企業の一言説明

キューブシステム(2335)は、金融・通信・流通業界向けにSI(システムインテグレーション)を主力とするシステム開発企業で、SEのプロジェクト管理能力に定評があります。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 業界平均を大きく下回るPER/PBR水準であり、割安感があります。
  • 自己資本比率75%超、流動比率370%超と、極めて高い財務健全性を誇ります。
  • 継続的な配当実績と、予想配当利回り3.71%と安定した株主還元を実施しています。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 堅実な成長期待
収益性 A 良好な収益力
財務健全性 A 極めて強固な財務
バリュエーション S 非常に割安

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,132.0円
PER 14.00倍 業界平均23.2倍 (約60%の水準)
PBR 1.54倍 業界平均2.3倍 (約67%の水準)
配当利回り 3.71%
ROE 10.65%

1. 企業概要

キューブシステムは、1972年設立の老舗システムインテグレーター(SIer)です。金融、流通、通信業界を中心としたシステム開発、インフラ構築、運用・保守サービスを提供しており、近年はデジタルビジネス(DX支援、クラウド移行、AIサービス等)にも注力しています。特にSEの質の高いプロジェクト管理能力に定評があり、これを強みに安定的な収益モデルを確立しています。

2. 業界ポジション

同社は金融、流通、通信といった特定のコア分野におけるシステム構築に強みを持ち、これらの領域で確固たる顧客基盤を築いています。競合に対する強みは、長年の実績と質の高いプロジェクト管理能力に裏打ちされた顧客からの信頼です。業界平均と比較して、PERは14.00倍(業界平均23.2倍)、PBRは1.54倍(業界平均2.3倍)といずれも大幅に下回っており、バリュエーション面では割安感があります。

3. 経営戦略

キューブシステムは「Vision 2026」を中期経営ビジョンとして掲げ、主に以下の成長戦略を推進しています。

  • 公共・エネルギー分野での受注拡大: 既存事業からの多角化を通じて、安定成長を図ります。
  • プライム向け事業での収益性向上: 高付加価値案件への注力により、利益率の改善を目指します。
  • クラウド・AIの案件拡大: DX推進ニーズへの対応と技術力の強化(GPT API利用の業務支援アプリ「InCUBEator」の社内展開など)を積極的に進めています。
  • 生産体制の拡充: 品川イノベーションハブの開所を含む拠点整備を進め、事業基盤を強化しています。

直近では2026年3月期第2四半期において増収増益を達成しました。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。

4. 財務分析

  • 【財務品質スコア】Piotroski F-Score
項目 スコア 投資家向け解釈
総合 3/9 B: 普通(財務状態は良好ですが、特定の指標には改善の余地を示唆)
- **投資家向け解釈**: Piotroski F-Scoreは、0-9点で企業の財務の質を評価する指標です。7点以上は財務優良、5-6点は普通、4点以下は要注意とされます。同社のスコアは3点であり、後述する他の財務指標が非常に優れているにもかかわらず、本スコアが低めである点は、今後ウォッチすべき財務の質的な側面があることを示唆しています。
  • 【収益性】
指標 ベンチマーク 評価
営業利益率(過去12ヶ月) 7.11% 堅調
ROE(実績) 10.65% 10%以上で良好 良好
ROA(過去12ヶ月) 6.87% 5%以上で良好 良好
- **解説**: ROE (株主資本利益率) は株主のお金でどれだけ効率良く稼いだかを示し、ROA (総資産利益率) は総資産をどれだけ効率良く使って利益を上げたかを示します。同社のROE、ROAともに一般的な目安とされる水準を上回っており、効率的な経営ができていることを評価できます。営業利益率は堅調な水準で、本業の収益力を示しています。
  • 【財務健全性】
指標 目安 評価
自己資本比率(実績) 75.7% 40%以上で安定 極めて高水準
流動比率(直近四半期) 3.71倍 (371%) 200%以上で健全 極めて高水準
- **解説**: 自己資本比率は総資産のうち自己資本が占める割合で、高ければ高いほど倒産しにくい安定した経営基盤を示します。流動比率は短期的な支払能力を示す指標で、200%以上が健全とされます。同社の財務基盤は自己資本比率、流動比率ともに非常に高い水準を保っており、負債依存度が低く、短期的な資金繰りの心配も極めて少ない、強固な財務体質であると言えます。
  • 【キャッシュフロー】
指標
営業CF(過去12ヶ月) 933百万円
フリーCF(過去12ヶ月) 914.63百万円
- **解説**: 営業CF (営業活動によるキャッシュフロー) は本業でどれだけ現金を生み出したかを示します。フリーCF (フリーキャッシュフロー) は事業活動で自由に使えるキャッシュで、営業CFから投資活動に伴うキャッシュアウトを差し引いたものです。同社は営業活動により潤沢なキャッシュを生み出しており、フリーキャッシュフローもプラスで推移していることから、将来の事業投資や株主還元に充てる十分な資金余力があることを示しています。
  • 【利益の質】
指標 業界平均比 評価
営業CF/純利益比率 0.81 1.0以上で健全 普通(利益の大部分がキャッシュ裏付け)
- **解説**: 営業キャッシュフローを純利益で割った比率で、利益が現金でどれだけ裏付けられているかを示します。1.0未満の場合、利益の一部が現金化されていないことを示唆しますが、同社の0.81という数値は、利益の大部分がキャッシュに裏付けられており、特に大きな懸念がある水準ではありません。しかし、売掛金等の増加が要因である可能性もあり、今後もこの動向はウォッチしていくべきでしょう。
  • 【四半期進捗】
項目 通期予想に対する進捗率(中間期)
売上高 46.9%
営業利益 41.7%
純利益 45.5%
- **解説**: 通期予想に対する中間期の進捗率は、売上高と純利益が概ね均等な進捗を示している一方で、営業利益はやや未達傾向です。IT業界では下期に大規模案件の計上やプロジェクトの進捗度合いによって収益が偏るケースも多いため、下期の受注動向やコスト管理が通期目標達成の鍵となります。

