企業の一言説明

クロス・マーケティンググループは、ネットの市場調査からデジタルマーケティング、DX支援まで幅広く展開し、世界市場への拡大を目指す情報・通信業の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 割安なバリュエーションと高ROE: 業種平均と比較してPER、PBRともに大幅に割安な水準にあり、高いROE(実績23.27%)を維持している点は魅力です。
  • デジタルマーケティング事業の成長性: 市場調査からデジタルマーケティング、DXコンサルへの事業軸移行・拡大が進行しており、特にデジタルマーケティング事業は増収を維持しています。
  • 利益進捗の遅れと海外事業の不振: 直近の第1四半期決算では、通期目標に対する利益進捗が遅れており、特にリサーチ・インサイト事業における海外売上が大幅に減少している点は注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 A 順調な成長
収益性 B 改善の余地あり
財務健全性 B 概ね良好
バリュエーション S 大変割安

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 657.0円
PER 8.21倍 業界平均23.2倍(割安)
PBR 1.57倍 業界平均2.3倍(割安)
配当利回り 2.28%
ROE 23.27%

1. 企業概要

クロス・マーケティンググループ(3675)は、2003年設立、2013年持株会社体制へ移行した東京証券取引所プライム市場上場の情報・通信業企業です。事業内容は大きく「デジタルマーケティング事業」と「リサーチ・インサイト事業」の2つに分かれ、特に近年はリサーチ(市場調査)から、デジタル変革支援(DX)、デジタルマーケティング支援へと事業の主軸を広げています。主力製品・サービスは、インフルエンサープロモーション、SI・DXコンサルティング、マーケティング人材支援、オンライン・オフラインでのマーケティングデータ収集・分析、インサイト提供など多岐にわたります。世界市場へも事業展開し、国際的な顧客基盤を持っています。データとテクノロジーを融合させたマーケティング支援に強みを持ち、顧客企業の課題解決に貢献する独自のソリューションを提供しています。

2. 業界ポジション

クロス・マーケティンググループは、日本のマーケティングリサーチおよびデジタルマーケティング業界において、オンラインリサーチ分野で高い実績を持つ中堅大手企業の一つです。後発ながら独自のIT技術を活用し、市場調査からデータ分析、さらにはDXコンサルティングまでを一貫して提供する総合的なサービスモデルを構築しています。競合と比較して、リサーチとデジタルマーケティングの両面から顧客を支援できる点が強みですが、海外事業の展開においては地域ごとの競争に直面しています。
主要な財務指標を業界平均と比較すると、現在のPERは8.21倍と業界平均23.2倍、PBRは1.57倍と業界平均2.3倍に対して大幅に低い水準にあり、割安感があります。これは、市場から適切に評価されていない可能性、あるいは市場が今後の成長や利益率の改善に懸念を抱いている可能性を示唆しています。

3. 経営戦略

クロス・マーケティンググループは、中期経営方針「Unite & Generate」に基づき、グループシナジーの最大化と事業領域の拡大を進めています。特に、既存のリサーチ事業で培ったデータ収集・分析力と、デジタルマーケティング・DX支援を融合させ、顧客のマーケティングパートナーとしての地位を強化することを目指しています。
直近の重要開示としては、2026年6月期第1四半期決算において、通期業績予想(売上高320億円、営業利益28億円、当期純利益15.5億円)を維持すると発表しています。これは、第1四半期に一部セグメントで苦戦が見られたものの、下期での業績回復を織り込んでいることを示唆します。今後のイベントとして、2026年6月29日に配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。経営戦略の実現に向けて、特に海外リサーチ・インサイト事業の回復と、デジタルマーケティング事業の更なる利益率改善が今後の焦点となります。

