企業の一言説明

NISSHAは祖業である印刷技術を基盤に、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーの3事業を主軸に展開するグローバル企業です。特にタッチパネル等のディバイス製品、加飾フィルムや蒸着紙などの産業資材、医療機器開発製造受託を強みとしています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 事業構造転換と高成長事業への注力: 祖業の印刷から脱却し、メディカルテクノロジーやサステナブル資材といった成長分野へのシフトを推進しています。M&Aを積極的に活用し、事業ポートフォリオの再構築を進めている点は今後の成長ドライバーとなる可能性があります。
  • 歴史的低水準の株価バリュエーション: PBRが0.56倍と業界平均(1.3倍)を大きく下回っており、現在の株価は純資産価値に対して割安に評価されています。これは、足元の業績悪化を織り込んでいる可能性が高いものの、今後の業績回復や事業構造転換の進展によっては見直し余地があると考えられます。
  • 収益性と最終利益の不確実性: 直近の業績は、ディバイス事業の需要減速と、産業資材における新製品開発の先行投資、さらに金融費用の増加や税金負担により、営業利益率・ROEともに低水準にあり、2025年12月期の最終利益はゼロを見込んでいます。これが投資家心理を冷やす主要因であり、収益性の回復と最終利益の安定化が喫緊の課題です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 D 業績悪化
収益性 D 極めて低水準
財務健全性 D 要注意
バリュエーション S 大幅に割安

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1324.0円
PER 算出不能 業界平均14.5倍
PBR 0.56倍 業界平均1.3倍
配当利回り 3.79%
ROE 0.24%

1. 企業概要

NISSHAは1929年創業の印刷会社を祖業とし、現在は産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーの3分野を主軸とするグローバル企業です。主力製品・サービスは、加飾フィルムや蒸着紙などの「産業資材」、フィルムタッチセンサーやガスセンサーなどの「ディバイス」、医療機器開発製造受託(CDMO)や低侵襲手術機器などの「メディカルテクノロジー」です。多岐にわたる市場(モビリティ、モバイル、医療、食品等)に製品を提供し、グローバルに事業を展開しています。特に、長年培った印刷技術を応用した加飾技術や、薄膜化・高精度化技術は他社との差別化を図る技術的独自性となっています。

2. 業界ポジション

電子部品セクターに属するNISSHAは、特定のニッチ市場で高い技術力とシェアを持つ一方で、事業ポートフォリオが多岐にわたるため業界内での一概なポジション評価は困難です。加飾フィルムや蒸着紙、フィルムタッチセンサーなどの領域では一定の存在感を発揮しています。しかし、タッチパネル市場の競争激化や収益性の低迷は弱みとして顕在化しています。バリュエーションの面では、実績PBRが0.56倍と業界平均の1.3倍を大幅に下回っており、市場からは現在の実績や将来性に対し、保守的な評価を受けている状況です。PERは直近予想EPSが0円のため算出不能であり、収益性が課題となっています。

3. 経営戦略

NISSHAは現在、第8次中期経営計画(2024–2026年)を推進しており、2030年のサステナビリティビジョン達成に向けて、メディカル・モビリティ・環境領域での事業ポートフォリオ強化を掲げています。特にメディカル分野ではM&Aを積極的に活用し、子会社取得による事業規模拡大を図っています。直近では、複数の企業結合(Isometric、Cathtek、滋賀県製薬)を実施し、医療用CDMOや医療機器開発製造受託の強化を進めています。一方で、モビリティ向け新製品への先行投資も積極的に行っており、将来の成長に向けた土台作りを進めています。

今後のイベント:

  • February 12, 2026: 決算発表日 (Nissha Co., Ltd. Earnings Date)
  • December 29, 2025: 配当権利落ち日 (Ex-Dividend Date)

4. 財務分析

財務品質スコア(Piotroski F-Score):

項目 スコア 判定 投資家向け解釈
総合スコア 2/9 D 要注意。財務面で懸念がある可能性を示唆しています。

収益性:

