企業の一言説明
セイノーホールディングスは路線トラック輸送を主軸とする国内最大手の総合物流企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 国内最大級の輸送ネットワークと中期計画による収益性改善: 「カンガルー便」で全国を網羅する輸送事業を主軸に多角的な事業を展開し、安定した事業基盤を築いています。PBR1倍超えとROE8.0%以上を目指す中期経営計画のもと、輸送事業では運賃の適正化やM&A効果により収益性が改善傾向にあります。
- 高水準の配当利回り: 4%を超える配当利回りを維持しており、安定的かつ高水準のインカムゲインを求める投資家にとって魅力的な水準を提供しています。
- PBR1倍割れと財務健全性の一部懸念: PBRが1倍を下回る水準にあり、資産価値から見れば割安感がある一方で、流動比率が100%を下回り、財務品質スコア(F-Score)も低評価であるなど、財務健全性には一部改善余地が指摘されます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 順調な拡大 |
| 収益性 | C | 改善余地あり |
| 財務健全性 | D | 要注意 |
| バリュエーション | B | 適正水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2423.0円 | – |
| PER | 16.40倍 | 業界平均13.9倍より割高 |
| PBR | 0.89倍 | 業界平均1.0倍より割安 |
| 配当利回り | 4.22% | – |
| ROE | 4.65% | – |
1. 企業概要
セイノーホールディングスは、路線トラック輸送のパイオニアであり、国内最大手の総合物流企業です。「カンガルー便」を中核に全国に広がる輸送ネットワークを構築し、倉庫を軸としたロジスティクス事業、トヨタ車などの自動車販売、燃料・紙製品などの物品販売、不動産賃貸など多角的に事業を展開しています。長年にわたる輸送ノウハウと全国規模のインフラが強固な技術的独自性であり、効率的な物流サービスを提供することで高い参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
陸運業界、特に路線トラック輸送において最大手の地位を確立しています。全国規模の広範な路線ネットワークとM&Aを戦略的に活用したロジスティクス強化が、競合他社に対する最大の強みです。業界平均との財務指標比較では、同社のPER(会社予想)16.40倍は業界平均13.9倍よりやや高く、PBR(実績)0.89倍は業界平均1.0倍より低い水準にあります。これは、市場が同社の収益性に対してやや将来の期待を込めつつも、資産価値からみた割安感を評価している可能性を示唆しています。
3. 経営戦略
同社は「Roadmap 2028」と称する中期経営計画を推進しており、資本効率を意識した経営として、PBR1倍超の早期実現とROE8.0%以上を目標に掲げています。具体的には、輸送事業の収益力強化、M&Aによる事業領域拡大、DX推進による効率化などを重点施策としています。最近の重要な開示としては、MDロジス社の連結化が輸送事業の売上・利益拡大に大きく寄与し、成長戦略の一環として機能しています。「今後のイベント」として、2026年2月10日に次回の決算発表、2026年3月30日に期末配当の権利落ち日が予定されています。
【財務品質スコア】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|
| Piotroski F-Score | 1/9 | C | やや懸念(F-Scoreは財務健全性を0-9点で評価し、4点以下は"要注意"とされます。現在の1点は、財務状況に一部懸念があることを示唆しています。) |
【収益性】
| 指標 | 値 | ベンチマーク | 評価 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率(過去12か月) | 4.47% | – | 輸送業としては平均的な水準です。 |
| ROE(実績) | 4.65% | 10% | 低い(株主のお金を使ってどれだけ効率的に稼いだかを示すROEは、一般的な目安である10%を下回っており、資本の利用効率に改善余地があります。) |
| ROA(過去12か月) | 2.94% | 5% | 低い(会社の総資産を使ってどれだけ利益を上げたかを示すROAも、一般的な目安である5%を下回っており、資産全体の効率性に改善余地があります。) |
【財務健全性】
| 指標 | 値 | 目安 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率(実績) | 51.5% | 40%以上で安定 | 健全(総資産に占める自己資本の割合が高く、財務基盤が安定していることを示します。) |
