企業の一言説明
ダイキョーニシカワは、自動車向けプラスチック部品を開発・製造・販売する、マツダ系を主要顧客とする中堅企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 安定した財務基盤と高水準の株主還元: 自己資本比率が高く財務は健全であり、予想配当利回り4.59%に加え、継続的な自己株式取得・消却による株主還元姿勢が評価されます。
- 割安なバリュエーション: PER、PBRともに業界平均を大幅に下回っており、株価は割安な水準にあると評価できます。
- 主要顧客依存と海外事業の変動性: 売上の約7割をマツダ向けが占めるため、主要顧客の生産計画や販売動向に業績が大きく左右されるリスクがあります。日本市場の減収が続く一方、北米市場の堅調さが全体を牽引しており、地域ごとの事業環境の変化に注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 低成長懸念 |
| 収益性 | B | 標準的 |
| 財務健全性 | B | 安定傾向 |
| バリュエーション | S | 非常に割安 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 828.0円 | – |
| PER | 9.33倍 | 業界平均20.4倍 |
| PBR | 0.67倍 | 業界平均1.1倍 |
| 配当利回り | 4.59% | – |
| ROE | 7.73% | – |
1. 企業概要
ダイキョーニシカワ株式会社(証券コード:4246)は、広島県に本社を置く自動車部品メーカーです。主要事業は自動車向けプラスチック部品の開発、製造、販売であり、特にバンパー、ラジエーターグリル、インストルメントパネル、エンジンカバーなどの樹脂製外装・内装・機能部品に強みを持っています。主力の供給先はマツダ(売上約7割)とダイハツ系であり、その技術力と品質で安定的な取引関係を構築しています。また、自動車部品以外にもバスユニット部材などの住宅関連プラスチック製品も手掛けています。技術的な独自性としては、自動車部品の軽量化や高機能化に貢献する樹脂成形技術や複合材技術を有し、これが参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
自動車部品業界において、ダイキョーニシカワはマツダ系を主要顧客とする樹脂部品メーカーとして独自の地位を確立しています。国内自動車メーカー各社のグローバル展開に伴い、同社も北米、アセアン、中国・韓国に製造拠点を展開し、供給体制を築いています。競合と比較した場合の強みは、長年にわたる樹脂成形技術の蓄積と特定の自動車メーカーとの強固な関係性です。一方で、売上の約7割をマツダ向けが占めるという高い顧客依存度が弱点となり、主要顧客の生産販売動向に業績が大きく左右されるリスクを抱えています。業界平均と比較すると、同社のPER(9.33倍)は業界平均20.4倍を大幅に下回り、PBR(0.67倍)も業界平均1.1倍を下回っており、バリュエーション面では割安に評価されている現状が見て取れます。
3. 経営戦略
ダイキョーニシカワは、自動車部品の電動化や軽量化といった業界トレンドに対応し、新たな技術開発とグローバル展開を推進しています。直近では、2026年3月期の中間決算において、売上高は日本と中国・韓国で減少したものの、北米市場は堅調に推移し増収に貢献しました。収益面では、コスト改善の効果があった一方で、退職給付数理差異や人的資本への投資増加、アセアンでの開発費一括計上などが営業利益を押し下げる要因となりました。
最近の重要な動きとしては、株式売出と自社株買いを同時に発表しており、資本効率の改善と株主還元への積極的な姿勢を示しています。これは市場での株式需給改善と株価のサポートに繋がる可能性があります。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当権利落ち日を控えています。経営計画の具体的なKPIは決算短信に記載がないものの、収益性の改善とキャッシュ創出は喫緊の課題と見られます。
4. 財務分析
| 指標 | 値 | ベンチマーク/解釈 | 傾向・評価 |
|---|---|---|---|
| 財務品質スコア(Piotroski F-Score) | 2/9 | 7点以上=財務優良、5-6点=普通、4点以下=要注意 | C: やや懸念。具体的な内訳は非開示ながら、一部効率性・健全性項目での改善余地が示唆されます。 |
| 【収益性】 | |||
| 営業利益率(過去12ヶ月) | 5.36% | 一般的な目安: 5%以上 | 同業他社と比較して標準レベルであり、コスト改善努力は見られるものの、売上変動の影響を受けやすい側面があります。 |
| ROE(実績) | 7.73% | 10%以上が一般的目安 | 株主資本効率はベンチマークにやや届かず、更なる改善が期待されます。 |
| ROA(過去12ヶ月) | 3.51% | 5%以上が一般的目安 | 総資産に対する収益性はベンチマークを下回っており、資産効率の改善が求められます。 |
| 【財務健全性】 | |||
| 自己資本比率(実績) | 56.5% | 一般的な目安: 40%以上で健全 | 高い水準で安定しており、財務基盤は非常に強固です。 |