指標 ベンチマーク 評価
営業利益率 (過去12か月) 1.90% 5%以上が目安 低い
ROE (過去12か月) 0.24% 10%以上が目安 極めて低い
ROA (過去12か月) 0.91% 5%以上が目安 極めて低い
  • 解説: 過去12か月の営業利益率は1.90%と非常に低く、稼ぐ力が不足している状況です。ROE、ROAもベンチマークを大幅に下回っており、効率的な資本活用ができていないことを示しています。直近の2025年12月期第3四半期累計の営業利益率も約2.41%と依然として低水準です。これは、ディバイス事業の需要減退や、産業資材事業における新製品の先行投資が利益を圧迫しているためと考えられます。

財務健全性:

指標 基準 評価
自己資本比率 (実績) 45.5% 40%以上が目安 良好
流動比率 (直近四半期) 1.64倍 (164%) 120-200%以上が安全圏 やや良好
  • 解説: 自己資本比率は45.5%と比較的安定した水準を保っており、財務基盤は一定の健全性があると言えます。流動比率も164%と短期的な支払い能力に大きな問題はありません。しかし、実質的な財務の質を測るPiotroski F-Scoreが2点と「D(要注意)」判定であることに鑑みると、収益性の課題や高水準の有利子負債(約611億円)が潜在的なリスクとして存在している可能性があり、今後も注視が必要です。

キャッシュフロー:

指標 状況
営業キャッシュフロー (過去12か月) 6,960百万円 プラス
フリーキャッシュフロー (過去12か月) -3,860百万円 マイナス
  • 解説: 営業活動によるキャッシュフローは黒字を維持しており、本業で現金を創出する力はあります。しかし、M&Aによる子会社取得(第3四半期累計で約500億円)や設備投資が活発に行われた結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、事業への投資がキャッシュ流出を上回っている状況です。これは、将来に向けた成長投資と捉えることもできますが、短期的な財務負荷となっています。

利益の質:

指標 状況 評価
営業CF/純利益比率 (第3四半期累計) 約11.4倍 1.0以上が健全 健全だが特定要因を考慮
  • 解説: 営業キャッシュフローが9,399百万円に対し、親会社帰属四半期利益が505百万円と少なかったため、比率としては高くなっています。これは、報告されている純利益が一時的な会計処理や非現金費用によって押し下げられている中で、本業でのキャッシュ創出力は一定維持されていることを示唆します。ただし、2025年12月期通期予想の親会社帰属当期利益が0円であることを考慮すると、最終的な利益の創出には課題があります。

四半期進捗:

項目 通期予想 (2025年12月期) 第3四半期累計実績 進捗率
売上高 191,300百万円 145,270百万円 75.9%
営業利益 3,800百万円 3,508百万円 92.3%
親会社帰属当期利益 0百万円 505百万円 算出不能
  • 解説: 売上高は通期予想に対し75.9%と順調な進捗を見せています。営業利益は92.3%と高進捗率で、通期予想の達成は堅いと考えられます。しかし、親会社帰属当期利益は通期予想が0百万円と大幅に下方修正されており、第3四半期時点では黒字であるものの、金融費用増や税金負担、その他の要因により通期では最終利益がゼロになるという会社見通しは、収益体質の改善が急務であることを示しています。

5. 株価分析

バリュエーション:

指標 業界平均 判定
PER (会社予想) 算出不能 14.5倍
PBR (実績) 0.56倍 1.3倍 大幅に割安
  • 解説: 2025年12月期の予想EPS(1株あたり利益)がゼロのため、PERは算出できません。これは市場が収益面でNISSHAを評価しにくい状況を示しています。一方、PBRは0.56倍と、純資産価値の半分程度の株価で取引されており、業界平均の1.3倍と比較して大幅に割安な水準にあります。収益性悪化や事業不透明感が織り込まれていると考えられます。

テクニカル:

指標 説明
株価 (現在) 1,324.0円
52週高値/安値 1,689円 / 1,061円 高値から約21.7%安、安値から約24.8%高
52週レンジ内位置 41.9% 安値圏に近い位置
5日移動平均線 1,296.80円 現在株価が上回る (+2.10%)
25日移動平均線 1,255.68円 現在株価が上回る (+5.44%)
75日移動平均線 1,291.57円 現在株価が上回る (+2.51%)
200日移動平均線 1,299.90円 現在株価が上回る (+1.85%)
  • 解説: 株価は52週高値から大きく下落した位置にありますが、直近では5日、25日、75日、200日の全ての移動平均線を上回って推移しており、短期的な上昇トレンドへの転換を示唆するポジティブな兆候が見られます。ただし、出来高はそれほど高くなく、強い買い圧力があるとは言い切れません。

市場比較:

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月: NISSHA +7.91% vs 日経平均 +7.90% → ほぼ同等
    • 3ヶ月: NISSHA -4.95% vs 日経平均 +11.38% → 16.34%ポイント下回る
    • 6ヶ月: NISSHA +1.22% vs 日経平均 +36.34% → 35.11%ポイント下回る
    • 1年: NISSHA -18.52% vs 日経平均 +34.33% → 52.86%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月: NISSHA +7.91% vs TOPIX +9.29% → 1.38%ポイント下回る
  • 解説: 短期的な1ヶ月では日経平均とほぼ同等のパフォーマンスですが、中長期(3ヶ月、6ヶ月、1年)では日経平均およびTOPIXを大幅に下回っています。これは、足元の業績不振と市場全体の好調さとの乖離を反映していると言えます。

6. リスク評価

定量リスク:

指標 説明
ベータ値 (5Y Monthly) 0.46 市場全体の変動に対し、株価が約0.46倍の変動を示す。市場変動より穏やか。
年間ボラティリティ 38.41% 年間で株価が約38.41%変動する可能性がある。
最大ドローダウン -35.44% 過去最大で約35.44%の下落があったことを示す。今後も同様の下落が想定される。
年間平均リターン 10.64% 過去の平均的な年間リターン。
  • 解説: 過去のデータに基づくと、本銘柄はベータ値が0.46と1未満であるため、市場全体が変動する際の株価変動は比較的穏やかである傾向を示しています。しかし、年間ボラティリティは38.41%と比較的高く、価格変動が大きい銘柄と言えます。仮に100万円投資した場合、年間で±38.41万円程度の変動が想定される可能性があるため、短期的には大きな価格変動リスクを伴います。過去の最大ドローダウンは-35.44%であり、同様の下落が今後も起こりうるリスクを認識しておく必要があります。

事業リスク:

  • 市場需要の変動と競争激化: ディバイス事業のタブレット向け需要減少が顕著で、今後も特定のモバイルデバイス市場の需要変動や競争激化は収益に直接影響を与える可能性があります。フィルムタッチセンサー市場におけるコモディティ化リスクも存在します。
  • M&Aと先行投資の不確実性: メディカル分野での積極的な事業買収や、産業資材における新製品開発への先行投資は、将来の成長に繋がる可能性がありますが、買収先の統合効果の遅れや、新製品の市場投入が想定通りに進まない場合、費用負担が収益を圧迫し続けるリスクがあります。
  • 為替、原材料価格、金利変動: グローバルに事業展開しているため、為替変動(特に円安は一般的にプラスだが不確実性要因)、原材料価格の高騰、そして金利上昇による金融費用(有利子負債約611億円)の増加は、収益性を悪化させる要因となります。直近の決算でも金融費用の増加が挙げられています。

7. 市場センチメント

信用取引状況:

指標
信用買残 188,100株
信用売残 37,200株
信用倍率 5.06倍
信用買残(前週比) +7,900株
信用売残(前週比) -47,100株
  • 解説: 信用倍率は5.06倍と、買い残が売り残よりもかなり多い状況です。信用売残が前週比で減少している一方で、信用買残が増加しています。これは、株価が下落した場合には投げ売りを誘発しやすく、株価の上値が重くなる可能性があることを示唆しています。

主要株主構成:

株主名 保有割合 保有株式数
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 9.11% 4,631,000
日本カストディ銀行(信託口) 6.63% 3,373,000
自社(自己株口) 6.15% 3,129,800
鈴木興産 5.04% 2,563,000
明治安田生命保険 4.14% 2,107,000
  • 解説: 信託銀行が上位を占めており、機関投資家からの一定の保有が見られます。自社(自己株口)も上位株主に入っており、株主還元への意識も伺えます。鈴木興産は関連会社または創業家関係の資産管理会社である可能性があり、安定株主の一部として機能していると推測されます。

