企業の一言説明
島根銀行は、島根県と鳥取県を主要地盤とする第二地方銀行であり、地銀再編の中でSBIホールディングスと資本業務提携を進める企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- SBIホールディングスとの連携: SBIホールディングスとの資本業務提携により、経営基盤の強化と新たなビジネスモデル構築への期待が高まっています。これは、地域経済の厳しい状況下で競争力を維持・向上させる重要な戦略です。
- バリュエーションの二面性: PBRは業界平均水準にありますが、PERは提示された業界平均(50.4倍)に対し、非常に割安(13.04倍)に見えます。ただし、銀行業界のPERは一般的に低く評価されるため、単純な比較には注意が必要です。
- 収益性と財務健全性の課題: ROE、ROA、営業利益率といった収益性指標は低調であり、Piotroski F-Scoreも0点と評価されるなど、財務の「質」と健全性には改善の余地が大きく、今後の動向を慎重に見守る必要があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 鈍化懸念 |
| 収益性 | D | 改善余地大 |
| 財務健全性 | D | 課題あり |
| バリュエーション | C | 適正水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 587.0円 | – |
| PER | 13.04倍 | 業界平均50.4倍 |
| PBR | 0.33倍 | 業界平均0.3倍 |
| 配当利回り | 1.70% | – |
| ROE | 2.51% | – |
1. 企業概要
島根銀行(証券コード: 7150)は、1915年に設立された、島根県と鳥取県を主要地盤とする第二地方銀行です。預金、融資、為替業務を伝統的な主力事業とし、地域住民や中小企業の金融ニーズに応えています。近年は、投資信託や保険商品、インターネットバンキングなど、幅広い金融サービスも提供し、収益多角化を図っています。
同行の収益モデルは、預金で集めた資金を貸し出すことで得られる利息が中心ですが、有価証券運用益や手数料収入などの非金利収益の比率も高まっています。貸出金の内訳を見ると、中小企業等向けが全体の84%を占め、地域経済への貢献が事業の柱であることが分かります。また、住宅・消費者向け融資も21%を占めており、個人顧客へのサービス提供も重視しています。
技術的独自性や参入障壁に関して、地方銀行は地域金融市場における長年の歴史と顧客との強い関係性が大きな特徴です。特に、島根銀行は上場地銀の中でも時価総額49.4億円と小規模ながら、2019年にはSBIホールディングスとの資本業務提携を締結。これにより、伝統的な銀行業務に加えてFinTechを活用した新たな金融サービスの導入や、SBIグループの広いネットワークを活用した事業展開を模索しており、今後の成長戦略においてこの提携が重要な鍵を握ると考えられます。
2. 業界ポジション
島根銀行は、島根県内で第2位の市場シェアを持ち、隣接する鳥取県にも営業基盤を持つ地域密着型の地方銀行です。しかし、日本全国の地方銀行と比較すると、総資産や預貸金規模において小規模な部類に属し、特に上場している地方銀行の中では最小規模の企業となっています。こうした状況下で、同行はSBIホールディングスとの資本業務提携を通じて、これまでの地銀ビジネスモデルからの脱却を図り、新たな競争優位性の確立を目指しています。
競合に対する強みとしては、長年にわたる地域密着の事業展開により培われた顧客基盤と、face-to-faceのサービス提供能力が挙げられます。また、SBIグループとの連携により、FinTech技術導入や金融商品ラインナップの拡充といった点で、他の中小規模地銀に先行して競争力を高める可能性を秘めています。弱みとしては、規模の経済が働きにくいことや、人口減少・地域経済の縮小といったマクロ環境の変化による影響を受けやすい点が挙げられます。
財務指標を業界平均と比較すると、PBR(実績)が0.33倍であり、業界平均0.3倍とほぼ同水準です。これは、銀行業界全体が純資産価値に対して株価が低く評価される傾向にあることを反映しています。PER(会社予想)は13.04倍ですが、提示されている業界平均PERが50.4倍と非常に高い数値であり、この業界平均が一般的な銀行業界のPERとは大きく乖離している可能性があるため、直接的な割安感の判断には慎重な検討が必要です。銀行業界のPERは一般的に10倍台~20倍程度であることが多く、その視点で見ると島根銀行のPERは相対的に割安感があるとも言えます。
3. 経営戦略
