個人投資家向け 商船三井(9104)企業分析レポート

1. 企業概要

商船三井は、海運を中核事業とする日本の大手総合輸送企業です。ドライバルク船(鉄鉱石、石炭など)、エネルギー輸送船(タンカー、LNG船など)、製品輸送船(コンテナ船、自動車運搬船など)といった多岐にわたる船舶を運航し、世界中の原材料や製品の輸送を担っています。
主力製品・サービスは、資源輸送を支えるドライバルク事業、原油・天然ガス輸送を担うエネルギー事業、そしてコンテナ船による製品輸送や自動車運搬船です。近年はオフショア風力発電などの海洋事業といった環境分野にも注力しています。
収益モデルは主にB2Bのフロー型です。海運市況(運賃レート)の変動が直接収益に影響します。また、フェリーやクルーズ事業といったB2Cサービスも展開しています。
技術的独自性や参入障壁としては、大規模な船舶投資を要する資本集約型産業であること、安全かつ効率的な運航ノウハウ、グローバルな運航ネットワークの構築が挙げられます。さらに、脱炭素化に向けた次世代燃料船の開発や運航技術に積極的に投資しており、これらが将来的な競争優位性となります。

2. 業界ポジション

商船三井は、日本国内において海運業界で第2位の総合輸送企業としてのポジションを確立しています。多様な船種とグローバルなネットワークを強みとしています。
市場動向としては、世界経済の成長、物流需要、原油・天然ガス需要、鉄鋼生産などのマクロ経済指標、そして地政学リスクや環境規制が大きく影響します。決算短信によると、ドライバルク市場では荷動きの低迷やスポット市況の悪化が見られる一方、エネルギー事業の一部では堅調な動きもあります。コンテナ船事業は市況の低迷が課題とされています。同社は、市況変動リスクに対応するため、事業ポートフォリオの多角化や海上風力発電関連事業への参入など、環境分野への投資を通じて事業構造の転換を進めています。
競合に対する相対的な強みは、その多様な事業ポートフォリオによるリスク分散、長年にわたる豊富な運航実績と信頼性、そして環境技術への先行投資です。一方で、市況変動の影響を大きく受ける点は弱みとなり得ます。
【定量比較】

  • PER(株価収益率): 商船三井 9.53倍 vs 業界平均 7.8倍 (PER: 株価が利益の何年分かを示す指標。業界平均より低ければ割安の可能性)
    • 商船三井のPERは業界平均と比較してやや割高な水準です。
  • PBR(株価純資産倍率): 商船三井 0.66倍 vs 業界平均 0.8倍 (PBR: 株価が純資産の何倍かを示す指標。1倍未満は解散価値を下回る状態)
    • 商船三井のPBRは業界平均と比較して割安な水準であり、特に1倍を下回っていることから、企業の持つ純資産価値に対して株価が評価されていない可能性があります。

3. 経営戦略

経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な詳細はデータからは読み取れませんが、決算短信や企業概要からは、多様な輸送サービスを世界中に提供する総合力と、環境技術への注力が見受けられます。特に「環境に注力」という記述からは、脱炭素化や持続可能な社会への貢献を経営の重要課題と捉えていることがうかがえます。
重点投資分野としては、LBC TANK TERMINALS GROUPの連結(買収)に見られるようなM&Aを含む既存事業の強化・拡大や、オフショア風力発電エネルギー関連事業といった新規事業開発への投資が挙げられます。これらを通じて、収益源の多様化と成長の軸足を確立しようとしていると推察されます。
最近の適時開示情報としては、2026年3月期第2四半期決算短信において、売上高予想の小幅上方修正と、経常利益・当期純利益の約10%の下方修正が発表されました。これは主に持分法による投資損益の大幅減が影響しています。一方で、LBC TANK TERMINALS GROUPの連結といったM&Aを進めていることが記されています。
これらの戦略は、新規事業の育成や既存事業の強化を通じて将来的な収益基盤を固めることを目指していますが、短期的にはM&Aに伴う投資負担や、持分法投資先の業績変動が業績に影響を与える可能性があります。