8. 株主還元

配当:

指標
配当利回り (会社予想) 3.79%
1株配当 (会社予想) 50.00円
配当性向 (会社予想) 算出不能
  • 解説: 2025年12月期の年間配当は50.00円を予想しており、配当利回りは3.79%と比較的魅力的な水準にあります。しかし、通期の親会社帰属当期利益が0円と予想されているため、配当性向は算出できません。これは、利益を上回る株主還元を続けている実情を示しており、持続可能性という点で注意が必要です。同社は中期経営計画において、安定配当を重視する方針であると考えられます。

自社株買い:

  • 状況: 第3四半期累計において自己株式の取得が行われており、株主還元への意識が見られます。

SWOT分析

強み

  • 多様な事業ポートフォリオとグローバルな事業展開により、特定の市場に依存しすぎないリスク分散が可能。
  • 祖業の印刷から培った精密な加工技術や薄膜形成技術など、独自の技術的優位性を有し、高付加価値製品を開発できる潜在力。

弱み

  • 複数の事業セグメントで収益性が低迷しており、特にディバイス事業の採算悪化が全体を圧迫。
  • 大型M&Aや先行投資によりフリーキャッシュフローがマイナスとなっており、短期的な財務負担が大きい。

機会

  • メディカルテクノロジーやサステナブル資材といった成長市場への本格的な参入とM&Aによる事業拡大。
  • モビリティ分野における新製品開発への先行投資が実り、市場での存在感を高める可能性。

脅威

  • 主要市場における競争激化や技術革新の加速により、製品の陳腐化や価格競争に巻き込まれるリスク。
  • 地政学的リスク、為替変動、金利上昇、サプライチェーンの混乱など、外部環境の不確実性が業績に与える影響。

この銘柄が向いている投資家

  • 長期的な視点で事業構造転換を評価する投資家: 現在の収益性悪化を乗り越え、メディカルやサステナブルといった成長分野での事業拡大に期待し、長期的な企業価値向上を待てる投資家。
  • 割安感を重視するバリュー投資家: PBRが純資産価値を大きく下回る水準にあり、業績回復や市場の評価改善により株価見直しが進むと考える投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 収益性の低迷と最終利益の不確実性: 2025年12月期の最終利益がゼロ予想であるため、当面は収益性回復の見通しが立てにくく、株価の本格的な上昇には時間がかかる可能性があります。
  • M&A・先行投資の効果と財務負担: 積極的なM&Aや先行投資が、期待通りのリターンを生み出すか、またそれによる財務負担がどのように解消されるかを慎重に見極める必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率の改善: 目標値5%以上(中期目標として10%以上)。高稼働化や製品ミックス改善、コスト削減による営業利益率の本格的な回復。
  • フリーキャッシュフローの黒字化: M&Aおよび設備投資負担を吸収し、安定してフリーキャッシュフローを創出できるか。

10. 企業スコア(詳細)

成長性: D

  • 根拠: 過去12ヶ月の売上高成長率が-1.10%であり、2025年12月期連結業績予想においても売上高は前年比△2.2%の減収を見込んでいます。中期的に売上の伸びが停滞している状況です。

収益性: D

  • 根拠: ROE(過去12ヶ月)が0.24%、営業利益率(過去12ヶ月)が1.90%と、基準値を大きく下回る極めて低い水準にあります。2025年12月期は最終利益ゼロ予想です。

財務健全性: D

  • 根拠: 自己資本比率は45.5%とB評価の範囲内ですが、Piotroski F-Scoreが2点と「要注意」のD評価であり、財務の質に懸念があります。流動比率も164%と200%には届きません。

バリュエーション: S

  • 根拠: PBRが0.56倍と、業界平均PBR 1.3倍の70%以下であり、純資産価値から見て大幅に割安な水準にあります。ただし、PERは予想EPSが0円のため算出不能です。

企業情報

銘柄コード 7915
企業名 NISSHA
URL http://www.nissha.com/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.15)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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