1. 企業概要

S&Jは、サイバーセキュリティ対策を専門とする企業です。企業や官公庁向けに、情報セキュリティ関連の監視、運用受託、コンサルティングサービスを提供しています。特に、サイバー攻撃からシステムを守るためのセキュリティオペレーションセンター(SOC)サービスと、情報セキュリティ評価支援やインシデント対応などのコンサルティングサービスが主力です。

  • 事業内容の簡潔な説明: ランサムウェアなど高度化するサイバー攻撃に対する企業のセキュリティ強化を支援しています。監視・運用代行のSOCサービスと、セキュリティ評価・インシデント対応のコンサルティングサービスが二本柱です。
  • 主力製品・サービスの特徴: SOCサービスは、顧客システムのログを24時間365日監視し、異常を検知・分析して対応策を提示するストック型のサービスです。コンサルティングサービスは、顧客のセキュリティ体制構築支援や、実際にインシデントが発生した際の初動対応・解決支援を行います。
  • 収益モデル: 主に企業向けのB2Bモデルです。「監視・運用受託」とあるようにストック型収益が中心であり、安定的な収益基盤を形成していると考えられます。
  • 技術的独自性や参入障壁: サイバーセキュリティ分野は、高度な専門知識と継続的な技術習得が求められます。長年の運用実績、専門人材の確保・育成、最新の脅威に対する知見、そして顧客からの信頼が、新たな参入者にとっての障壁となります。

2. 業界ポジション

S&Jは、サイバーセキュリティ対策に特化したソリューションプロバイダーとして、需要が高まる市場で事業を展開しています。

  • 業界内での推定市場シェアまたはポジション: サイバーセキュリティ市場は拡大傾向にありますが、S&Jの具体的な市場シェアはデータなし。上場市場がグロース市場であることから、成長途上にある専門プロバイダーとしての位置づけと考えられます。
  • 市場動向と企業の対応状況: 決算短信によると、「ランサムウェア等のサイバー攻撃増加により、情報セキュリティ関連IT投資需要は堅調」とあり、市場環境は追い風です。S&JはSOCサービスやコンサルティングサービスの強化・拡大により、この需要を取り込んでいます。
  • 競合に対する相対的な強み・弱み: 提供データからは競合に対する具体的な強み・弱みは特定できませんが、サイバーセキュリティ専業であること、マクニカホールディングスの子会社であることなどが独自性となり得ます。
  • 【定量比較】業界平均との財務指標比較:
    • PER(会社予想): 33.40倍 (業界平均: 66.2倍) → 割安
    • PBR(実績): 5.45倍 (業界平均: 3.5倍) → 割高
      S&JのPERは業界平均と比較して割安ですが、PBRは割高な水準にあります。成長企業は技術・ノウハウ等、無形資産の価値がPBRに反映されやすい傾向もあります。
  • 【同一業種区分企業比較】
    同一業種区分企業(情報・通信業)と比較すると、以下の通りです。
企業名 コード 時価総額(百万円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 営業利益率(%) (過去12ヶ月)
S&J 5599 11,935 33.40 5.45 18.41 26.81
ラクスル 4384 110,725 37.24 7.17 18.86 データなし
日鉄ソリューションズ 2327 813,261 27.85 3.06 10.86 データなし

S&Jは、ラクスルと比較してPER、PBRともに低い水準であり、ROEは競合他社と比較して高い水準にあります。営業利益率も過去12か月で26.81%と高水準であり、収益性の高さが際立っています。

3. 経営戦略

  • 経営陣のビジョンと中期経営計画: 中期経営計画に関する具体的な数値目標や進捗は、提供された決算短信には記載がありません。
  • 重点投資分野と成長戦略: ランサムウェアなどサイバー攻撃の高度化に対応するため、SOCサービスやコンサルティングサービスの専門性をさらに高め、既存顧客の契約継続と新規案件の獲得に注力する戦略と考えられます。特に、監視サービスと評価支援の需要拡大が成長ドライバーとなっています。
  • 最近の適時開示情報: 2026年3月期第2四半期決算短信では、増収増益達成、営業利益・純利益の通期予想に対する高い進捗率が報告されています。また、自己株式の取得も実施され、株主還元への意識も示されています。
  • これらが今後の業績に与える影響: サイバーセキュリティ市場の堅調な拡大と、同社の専門性向上戦略が合致しており、今後も安定的な成長が期待されます。自己株式取得は、発行済株式数の減少により、1株あたり利益(EPS)の向上を通じて株価にプラスの影響を与える可能性があります。

