1. 企業概要
ミズホメディーは、体外診断用医薬品の研究開発、製造、販売を専門とする企業です。特に感染症の診断薬に強みを持ち、ウイルス検査キットや妊娠検査薬が主力製品となっています。主な収益源は、病院や開業医向けの診断薬販売(B2B)が売上高の大部分を占めており、一部OTC(一般用医薬品)製品も扱っています(B2C)。
同社の技術的な独自性は、分子診断製品(遺伝子検査機器やマイコプラズマ肺炎核酸キットなど)や迅速免疫検査製品(インフルエンザウイルス抗原検査キット、新型コロナウイルス抗原検査キットなど)の開発・製造にあります。体外診断用医薬品は、薬事法に基づく許認可を要するため、新規参入障壁が高い業界と言えます。
2. 業界ポジション
ミズホメディーは体外診断薬専業メーカーであり、感染症診断薬分野において特定のニッチ市場で高い専門性を有しています。市場動向としては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行時に検査薬需要で急成長を遂げましたが、5類移行後は遺伝子検査から抗原検査へのシフトや全体的な需要減により、業績は変動しています。同社はこの変動に対応するため、スマートジーンシリーズなどの新製品開発や製品ラインナップの拡充を進めています。
競合に対する強みとしては、迅速診断キットを中心に感染症診断薬の開発・製造に強みを持つことが挙げられます。一方、既存の感染症流行に業績が大きく左右されやすい点が弱みとなります。
【定量比較】業界平均との財務指標比較
- PER(株価収益率):
- ミズホメディー: 9.98倍
- 業界平均: 13.6倍
- 解釈: ミズホメディーのPERは業界平均より低く、株価が利益に対して割安である可能性があります。
- PBR(株価純資産倍率):
- ミズホメディー: 2.04倍
- 業界平均: 0.8倍
- 解釈: ミズホメディーのPBRは業界平均より高く、株価が純資産に対して割高である可能性があります。ただし、業界平均PBRが低い点を考慮する必要があります。
【同一業種区分企業比較】
同一業種区分企業である武田薬品工業との比較は以下の通りです。
| 企業名 | コード | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) |
|---|---|---|---|---|
| ミズホメディー | 4595 | 9.98 | 2.04 | 22.85 |
| 武田薬品工業 | 4502 | 52.92 | 1.14 | 1.52 |
ミズホメディーは武田薬品工業と比較してPERは低く、ROEは大幅に高い水準にありますが、PBRは高くなっています。これは、ミズホメディーが高い収益性を持ちながらも、株価は利益と比べて過大評価されていない可能性がある一方で、純資産に対しては割高と評価されていることを示唆しています。
3. 経営戦略
ミズホメディーは、明確な中期経営計画の数値目標は開示していませんが、スマートジーンシリーズに代表されるPOCT(Point of Care Testing:医療現場即時検査)分野の強化や、製品ラインナップの拡充を成長戦略として掲げています。具体的には、H.pyloriキットの国内承認取得、百日咳菌核酸キットの製造承認申請など、新規感染症や既知の感染症に対する診断薬開発を積極的に進めています。
最近の適時開示情報としては、2025年12月期第3四半期決算短信において、インフルエンザ単独検査薬の一部で偽陽性が判明し、自主回収および返品見込計上を行ったことが報告されています。
これらの戦略は、長期的な成長ドライバーとなりうる一方で、短期的には感染症流行の変動や製品品質問題が業績に影響を与える可能性があります。特に、新型コロナウイルス検査薬の大幅な売上減少が進行しており、新たな収益源の確立が喫緊の課題と言えます。
4. 財務分析
【財務品質スコア】Piotroski F-Score
- 総合スコア: 3/9 (B: 普通)
- 収益性スコア: 0/3
- 財務健全性スコア: 1/3
- 効率性スコア: 2/3
- 投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは財務品質を0-9点で評価する指標で、7点以上は財務優良、5-6点は普通、4点以下は要注意とされます。ミズホメディーの3点は要注意水準に近い「普通」と評価されます。特に収益性スコアが0点であり、過去と比較して収益性の改善が見られない、あるいは一部指標が悪化している可能性が示唆されますが、高い営業利益率やROEを鑑みると、F-Scoreの評価指標における「前年比改善」等の項目でスコアを得られていない可能性があります。
【収益性】
- 営業利益率(過去12ヶ月): 31.91% (直近3Q累計: 35.2%)