4. 財務分析

項目 指標 投資家向け解釈(ベンチマーク)
財務品質 Piotroski F-Score 3/9 (普通/要注意) スコアは3点であり、一般的に「要注意」とされる水準です(7点以上=優良、5-6点=普通、4点以下=要注意)。営業利益率の低さが影響していますが、後述の自己資本比率や流動比率は安定しており、総合的な財務体質は概ね健全です。
収益性 営業利益率(過去12か月) 3.04% 売上に対する営業利益の割合で、収益効率を示します。業界の水準によって評価は異なりますが、一般的な優良企業と比較すると低めであり、利益率改善が課題です。Q1では4.27%に回復傾向が見られます。
ROE(過去12か月) 23.27% 株主資本をどれだけ効率的に使って利益を上げたかを示す指標です。ベンチマークの10%を大きく上回る非常に高い水準であり、株主価値創造能力が優れていることを示します。
ROA(過去12か月) 10.07% 総資産に対してどれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標です。ベンチマークの5%を上回る良好な水準であり、資産を効率的に活用して収益を上げていることを示します。
財務健全性 自己資本比率(Q1) 50.5% 総資産に占める自己資本の割合で、企業の安定性を示します。40%以上が安定水準とされる中、50%を超える良好な水準であり、倒産リスクが低い安定した財務体質を維持しています。
流動比率(Q1) 238% 流動資産が流動負債をどれだけ上回っているかを示す指標です。200%以上が理想とされる中、高水準を維持しており、短期的な支払い能力が十分に高いことを示します。
キャッシュフロー 営業CF(過去12か月) 1,540百万円 企業の本業で稼ぎ出したキャッシュフローです。堅調にプラスを維持しており、事業活動から安定的に資金を創出していることを示します。
FCF(過去12か月) 1,250百万円 営業CFから設備投資CFを差し引いた、企業が自由に使えるキャッシュフローです。潤沢なプラスを維持しており、新規事業投資や株主還元に充当できる余力があることを示します。
利益の質 営業CF/純利益比率 1.58 純利益と営業キャッシュフローの比率で、利益内容の健全性を示します。1.0以上が健全とされ、当社の1.58という値は、会計上の利益だけでなく実体としてのキャッシュが十分に生み出されていることを示しており、非常に高い利益の質と評価できます(S評価)。
四半期進捗 売上高進捗率(Q1) 20.96% 通期予想32,000百万円に対し、第1四半期売上高6,708百万円の進捗です。通期の25%と比較するとやや低い水準ですが、事業の季節性を考慮すると許容範囲内と見られます。
営業利益進捗率(Q1) 10.21% 通期予想2,800百万円に対し、第1四半期営業利益286百万円の進捗です。通期の25%と比較して大幅に低く、下期での顕著な利益回復が通期目標達成の前提となります。
純利益進捗率(Q1) 7.87% 通期予想1,550百万円に対し、第1四半期純利益122百万円の進捗です。営業利益と同様に大幅に低く、利益面での進捗遅れが懸念されます。

5. 株価分析

  • 【バリュエーション】
    • クロス・マーケティンググループのPER(会社予想)は8.21倍、PBR(実績)は1.57倍です。これらの指標を業界平均(PER23.2倍、PBR2.3倍)と比較すると、PERは約35.3%、PBRは約68.3%の水準にあり、大幅に割安であると判断できます。特にPERは業界平均の3分の1以下であり、市場からは現在の収益力に対して過小評価されている可能性があります。これは、投資家にとって魅力的な水準と言えるでしょう。
  • 【テクニカル】
    • 現在の株価657.0円は、52週高値840円、安値562円のレンジにおいて、安値から約34.2%の位置にあり、比較的高値圏からは離れた水準にあります。
    • 移動平均線との関係を見ると、株価は5日移動平均線(656.40円)、25日移動平均線(631.08円)、75日移動平均線(648.95円)を上回っており、短期から中期のトレンドは強気に転換しつつある状況です。
    • しかし、200日移動平均線(685.85円)は下回っており、株価が長期的な上昇トレンドに乗るためには、この200日移動平均線を明確に上抜ける必要があります。
  • 【市場比較】
    • 過去1ヶ月のリターンでは、クロス・マーケティンググループが+8.77%と、日経平均(+6.81%)とTOPIX(+6.55%)をそれぞれ1.97%ポイント、2.22%ポイント上回っています。これは直近で株価が持ち直していることを示唆します。
    • しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期の期間で見ると、日経平均やTOPIXのパフォーマンスを大幅に下回っています。特に1年間のリターンは-13.44%であり、日経平均の+36.32%を大幅に下回る結果となっています。これは、過去1年間の市場全体の好調な動きから取り残されてきたことを示しており、今後の巻き返しが期待される一方、市場の評価が低迷していた期間が長かったことを物語っています。