収益性

  • 営業利益率: 26.81%(過去12か月)、25.2%(2026年3月期中間期)。高水準であり、優良企業の水準(目安10%以上)を大きく上回ります。
  • ROE(自己資本利益率): 18.41%(過去12か月)、17.9%(2026年3月期中間期、年率換算)。目安の10%を上回る優良な水準です。
  • ROA(総資産利益率): 11.41%(過去12か月)、12.8%(2026年3月期中間期、年率換算)。目安の5%を上回る良好な水準です。

財務健全性

  • 自己資本比率: 74.0%(2025年3月期)、71.5%(2026年3月期中間期末)。目安の40%以上を大きく上回る非常に安定した水準です。
  • 流動比率: 302%(2026年3月期中間期末、概算)。目安の200%以上を上回る非常に良好な水準で、短期的な支払能力に優れています。
  • D/Eレシオ(有利子負債倍率): データなし。ただし、負債合計/純資産比率は約39.9%(2026年3月期中間期末)であり、自己資本比率の高さから負債依存度は低いと推測されます。

成長性

  • 売上高成長率:
    • 2024年3月期: +25.7% (1,610百万円 / 1,281百万円)
    • 2025年3月期: +20.6% (1,942百万円 / 1,610百万円)
    • 2026年3月期中間期: +21.5% (1,104百万円 / 908百万円、前年同期比)
    • 2026年3月期通期予想: +29.7% (2,519百万円 / 1,942百万円)
      継続して二桁成長を維持しており、高い成長性を示しています。
  • 利益成長率:
    • 営業利益(2024年3月期): +5.1% (348百万円 / 331百万円)
    • 営業利益(2025年3月期): +20.7% (420百万円 / 348百万円)
    • 営業利益(2026年3月期中間期): +47.8% (278百万円 / 188百万円、前年同期比)
    • 営業利益(2026年3月期通期予想): +23.4% (519百万円 / 420百万円)
      売上高の成長に伴い、利益も堅調に拡大しています。

キャッシュフロー(2026年3月期中間期)

  • 営業CF: 434,251千円(前年同期 147,717千円)
    • 税引前利益の増加、未払消費税等の増加、契約負債の増加(ストック型ビジネスの先行受領分)により大幅に増加し、本業で現金を効率的に稼ぎ出しています。
  • 投資CF: △3,513千円(前年同期 △232,098千円)
    • 有形固定資産の取得による支出で、前年同期の大規模投資に比べて大幅に縮小しています。事業拡大のための投資が適切に行われています。
  • 財務CF: △40,752千円(前年同期 実績なし)
    • 自己株式取得支出(△54,792千円)が主な要因です。
  • FCF(フリーキャッシュフロー): 営業CF − 投資CF ≒ 430,738千円
    • 投資を賄っても十分な現金を創出しており、財務の健全性を示しています。
  • 営業CF/純利益比率: 434,251千円 / 193,285千円 ≒ 2.25
    • 目安の1.0以上を大きく上回り、利益の質が非常に高いことを示しています。損益計算書の利益が現金として伴っている健全な状態です。
  • 配当カバレッジ比率: 配当支払額の個別データがないため算出不可。

セグメント別分析

  • S&Jは単一セグメント(サイバーセキュリティ事業)ですが、サービス区分別の売上高が公開されています(2026年3月期中間期)。
    • SOCサービス: 売上高 843,303千円(売上構成比 76.4%)、前年同期比 +20.8%
    • コンサルティングサービス: 売上高 261,024千円(売上構成比 23.6%)、前年同期比 +24.0%
  • 成長ドライバーと課題セグメントの特定: 主力のSOCサービス、およびコンサルティングサービスともに二桁成長を維持しており、両サービスがバランス良く成長を牽引しています。特に、ストック型収益の核となるSOCサービスが売上の大半を占めている点は強みです。