4. 財務分析

  • 【財務品質スコア】Piotroski F-Score:
    • 総合スコア: 2/9点 (C: やや懸念) (F-Score: 財務品質を0-9点で評価。7点以上=優良、5-6点=普通、4点以下=要注意)
    • 収益性スコア: 1/3点 (ROAが低いことが要因)
    • 財務健全性スコア: 0/3点 (流動比率が低いことが要因)
    • 効率性スコア: 1/3点 (その他データ不足)
    • 投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreが2点と低く、「やや懸念」と評価されています。特に財務健全性スコアが0点であることから、短期的な支払い能力に課題がある可能性を示唆しています。流動比率が1.0を下回っている点が主な要因です。
  • 【収益性】:
    • 営業利益率 (過去12ヶ月): 7.95% (前年実績8.5%)
    • ROE (過去12ヶ月): 11.26% (前年実績16.88%) (ROE: 株主のお金でどれだけ稼いだかを示す指標。10%以上が一般的な目安)
    • ROA (過去12ヶ月): 1.69% (ROA: 企業全体の資産をどれだけ効率的に使って利益を上げたかを示す指標。5%以上が一般的な目安)
    • 評価: ROEは一般的な目安である10%を上回っており良好ですが、ROAは5%を下回っており、総資産に対する利益創出力には課題が見られます。営業利益率は約8%とまずまずの水準です。
  • 【財務健全性】:
    • 自己資本比率 (直近四半期): 47.9% (実績: 53.9%) (自己資本比率: 会社の財産のどのくらいが自分の資本かを示す指標。40%以上が目安)
    • 流動比率 (直近四半期): 0.70倍 (流動比率: 短期的な支払い能力を示す指標。150-200%以上が目安)
    • Total Debt/Equity (直近四半期): 87.81%
    • 評価: 自己資本比率は約48%と一定の安定性がありますが、流動比率が0.70倍と1倍を下回っており、短期的な負債の返済能力には懸念が残ります。これは流動性の低い資産や負債のバランスに起因している可能性があります。
  • 【成長性】:
決算期 売上高(百万円) 増減率 営業利益(百万円) 増減率 当期純利益(百万円) 増減率
2022/3連 1,269,310 55,005 708,819
2023/3連 1,611,984 +27.0% 108,709 +97.6% 796,060 +12.3%
2024/3連 1,627,912 +1.0% 103,132 △5.2% 261,651 △67.1%
2025/3連 1,775,470 +9.1% 150,851 +46.3% 425,492 +62.6%
2026/3連予 1,750,000 △1.4% 104,000 △31.0% 180,000 △57.7%
-   評価: 2022年、2023年は海運市況の好調により大幅な成長を遂げましたが、その後は市況の反動や持分法投資損益の減少により、2024年期は利益が大幅減、2026年期は減収減益予想となっています。特に今期は利益面で大幅減益を予想しており、成長性には課題があります。
  • 【キャッシュフロー】:
    • 営業CF (過去12ヶ月): 449,960百万円 (前年同期は262,707百万円、大幅に増加しており良好な本業からのキャッシュ創出力がある)
    • 投資CF (直近中間期): △514,275百万円 (前年同期は△37,919百万円、M&Aや設備投資により大幅な流出)
    • 財務CF (直近中間期): 242,726百万円 (前年同期は△9,343百万円、借入等による資金調達が活発化)
    • FCF(フリーキャッシュフロー)(過去12ヶ月): △414,190百万円 (FCF: 企業が自由に使えるお金。プラスなら健全な事業運営、マイナスなら投資先行または資金繰り悪化の可能性)
    • 配当カバレッジ比率 (営業CF/配当支払額): 6.55倍 (営業キャッシュフローで配当金を十分に賄えているかを示す指標。1.0倍以上が健全)
    • 評価: 営業CFは非常に高い水準で、本業での稼ぐ力は健在です。しかし、大型のM&Aや設備投資により投資CFが大幅にマイナスとなり、結果としてフリーキャッシュフローもマイナスとなっています。これは積極的な成長投資の裏返しとも言えますが、短期的な資金流出には注意が必要です。配当は営業CFで十分にカバーされており、配当の継続性は高いと言えます。
  • 【利益の質】:
    • 営業CF/純利益比率: 1.53 (営業CF/純利益比率: 利益が現金としてどれだけ回収されているかを示す指標。1.0以上が健全、1.0未満は要注意)
    • 利益の質評価: S (優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る))
    • 評価: 営業CFが純利益を大きく上回っており、利益が現金として十分に回収されているため、利益の質は非常に高いと評価されます。粉飾リスクも低い傾向にあります。
  • 【セグメント別分析】 (2026年3月期 第2四半期 中間期):