6. リスク評価

  • 【定量リスク】
    • ベータ値は1.29であり、市場全体の動きに対して約1.29倍の変動性を持つことを示します。市場(日経平均やTOPIXなど)が1%変動した場合、当社の株価は1.29%変動する傾向があるということですので、市場全体に比べてややボラティリティが高い銘柄特性があります。
    • 年間ボラティリティは41.70%であり、株価の変動幅が大きいことを示します。仮に100万円投資した場合、年間で±41.7万円程度の変動が想定され、投資には一定のリスクを伴います。
    • シャープレシオは-0.06であり、リスクに見合うリターンが得られていないことを示します。一般的に1.0以上が良好とされる中、マイナスの値はリスクを取った割には十分な超過リターンが得られていない状況を示唆しています。
    • 最大ドローダウンは-47.14%であり、過去には約半分の価値まで下落した経験があることを示します。この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
  • 【事業リスク】
    • 海外市場の回復遅延と為替変動リスク: リサーチ・インサイト事業の海外売上が直近四半期で大幅に減少しており、グローバル経済の不確実性や地域ごとの競争激化、地政学リスクなどが、今後の海外事業回復を遅らせる可能性があります。また、為替変動が営業外収益・費用に大きな影響を与えることも、業績の安定性を損なう要因となり得ます。
    • 顧客企業予算の変動と競争激化: 主に法人顧客のマーケティング予算や広告費、DX投資計画などに業績が左右されるため、景気変動や顧客企業の業績悪化があった場合、売上や利益が計画を下回るリスクがあります。また、デジタルマーケティング市場は競争が激しく、常に新たなテクノロジーやサービスが登場するため、競争優位性の維持が課題となります。
    • 利益率の改善と人件費上昇: デジタルマーケティング事業は増収傾向にあるものの、利益率は厳しい状況にあります。また、情報通信業界では人材獲得競争が激しく、優秀な人材確保のための人件費上昇は利益を圧迫する可能性があります。Q1の決算でも販管費の増加が利益を押し下げており、効率的な事業運営と利益率改善が喫緊の課題です。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況:
    • 信用買残は1,400,700株と多く、信用倍率は241.50倍と極めて高水準です。これは、将来の株価上昇を期待して信用で買い建てている投資家が多いことを示唆しています。一方で、信用買い残が積み上がっている状態は、将来の売り圧力につながる可能性があるため、注意が必要です。特に、信用売り残が5,800株と非常に少ないことから、買い方が圧倒的に優勢ですが、その反動で株価が下落した場合には投げ売りを誘発しやすくなるリスクがあります。
  • 主要株主構成:
    • 筆頭株主は代表取締役社長兼CEOである五十嵐幹氏が25.89%を保有しており、経営者の高いコミットメントが伺えます。次いで日本カストディ銀行(信託口)が14.93%を保有しており、機関投資家による安定的な保有が一定程度存在します。合同会社generalinvestmentが4.51%、自社(自己株口)が3.6%と続いています。インサイダー保有比率が56.74%と高く、経営陣が会社のコントロールを強く握っている構造です。

8. 株主還元

  • クロス・マーケティンググループは、安定的な配当を継続する方針を示しています。2026年6月期の会社予想では、年間配当金が1株当たり15.00円(中間7.50円、期末7.50円)とされており、現在の株価657.0円に基づくと配当利回りは2.28%となります。
  • 配当性向は会社予想で19.6%であり、利益に対する配当の割合が比較的低めに抑えられています。これは、事業の拡大や新規投資に利益を回すことを優先しつつ、安定的な配当も実施しているという株主還元方針を示唆しています。今後の事業成長が実現すれば、配当のさらなる増額や、配当性向の引き上げも期待できる可能性があります。
  • 現在のところ、大規模な自社株買いの計画に関する具体的な開示情報はありません。

