企業の一言説明
ツクルバ(2978)は、中古・リノベーション住宅流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を展開する成長志向の不動産テック企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高い売上成長性: 中核事業である「cowcamo」が市場拡大を取り込み、直近の売上高は前年同期比74.1%増と非常に高い成長を維持しており、今後も市場成長が見込まれます。
- 収益構造の課題と改善の必要性: 高い売上成長の裏で、粗利率の低下や低い営業利益率、四半期純損失が継続している点は課題です。通期黒字化に向けて、下期での利益改善が不可欠です。
- 割高なバリュエーションと財務健全性への注視: 株価は業界平均と比較してPER・PBRともに割高な水準にあり、高い成長期待が織り込まれています。また、自己資本比率はやや低く、Piotroski F-Scoreも要注意レベルであり、財務体質の改善状況を継続的に監視する必要があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 非常に高い |
| 収益性 | D | 低水準 |
| 財務健全性 | C | やや懸念 |
| バリュエーション | D | 割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 482.0円 | – |
| PER | 32.31倍 | 業界平均の218% |
| PBR | 3.07倍 | 業界平均の153.5% |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | 6.15% | – |
1. 企業概要
株式会社ツクルバ(TSUKURUBA Inc.)は、ITを活用した中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」の企画・開発・運営を主軸とする企業です。収益モデルは主に不動産仲介手数料で構成されており、中古住宅購入からリノベーションまでのワンストップサービスを提供し、顧客のニーズに合わせた住まい選びをサポートしています。この事業モデルは、中古不動産流通市場における情報非対称性の解消と、リノベーション需要の掘り起こしにおいて独自の価値を提供し、市場参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
ツクルバは、中古・リノベーション住宅市場をターゲットとした不動産テック企業として、成長市場で存在感を示しています。競争環境としては、既存の大手不動産仲介業者に加え、他のテクノロジーを活用した不動産サービスプロバイダーが存在します。同社の「cowcamo」は、デザイン性の高いリノベーション事例の紹介や専門コンシェルジュによる手厚いサポートで差別化を図っています。
財務指標では、PER(株価収益率)が32.31倍、PBR(株価純資産倍率)が3.07倍であり、業界平均PER14.8倍、PBR2.0倍と比較して高水準です。これは、同社が高い成長性を期待されている一方で、現在の株価に将来の成長が既に織り込まれている可能性があり、割高と評価される要因となっています。
3. 経営戦略
ツクルバの中期経営計画に関する具体的な修正は公表されておらず、通期業績予想は据え置きです。同社の成長戦略は、主力の「cowcamo」事業のさらなる拡大と深耕に焦点を当てています。具体的には、中古・リノベーション住宅市場の需要を取り込み、プラットフォームの利用者増加と成約件数の向上を目指しています。直近の重要な適時開示としては、2026年7月期第1四半期決算において、売上高が前年同期比で大幅な伸び(+74.1%)を示したことが挙げられます。これは事業規模の急速な拡大を裏付けるものですが、利益進捗については課題を残しています。今後のイベントとしては、四半期ごとの業績発表を通じて、通期予想(特に利益目標)に対する進捗が引き続き注視されます。
【財務品質スコア】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|
| 総合 | 1/9点 | C: やや懸念 |
投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは企業の財務的な健全性と収益性を9つの基準で評価する指標です。7点以上は財務優良、5-6点は普通、4点以下は要注意とされます。ツクルバのスコア1点は「要注意」レベルであり、財務体質において複数の課題を抱えていることを示唆します。
【収益性】
| 指標 | 値 | ベンチマーク | 評価 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|---|
| 営業利益率(過去12か月) | 0.93% | 10.0%以上 | 低い | 売上から販売管理費を引いた本業の利益率。10%以上が望ましい。ツクルバは非常に低く、収益力の改善が急務。 |
| ROE(実績) | 6.15% | 10.0%以上 | 普通 | 株主資本を使ってどれだけ効率的に利益を上げたか。10%以上が一般的な目安だが、達成できていない。 |
| ROA(過去12か月) | 3.40% | 5.0%以上 | 普通 | 企業が総資産をどれだけ効率的に使って利益を上げたか。5%以上が目安だが、改善の余地がある。 |
ツクルバの収益性は、売上高の成長とは対照的に、営業利益率が0.93%と極めて低い水準にあります。ROE(6.15%)とROA(3.40%)も、一般的な優良企業とされるベンチマーク(それぞれ10%、5%)を下回っており、経営効率や収益力の課題が浮き彫りになっています。特に、直近の決算では売上原価の大幅増により粗利率が低下しており、これが利益率を圧迫する主要因となっています。
