 | 20.70 |
| Zenken | 7371 | 23.80 | 0.68 | 2.78 |
| E・Jホールディングス | 2153 | 9.38 | 0.92 | 9.61 |
ケアサービスは、PERでは比較他社よりも低く割安感があります。PBRは概ね平均的な水準です。ROEはE・Jホールディングスより高く、Zenkenよりはるかに高いですが、共和コーポレーションを下回っています。
3. 経営戦略
経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な詳細は本データからは読み取れませんが、直近の決算から、事業所の最適化(不採算事業所の閉鎖や日曜営業の終了)、採用・定着率の向上、コスト構造の改善が現在の主要な経営課題であることが示唆されます。高齢者専用賃貸住宅への注力も成長戦略の一環です。
最近の適時開示情報としては、連結子会社(上海)の解散に伴い、当中間期から非連結決算へ移行したことが挙げられます。これにより、経営資源を国内の中核事業に集中させる方針への転換がうかがえます。
これらの戦略は、短期的に事業所閉鎖などによる売上の減少を招く可能性がありますが、長期的には経営効率の向上と国内事業の収益性改善に寄与することが期待されます。増配予想が公表されていることから、株主還元への意識も高いと考えられます。
4. 財務分析
【財務品質スコア】Piotroski F-Score
- 総合スコア: 2/9 (C: やや懸念)
- 収益性スコア: 0/3
- 財務健全性スコア: 1/3
- 効率性スコア: 1/3
- 投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは財務品質を0-9点で評価するもので、7点以上が財務優良、5-6点なら普通、4点以下は要注意とされます。ケアサービスのスコアは2点と低く、特に収益性において課題があることを示唆しています。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):-0.30%。直近の決算短信(中間期)でも0.60%と低い水準です。
- ROE(過去12か月):11.74%。ベンチマークである10%を上回っており、株主資本の活用効率は良好です。
- ROA(過去12か月):6.61%。ベンチマークである5%を上回っており、総資産の活用効率も良好です。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績):71.0% (直近四半期で73.3%)。非常に高く、財務の安定性は極めて良好です。負債依存度が低いことを示します。
- 流動比率(直近四半期):3.48倍(348%)。ベンチマークの目安とされる200%を大きく上回っており、短期的な支払い能力は非常に高いです。
- D/Eレシオ(負債資本倍率)については情報がありませんが、自己資本比率の高さから負債は少ないと推測されます。
【成長性】
- 売上高は2021年3月期から2025年3月期にかけて緩やかに増加傾向にありました(8,686百万円から9,862百万円)。しかし、直近の四半期売上高成長率(前年比)は-5.80%とマイナス成長です。
- 営業利益は2021年3月期から2025年3月期にかけて増加傾向でしたが、2026年3月期の通期予想では320百万円と大幅な減益が予想されています(2025年3月期実績520百万円)。
【キャッシュフロー(中間期)】
- 営業キャッシュフロー(営業CF):76.963百万円。本業で稼いだ現金を示すものです。
- 投資キャッシュフロー(投資CF):△102.697百万円。主に有形固定資産の取得によるものです。
- 財務キャッシュフロー(財務CF):△91.322百万円。配当支払やリース債務の返済が主な要因です。
- フリーキャッシュフロー(FCF):営業CF – 投資CF = △25.734百万円。マイナスとなっており、本業で稼いだ現金だけでは投資活動を賄えていない状態です。
- 配当カバレッジ比率:営業CF 76.963百万円 / 配当支払額 75.6百万円 = 約1.02倍。営業活動で配当を賄いきれる水準ですが、十分に余裕があるとは言えません。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率:約1.56。1.0以上であり、利益が現金として健全に回収されていることを示します。(Sグレード)
【セグメント別分析(中間期)】
- 在宅介護サービス事業:売上高3,282.6百万円、セグメント利益147.3百万円。デイサービスは日曜営業終了の影響で売上が前中間期比で7.1%減、訪問入浴も事業所閉鎖の影響で12.7%減となりました。採用・定着、人件費対策、拠点運営の最適化が課題です。
- シニア向け総合サービス事業:売上高1,323.8百万円、セグメント利益229.1百万円。葬儀件数の全国的な減少により、売上が前中間期比で2.4%減となりました。
【四半期進捗(中間期、非連結)】
通期予想に対する中間実績の進捗率は以下の通りです。