SWOT分析

強み

  • データマーケティングとデジタルマーケティングの両軸で事業展開し、現代のDX需要に対応できる総合力を持つ。
  • 業界平均と比較して非常に割安なバリュエーション(PER、PBR)であり、ROEも高水準を維持し株主資本効率が良い。

弱み

  • 直近の第1四半期決算において、通期予想に対する利益進捗が大きく遅れており、特に営業利益率が低い水準にある。
  • リサーチ・インサイト事業における海外売上が大幅に減少し、成長ドライバーの一つが現状不振。

機会

  • 企業のDX推進やデジタルマーケティングへの移行加速は、中長期的な事業成長の大きな追い風となる。
  • 好調なマーケティングHR事業の拡大や、海外事業の回復による収益機会。

脅威

  • 世界経済の減速や景気変動が、顧客企業の広告・マーケティング予算削減に繋がり、業績に悪影響を及ぼすリスク。
  • デジタルマーケティング分野における競合激化と、新技術への対応能力の維持。

この銘柄が向いている投資家

  • 成長株の割安投資家: 高いROEを維持しながらも、PER・PBRが業界平均より大幅に割安なため、成長性と割安感の両方を求める投資家。
  • 長期的なDX市場成長に期待する投資家: DXやデジタルマーケティング市場の拡大を背景に、企業の変革を支援するビジネスモデルに将来性を感じる投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 直近の利益進捗と通期目標達成度: 第1四半期の利益進捗が低いため、会社が維持する通期予想の達成可能性について、今後の四半期決算で利益回復が見られるかを慎重に評価する必要があります。
  • 海外事業の回復と収益性改善: リサーチ・インサイト事業の海外売上減少要因が一時的なものか、構造的なものかを見極めるとともに、全体的な営業利益率の改善動向を注視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 四半期ごとの営業利益進捗率: 通期予想に対する進捗が計画通りに回復するか。特に第2四半期以降の決算で、利益の回復傾向が明確になるかが重要です。
  • リサーチ・インサイト事業の海外売上高成長率: 海外市場での回復が数字として現れるかを確認します。
  • 全体の営業利益率: 持続的な利益率改善が見られるか、特にデジタルマーケティング事業での採算性が改善されるかに注目すべきです。目標値として営業利益率5%以上の定常的な達成を目指せるかどうかが重要です。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: A
    • 2026年6月期の売上高予想成長率が10.74%であり、評価基準の10-15%の範囲に合致するため、順調な成長が見込まれると評価しました。
  • 収益性: B
    • ROE(実績)は23.27%と非常に高いSレンジですが、営業利益率(過去12か月)が3.04%とDレンジに留まります。両指標のバランスを考慮し、特に営業利益率の低さが全体の評価を押し下げる形でBとしました。高いROEは株主資本の効率的な活用を示唆しますが、売上に対する利益率には改善の余地があります。
  • 財務健全性: B
    • 自己資本比率が50.5%(Aレンジ)、流動比率が238%(Sレンジ)と非常に良好な水準である一方で、Piotroski F-Scoreが3点(Cレンジ)と低めです。F-Scoreの低さは営業利益率の低さなどに起因すると考えられますが、短期・長期の支払い能力は安定しているため、両面を考慮してBと評価しました。
  • バリュエーション: S
    • PERが業界平均の約35.3%、PBRが業界平均の約68.3%と、両指標ともに業界平均の70%以下であるため、評価基準に照らして非常に割安であると判断しました。市場から著しく過小評価されている可能性があり、潜在的な株価上昇余地が大きいと言えます。

企業情報

銘柄コード 3675
企業名 クロス・マーケティンググループ
URL https://www.cm-group.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 657円
EPS(1株利益) 80.03円
年間配当 2.28円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 11.8% 9.4倍 1,319円 15.2%
標準 9.1% 8.2倍 1,014円 9.4%
悲観 5.4% 7.0倍 728円 2.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 657円

目標年率 理論株価 判定
15% 512円 △ 28%割高
10% 639円 △ 3%割高
5% 806円 ○ 19%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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