- ROE(自己資本利益率・実績): 22.85% (過去12ヶ月: 17.05%)
- ROA(総資産利益率・過去12ヶ月): 11.74%
- 解釈: ROE10%以上、ROA5%以上が一般的な目安とされる中、ミズホメディーはいずれの指標も大幅に上回っており、非常に高い収益性を持つ優良企業と評価できます。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 83.7% (直近3Q: 86.0%)
- 流動比率(直近3Q): 976%
- D/Eレシオ(負債資本倍率): 負債合計が総資産に占める割合が約14.0%と非常に低く、D/Eレシオは極めて低いと推測されます。
- 解釈: 自己資本比率が非常に高く、流動比率も極めて高いことから、財務基盤は非常に強固であり、短期的な支払い能力も盤石であると言えます。
【成長性】
- 売上高成長率の推移:
- 2021/12期: 13,137百万円
- 2022/12期: 17,581百万円(前年比+33.8%)
- 2023/12期: 10,989百万円(前年比-37.5%)
- 2024/12期(予想): 11,429百万円(前年比+4.0%)
- 2025/12期(予想): 11,349百万円(前年比-0.7%)
- 利益成長率の推移: 新型コロナウイルス検査薬の需要変動により、売上高・利益ともに近年大きく変動しており、特に2023年以降は減少傾向にあります。直近の四半期売上高成長率は前年比-32.20%、四半期利益成長率は前年比-46.50%と大幅な減収減益となっています。
【キャッシュフロー】
- 四半期キャッシュフロー計算書は作成されていないため、営業CF、投資CF、財務CFの3区分やFCF(フリーキャッシュフロー)の算出はできません。
- 現金及び預金(直近四半期): 10,857百万円。潤沢な現金を保有しています。
- 配当カバレッジ比率: データなし。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 四半期キャッシュフロー計算書が未作成のため、データなし。
【セグメント別分析】
- ミズホメディーは単一セグメントである体外診断用医薬品事業を展開しています。
- 第3四半期累計の市場分野別売上構成比と成長率は以下の通りです。
- 新型コロナウイルス検査薬: 3,822百万円(前年同期比△23.7%)
- インフルエンザ単独検査薬: 224百万円(前年同期比△60.2%)
- その他の検査薬及び機器: 1,887百万円(前年同期比△11.4%)
- OTC・他分野: 291百万円(前年同期比+2.5%)
- コロナ関連およびインフルエンザ単独検査薬が大幅な減収となっており、業績の主な下押し要因となっています。OTC・他分野のみが微増収となっており、今後の成長ドライバーとなりうる分野として注目されます。
【四半期進捗】
- 2025年12月期通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は以下の通りです。
- 売上高: 6,226百万円 (通期予想 9,064百万円に対し約68.7%)
- 営業利益: 2,194百万円 (通期予想 3,164百万円に対し約69.4%)
- 純利益: 1,588百万円 (通期予想 2,235百万円に対し約71.0%)
- 通期予想に対する進捗は概ね順調ですが、前年同期比では大幅な減収減益となっています。
5. 株価分析
【現在の水準】
- PER(会社予想): 9.98倍
- PBR(実績): 2.04倍
- EPS(会社予想): 180.75円
- BPS(実績): 884.42円
- 解釈: 業界平均PER 13.6倍と比較するとミズホメディーのPERは割安感がありますが、業界平均PBR 0.8倍と比較すると、ミズホメディーのPBRは割高感があります。
- EPS/BPSベースの理論株価レンジ:
- 業種平均PER基準目標株価: 2,359円
- 業種平均PBR基準目標株価: 708円
- 解釈: 参考に資する数値は得られるものの、PERとPBRで大きく乖離があり、どちらの指標を重視するかで評価が分かれます。
【テクニカル】
- 52週高値・安値: 高値1,810円、安値1,341円。現在の株価1,802.0円は52週レンジの98.5%の位置にあり、高値圏で推移しています。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線: 1,778.60円(現在株価が上回り1.37%)
- 25日移動平均線: 1,697.12円(現在株価が上回り6.24%)
- 75日移動平均線: 1,652.81円(現在株価が上回り9.09%)