- 売上高:48.3%(通期の約半分でほぼ想定ペース)
- 営業利益:8.6%(通期予想320百万円に対し27.5百万円と大幅に低進捗)
- 経常利益:18.7%
- 当期純利益:20.8%
特に営業利益の進捗が著しく遅れており、通期目標達成には下半期の大幅な収益改善が必要となります。これは事業所の閉鎖や日曜営業終了による売上減、人件費・採用費高騰、物価高が主な要因とみられます。連結子会社の解散に伴い非連結決算へ移行したため、前期中間期との直接比較は困難です。
5. 株価分析
【現在の水準】
- 株価805.0円
- PER(会社予想):7.43倍。業界平均15.0倍と比較してかなり割安な水準にあります。
- PBR(実績):1.06倍。業界平均1.2倍と比較してやや割安、または適正な水準です。
- EPS(1株当たり利益)ベースの理論株価:会社予想EPS108.35円 × 業界平均PER15.0倍 = 1,625.25円。
- BPS(1株当たり純資産)ベースの理論株価:実績BPS761.36円 × 業界平均PBR1.2倍 = 913.63円。
- バリュエーション分析の目標株価はPER基準で1037円、PBR基準で901円となっています。
【テクニカル】
- 52週高値935円、安値720円に対し、現在の株価805円は52週レンジの約39.5%の位置にあり、安値圏に近い水準です。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線(805.00円)と同水準。
- 25日移動平均線(792.72円)を上回っています(1.55%上)。
- 75日移動平均線(800.09円)を上回っています(0.61%上)。
- 200日移動平均線(802.45円)を上回っています(0.32%上)。
- 短期・中期・長期の移動平均線を全て上回っており、株価は足元で底堅く推移していることを示唆します。
【市場との比較】
- 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス:過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年いずれの期間においても、日経平均およびTOPIXといった市場全体指数を大幅に下回るパフォーマンスとなっています。
6. リスク評価
【定量的リスク指標】
- ベータ値(5Y Monthly):0.24。市場全体の動きに対して、株価の変動が大幅に小さいことを示します。(1.0未満=市場より変動小)
- 年間ボラティリティ:23.52%。中リスクに分類されます。(20-40%=中リスク)
- シャープレシオ:0.16。リスクを取ったことに対するリターンが少ないことを示します。(0.5未満=リスク対比リターン不十分)
- 最大ドローダウン:-19.14%。過去最悪の局面で100万円投資していたら80.86万円まで下落した実績があります。
【価格変動シナリオ】
年間ボラティリティ23.52%に基づくと、仮に100万円投資した場合、年間で±23.52万円程度の変動が想定されます。
【事業リスク】
- 人件費高騰と人材確保難:介護業界全体での人手不足は深刻であり、人件費の上昇や採用コストの増加は収益を圧迫する主要因です。
- 介護保険制度の改定リスク:介護報酬は国の制度によって定められており、改定によって収益構造が大きく変動する可能性があります。
- 物価上昇:燃料費、光熱費、食材費などの物価高騰が続き、原価や販管費を押し上げています。
- 事業構造転換に伴う影響:不採算事業所の閉鎖やサービス内容の見直し(日曜営業終了など)は、一時的に売上や利益を減少させる可能性があります。
- 特定セグメントへの依存:在宅介護サービスが事業の約70%を占めており、この分野での環境変化が業績に与える影響は大きいです。
- 災害や感染症:施設の運営やサービス提供が、大規模災害や新たな感染症の流行によって困難になるリスクがあります。
現在の株価は52週レンジの39.5%位置にあり、比較的安値圏での推移となっています。
7. 市場センチメント
- 信用買残:24,400株。信用売残:0株。信用倍率:0.00倍(売残がゼロのため)。信用倍率が異常値となっていますが、信用買残が積み上がっていることから、需給が買い方に傾いている状態です。
- 株主構成:(有)友愛が39.59%、代表者である福原俊晴氏が12.91%を保有しており、特定の株主が株式の過半数を保有しています。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況:内部者(経営陣含む)による保有比率が58.71%と高く、安定的な株主構成です。経営の安定性は高いと言えます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想):2.73%(株価805.0円、年間配当22.00円)。
- 1株配当(会社予想):22.00円。これは前年実績(20.00円)からの増配予想です。