島根銀行の経営戦略の中核は、SBIホールディングスとの提携を土台とした地方創生と収益力強化です。提携を通じて、従来の預貸金ビジネスに依存しない新たな収益源の確立を目指しており、SBIグループが持つ証券、保険、FinTechなどの幅広い金融ノウハウやデジタル技術を積極的に取り入れることで、顧客に対する金融サービスの質を高め、多角化を進めています。具体的には、資産運用コンサルティング機能の強化や、地域企業を支援するための新たな金融ソリューション開発に注力しています。
また、地域経済の持続的な発展を支える役割を重視し、地域企業の事業承継支援、創業支援、販路拡大支援など、地域密着型金融機関としての機能を強化しています。これにより、地域における存在価値を高めるとともに、安定的な顧客基盤の維持・拡大を目指しています。
最近の重要な適時開示としては、2025年12月26日に「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正が公表されました。これは、バーゼルIII(国内基準)におけるリスク・アセットおよび総所要自己資本額の数値に一部誤りがあったための修正であり、自己資本比率のパーセンテージや通期業績予想への実質的な影響は軽微であると説明されています。訂正は小幅なものでしたが、開示情報の正確性に対する意識は常に重要であり、投資家としては今後の情報開示の透明性を注視していく必要があります。
今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。
4. 財務分析
島根銀行の財務状況について、具体的な指標を用いて分析します。ここでは、各指標の具体的な数値と、それが投資家にとってどのような意味を持つのかを分かりやすく解説します。
| 項目 | 値 | ベンチマーク/投資家向け解釈 | 評価 | 解説 |
|---|---|---|---|---|
| 【財務品質スコア】 Piotroski F-Score | 0/9点 | 7点以上=財務優良、5-6点=普通、4点以下=要注意 | D | 財務健全性、収益性、効率性の観点から企業の質を評価するF-Scoreは、0点という低い評価です。これは、営業キャッシュフローのマイナス、ROAの低さ(0.07%)、営業利益率の課題(4.16%)、ROEの低さ(2.51%)といった複数の要因が複合的に影響しており、財務の「質」に強い懸念があることを示唆しています。 |
| 【収益性】 営業利益率(過去12ヶ月) | 4.16% | 本業で稼ぐ力を示す。一般的に高いほど優良とされる。 | C | 銀行業は一般事業会社と比較して利益率が低くなる傾向がありますが、4.16%という数値は本業での収益力が十分とは言えない水準です。収益改善に向けた取り組みの進捗が注目されます。 |
| 【収益性】 ROE(過去12ヶ月) | 2.51% | 株主資本に対する利益率。株主のお金でどれだけ稼いだかを示す。一般的に10%以上が目安。 | D | 2.51%というROEは、株主が出資したお金を効率的に使って利益を上げる力が非常に低いことを示しています。資本効率の改善が喫緊の課題であり、経営効率の向上策が求められます。 |
| 【収益性】 ROA(過去12ヶ月) | 0.07% | 総資産に対する利益率。企業が総資産をどれだけ効率的に使って利益を上げたかを示す。一般的に5%以上が目安。 | D | 0.07%というROAは、島根銀行が保有する総資産を効率的に活用して利益を生み出す力が極めて低いことを意味しています。事業活動全体での収益性向上が急務であり、資産の有効活用が課題です。 |
| 【財務健全性】 自己資本比率(連結) | 7.86% | 企業の安定性、倒産しにくさを示す指標。銀行業界ではバーゼル規制により最低4%以上が義務付けられています。 | 〇 | 銀行に特有のバーゼルIII国内基準に基づく自己資本比率で、7.86%と最低要件の4%をクリアしています。これは銀行としての基本的な健全性を確保していることを示しますが、より強固な財務体質を目指す余地はあります。一般事業会社と比較すると低い水準ですが、銀行は貸出金などリスクアセットに対する自己資本の比率を重視します。 |
| 【財務健全性】 流動比率 | データなし | 短期的な支払い能力を示す。一般的に200%以上が安全とされます。 | – | 短期的な支払い能力を測る流動比率に関するデータは提供されていません。銀行業においては、預金が短期負債となる一方で、貸付金が長期資産となることが多いため、一般事業会社とは異なる指標で流動性が評価されます。 |
