企業の一言説明

IPSホールディングス(4335)は、SAP ERPシステム導入・保守サービスを国内外で提供する、神戸・関西地盤の情報システム開発企業です。多様な業界の顧客に対し、基幹業務システムのコンサルティングから構築、運用支援まで一貫して手掛け、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援も積極的に展開しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高水準な収益性と堅牢な財務体質: ROE(自己資本利益率)は18.92%と高水準で、自己資本比率56.5%、流動比率322%と財務健全性も非常に優良です。効率的な経営と安定した財務基盤を両立しています。
  • 業界平均比で割安感のあるバリュエーション: PER(株価収益率)は11.05倍と、業界平均の17.6倍と比較して割安な水準にあり、現時点での投資妙味がある可能性があります。
  • 成長戦略と短期的な業績進捗の注視: クラウドERP導入支援やスマート工場支援、DX推進といった成長市場を事業領域としていますが、直近の2026年6月期第1四半期決算では売上高の進捗が会社計画に対してやや遅れており、通期での巻き返しとEPS(1株当たり利益)の減益予想に留意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 成長鈍化に注意
収益性 A 効率性良好
財務健全性 B 安定性は高いが一部懸念
バリュエーション A 割安感あり

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1217.0円
PER 11.05倍 業界平均17.6倍より割安
PBR 1.75倍 業界平均1.6倍と同水準
配当利回り 3.12%
ROE 18.92%

1. 企業概要

IPSホールディングスは、1997年設立の神戸地盤の情報システム開発会社です。主な事業内容は、企業向けSAP ERPシステム導入・保守サービスおよびDX支援、スマート工場支援といったコンサルティングです。主力製品・サービスは、販売管理、生産管理、原価管理、プロジェクト管理、会計などの業務プロセスを統合するSAP ERPシステムの導入支援であり、顧客の経営効率化とデジタル変革を包括的にサポートしています。2025年7月には持株会社体制へ移行し、事業構造の最適化と多角化を進めています。

2. 業界ポジション

同社は、企業向け情報システム開発・ERP導入市場において、主にSAP製品を中心としたサービスを展開しています。大企業から中堅企業まで幅広い顧客基盤を持ち、国内外(日本、ドイツ、アジア太平洋)で事業を展開していますが、情報・通信業における詳細な市場シェアはデータがありません。競合に対する強みは、SAP ERPの専門知識と導入実績に裏打ちされたコンサルティング力と、技術力に強みを持つ少人数精鋭の組織体制にあります。他方、大規模企業に比べるとブランド力や資本力では劣る点が弱みとして挙げられます。同社のPER11.05倍は業界平均17.6倍より低く、PBR1.75倍は業界平均1.6倍と同水準です。

3. 経営戦略

IPSホールディングスは、クラウドERP導入支援、スマート工場支援、新規事業開発、IT活用・有効活用促進コンサルティングといったDXサービスを通じて、事業成長を追求しています。具体的な中期経営計画の数値目標は開示されていませんが、IT投資やクラウド化が加速する市場環境を成長機会と捉え、専門性を活かした事業領域の拡大を目指しています。2025年7月の持株会社移行も、グループ全体の経営効率向上と事業ポートフォリオの最適化を目的とした戦略の一環と推察されます。今後のイベントとして、2026年6月29日に配当の権利落ち日を迎える予定です。

財務品質スコア

項目 スコア 投資家向け解釈
Piotroski F-Score 2/9 (C) やや懸念(7点以上=財務優良、5-6点=普通、4点以下=要注意)

解説: Piotroski F-Scoreは2点と低い評価ですが、これは営業キャッシュフローなど一部データが不足している状態で算出された影響も考えられ、現在のROEや流動比率の高さとは矛盾する側面もあります。

収益性

指標 ベンチマーク 評価
営業利益率(過去12か月) 8.09%
ROE(実績、過去12か月) 18.92% 10%以上で優良 優良
ROA(実績、過去12か月) 9.94% 5%以上で優良 優良

解説: ROEとROAはベンチマークを大幅に上回り、株主資本および総資産を非常に効率的に活用して利益を生み出していることを示しています。営業利益率も8%台と堅調です。

財務健全性

指標
自己資本比率(実績) 56.5%
流動比率(直近四半期) 322%

解説: 自己資本比率56.5%は企業の財務基盤が非常に安定していることを示し、流動比率322%は短期的な支払い能力が極めて高いことを示しています。

キャッシュフロー

指標
営業CF データなし
FCF データなし

解説: 四半期連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていないため、具体的なキャッシュフローの状況は不明です。ただし、直近四半期末の現金及び預金は1,301百万円と前期末から増加しており、現金保持は維持されています。