| 流動比率(直近四半期) | 0.97 | 100%以上で安全 | ややタイト(企業の短期的な支払い能力を示す流動比率は、100%を下回っており、現金及び短期間で現金化できる資産が短期債務を下回る状態です。資金繰りに注意が必要です。) |
【キャッシュフロー】
| 指標 | 値(百万円) | 状況 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|
| 営業CF(過去12か月) | 52,510 | 潤沢 | 本業の営業活動で安定的に現金を生み出しており、事業が堅調であることを示します。 |
| FCF(過去12か月) | 10,210 | プラス | 営業活動で得た現金から投資に必要な資金を差し引いたフリーキャッシュフローがプラスであり、成長投資や株主還元に充当できる余力があることを示します。 |
【利益の質】
| 指標 | 値 | 評価 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|
| 営業CF/純利益比率 | 2.23 | S (優良) | キャッシュフローが純利益を大幅に上回っており、帳簿上の利益が伴う実態のある現金の流れであることを示します。これは利益の質が高いと評価されます。 |
【四半期進捗】
2026年3月期の通期予想に対する直近の第2四半期累計(中間期)進捗率は、売上高49.0%、営業利益48.2%、純利益48.9%といずれも順調であり、概ね会社計画通りに進捗しています。
【バリュエーション】
| 指標 | 値 | 業界平均 | 判定 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|---|
| PER(会社予想) | 16.40倍 | 13.9倍 | 割高 | 株価が利益の何年分かを示すPERは、業界平均よりも高いため、株価が利益に対して割高な水準にある可能性があります。これは、市場が同社に一定の成長期待や安定性を評価しているためとも考えられます。 |
| PBR(実績) | 0.89倍 | 1.0倍 | 割安 | 株価が純資産の何倍かを示すPBRは、業界平均よりも低く、1倍を下回っています。これは、株価が会社の解散価値を下回っている状態を示し、資産価値から見て割安感があると言えます。 |
【テクニカル】
現在の株価2,423.0円は、52週高値2,444円に非常に近い水準であり、52週レンジ(2,128円~2,444円)の上限92.6%の位置にあります。短・中期移動平均線(5日MA 2,413.20円、25日MA 2,372.40円、75日MA 2,262.71円、200日MA 2,259.74円)を全て上回っており、短期から中期のトレンドは強気を示しています。
【市場比較】
過去1年間のセイノーホールディングスの株価パフォーマンスは+1.96%であり、同時期の日経平均株価+36.32%やTOPIX+35.15%と比較すると大きく下回っています。これは、市場全体の強い上昇トレンドに乗り切れていない状況を示唆しており、相対的な魅力度が低いと判断される可能性があります。
【定量リスク】
- 年間ボラティリティ: 17.22% (株価の年間変動率)
- 最大ドローダウン: -18.92% (過去5年間で最も大きな下落率)
- ベータ値 (5Y Monthly): 0.23 (市場全体の変動に対するセイノーホールディングス株の感応度を示します。1より小さい場合、市場全体の変動よりも価格変動が小さい傾向があります。)
以上の指標から、仮に100万円投資した場合、年間で±17.22万円程度の株価変動が想定されます。また、過去には最大で約18.92万円の評価損を経験する可能性があったことを意味します。ベータ値が低いため、市場全体の変動には比較的影響されにくい傾向があります。
【事業リスク】
- ドライバー不足と「2024年問題」: 陸運業界全体が直面するドライバー不足に加え、2024年4月に適用が開始された働き方改革関連法に基づく労働時間規制強化(いわゆる「2024年問題」)は、輸送能力の制約や人件費上昇圧力となり、同社の収益に影響を及ぼす可能性があります。
- 燃料価格・エネルギーコストの変動: 輸送事業は燃料費の占める割合が大きいため、原油価格などのエネルギーコストが高騰した場合、コスト増に直結し、収益を圧迫する可能性があります。運賃への転嫁が十分にできない場合、利益率が悪化するリスクがあります。
- 自動車販売事業の供給制約・市況変動: 新車の部品供給制約やモデルチェンジ期の販売台数減少など、自動車業界特有の要因が自動車販売事業の業績に影響を与える可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残が303,800株に対し、信用売残は15,700株であり、信用倍率が19.35倍と非常に高い水準です。これは、将来の値上がりを期待する買い方が売り方よりも圧倒的に多い状況を示しており、株価の上昇局面で買い残が重しとなる(将来的に売却され株価を押し下げる)可能性があります。一方、主要株主は自社(自己株口)が17.95%、公益財団法人田口福寿会が13.91%、日本マスタートラスト信託銀行が8.25%と、安定株主が上位を占めているため、株主構成は安定していると評価できます。