| 流動比率(直近四半期) | 193% | 200%以上が理想的 | 短期的な支払い能力は良好で、流動性リスクは低いと言えます。 |
| 【キャッシュフロー】 | |||
| 営業CF(過去12ヶ月) | 200億円 | プラスが健全、成長には増加傾向が望ましい | 持続的にプラスを確保しており、本業による資金創出力は健全です。 |
| フリーCF(過去12ヶ月) | 84.1億円 | プラスが望ましい | 事業活動によって自由に使える資金が生み出されており、投資や株主還元に回せる余力があります。 |
| 【利益の質】 | |||
| 営業CF/純利益比率 | 2.80 | 1.0以上で健全(キャッシュフローが利益を裏付けているか) | S: 優良。純利益を大幅に上回る営業キャッシュフローを創出しており、利益の質は非常に高いと評価できます。 |
| 【四半期進捗】 | |||
| 売上高進捗率(通期予想比、中間期) | 50.4% | 通期目標の50%が目安 | 半期でほぼ計画通り。下期の需要動向が重要です。 |
| 営業利益進捗率(通期予想比、中間期) | 61.2% | 通期目標の50%が目安 | 中間期時点で通期予想を上回る進捗で、会社計画達成に向け順調です。 |
| 純利益進捗率(通期予想比、中間期) | 62.8% | 通期目標の50%が目安 | 営業利益と同様に良好な進捗であり、収益の下振れリスクは低いと見られます。 |
【バリュエーション】
ダイキョーニシカワの株価バリュエーションは、業界平均と比較して著しく割安な水準にあります。PER(会社予想)は9.33倍であり、素材・化学セクターの業界平均20.4倍の半分以下です。PBR(実績)は0.67倍で、業界平均1.1倍を下回っており、純資産価値から見ても割安感があります。このPBR1倍割れは、株式市場が企業の解散価値すら評価していない状態を示唆するものであり、事業継続性と成長余地を考慮すると、現在の株価は割安と判断できます。バリュエーション分析による目標株価は、業界平均PER基準で1810.5円、業界平均PBR基準で1362円と算出され、現在の株価828.0円に対して大幅な上値余地を示唆しています。
【テクニカル】
現在の株価828.0円は、過去52週の高値847円に近く、安値493円からは大きく上昇した位置(52週レンジ内位置で94.6%)にあります。移動平均線を見ると、5日移動平均線(829.60円)をわずかに下回っていますが、25日移動平均線(792.32円)、75日移動平均線(758.92円)、200日移動平均線(698.96円)を全て上回って推移しており、株価は短期的な調整局面にあるものの、中長期的な上昇トレンドは継続していると解釈できます。
【市場比較】
過去1ヶ月および3ヶ月の期間では、ダイキョーニシカワの株価パフォーマンスは日経平均株価およびTOPIXを上回っています。これは、直近の市場センチメントが同社に対し比較的好意的であったことを示唆します。しかし、過去6ヶ月および1年間の期間では、日経平均株価を約6~10ポイント下回っており、より長期的な視点では市場全体の上昇トレンドに対して相対的に出遅れている側面もあります。これは、同社の内需依存度や海外事業の変動性が、市場全体の上昇を牽引するグローバル企業と比較して評価が限定的であった可能性を示唆しています。
【定量リスク】
ダイキョーニシカワの株式は、ベータ値0.38と市場全体(日経平均やTOPIX)の変動に対する感応度が低い(市場が1%変動しても0.38%しか変動しない)傾向にあります。年間ボラティリティは27.89%であり、仮に100万円投資した場合、年間で±27.89万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-40.05%であり、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておくべきです。シャープレシオは-0.09とマイナスであり、リスクに見合ったリターンが十分に得られていない状況を示しています。
【事業リスク】
- 主要顧客依存リスク: 売上高の約7割をマツダ向けが占めるため、マツダの生産計画変更、新型車投入の遅延、販売不振などが直接的に同社の業績に影響を及ぼします。特定の顧客への高い依存度は、市場環境の変化に対する脆弱性となります。
- 為替変動リスク: 海外売上高比率が38%(2025年3月期予測)と高く、特に北米やアセアン、中国・韓国での事業展開が大きいため、為替レートの変動が業績に大きな影響を与えます。円高は海外子会社の現地通貨建て収益を円換算した際に目減りさせ、業績悪化につながる可能性があります。
- 原材料価格の変動とサプライチェーンリスク: プラスチック製品を主としているため、石油化学製品などの原材料価格の変動はコストに直接影響します。また、世界的なサプライチェーンの混乱は、部品の安定供給を阻害し、生産計画に支障をきたすリスクがあります。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が607,000株に対し、信用売残が1,013,100株と売残が買残を上回っており、信用倍率は0.60倍と低い水準です。これは株価下落を予想する売り方が多いことを示唆していましたが、直近の株価上昇と株式売出・自社株買いの発表により、今後需給バランスが変化する可能性があります。主要株主構成では、西川ゴム工業が16.67%、日本マスタートラスト信託銀行が8.43%、イノアックコーポレーションが5.53%を保有しており、特定の企業や金融機関による安定株主が一定割合を占めています。マツダも4.99%を保有しており、事業上の繋がりが資本面でも確認できます。