【財務健全性】
| 指標 | 値 | ベンチマーク | 評価 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|---|
| 自己資本比率(実績) | 29.1% | 40%以上 | やや低い | 総資産に占める自己資本の割合。企業の負債への依存度を示す。40%以上が望ましいが、やや低く、財務基盤の強化が求められる。 |
| 流動比率(直近四半期) | 1.67倍 | 2倍以上 | 普通 | 流動資産を流動負債で割った比率。短期的な支払い能力を示す。2倍以上が理想だが、1.67倍は短期債務返済に十分な流動性を持つ。 |
財務健全性については、自己資本比率が29.1%と、安定的な水準とされる40%を下回っており、負債への依存度がやや高い状況です。ただし、流動比率は1.67倍(167%)と、短期的な債務返済能力は確保されていると言えます。Piotroski F-Scoreが示すように、財務体質には引き続き改善が求められます。
【キャッシュフロー】
四半期キャッシュ・フロー計算書は作成しておらず、詳細なキャッシュ・フロー状況はデータから把握できません。ただし、現金及び預金は直近で1,500,319千円と前期末から減少傾向にあります(約3.67億円減)。このため、営業キャッシュフロー(本業による現金の増減)やフリーキャッシュフロー(自由に使える現金)の健全性は確認できません。
【利益の質】
営業キャッシュフローのデータが開示されていないため、営業CF/純利益比率(本業によって稼いだ現金がどれだけ利益に結びついているかを示す指標)は算出できません。
【四半期進捗】
2026年7月期第1四半期(2025年8月1日~10月31日)の通期予想に対する進捗率は以下の通りです。
- 売上高:2,677,528千円で、通期予想12,000,000千円に対して約22.31%の進捗。売上は順調に推移しています。
- 営業利益:24,926千円で、通期予想370,000千円に対して約6.74%の進捗。売上と比較して利益の進捗が低く、下期での大幅な利益改善が必要となります。
- 親会社株主に帰属する当期純利益:△5,902千円(赤字)。通期予想が170~220百万円の黒字であるため、第1四半期で赤字となっている現状は厳しい進捗状況です。
【バリュエーション】
ツクルバのPER(会社予想)は32.31倍、PBR(実績)は3.07倍です。業界平均と比較すると、PERは業界平均14.8倍の約2.18倍、PBRは業界平均2.0倍の約1.53倍と、どちらも大幅に上回っています。これは、同社が今後も高い成長を続けるという市場の期待が株価に強く織り込まれていることを示しており、現在の株価は純粋な業績や資産価値から見ると「割高」と判断されます。
【テクニカル】
現在の株価482.0円は、52週高値831.0円に対し、52週安値410.0円から17.1%の位置(安値圏)にあります。
- 5日移動平均線(467.80円)を3.04%上回り、短期的な上昇トレンドを示唆しています。
- 25日移動平均線(454.12円)を6.14%上回り、短期的な買い圧力が確認できます。
- しかし、75日移動平均線(495.60円)を2.74%下回っており、中期的な抵抗線となっています。
- 200日移動平均線(600.53円)を19.74%下回っており、長期的な下降トレンドの範囲内にあることを示しています。
全体としては、短期的には回復の兆しが見られるものの、中期・長期的には下落傾向が継続していると判断できます。
【市場比較】
ツクルバの株価パフォーマンスは、日本の主要株価指数である日経平均株価およびTOPIXと比較して、劣後しています。
- 1ヶ月リターンでは、日経平均を0.40%ポイント、TOPIXを1.16%ポイント下回っています。
- 3ヶ月リターンでは、日経平均を19.82%ポイント、TOPIXを大きく下回っています。
- 6ヶ月リターンでは、日経平均を53.33%ポイント、TOPIXを大きく下回っています。
- 1年リターンでは、日経平均を72.84%ポイント、TOPIXを大きく下回っており、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていない状況が示唆されます。
【定量リスク】
- ベータ値: 0.72 (市場全体の動きに比べて株価の変動が小さいことを意味します。リスクが低いと解釈される傾向があります)。
- 年間ボラティリティ: 34.58% (株価の年間の変動幅が大きいことを示します)。
- 最大ドローダウン: -28.23% (過去の一定期間で最も大きな損失率)。
これらの定量データから、仮にツクルバに100万円投資した場合、年間で±34.58万円程度の変動が想定され、過去最悪で28.23万円程度の損失が生じた経験があるため、今後も同程度の変動や下落が起こりうるリスクがあることを理解しておく必要があります。シャープレシオは0.96であり、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言い難い水準です(1.0以上が良好とされる)。
【事業リスク】
- 不動産市況の変動と金利上昇: 主力事業が不動産仲介であるため、住宅ローン金利の動向や不動産価格、景気変動が成約件数や仲介手数料収入に直接的な影響を与えます。特に金利上昇局面では、住宅購入意欲の減退や資金調達コストの増加により、業績が悪化する可能性があります。
- 競争激化と粗利率の低下: 中古・リノベーション住宅市場は成長が期待される一方で、新規参入や既存競合他社のサービス強化による競争激化のリ脅威があります。直近の決算で粗利率が低下したように、価格競争や仕入れコストの増加が収益性を圧迫する可能性があります。