8. 株主還元
会社予想配当利回りは4.22%と非常に高く、安定したインカムゲインを求める投資家にとって非常に魅力的な水準です。2026年3月期の年間配当は102円(中間43円、期末59円)を予定しており、これは前年と同額です。会社予想ベースの配当性向は88.4%と高く、利益の大部分を株主への配当に回す方針を示しています。自社株買いに関する直近の発表はデータからは確認できませんでした。
SWOT分析
強み
- 全国最大規模の路線トラック輸送ネットワークと「カンガルー便」という確立されたブランド力。
- 輸送事業に加え、ロジスティクス、自動車販売、不動産など多角的な事業展開による安定した収益基盤。
弱み
- 現在のROE(4.65%)、ROA(2.94%)が中期経営計画の目標値や業界平均を下回る薄利体質。
- 流動比率が100%を下回り、Piotroski F-Scoreも低いため、財務健全性の一部に改善余地。
機会
- M&Aによる事業領域拡大や新規事業開発を通じた物流効率化・サービス強化。
- EC(電子商取引)市場の拡大やサプライチェーン再編に伴うロジスティクス需要の増加。
脅威
- 「2024年問題」によるドライバーの確保難や人件費上昇、輸送コスト増。
- 燃料価格の高騰や景気変動が輸送需要および収益に与える影響。
この銘柄が向いている投資家
- 安定したインカムゲイン(配当)を重視する長期投資家。
- PBR1倍割れの解消や収益性改善に向けた経営努力を評価し、中長期的な株価上昇に期待する価値投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 薄利体質からの脱却とROE8%目標達成に向けた具体的な施策とその進捗を継続的に確認する必要がある。
- 運輸業界全体で喫緊の課題であるドライバー不足や燃料費高騰などのコスト圧力に対し、同社がどのような対応策をとり、収益性を確保していくか、経営戦略を注視すべきである。
今後ウォッチすべき指標
- ROE: 8.0%以上(中期経営計画の目標値)
- 営業利益率: 業界平均を上回る水準への改善、および直近の利益率(4.47%)からの上昇
- PBR: 1.0倍以上(中期経営計画の目標値)
10. 企業スコア(詳細)
- 成長性: A
- 直近12か月の四半期収益成長率(前年比)が19.20%と高く、M&A効果や運賃適正化に加えて通期予想の売上高も10.4%の増収を見込んでおり、事業の拡大が順調に進んでいるため。
- 収益性: C
- ROE 4.65%はベンチマーク(8%以上で良好)を下回り、営業利益率4.47%も輸送業としては平均的ですが、PBR1倍超えとROE8%を目指す中期計画に照らすと、さらなる改善の余地があるため。
- 財務健全性: D
- Piotroski F-Scoreが1点と低く、流動比率も0.97と100%を下回っており、短期的な資金繰りおよび総合的な財務品質に懸念が残るため。ただし自己資本比率は健全な水準です。
- バリュエーション: B
- PBR 0.89倍は業界平均1.0倍を下回っており、資産価値から見れば割安感があります。しかし、PER 16.40倍は業界平均13.9倍より割高であり、割安感と割高感が混在しているため、中間的な評価としました。
企業情報
| 銘柄コード | 9076 |
| 企業名 | セイノーホールディングス |
| URL | http://www.seino.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,423円 |
| EPS(1株利益) | 147.48円 |
| 年間配当 | 4.22円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10.1% | 18.4倍 | 4,402円 | 12.8% |
| 標準 | 7.8% | 16.0倍 | 3,439円 | 7.4% |
| 悲観 | 4.7% | 13.6倍 | 2,524円 | 1.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,423円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,723円 | △ 41%割高 |
| 10% | 2,152円 | △ 13%割高 |
| 5% | 2,715円 | ○ 11%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。