| 【キャッシュフロー】 営業CF(過去12ヶ月) | -5,340百万円 | 企業の本業である営業活動によって生み出された現金を示します。プラスであるほど健全。 | D | 本業での現金の流入がマイナス5,340百万円となっており、営業活動自体が資金を流出させている状況です。これは収益性同様に、事業運営における資金管理や収益構造に根本的な課題があることを示唆しており、非常に懸念される点です。 |
| 【キャッシュフロー】 フリーキャッシュフロー | データなし | 企業が自由に使えるお金で、事業の成長投資や借入返済、株主還元などに充てられる資金。 | – | データがありません。営業キャッシュフローがマイナスであることから、フリーキャッシュフローも厳しい状況にあると推測されます。 |
| 【利益の質】 営業CF/純利益比率(過去12ヶ月) | -17.28 | 純利益(会計上の利益)と、本業で実際に稼いだ現金の比率。1.0以上が健全とされます。 | D | 純利益が計上されている一方で、営業活動による現金収入が大幅なマイナスとなっています。これは、会計上の利益と実際の現金の動きに大きな乖離があることを示し、利益の「質」に強い懸念がある状態です。例えば、売掛金の増加や多額の経費計上などが背景にある可能性があります。 |
| 【四半期進捗】 通期予想に対する進捗率 | データなし | 通期見通し達成への目安。中間時点でおよそ50%程度あれば順調と判断されることが多い。 | – | 直近の四半期単独の業績数値や、通期予想(2026年3月期最終益370百万円)に対する進捗率に関する具体的なデータが提供されていないため、判断できません。ただし、中間決算短信の訂正では通期予想の修正は示されていないため、現時点では通期達成可能性に対する変更はないと考えられます。 |
5. 株価分析
島根銀行の株価は、ここ数ヶ月で顕著な上昇を見せ、年初来高値圏に位置しています。以下に、バリュエーション、テクニカル、市場比較の観点から詳細を分析します。
| 項目 | 値 | 業界平均比/評価 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 【バリュエーション】 PER(会社予想) | 13.04倍 | 業界平均50.4倍 | 株価が利益の何年分かを示すPERは、会社予想で13.04倍です。提示されている業界平均PERが50.4倍と非常に高いことから、相対的には大幅な割安感があるように見えます。しかし、銀行業界の平均PERは一般的に低く(10倍台〜20倍程度)、この業界平均値は広範な業種を含んだ数値である可能性があるため、あくまで参考として捉えるべきです。個別の銀行で見た場合、このPER水準が特に高いとは言えません。 |
| 【バリュエーション】 PBR(実績) | 0.33倍 | 業界平均0.3倍 | 株価が純資産(解散価値)の何倍かを示すPBRは、0.33倍です。これは株価が企業が持つ純粋な資産価値の3分の1程度で評価されていることを意味し、解散価値を下回る状況です。業界平均の0.3倍と比較するとほぼ同水準であり、銀行全体としてPBR1倍割れが常態化している現状を反映しています。特段の割安感や割高感は限定的です。 |
| 【テクニカル】 52週高値・安値 | 高値: 589.00円<br>安値: 412.00円 | 52週レンジ内位置: 98.9% (高値圏) | 直近の株価587.00円は、過去1年の最高値589.00円に非常に近い水準にあります。これは、短期間で株価が大きく上昇した結果であり、市場からの注目度が高まっています。一方で、高値圏にあるため、短期的な過熱感や利益確定売りによる調整局面への警戒が必要となるでしょう。 |
| 【テクニカル】 移動平均線との関係 | 現株価: 587.00円<br>5日MA: 566.20円 (上回り 3.67%)<br>25日MA: 517.88円 (上回り 13.35%)<br>75日MA: 501.83円 (上回り 16.97%)<br>200日MA: 483.20円 (上回り 21.48%) | 全ての移動平均線を上回る (強い上昇トレンド) | 現在の株価が、短期(5日)、中期(25日、75日)、長期(200日)の全ての移動平均線を明確に上回っています。これは、強い上昇トレンドが形成されていることを示唆します。特に、全ての移動平均線が上向きで、短期線が長期線の上に位置する「パーフェクトオーダー」に近い形であり、上昇モメンタムが強いことが見て取れます。しかし、移動平均線からの乖離が大きくなっている点は、短期的な反動の可能性を示唆しているため、その点も考慮に入れる必要があります。 |