- 規制強化と政策変更: 不動産取引やリノベーションに関する法規制の変更、または住宅政策の変更があった場合、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。消費税率の変動や住宅取得支援策の変更なども、市場環境を大きく変える要因となり得ます。
7. 市場センチメント
信用買残は163,700株、信用売残は0株となっています。信用倍率は0.00倍と表示されていますが、これは信用売残がないため計算上の都合によるものであり、実質的には買い残のみが存在する状況です。このことから、短期的な売り圧力は限定的であるものの、将来的に買い残が解消される際の需給悪化リスクには注意が必要です。
主要株主は、創業者の村上浩輝氏が18.63%と筆頭株主であり、他の共同創業者や投資会社が上位に名を連ねています。インサイダー保有率は61.31%と高く、安定株主が多い一方で、市場での株式の流動性は低い可能性があります。
8. 株主還元
ツクルバは現在、普通株式に対して配当を実施していません(配当利回り0.00%、配当性向0.00%)。2026年7月期においても、年間配当は0.00円の予想です。一方で、種類株式に対しては別途配当を行っていますが、これは一般の個人投資家が保有する普通株式の配当とは異なります。したがって、普通株式の投資家は配当による直接的なリターンは期待できず、主に株価の値上がり益を追求する投資となります。
SWOT分析
強み
- ITを活用した「cowcamo」プラットフォームによる高い集客力と顧客エンゲージメント。
- 中古・リノベーション住宅市場の成長トレンドに乗じた高い売上高成長性を実現。
弱み
- 売上高の成長に比べて、粗利率の低下や営業利益率の低さが目立ち、収益性が脆弱。
- 自己資本比率が低く、Piotroski F-Scoreが要注意レベルであるなど、財務健全性に課題。
機会
- 消費者の環境意識の高まりやコスト意識向上に伴う中古住宅・リノベーション需要の拡大。
- デジタル化の進展により、オンラインでの不動産取引への抵抗感が低下し、プラットフォーム事業の拡張余地が増大。
脅威
- 金利上昇、不動産価格の変動、景気悪化が消費者の住宅購入意欲に影響を与えるリスク。
- 類似サービスを提供する競合他社の台頭や、既存大手プレーヤーのデジタル化加速による競争激化。
この銘柄が向いている投資家
- 高い成長性を追求する投資家: 売上高の急成長を重視し、短期的な利益水準や財務リスクを許容できる投資家。
- 不動産テック市場の将来性に期待する投資家: 中古・リノベーション市場の長期的な拡大トレンドと、テクノロジーによる不動産領域の変革に可能性を見出す投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 利益創出能力の確認: 売上成長に比例した利益成長が実現できるか、粗利率の改善やコストコントロールの動向を慎重に判断する必要があります。
- 財務体質の改善状況: 自己資本比率の向上、キャッシュフローの健全化など、財務基盤の強化進捗を継続的に監視することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率および粗利率: 売上高成長が利益に直結しているかを示す重要な指標であり、改善傾向が見られるか。
- 自己資本比率: 財務健全性の改善を示す上で不可欠な指標であり、着実に上昇しているか。
- 四半期ごとの利益進捗率: 通期予想に対する利益、特に営業利益の進捗が下期偏重となる傾向を解消できるか。
成長性: S
売上高の前年比成長率は約48%と非常に高く、直近の四半期決算でも売上高が前年同期比74.1%増を記録しており、事業の急速な拡大が継続しています。
収益性: D
過去12か月の営業利益率が0.93%、ROEが6.89%と、いずれもベンチマークを大きく下回る水準です。特に営業利益率の低さは、事業の収益構造に課題があることを示唆しています。
財務健全性: C
自己資本比率は29.1%とやや低く、Piotroski F-Scoreも1点と「要注意」レベルですが、流動比率は1.67倍と短期的な資金繰りは確保されています。負債依存度は高いものの、流動性が一定水準あるためC評価としました。
バリュエーション: D
PER32.31倍、PBR3.07倍ともに業界平均(PER14.8倍、PBR2.0倍)を大幅に上回っており、現在の株価は成長期待が強く織り込まれた「割高」な水準にあると評価できます。
企業情報
| 銘柄コード | 2978 |
| 企業名 | ツクルバ |
| URL | https://tsukuruba.com/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 482円 |
| EPS(1株利益) | 14.92円 |
| 年間配当 | 0.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 31.1倍 | 464円 | -0.7% |
| 標準 | 0.0% | 27.1倍 | 404円 | -3.5% |
| 悲観 | 1.0% | 23.0倍 | 361円 | -5.6% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 482円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 201円 | △ 140%割高 |
| 10% | 251円 | △ 92%割高 |
| 5% | 316円 | △ 52%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。