四半期進捗(2026年3月期通期予想に対する中間期進捗)

  • 売上高進捗率: 43.8%(1,104百万円 / 2,519百万円)
  • 営業利益進捗率: 53.6%(278百万円 / 519百万円)
  • 純利益進捗率: 54.8%(193百万円 / 352百万円)

売上高は半期でやや未達傾向ですが、利益面では通期予想の50%を超えて順調に進捗しており、現時点では会社予想の達成可能性が高いと判断されます。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
    • PER(会社予想): 33.40倍
    • PBR(実績): 5.45倍
    • 業界平均PER: 66.2倍、業界平均PBR: 3.5倍
      同社のPERは業界平均と比べて割安な水準ですが、PBRは割高な水準にあります。成長が評価され、将来の期待がPBRに織り込まれている可能性があります。
    • EPS(会社予想)63.50円を基準とする理論株価レンジ(業界平均PER基準):63.50円 × 66.2倍 = 4,191.70円
    • BPS(実績)389.11円を基準とする理論株価レンジ(業界平均PBR基準):389.11円 × 3.5倍 = 1,361.89円
      PER基準では現在の株価2,121.0円は割安、PBR基準では割高な範囲にあります。
  • 【テクニカル】
    • 52週高値: 2,164円、52週安値: 871円。現在の株価2,121円は52週高値に近く、52週レンジの96.8%に位置しています。
    • 移動平均線との位置関係:
    • 現在株価(2,121.0円)は、5日移動平均線(2,023.60円)を4.81%上回っています。
    • 25日移動平均線(1,852.52円)を14.49%上回っています。
    • 75日移動平均線(1,624.72円)を30.55%上回っています。
    • 200日移動平均線(1,380.99円)を53.59%上回っています。
    • 株価が全ての移動平均線を上回っており、短期から長期にわたって上昇トレンドが継続していることを示します。移動平均線が短期から長期にかけて上向きに並んでいることから、強い上昇トレンドが確認できます(ゴールデンクロス発生済みと推測)。
  • 【市場との比較】
    • S&Jの株価は、日経平均およびTOPIXに対して、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間で大幅にアウトパフォームしています。特に1年リターンでは日経平均を120.96%ポイント、TOPIXを19.41%ポイント上回っており、市場を大きく牽引するパフォーマンスを示しています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度: ベータ値は0.87です。これは市場全体(S&P500)の動きと比較して、株価の変動がやや小さいことを示唆しており、市場全体のリスクに対して比較的安定していると言えます。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 景気先行き不透明感(円安・物価高騰、国際経済の不透明感)
    • 受注の偏り・取引先の契約更新可否による業績変動
    • サイバーインシデントの規模や性質による事業への影響
    • 人材確保と育成の状況(専門性の高い分野のため、人材への依存度が高い)
  • 事業特有のリスク:
    • 技術陳腐化: サイバーセキュリティ技術は進化が速く、常に最新の脅威に対応する技術投資と人材育成が不可欠です。
    • 法規制・ガイドラインの変更: サイバーセキュリティに関する法規制やガイドラインの変更が、サービス内容やコストに影響を与える可能性があります。
    • 競合激化: 市場の成長に伴い、国内外からの競合が増加する可能性があります。
    • 顧客企業の投資意欲: 顧客企業のセキュリティ投資意欲や予算は、経済状況やセキュリティ意識によって変動する可能性があります。
  • 52週レンジにおける現在位置: 現在株価は、52週レンジの96.8%(0%=安値、100%=高値)に位置しており、高値圏で推移しているため、短期的な調整リスクには注意が必要です。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況: 信用買残は232,700株ですが、信用売残が0株のため、信用倍率は0.00倍となっています。これは、売り方が存在しないため、買い圧力が高い状況を示唆している可能性があります。ただし、流動性が低いこと(出来高が少ない)にも起因している可能性があります。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • マクニカが37.32%、代表取締役社長の三輪信雄氏が17.24%を保有しており、安定株主が堅固です。
    • Insiders(役員等)による保有割合が71.25%と非常に高く、創業家や経営陣による企業の支配が安定しており、長期的な視点での経営が期待できます。
    • Institutions(機関投資家)による保有は3.72%と比較的低く、個人投資家が注目しやすい銘柄である可能性があります。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 大株主上位に経営陣が含まれており、経営陣の企業価値向上へのインセンティブは高いと考えられます。親会社マクニカによる安定的な支援も期待できます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 0.71%
  • 1株配当(会社予想): 15.00円
  • 配当性向(会社予想): EPS 63.50円に対する配当15.00円で計算すると、約23.62%です。過去は配当実績がありませんでしたが、2026年3月期から年間15円の配当を予定しており、株主還元への姿勢を示しています。
  • 配当の継続性・増配傾向: 2026年3月期に初の配当を予定しているため、今後の継続性や増配については、企業の成長と利益水準に依存します。
  • 自社株買いの実績と方針: 2026年3月期中間期に取締役会決議に基づき自己株式取得を実施しており(51,000株取得、支出54,792千円)、株主還元策の一つとして活用しています。今後も機動的に実施される可能性があります。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • 拡大するサイバーセキュリティ市場における専門性と高い成長性。
  • 高水準の収益性を誇り、盤石な財務基盤と潤沢なフリーキャッシュフロー。
  • 初の配当開始と自己株式取得による株主還元姿勢。