利益の質

指標
営業CF/純利益比率 データなし

解説: 営業キャッシュフローのデータがないため算出はできません。この比率が1.0以上であれば、利益が実際に現金として稼得されている健全な状態を示します。

四半期進捗

項目 2026年6月期 第1四半期実績 通期予想 進捗率 均等進捗比(25%)
売上高 742百万円 3,800百万円 19.6% やや遅れ
営業利益 60百万円 364百万円 16.6% 遅れ
親会社株主に帰属する純利益 34百万円 252百万円 13.6% 遅れ

解説: 第1四半期の売上高、営業利益、純利益の進捗率は、通期予想に対して均等進捗(25%)を下回っています。特に純利益の進捗は遅れており、今後の四半期での挽回が通期達成の鍵となると考えられます。会社は「概ね計画通り」とコメントしていますが、この遅れは注視すべき点です。前年同期比では、売上高は減少したものの、売上総利益の改善と販管費の抑制により、営業利益は大幅な増益となっています。

バリュエーション

指標 業界平均 業界平均比 判定
PER(会社予想) 11.05倍 17.6倍 約63% 割安
PBR(実績) 1.75倍 1.6倍 約109% 適正

解説: 同社のPER11.05倍は、情報・通信業の業界平均である17.6倍と比較して明らかに割安な水準にあります。PERは「株価が利益の何年分か」を示し、業界平均より低ければ割安の可能性を示唆します。PBR1.75倍は「株価が純資産の何倍か」を示し、業界平均1.6倍とほぼ同水準であり、高いROEを考慮すると適正なバリュエーションと言えます。

テクニカル

指標
株価 1,217.0円
52週高値 1,430円
52週安値 1,000円
52週レンジ内位置 50.5%
50日移動平均線 1,165.04円
200日移動平均線 1,183.24円

解説: 現在の株価1,217.0円は52週レンジの中間点(50.5%)に位置しており、50日および200日移動平均線を上回っています。これは、短期および中長期的な上昇トレンドを示唆する兆候です。直近10日間の株価推移も概ね堅調であり、出来高は少ないものの緩やかに上昇基調にあります。

市場比較

期間 株式リターン 日経平均リターン TOPIXリターン 相対パフォーマンス(日経平均) 相対パフォーマンス(TOPIX)
1ヶ月 +4.37% +6.81% +6.55% -2.43%pt下回る -2.18%pt下回る
3ヶ月 +5.73% +14.38% -8.65%pt下回る
6ヶ月 +5.19% +35.15% -29.97%pt下回る
1年 +15.25% +36.32% -21.07%pt下回る

解説: 過去1年間の株価リターンは+15.25%と堅調ですが、この期間の日経平均株価やTOPIXが大幅に上昇しているため、主要市場指数と比較すると大きくアンダーパフォームしています。これは、同社株が市場全体の勢いには及ばず、相対的に注目度が低い可能性を示唆します。

定量リスク

指標
ベータ値(5年月次) -0.03
年間ボラティリティ 25.09%
最大ドローダウン -35.88%
年間平均リターン -3.40%

解説: ベータ値が-0.03とマイナスであることから、市場全体が上昇する局面では株価が下落し、市場が下落する局面では株価が上昇するなど、市場とは逆の動きをする傾向があることを示唆しています。ただし、絶対値が小さいため、市場との連動性は非常に低いと言えます。年間ボラティリティ25.09%は、概ね市場平均程度の変動幅を示します。最大ドローダウン-35.88%は、過去に高値から最大でこの程度の下落を経験していることを意味します。仮に100万円投資した場合、年間で±25万円程度の変動が想定され、過去には最大で35.88万円の資産減少があったということです。シャープレシオは-0.16であり、リスクに見合ったリターンが得られているとはいえない状況です。

事業リスク

  • 大口案件の受注・実行タイミングによる業績変動: ERP導入支援事業はプロジェクト型であり、受注や進捗のタイミングによって四半期ごとの売上高や利益が大きく変動する可能性があります。特に大口案件の動向が業績に与える影響は大きいです。
  • 情報・通信技術の変化と競争激化: IT業界は技術革新が著しく、競合他社との競争も激しいです。技術の陳腐化や競争優位性の低下が収益性に影響を与える可能性があります。
  • マクロ経済環境および人手不足: 物価高や人手不足は、案件の採算性悪化や人材確保コスト増につながるリスクがあります。また、世界経済の不透明感は設備投資・IT投資の抑制につながり、同社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

信用取引状況

指標
信用買残 54,900株
信用売残 0株
信用倍率 0.00倍

解説: 信用買残は54,900株と一定数ありますが、信用売残が0株であるため信用倍率は0.00倍となっています。これは売り方が非常に少ないことを示しており、ショートカバーによる株価上昇圧力は期待しにくい状況です。