- 200日移動平均線: 1,556.16円(現在株価が上回り15.86%)
- 解釈: 全ての移動平均線を上回っており、短期・中期・長期的に上昇トレンドにあることを示唆しています。
- トレンドシグナル: 短期移動平均線が長期移動平均線を上回る「ゴールデンクロス」の状態であり、株価の上昇基調を示しています。
【市場との比較】
- 日経平均株価との相対パフォーマンス:
- 1ヶ月リターンでは日経平均を4.43%ポイント上回っていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年リターンではそれぞれ日経平均を3.32%ポイント、6.27%ポイント、15.52%ポイント下回っています。
- TOPIXとの相対パフォーマンス:
- 1ヶ月リターンではTOPIXを3.82%ポイント上回っていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年リターンについてはデータがありません。
6. リスク評価
【定量的リスク指標】
- ベータ値(5年月次): 0.59
- 解釈: ベータ値が1.0未満であるため、市場全体(日経平均やTOPIXなど)の変動に対して、株価の変動は小さい傾向にあることを示します。
- 年間ボラティリティ: 20.80%
- 解釈: 20%以上40%未満であるため、中リスクの銘柄と評価されます。
- シャープレシオ: -0.07
- 解釈: シャープレシオはリスクに見合うリターンが得られているかを示す指標です。1.0以上が良好、0.5-1.0が普通、0.5未満はリスク対比リターンが不十分とされます。ミズホメディーの-0.07は、リスクに見合うリターンが得られていないことを示唆しています。
- 最大ドローダウン: -23.30%
- 解釈: 過去最悪の局面で100万円投資していた場合、評価額が76.7万円まで下落した実績があることを意味します。この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして考慮すべきです。
【価格変動シナリオ】
- 年間ボラティリティ20.80%に基づくと、仮に100万円投資した場合、年間で±20.8万円程度の変動が想定されます。
【事業リスク】
- 感染症流行状況の変動: 主力製品が感染症診断薬であるため、特定の感染症の流行状況(季節性、規模、型など)や公衆衛生政策の変更により、売上が大きく変動するリスクがあります。特に新型コロナ検査薬の需要減少は実績として顕在化しています。
- 製品の品質問題・リコール: インフルエンザ単独検査薬での自主回収事例があり、今後も品質問題が発生するリスクがあります。これにより、売上減少、費用増加、企業イメージの悪化につながる可能性があります。
- 為替変動リスク: 海外にも事業展開しているため、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。
- 規制・承認の遅延: 新製品の開発において、医薬品に関する規制当局の承認プロセスが遅延したり、承認が得られなかったりするリスクがあります。
- 技術陳腐化リスク: 診断技術の進歩が速いため、競争力の維持には継続的な研究開発投資が必要です。
- 52週レンジにおける現在位置: 現在株価は52週レンジの高値圏(98.5%)にあり、高値からの下落リスクには注意が必要です。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残: 519,800株
- 信用売残: 2,000株
- 信用倍率: 259.90倍
- 解釈: 信用買残が非常に多く、信用売残が少ない状態です。これは株価が上昇する期待が大きいことを示唆している一方で、将来の売り圧力となる可能性を秘めています。信用倍率が高い状態は、過熱感を示す場合もあります。
- 株主構成と大株主の動向:
- 筆頭株主は代表者である唐川文成氏(20.54%保有)であり、経営陣の持ち株比率が高いです。また、自社社員持株会も2.57%保有しており、安定株主が多い構造です。
- 機関投資家(% Held by Institutions)の保有比率は5.84%と比較的低い水準です。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 5.55%
- 1株配当(会社予想): 100.00円
- 配当性向(会社予想): 50.5%
- 解釈: 配当利回り5.55%は非常に高い水準であり、積極的な株主還元姿勢が伺えます。配当性向も50.5%と高水準で、利益の半分以上を配当に回していることを示します。
- 配当の継続性・増配傾向: 2023年、2024年ともに年間配当は100円(株式分割考慮後)と安定しており、高配当を維持する方針です。2025年予想は95円とやや減少傾向ですが、依然高水準です。