【強み】

  • 高い専門性を有するサイバーセキュリティ専業企業であり、市場ニーズに合致している。
  • ストック型収益が中心のビジネスモデルで、収益の安定性が高い。
  • 営業利益率25%超、ROE18%超、自己資本比率70%超と、収益性・財務健全性が極めて優れている。
  • 営業キャッシュフローが利益を大きく上回る、利益の質の高さ。

【弱み】

  • 市場シェアや競合優位性に関する定量的な情報が不足しており、ベンチマークが難しい。
  • 人材への依存度が高く、優秀なセキュリティ人材の確保・育成が継続的な課題となる可能性。
  • 足元の株価は52週高値圏にあり、短期的な調整リスクがある。

【機会】

  • ランサムウェアなどサイバー攻撃の高度化・深刻化に伴う、企業の情報セキュリティ投資のさらなる拡大。
  • グローバルなセキュリティ脅威への対応や法規制強化により、専門サービス需要が増加。
  • 親会社マクニカホールディングスのネットワークを活用した事業拡大の可能性。

【脅威】

  • 競争激化による価格競争や収益性の悪化リスク。
  • 大規模なサイバーインシデント発生時の風評被害や信頼失墜リスク。
  • 景気後退や企業のIT投資抑制が、新たな受注や契約更新に影響を及ぼす可能性。

【注目すべき指標】

  • SOCサービスおよびコンサルティングサービスの四半期別売上高成長率の推移。
  • 通期予想に対する営業利益・純利益の進捗率。
  • 自己資本比率の動向と、キャッシュフロー創出力。

10. 企業スコア

  • 成長性: S
    • 売上高成長率は過去実績および通期予想で15%以上を大きく超え、持続的に高い成長を示しています。
  • 収益性: S
    • 過去12か月ROE 18.41%、営業利益率 26.81%であり、いずれも基準を大幅に上回ります。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率 74.0%、流動比率 302%であり、いずれも基準を大幅に上回る盤石な財務状況です。
  • 株価バリュエーション: D
    • PERは業界平均の70%以下で「S評価」に該当しますが、PBRは業界平均の130%以上で「D評価」に該当します。「PER/PBR共に〇〇」という評価基準に基づき、PBRがD評価であるため、総合的にはDとなります。

企業情報

銘柄コード 5599
企業名 S&J
URL https://www.sandj.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,121円
EPS(1株利益) 63.50円
年間配当 0.71円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 49.7倍 3,158円 8.3%
標準 0.0% 43.2倍 2,746円 5.3%
悲観 1.0% 36.8倍 2,453円 3.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,121円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,367円 △ 55%割高
10% 1,707円 △ 24%割高
5% 2,154円 ○ 2%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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