5. 株価分析

  • 【バリュエーション】
指標 業界平均 評価
PER(会社予想) 14.00倍 23.2倍 割安
PBR(実績) 1.54倍 2.3倍 割安
- **解説**: PER (株価収益率) は株価が1株当たり利益の何年分かを示し、PBR (株価純資産倍率) は株価が1株当たり純資産の何倍かを示します。同社のPERは情報・通信業の業界平均と比較して約60%、PBRは約67%と、いずれも大幅に低い水準にあります。これは現在の株価に割安感があることを示唆しています。
  • 【テクニカル】
    • 52週高値・安値との位置: 現在株価1,132.0円は、52週高値1,245円と安値900円の中間よりやや高値寄り(レンジの67.2%)に位置しています。
    • 移動平均線との関係: 現在株価は、5日移動平均線 (1,126.20円)、25日移動平均線 (1,106.40円)、75日移動平均線 (1,111.04円)、200日移動平均線 (1,101.57円) の全てを上回っています。これは、短期から中長期にかけて緩やかな上昇トレンドが継続していることを示唆するテクニカルな好兆候です。
  • 【市場比較】
    • 日経平均比: 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年いずれの期間においても日経平均を下回るパフォーマンスとなっています。特に3ヶ月および6ヶ月では日経平均が大きく上昇しているのに対し、同社株は横ばいあるいは微減となっており、相対的に勢いを欠いています。
    • TOPIX比: 同様に1ヶ月でTOPIXを下回るパフォーマンスです。
    • 解説: 市場全体が上昇する局面において、同社株は市場の勢いに乗り切れていない状況が見られ、相対的にアンダーパフォームしています。これは、市場の成長期待や注目度が他の銘柄に比べて低い可能性を示唆しています。

6. リスク評価

  • 【定量リスク】
    • ベータ値: 0.57。ベータ値は市場全体の変動に対する株価の感応度を示し、0.57という値は市場全体(ベータ値1.0)より値動きが穏やかであることを示します。
    • 年間ボラティリティ: 23.61%。株価の変動の激しさを示します。
    • 最大ドローダウン: -26.84%。過去の特定の期間における最大の下落率を示します。
    • 想定変動幅: 仮に100万円投資した場合、過去の傾向から年間で±23.61万円程度の変動が想定されます。また、最大で26.84万円程度の資産減少期間があったことを示しており、今後も同様の下落が起こりうるリスクは考慮すべきです。ベータ値が低いことから、市場全体の変動には比較的左右されにくい銘柄と言えます。
  • 【事業リスク】
    • IT人材の確保と人件費の高騰: DX需要が旺盛なIT業界では人材獲得競争が激化しており、優秀なエンジニアの確保が困難化する可能性や、人件費上昇が収益を圧迫するリスクがあります。
    • 主要顧客セクターの動向: 金融、流通、通信といった主要顧客セクターのIT投資動向や経営環境の変化が、同社の業績に直接的な影響を与える可能性があります。特定セクターへの依存度が高いがゆえのリスク要因です。
    • 技術トレンドの変化への対応: クラウド、AIといった急速に進化する技術トレンドへの継続的な投資と、技術者育成が競争優位性維持のために不可欠です。対応が遅れた場合、競争力が低下するリスクがあります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残33,900株に対し、信用売残4,900株であり、信用倍率6.92倍となっています。信用買残が信用売残を大きく上回っているため、将来的に買い方が利益確定売りに出ることで需給が悪化する可能性に注意が必要です。
  • 主要株主構成: 上位株主には野村総合研究所(20.18%)、自社従業員持株会(9.51%)、個人大株主が名を連ねています。業界大手の子会社ではなく、自立性が高い企業構造でありながら、安定的な大株主が存在します。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 3.71% (株価1,132.0円、1株配当42.0円に基づく)
  • 配当性向(会社予想): 47.7%
  • 自社株買いの状況: 直近の決算短信では、期中に自己株式処分による108百万円の計上はあったものの、新たな自社株買いの公表はありません。
  • 解説: 同社は高い配当利回りと、利益の約半分を株主還元に回す配当性向を示しており、株主還元への意識が高いことが伺えます。安定した配当を期待する投資家にとって魅力的な水準と言えるでしょう。