主要株主構成

株主名 保有割合 保有株式数
(有)ファウンテン 39.13% 965,000株
自社(自己株口) 7.22% 178,000株
小池博幸 2.80% 69,000株

解説: 上位株主には筆頭株主である(有)ファウンテンをはじめ、創業家や役員と見られる個人名が多く、特定の株主による保有比率が高いことが特徴です。自社でも自己株式を7.22%保有しており、安定株主が多い構造です。

8. 株主還元

指標
配当利回り(会社予想) 3.12%
1株配当(会社予想) 38.00円
配当性向(会社予想) 32.00%

解説: 同社の配当利回り3.12%は、比較的魅力的な水準です。配当性向は32.0%と利益の約3分の1を配当に回しており、過度に高すぎず、安定した配当政策と言えます。過去5年間の配当性向も25%~39%の範囲で推移しており、安定した株主還元の方針が見られます。直近の決算短信では、年間配当予想38.00円(前期と同額)に変更はないことが示されています。自己株式を7.22%保有していますが、直近の自社株買いに関する開示は確認されていません。

SWOT分析

強み

  • SAP ERP導入における専門性の高さと豊富な実績、国内外での事業展開
  • 高いROEとROAに裏打ちされた効率的な経営と、非常に安定した財務基盤 (自己資本比率、流動比率)

弱み

  • 大口案件の受注・実行タイミングによる四半期業績の変動リスク
  • Piotroski F-Scoreが低い点や、営業キャッシュフローの開示不足により利益の質が見えにくい点への懸念

機会

  • デジタルトランスフォーメーション(DX)やクラウドERP、スマート工場化への需要増加
  • SAP製品の幅広い顧客層への継続的なソリューション提供機会

脅威

  • IT業界における技術革新の速さと、激しい競合環境
  • マクロ経済変動(物価高、人手不足)による事業採算性への影響

この銘柄が向いている投資家

  • 配当利回りと財務安定性を重視する投資家: 3%を超える配当利回りと磐石な財務基盤は、長期的なインカムゲインを求める投資家にとって魅力的です。
  • 割安なバリュエーションで成長性を見込む投資家: 業界平均と比較してPERが割安な水準にあり、DX需要を取り込むことによる今後の成長に期待する投資家に向いています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近の業績進捗と通期達成の蓋然性: 第1四半期の売上高および利益進捗が通期予想に対して遅れているため、今後の四半期決算で挽回できるか、事業の進捗状況を慎重に見極める必要があります。
  • Piotroski F-Scoreの低さとキャッシュフローの確認: 財務健全性指標は高いものの、Piotroski F-Scoreが低い理由や、キャッシュフローの状況が明確でない点は引き続き注意し、情報開示があった際には詳細を確認することが重要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 四半期売上高および営業利益の進捗率: 通期予想に対する進捗率が計画通りに推移しているかを確認する。特にERP導入事業の大口案件の動向。
  • 営業利益率の推移: 売上高利益率の改善が継続できるか、コスト管理の状況を観察する。
  • DX関連事業の具体的な案件獲得状況: クラウドERPやスマート工場支援などの成長分野での実績積み上げを注視する。

成長性:B

  • 根拠: 過去5年間の売上高年平均成長率は約10.5%と堅調に推移してきましたが、直近の2026年6月期通期予想では売上成長が約1.8%と大幅に鈍化し、EPSも対前年で約-7.5%の減益が予想されており、成長性に不透明感があるためB評価としました。

収益性:A

  • 根拠: ROEは18.92%と非常に高く、株主資本を効率良く活用して利益を生み出す能力に優れています。営業利益率は8.09%と、業種特性を鑑みても良好な水準を維持しており、全体としては高い収益性を確保しているためA評価としました。

財務健全性:B

  • 根拠: 自己資本比率56.5%と流動比率322%は非常に高く、短期・長期の支払い能力に優れ、財務基盤は強固です。しかしながら、Piotroski F-Scoreが2点と低い評価であり、特に収益の質や効率性の一部の項目に改善の余地があることを示唆しているためB評価としました。

バリュエーション:A

  • 根拠: PER11.05倍は業界平均17.6倍と比較して約63%と大きく割安であり、株価に相対的な割安感があります。PBR1.75倍は業界平均1.6倍と同水準ですが、高ROEを考慮すれば適正範囲内と判断できるため、総合的にA評価としました。

企業情報

銘柄コード 4335
企業名 IPSホールディングス
URL https://ips.ne.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,217円
EPS(1株利益) 110.14円
年間配当 3.12円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 7.3% 12.7倍 1,993円 10.6%
標準 5.6% 11.1倍 1,601円 5.9%
悲観 3.4% 9.4倍 1,221円 0.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,217円

目標年率 理論株価 判定
15% 805円 △ 51%割高
10% 1,005円 △ 21%割高
5% 1,269円 ○ 4%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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