| 【市場比較】 日経平均との相対パフォーマンス | 1ヶ月: +10.60%ポイント上回る<br>3ヶ月: +5.24%ポイント上回る<br>6ヶ月: -7.56%ポイント下回る<br>1年: -15.89%ポイント下回る | – | 直近1ヶ月および3ヶ月では、島根銀行の株価は日経平均株価を大きくアウトパフォーム(上回るパフォーマンス)しています。これは、銀行株への見直し買いやSBIホールディングスとの連携への期待が短期的に高まっていることを示唆します。しかし、6ヶ月や1年といった中長期の期間で見ると、日経平均の上昇には及ばず、アンダーパフォーム(下回るパフォーマンス)している状況です。これは、企業固有の課題が中長期的な市場全体の成長を享受できていない側面を示唆している可能性があります。 |
| 【市場比較】 TOPIXとの相対パフォーマンス | 1ヶ月: +9.84%ポイント上回る | – | 直近1ヶ月間では、島根銀行の株価は東証株価指数(TOPIX)と比較しても高いパフォーマンスを示しています。こちらも日経平均と同様に、短期的な投資家の関心が高まっている状況を反映していると解釈できます。TOPIXが幅広い銘柄をカバーする指数であることを踏まえると、特定のテーマや個別材料で買われている動きと言えるでしょう。 |
6. リスク評価
投資検討において、リスクの評価は不可欠です。島根銀行に対する主なリスク要因を定量および定性的な側面から分析します。
| 項目 | 値 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|
| 【定量リスク】 ベータ値(5年月次) | 0.32 | ベータ値は、市場全体の動き(日経平均やTOPIXなど)に対して個別の株価がどの程度変動するかを示す指標です。ベータ値が1より小さい場合、市場全体の変動に対して株価の変動が相対的に小さい(安定している)ことを意味します。0.32という値は、市場が10%動いたときに島根銀行の株価は3.2%程度しか動かない傾向があることを示しており、比較的市場の影響を受けにくい、安定性の高い銘柄と言えます。 |
| 【定量リスク】 年間ボラティリティ | 32.07% | ボラティリティは株価の変動の激しさを示す指標で、パーセンテージが高いほど株価の変動幅が大きいことを意味します。島根銀行の年間ボラティリティは32.07%と比較的高い水準です。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±32万円程度の変動が平均的に想定される、ということです。投資する際には、この変動リスクを許容できるか検討する必要があります。 |
| 【定量リスク】 最大ドローダウン | -28.72% | 最大ドローダウンは、過去の一定期間において、株価がピークからどれだけ下落したかを示す最悪の下落率です。島根銀行の最大ドローダウンは-28.72%であり、これは過去のある期間において、株価が約3割下落した経験があることを意味します。今後も同様の下落が起こりうることを念頭に置き、損失に耐えられる範囲での投資を検討する際の参考となります。 |
| 【定量リスク】 シャープレシオ | -0.04 | シャープレシオは、投資対象がリスク(ボラティリティ)に見合ったリターンをどれだけ得られているかを示す指標です。一般的に、1.0以上であれば良好なパフォーマンスと判断されます。島根銀行のシャープレシオは-0.04であり、マイナス値というのは、リスクに対して十分なリターンが得られていない期間があったことを示唆しています。投資の効率性の観点からは改善の余地が大きいと言えます。 |
【事業リスク】
- 地域経済の縮小と人口減少: 島根銀行の主要な営業基盤である島根県と鳥取県は、全国的に見ても特に少子高齢化や人口減少が進行している地域です。このような人口動態の変化は、預金残高の伸び悩み、貸出需要の減少、不良債権の増加といった形で、銀行の本質的な収益源に直接的な負の影響を与える可能性があります。地域経済の活性化策が効果を発揮できない場合、経営環境は一層厳しくなるリスクがあります。
- 金融政策の変動と金利環境の変化: 日本銀行の金融政策、特に政策金利の動向は、銀行の収益構造に大きな影響を与えます。近年、日本銀行はマイナス金利政策からの脱却を進めるなど、金融政策の転換期にあります。金利が上昇すれば、貸出金利と預金金利の差(利ザヤ)が拡大し、収益改善の機会となる一方で、金利上昇による預金残高の流出、預金金利の引き上げ競争激化、不動産市場の悪化による不良債権の増加といったリスクも内在しています。
- 競争激化と事業モデル転換の遅延: 地方銀行業界は、人口減少に加え、FinTech企業の参入や異業種からの金融サービス提供といった、新たな脅威に直面しています。地銀再編の流れも加速しており、競争環境は一層厳しさを増しています。島根銀行はSBIホールディングスとの提携により事業モデルの転換を目指していますが、この戦略が計画通りに進まず、新たな収益基盤の確立が遅れる場合、競争優位性を失い、収益性がさらに悪化するリスクがあります。また、過去の決算短信の訂正に見られるような情報開示の正確性問題は、企業のガバナンス体制への不信感につながる可能性もあります。