    • ドライバルク事業: 売上・損益とも前年同期から約10%減少。西アフリカ等での荷動き低迷やスポット市況の悪化が影響。課題セグメント。
    • エネルギー事業: 売上は小幅増(約+1.9%)。地域・燃料市況の影響はあるものの、比較的堅調な推移。
    • 製品輸送事業: コンテナ事業を中心に前年同期比で収益が悪化。コンテナ市況低迷が影響。課題セグメント。
    • ウェルビーイングライフ事業: 一部資産売却などにより増減あり。
    • 関連事業: 安定的な収益貢献。
    • 評価: ドライバルク事業と製品輸送事業(コンテナ船)の市況悪化が全体の減収減益に大きく影響しています。エネルギー事業は比較的堅調ですが、全体の成長ドライバーとは言い切れません。持分法による投資損益(特にONE関連)の変動が、経常利益・純利益に甚大な影響を与えています。
  • 【四半期進捗】 (2026年3月期 第2四半期実績に対する通期予想):
    • 売上高進捗率: 約49.7% (通期予想1,750,000百万円に対し869,772百万円) → 概ね順調
    • 営業利益進捗率: 約69.1% (通期予想104,000百万円に対し71,823百万円) → 上半期で通期予想の7割近くを達成しており、予想達成は順調に見えます。
    • 経常利益進捗率: 約75.4% (通期予想152,000百万円に対し114,607百万円) → 上半期で通期予想の7割超を達成しており、予想達成は順調に見えます。
    • 純利益進捗率: 約64.6% (通期予想180,000百万円に対し116,209百万円) → 上半期で通期予想の6割超を達成しており、予想達成は順調に見えます。
    • 評価: 中間期時点での進捗率は売上高で約50%、利益面では65%〜75%と良好です。ただし、会社は経常利益と純利益の通期予想を下方修正しており、これは主に持分法による投資損益の不確実性によるものです。下期の市況や持分法関連会社の業績動向によっては、通期目標達成に影響が出る可能性があります。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】:
    • 現在の株価: 4,979.0円
    • PER(会社予想): (連)9.53倍 (業界平均 7.8倍) (PER: 株価が利益の何年分かを示す指標。業界平均より低ければ割安の可能性)
    • PBR(実績): (連)0.66倍 (業界平均 0.8倍) (PBR: 株価が純資産の何倍かを示す指標。1倍未満は解散価値を下回る状態)
    • EPS(会社予想): (連)522.37円
    • BPS(実績): (連)7,522.70円
    • 理論株価レンジ:
    • 業種平均PER基準: EPS 522.37円 × 業界平均PER 7.8倍 = 4,074円
    • 業種平均PBR基準: BPS 7,522.70円 × 業界平均PBR 0.8倍 = 6,018円
    • 評価: PERは業界平均より高くやや割高感がある一方、PBRは業界平均よりも低く、1倍も下回っているため割安感があります。純資産に対して株価が低く評価されている状態です。目標株価として提示されたレンジ(4,074円~6,018円)のほぼ中央に位置しています。
  • 【テクニカル】:
    • 52週高値: 5,699円、52週安値: 4,293円。現在株価(4,979円)は52週レンジの48.8%に位置しており、ほぼ中央付近での推移です。
    • 移動平均線との位置関係:
    • 現在株価 4,979.00円
    • 5日移動平均線: 4,898.20円 (現在株価が上回り 1.65%)
    • 25日移動平均線: 4,628.84円 (現在株価が上回り 7.56%)
    • 75日移動平均線: 4,513.31円 (現在株価が上回り 10.32%)
    • 200日移動平均線: 4,770.83円 (現在株価が上回り 4.36%)
    • トレンドシグナル: 短期から長期の全ての移動平均線を株価が上回って推移しており、現状では上昇トレンドを示唆しています。ゴールデンクロスが発生している可能性もありますが、具体的な発生状況はデータからは特定できません。
  • 【市場との比較】:
    • 日経平均比:
    • 1ヶ月リターン: 株式+11.51% vs 日経+7.39% → 4.12%ポイント上回る (直近1ヶ月は市場をアウトパフォーム)
    • 3ヶ月リターン: 株式+12.09% vs 日経+13.84% → 1.75%ポイント下回る
    • 6ヶ月リターン: 株式+4.23% vs 日経+37.27% → 33.04%ポイント下回る
    • 1年リターン: 株式-6.32% vs 日経+37.34% → 43.66%ポイント下回る
    • TOPIX比:
    • 1ヶ月リターン: 株式+11.51% vs TOPIX+7.53% → 3.98%ポイント上回る
    • 評価: 直近1ヶ月は市場平均を上回るパフォーマンスを見せていますが、3ヶ月以上の期間では日経平均やTOPIXに対してアンダーパフォームしており、特に長期での相対的な株価は低調です。