- 自社株買いの実績と方針: 決算短信に自社株買いに関する具体的な記載はありません。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 高水準の収益性と盤石な財務基盤: 営業利益率、ROE、ROAが高く、自己資本比率も極めて健全であり、企業としての稼ぐ力と安定性が非常に高い。
- 高い株主還元: 5.55%という高い配当利回りと、安定した配当方針は、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的。
- 専門性と新製品開発: 感染症診断薬のニッチ分野での専門性と、POCT強化や新製品開発への継続的な取り組みは、将来的な成長潜在力を秘める。
【強み】
- 非常に高い収益性指標(営業利益率、ROE、ROA)。
- 極めて健全な自己資本比率と流動比率を持つ強固な財務体質。
- 代表者が大株主であるなど、安定した経営体制。
- 高い配当利回りによる積極的な株主還元。
- 感染症診断薬に特化した高い技術力と専門性。
【弱み】
- 感染症の流行状況に業績が大きく左右される構造的な脆弱性。
- 新型コロナウイルス検査薬の需要剥落による、直近の売上高・利益の減少傾向。
- 製品の品質問題(自主回収)があったことによる信頼性リスク。
- 四半期キャッシュフロー計算書が開示されておらず、詳細なキャッシュフロー状況の把握が困難。
【機会】
- POCT(Point of Care Testing)市場の成長と、同社の遺伝子・迅速診断技術とのシナジー。
- 新型コロナウイルス以外の新たな感染症の発生、あるいは既存感染症の再流行による検査需要の再燃。
- H.pyloriキット、百日咳菌核酸キットなどの新製品上市による製品ポートフォリオの強化。
- 海外市場における事業拡大の可能性。
【脅威】
- 感染症流行の不確実性と周期性による業績の大きな変動。
- 競合他社との研究開発競争の激化や技術の陳腐化リスク。
- 医薬品に関する国内外の規制強化や承認プロセスの長期化。
- 為替変動や原材料価格の変動によるコスト上昇リスク。
【注目すべき指標】
- スマートジーンシリーズを含む「その他の検査薬及び機器」部門の売上高成長率と利益率。
- 新型コロナウイルス検査薬以外の感染症検査薬(インフルエンザなど)の売上高推移。
- 営業利益率の30%以上維持。
- 配当性向の安定性(中長期的な50%程度の維持)。
10. 企業スコア
- 成長性: C
- 売上成長率は2024年予想+4.0%、2025年予想-0.7%と、0-5%の範囲であるため。
- 収益性: S
- ROE 22.85% (15%以上)、営業利益率 31.91% (15%以上) と、いずれもS評価の閾値を大きく上回るため。
- 財務健全性: C
- 自己資本比率 83.7%かつ流動比率 976%と非常に良好ですが、Piotroski F-Scoreが3点と「要注意」水準(2-3点)にあたるため。
- 株価バリュエーション: D
- PER 9.98倍は業界平均より割安ですが、PBR 2.04倍は業界平均 0.8倍を大幅に上回る割高な水準(130%以上)であるため。「PER/PBR共に」の条件を満たさないため。
企業情報
| 銘柄コード | 4595 |
| 企業名 | ミズホメディー |
| URL | http://www.mizuho-m.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,802円 |
| EPS(1株利益) | 180.75円 |
| 年間配当 | 5.55円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 11.5倍 | 2,074円 | 3.1% |
| 標準 | 0.0% | 10.0倍 | 1,804円 | 0.3% |
| 悲観 | 1.0% | 8.5倍 | 1,612円 | -1.9% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,802円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 911円 | △ 98%割高 |
| 10% | 1,137円 | △ 58%割高 |
| 5% | 1,435円 | △ 26%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.11)」によって自動生成されました。
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