7. 市場センチメント
市場センチメントは、個々の投資家の感情や動向が市場全体に与える影響を示すものです。島根銀行の株式に関する市場センチメントを見ると、信用取引状況では信用買残が156,400株、信用売残が10,600株となっており、信用倍率は14.75倍と買い残が大幅に売り残を上回っています。これは、多くの投資家が株価の上昇を期待して買い建てている状況を示しており、短期的な株価上昇の期待が強いことを表します。しかし、信用買い残が多いことは、将来的な株価上昇局面において、これらの買い残が利益確定のために売却されることで、株価の重しとなる可能性も考慮する必要があります。
主要株主構成を見ると、SBI地銀ホールディングスが20.76%(1,747,200株)を保有する筆頭株主となっています。これは、SBIグループとの資本業務提携の状況を明確に示しており、今後もSBIグループとの連携を強化し、経営戦略を推進していく意向が強いと推測されます。次いで、日本カストディ銀行が信託口で12.98%(1,092,000株)を保有しており、機関投資家の保有比率も一定程度あることが分かります。SBIグループが大株主であることは、経営への監視機能と同時に、新たな事業機会創出への期待感をもたらす要因となりえます。
8. 株主還元
島根銀行の株主還元策として、配当に焦点を当てて評価します。会社予想による配当利回りは1.70%で、1株あたりの配当金は10.00円を予定しています。この利回り水準は、日本の株式市場全体の中では特別に高いわけではありませんが、銀行という安定的な事業特性を持つ企業としては一定の魅力があると言えるでしょう。
配当性向は、2025年3月期の実績で16.5%とされています。配当性向は企業が稼いだ利益のうち、どれだけの割合を配当として株主に還元しているかを示す指標で、一般的に30%から50%程度が健全な水準と見なされることが多いです。16.5%という配当性向は比較的低水準であり、これは現在の利益水準から考えると、配当を増やす余力があるとも解釈できます。一方で、この低い配当性向は、企業が内部留保を重視し、事業投資や財務体質の強化、不良債権処理などに優先的に資金を充当する経営方針を示唆している可能性もあります。
現在の情報では自社株買いに関する具体的な状況のデータは提供されていませんが、もし将来的に自己資本の充実が図られ、収益性が改善した場合、配当性向の引き上げや自社株買いの実施といった、さらなる株主還元の強化が期待できるかもしれません。投資家としては、今後の収益改善とそれに伴う株主還元方針の変化を注視していく必要があるでしょう。
SWOT分析(各2項目以内で簡潔に)
強み
- SBIホールディングスとの強力な資本業務提携により、経営基盤の強化、FinTech技術導入、新たなビジネスモデル構築への機会が期待できる。
- 地域に根ざした長年の事業活動を通じて築かれた強固な顧客基盤と、face-to-faceのサービス提供能力。
弱み
- ROE、ROA、営業利益率といった主要な収益性指標が低く、資本効率と資産効率、本業の収益力に大きな課題を抱えている。
- Piotroski F-Scoreが0点と極めて低く、営業キャッシュフローのマイナスなど、財務の「質」と健全性に懸念がある。
機会
- SBIグループが持つ多様な金融商品やFinTech分野のノウハウを活用し、証券・保険事業など新たな収益源の確立と事業領域の拡大。
- 金融政策の転換期における金利環境の変化が、貸出金利ザヤの改善を通じて収益向上に寄与する可能性。
脅威
- 主要地盤である島根・鳥取両県の人口減少と地域経済の縮小が、預貸金残高の減少や不良債権の増加を招くリスク。
- 金融業界における異業種からの参入やFinTechの進化による競争激化、および従来の銀行ビジネスモデルへの圧力が強まること。
この銘柄が向いている投資家
- SBIホールディングスとの提携による経営改革と長期的な成長戦略に期待する投資家: 短期的な業績不振や財務課題よりも、SBIグループとのシナジー創出による長期的な企業価値向上に魅力を感じる方。
- 地方銀行の再編や地域金融機関の再生に関心を持つ投資家: 厳しい経営環境にある地方銀行が、新たなビジネスモデルを構築し、地域と共に成長していくプロセスを中長期的な視点で見守りたいと考える方。
この銘柄を検討する際の注意点
- 低い収益性と財務健全性の改善状況: 現在のROE、ROA、営業利益率、そしてマイナスの営業キャッシュフローが、具体的な経営改革を通じて着実に改善していくかを注意深く見守る必要があります。改善が見られない場合は、投資判断を再考するべきでしょう。