SWOT分析

強み

  • 金融・通信・流通向けに強固な顧客基盤と実績に裏打ちされた高品質なプロジェクト管理能力。
  • 自己資本比率75%超、流動比率370%超と、極めて強固な財務体質と安定したキャッシュフロー。

弱み

  • 市場全体の上昇トレンドと比較して、株価の相対パフォーマンスが低い傾向にある。
  • Piotroski F-Scoreが低く、財務効率性や収益の質の一部に、他の財務健全性指標からは見えにくい改善の余地がある。

機会

  • DX推進、クラウド移行、AI活用といったIT投資需要の継続的な拡大は、同社にとって大きなビジネス機会。
  • 公共・エネルギー分野など、新たな事業領域への展開により、収益基盤の多様化と成長が期待できる。

脅威

  • IT人材の供給不足が深刻化し、優秀な人材確保への競争激化や人件費の高騰が収益を圧迫する可能性。
  • 特定の主要顧客セクターにおけるIT投資抑制や景気低迷といったマクロ経済リスク。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤と継続的な配当収入を重視する長期投資家。
  • 業界平均と比較して割安なバリュエーションで、ディフェンシブなITサービス企業を探している投資家。
  • 市場全体のボラティリティが高い局面でも、比較的値動きが穏やかな銘柄を好む投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 市場全体のパフォーマンスを大きく下回る傾向があるため、短期間でのキャピタルゲインを追求する投資家には物足りなさを感じる可能性があります。
  • 中間決算短信で純利益が前年同期比で減少した要因は、前年の一時的特別利益の反動によるものですが、今後の四半期決算で本業の収益性が着実に回復しているか慎重に判断する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率: DX案件やプライム向け事業での高収益化が、通期目標達成に向けて持続するかどうか。
  • 人材採用・定着率: IT人材獲得競争が激化する中で、優秀な人材を確保し、離職を抑えることができるか。
  • 受注残高、新規契約状況: 公共・エネルギー分野など新規領域での事業拡大の進捗度合いを示す先行指標。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: B
    • 根拠: 2026年3月期の売上高は前期比約6.26%増(19,500百万円予想)。過去12ヶ月の四半期売上高成長率は-0.30%ですが、通期予想では堅実な成長を見込んでいます。評価基準で5-10%の成長率はBに該当します。
  • 収益性: A
    • 根拠: ROE(実績)が10.65%で10-15%の範囲、過去12ヶ月の営業利益率が7.11%で5-10%の範囲にあります。ROEが10-15%であるため、評価基準ではAに該当します。本業による収益力は良好と判断できます。
  • 財務健全性: A
    • 根拠: 自己資本比率75.7%(60%以上でSレベル)、流動比率371%(200%以上でSレベル)と極めて高水準です。Piotroski F-Scoreは3点(Cレベル)ですが、総合的な財務健全性を判断する上で、流動比率が150%以上であるという基準を満たしているため、Aと評価します。非常に強固な財務体質です。
  • バリュエーション: S
    • 根拠: PER 14.00倍は業界平均23.2倍の約60%、PBR 1.54倍は業界平均2.3倍の約67%であり、いずれも業界平均の70%を下回っています。このため、評価基準ではSに該当し、現在株価には強い割安感があると判断できます。

企業情報

銘柄コード 2335
企業名 キューブシステム
URL http://www.cubesystem.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,132円
EPS(1株利益) 80.86円
年間配当 3.71円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 4.1% 16.1倍 1,589円 7.3%
標準 3.1% 14.0倍 1,321円 3.4%
悲観 1.9% 11.9倍 1,056円 -1.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,132円

目標年率 理論株価 判定
15% 667円 △ 70%割高
10% 833円 △ 36%割高
5% 1,051円 △ 8%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.15)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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