6. リスク評価

  • 【定量的リスク指標】:
    • ベータ値 (5Y Monthly): 1.01 (ベータ値: 市場全体が1%変動した際に、その株価が何%変動するかを示す指標。1.0以上=市場より変動大、1.0未満=市場より変動小)
    • 市場全体とほぼ同じ程度の変動性を持つことを示しています。
    • 年間ボラティリティ: 33.33% (年間ボラティリティ: 株価の年間変動率の目安。20%以下=低リスク、20-40%=中リスク、40%以上=高リスク)
    • 中程度の価格変動リスクがあることを示しています。
    • シャープレシオ: 0.07 (シャープレシオ: リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標。1.0以上=良好、0.5-1.0=普通、0.5未満=リスク対比リターン不十分)
    • リスクを取っている割にはリターンが低い状態を示唆しています。
    • 最大ドローダウン: -29.44% (最大ドローダウン: 過去最悪の局面で、最も高値で購入してから最も安値で売却した場合の下落率。この程度の下落は今後も起こりうる)
    • 過去には約30%近く下落した局面があったことを意味します。
  • 【価格変動シナリオ】:
    • 年間ボラティリティ33.33%に基づくと、仮に100万円投資した場合、年間で±33.33万円程度の変動が想定されます。
  • 【事業リスク】:
    • 海運市況の変動: 世界経済の動向、地政学リスク、貿易量、船舶の供給量などにより、ドライバルク船、コンテナ船、タンカーなどの運賃市況や用船料が大きく変動し、業績に直接的な影響を与えます。決算短信でもドライバルクやコンテナ市況の低迷が課題と報告されています。
    • 燃料価格・為替レートの変動: 燃料油価格(特にBUNKER C油など)の変動は運航コストを大きく左右します。また、北米ドル建て取引が多いため、為替レートの変動は収益に大きな影響を与えます。
    • 持分法適用会社の業績変動: コンテナ船事業を統合したOcean Network Express (ONE) を含む持分法適用会社の業績は、同社の経常利益および純利益に大きく寄与するため、これらの業績変動は連結業績に影響を与えます。直近の中間決算でも、持分法による投資損益の減少が減益の主因とされています。
    • 環境規制の強化と新技術への投資: IMO(国際海事機関)などによる排ガス規制強化に伴い、新燃料船への転換や設備投資が必要となり、コストが増加する可能性があります。新技術への投資が想定通りの効果を生まないリスクもあります。
    • 船舶の安全運航・事故: 船舶の事故、災害、テロなどが発生した場合、人命に関わる問題や環境汚染、操業停止、賠償責任などが発生し、多大な損害を被る可能性があります。
    • 地政学リスク: 紛争、テロ、海賊行為、主要航路の封鎖などは、船舶の運航を妨げ、運賃の高騰や運航コストの増加につながる可能性があります。
    • LBC TANK TERMINALS GROUP連結に伴うリスク: M&Aによる事業拡大は、統合リスクや想定した収益が得られないリスクを伴います。
  • 52週レンジにおける現在位置: 48.8%
    • 現在の株価が52週高値から大きく遠ざかっていないものの、安値からも乖離しているため、比較的安定したレンジ内での推移と言えます。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残: 3,550,000株 (前週比 △896,600株)
    • 信用売残: 426,000株 (前週比 +85,800株)
    • 信用倍率: 8.33倍 (信用倍率: 信用買い残と信用売り残の比率。高いほど買い残が多く、需給が悪いとされる)
    • 評価: 信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率は8.33倍と高水準です。これは、将来の値上がりを期待して資金を借りて株を買い持ちしている投資家が多い状態を示しており、今後の株価上昇局面で「売り圧力」となる可能性があります。信用買残は前週比で減少していますが、依然として高い状況です。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 大株主上位10社には、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、日本カストディ銀行(信託口)といった信託銀行の信託口が多数を占めています。これは機関投資家による保有が中心であることを示しており、比較的安定した株主構成と言えます。
    • 自社(自己株口)が5.34%を保有しており、株主還元や資本効率改善のための自社株買いの余地を示唆しています。
    • 機関投資家の保有割合は45.81%です。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
    • 「% Held by Insiders 1: 0.75%」とあり、経営陣の持ち株比率は低い水準です。これは、経営陣が株主と利益を共有するインセンティブが低いと見られる可能性がありますが、一般的には機関投資家や安定株主(保険会社、銀行など)の保有比率によって安定株主構成が図られる場合も多いです。上位株主に金融機関が名を連ねているため、ある程度の安定性は確保されていると考えられます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 4.02% (配当利回り: 株価に対する年間配当金の割合。高いほど人気がある)
  • 1株配当(会社予想): 200.00円 (2026年3月期)
  • 配当性向(会社予想): 30.3% (配当性向: 利益の何%を配当に回しているかを示す指標。30-50%が一般的)
  • 配当の継続性・増配傾向:
    • 商船三井は過去数年間、高水準の配当を実施してきましたが、2026年3月期は200円の年間配当を予想しており、これは2025年3月期の360円から減配となる見込みです。
    • 配当性向は30.3%と、一般的な水準に収まっており、利益に対する無理のない範囲で配当を実施する方針と考えられます。
  • 自社株買いの実績と方針:
    • 手元のデータからは、直近の自社株買いに関する明確な実績や方針の記載はありません。ただし、自己株口が5.34%存在しており、市場の状況や経営判断によっては自社株買いの余地があります。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • 業界大手としての安定した事業基盤と多角化: ドライバルク、エネルギー、製品輸送など多様な事業ポートフォリオを持つ海運大手が、今後の成長戦略として環境対応やオフショア事業にも注力している点。
  • 高い営業キャッシュフロー創出力: 本業で稼ぐ力は非常に強く、多額の営業キャッシュフローを生み出しています。利益の質も高く評価されています。
  • 魅力的な配当利回り(減配後も): 減配予想後も4%を超える配当利回りは、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。