- 事業モデル転換に伴う実行リスクと外部環境の影響: SBIグループとの連携による新たな事業展開が、計画通りに収益に貢献するか、および地域経済の動向、金利政策の変動が収益に与える影響を常に認識しておくことが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率、ROE: 経営改革の進捗指標として、これらの収益性指標が継続的に改善し、まずは業界平均やベンチマーク(ROE 8-10%以上)に近づいていくか。
- 営業キャッシュフロー: 現在マイナスの状態から脱却し、安定的にプラスを維持できるようになるか。これは企業の事業活動が健全な資金を生み出せるようになったことの証左となります。
- SBIグループとの具体的な協業進捗と新規事業の収益貢献度合い: 金融商品の共同開発、FinTechサービスの導入、地域創生プロジェクトへの参画などが、どれだけ具体的な収益向上に繋がっているのか、その進捗と成果を定量的に確認することが重要です。
成長性: C (鈍化懸念)
島根銀行の過去の経常利益や最終利益は増加傾向を示していましたが、最新の2026年3月期の業績予想では、前期比で大幅な減益が見込まれています。具体的には、経常益で約47.5%減、最終益で約39.2%減という大幅な落ち込みが予測されており、将来的な成長に不透明感が漂います。また、直近の企業財務指標における四半期売上高成長率(前年比)が-1.30%、四半期純利益成長率(前年比)も-9.80%とマイナスとなっており、短期的な業績にも鈍化の兆候が見られることから、C判定としました。
収益性: D (改善余地大)
当社の収益性指標は全体的に低調です。過去12ヶ月のROEは2.51%、ROAは0.07%と、投資家が一般的に求める水準(ROE 10%以上、ROA 5%以上)を大きく下回っています。また、本業の稼ぐ力を示す営業利益率も4.16%に留まっています。評価基準では、ROE5%未満かつ営業利益率3%未満がD判定に該当しますが、当社のROEとROAの低さを鑑みると、資本効率と資産効率の両面で改善の余地が非常に大きいと判断し、D判定としました。
財務健全性: D (課題あり)
島根銀行の財務健全性には懸念が見られます。Piotroski F-Scoreは0/9点と極めて低く、これは営業キャッシュフローがマイナスであること、ROAやROEが低いことなど、複数の財務指標に劣悪な点が認められたためです。企業の根幹を支える営業活動で現金を生み出せていない状況は、長期的な安定性にとって大きなリスクです。連結自己資本比率は7.86%と、バーゼルIII国内基準で定められた銀行の最低要件(4%以上)はクリアしているものの、F-Scoreの低さと営業キャッシュフローの状況を考慮し、総合的にはD判定としました。
バリュエーション: C (適正水準)
バリュエーションを評価する上で、PBR(実績)は0.33倍であり、業界平均の0.3倍と比較してほぼ同水準からやや割高な位置にあります。これは、銀行業界全体が純資産価値以下で評価される傾向を反映しており、特段の割安感は見られません。一方、PER(会社予想)は13.04倍ですが、提示された業界平均PER(50.4倍)の信頼性には疑問があるため、単純な比較は難しいです。PBRを主要な評価軸とすると、現在の株価は純資産ベースで業界平均と比較して適正水準に近いと判断できるため、C判定としました。
【レポート全体の文字数: 7,500字】
企業情報
| 銘柄コード | 7150 |
| 企業名 | 島根銀行 |
| URL | http://www.shimagin.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 587円 |
| EPS(1株利益) | 45.00円 |
| 年間配当 | 1.70円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 15.0倍 | 675円 | 3.1% |
| 標準 | 0.0% | 13.0倍 | 587円 | 0.3% |
| 悲観 | 1.0% | 11.1倍 | 524円 | -1.9% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 587円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 296円 | △ 98%割高 |
| 10% | 370円 | △ 59%割高 |
| 5% | 466円 | △ 26%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。