- 配当性向(会社予想):20.3%。比較的低い水準であり、内部留保と成長投資にも資金を振り向けていると考えられます。
- 配当の継続性と増配傾向:過去の年間配当を見ると、10円(2022年3月期)から20円(2025年3月期)へと着実に増配しており、2026年3月期も22円への増配予想がされています。増配を継続する方針が見られます。
- 自社株買いの実績と方針:自己株式を9.69%保有していますが、直近の自社株買い実績や具体的な方針についてのデータは提供されていません。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 堅固な財務基盤:自己資本比率71.0%、流動比率348%と極めて高く、安定した経営基盤を誇ります。
- 高齢化社会における事業需要:主力とする介護サービスと葬儀サービスは、今後も需要拡大が見込まれる市場で展開されています。
- 安定的な株主還元:増配傾向が継続しており、配当利回りも2.73%と魅力的です。
【強み】
- 高い自己資本比率と流動比率による非常に健全な財務状況。
- 地域密着型のドミナント戦略と専門性の高いエンゼルケアによる事業優位性。
- 安定した大株主構成による経営の安定性。
- 堅実な増配政策による株主還元姿勢。
【弱み】
- 直近の中間決算において営業利益の進捗が通期予想に対して大幅に遅れている点。
- 人件費や物価高騰によるコスト圧力と、その影響を受けやすい収益構造。
- 事業所閉鎖やサービス見直しによる短期的な売上・利益減少。
- 市場平均を下回る株価パフォーマンスと低いシャープレシオ。
【機会】
- 高齢化の進展に伴う介護・シニア向けサービスの長期的な需要拡大。
- 不採算事業の整理や効率化による収益構造改善の可能性。
- 新規サービスの展開やM&Aを通じた介護・シニアビジネス分野での事業拡張。
【脅威】
- 介護保険制度改定による介護報酬引き下げリスク。
- 深刻化する介護人材の不足と採用競争の激化。
- 予期せぬパンデミックや災害による事業活動への影響。
- コスト高騰が想定以上に続くことによる収益圧迫。
【注目すべき指標】
- 2026年3月期通期営業利益目標320百万円の達成状況。特に下半期での回復度合い。
- セグメント別の売上高および利益率の改善状況。
- 人材確保・定着率に関する具体的施策とその効果。
10. 企業スコア
| 評価項目 | 評価 | 評価理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 直近四半期売上高成長率(前年比)が-5.80%とマイナス。2026年3月期通期売上高予想も前期実績対比で減少しており、短期的な成長は停滞しています。 |
| 収益性 | D | 過去12か月の営業利益率が-0.30%、中間期の営業利益率も0.60%と極めて低い水準にあります。Piotroski F-Scoreの収益性スコアも0/3でした。ただし、ROE11.74%やROA6.61%は良好であり、総資産や株主資本を効率的に活用している側面もありますが、直近の収益性の悪化を重く見てD評価とします。 |
| 財務健全性 | B | 自己資本比率71.0%および流動比率3.48倍と非常に良好な水準ですが、Piotroski F-Scoreの総合スコアが2点と低く、特に財務健全性スコアが1/3と評価されたため、SとDの中間であるB評価とします。 |
| 株価バリュエーション | A | PER(会社予想)7.43倍は業界平均15.0倍の約49.5%でS評価基準(70%以下)を満たし、PBR(実績)1.06倍は業界平均1.2倍の約88.3%でA評価基準(80-90%)を満たしています。両指標を総合的に判断し、A評価とします。 |
企業情報
| 銘柄コード | 2425 |
| 企業名 | ケアサービス |
| URL | http://www.care.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 805円 |
| EPS(1株利益) | 108.35円 |
| 年間配当 | 2.73円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 8.5倍 | 926円 | 3.1% |
| 標準 | 0.0% | 7.4倍 | 805円 | 0.3% |
| 悲観 | 1.0% | 6.3倍 | 719円 | -1.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 805円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 407円 | △ 98%割高 |
| 10% | 508円 | △ 58%割高 |
| 5% | 641円 | △ 25%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.11)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。