8. 株主還元
ダイキョーニシカワは、株主還元に積極的な姿勢を示しています。会社予想に基づく配当利回りは4.59%と高水準であり、年間配当は38.00円を予定しています(中間配当19.00円、期末配当予想19.00円)。予想EPS(1株当たり純利益)に対する配当性向は39.4%であり、利益の約4割を配当に回す安定的な方針を維持しています。特筆すべきは、2026年3月期の中間期に合計2,898,600株、取得額1,999百万円の自己株式取得を積極的に実施し、その後全株を消却したことです。これは、発行済み株式数を減らすことで1株当たりの価値を高め、資本効率を改善する強い意志を示す株主還元策であり、株主への利益還元を重視する姿勢が明確に表れています。
SWOT分析
強み
- 自動車用樹脂部品における高い技術力と主要顧客(マツダ)との強固な関係性。
- 自己資本比率56.5%と安定した財務基盤と潤沢な営業キャッシュフロー。
弱み
- 売上の約7割をマツダ向けが占める高い顧客依存度。
- ROE 7.73%、ROA 3.51%と収益効率に改善余地。
機会
- 自動車の軽量化・電動化ニーズの高まりに伴う樹脂部品需要の拡大。
- 北米市場での堅調な事業成長と新規受注獲得の可能性。
脅威
- 為替変動、原材料価格高騰による業績の不確実性。
- 主要顧客の生産計画変動や国内外自動車市場の競争激化。
この銘柄が向いている投資家
- 高配当・株主還元を重視する投資家: 予想配当利回り4.59%と継続的な自社株買い・消却を行っており、安定したインカムゲインと資本効率改善を期待できるため。
- 割安株投資家: PER9.33倍、PBR0.67倍と業界平均を大幅に下回る評価であり、潜在的な株価上昇余地を狙う投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- マツダ依存度の高さ: マツダの業績悪化や生産台数減少が、ダイキョーニシカワの業績に直接的な影響を与えるリスクを常に考慮する必要があります。
- 海外事業の変動性: 北米は好調ですが、日本や中国での減収が懸念されており、地域ごとの景気変動や為替リスクが業績に与える影響を継続的にモニタリングすることが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 主要顧客(マツダ)の生産・販売動向: 特に日本市場での生産台数の回復状況。
- 海外事業の収益性: 北米事業の成長持続性およびアセアン・中国市場の回復状況とセグメント利益率。
- 為替レートの動向とヘッジ状況: 円高進行が業績に与える影響と、それに対する企業の対応。
10. 企業スコア(詳細)
| 項目 | スコア | 根拠(1-2文) |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 2025年3月期実績の売上高成長率は+6.0%でB評価範囲ですが、2026年3月期の通期予想では-3.9%の減収を見込んでおり、全体として低成長・減収懸念があるためCと評価しました。 |
| 収益性 | B | 過去12ヶ月のROEは8.09%(B評価の境界)かつ営業利益率5.36%(B評価範囲)であり、一般的な目安を下回るものの、安定した水準にあるためBと評価しました。 |
| 財務健全性 | B | 自己資本比率56.5%および流動比率193%はA評価レベルと高い安定性を示しますが、Piotroski F-Scoreが2点と「やや懸念」されるため、総合的にBと評価しました。 |
| バリュエーション | S | PER9.33倍、PBR0.67倍はそれぞれ業界平均20.4倍、1.1倍を大幅に下回っており、現在の株価は純資産価値や収益力に対して非常に割安と判断できるためSと評価しました。 |
企業情報
| 銘柄コード | 4246 |
| 企業名 | ダイキョーニシカワ |
| URL | http://www.daikyonishikawa.co.jp/jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 828円 |
| EPS(1株利益) | 88.75円 |
| 年間配当 | 4.59円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 18.6% | 10.7倍 | 2,234円 | 22.4% |
| 標準 | 14.3% | 9.3倍 | 1,615円 | 14.8% |
| 悲観 | 8.6% | 7.9倍 | 1,062円 | 5.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 828円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 820円 | △ 1%割高 |
| 10% | 1,025円 | ○ 19%割安 |
| 5% | 1,293円 | ○ 36%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。