【強み】

  • グローバルな輸送ネットワークと多様な船種による事業ポートフォリオ
  • 環境投資(脱炭素化)への積極的な取り組み
  • 高い営業キャッシュフロー創出力と利益の質
  • PBRが業界平均を下回る水準で割安感が指摘される

【弱み】

  • 海運市況(運賃、燃料価格、為替)など外部環境変動への高い依存度
  • 持分法による投資損益の変動が大きく、利益の安定性に影響
  • 流動比率が低く、短期的な財務健全性に懸念
  • 経営陣の持ち株比率が低い

【機会】

  • 世界的な脱炭素化の流れにおける次世代燃料船や環境技術への投資
  • オフショア風力発電など新規事業領域への展開と収益化
  • M&A(LBC TANK TERMINALS GROUPの連結など)による事業規模拡大とシナジー効果
  • 世界経済の回復による物流需要の増加と海運市況の改善

【脅威】

  • 世界経済の停滞や貿易減速による海運市況の長期低迷
  • 燃料価格や為替レートの予期せぬ変動
  • 地政学リスクの顕在化(海峡封鎖、紛争激化など)
  • コンテナ船市場における需給バランス悪化の継続

【注目すべき指標】

  • 持分法による投資損益の推移(特にOcean Network Express関連)
  • ドライバルクおよびコンテナ船市況の動向
  • 新規投資(オフショア、ターミナル等)からの具体的な収益貢献度
  • 自己資本比率および流動比率の改善、財務構造の安定化

10. 企業スコア

  • 成長性: D
    • 売上成長率が前年比でマイナス転換(予2026.03: △1.4%)と予想されるため。
  • 収益性: B
    • ROE 11.26%は良好な水準(A基準)ですが、営業利益率 7.95%は10%未満(B基準)です。総合的に判断しBと評価します。
  • 財務健全性: D
    • 自己資本比率 47.9%は良好な水準ですが(A基準)、流動比率0.70倍は非常に低く(D基準)、Piotroski F-Scoreも2点と低いため(D基準)、最も低い評価に合わせDと判断します。
  • 株価バリュエーション: C
    • PER 9.53倍は業界平均7.8倍の122%に相当し、やや割高(C基準)です。PBR 0.66倍は業界平均0.8倍の82.5%に相当し、割安(A基準)です。PER/PBR共にの条件で、より評価の低いPER基準でCと判断します。

企業情報

銘柄コード 9104
企業名 商船三井
URL http://www.mol.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 運輸・物流 – 海運業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,979円
EPS(1株利益) 522.37円
年間配当 4.02円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 18.6% 11.0倍 13,428円 22.0%
標準 14.3% 9.5倍 9,712円 14.4%
悲観 8.6% 8.1倍 6,386円 5.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,979円

目標年率 理論株価 判定
15% 4,844円 △ 3%割高
10% 6,049円 ○ 18%割安
5% 7,633円 ○ 35%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.12)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。