企業の一言説明
ミクロン精密は、研削盤(工作機械)の製造・販売を手掛ける国内大手企業で、心なし研削盤で国内首位の座を占めるグローバルニッチトップ企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 非常に強固な財務基盤: 自己資本比率87%超、流動比率790%超と極めて高く、潤沢な現金預金を保有しており、不確実性の高い事業環境下でも高い安定性を誇ります。
- 独自の技術力と国内首位の地位: 心なし研削盤で国内約4割のシェアを持ち、自動車関連を中心に高精度な研削技術を提供。海外展開も進め、グローバルニッチトップとしての技術的競争力を有しています。
- 為替変動に左右されやすい収益構造と今後の課題: 直近の四半期決算では大幅な為替差益により経常利益・純利益が大きく上振れましたが、営業利益自体は低水準に留まります。発表されている通期予想は減収減益となっており、為替に依存しない実体的な収益力改善が今後の株価を左右する鍵となります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 伸び悩み |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | S | 極めて優良 |
| バリュエーション | D | 割高感 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,128.0円 | – |
| PER | 22.09倍 | 業界平均10.7倍(割高) |
| PBR | 0.71倍 | 業界平均0.7倍(適正) |
| 配当利回り | 0.56% | – |
| ROE | 6.74% | – |
1. 企業概要
ミクロン精密は1958年創業、1961年設立の山形県に本拠を置く研削盤メーカーです。工作機械の一種である研削盤の製造・販売を主軸とし、特に心なし研削盤では国内トップシェアを誇ります。自動車関連部品の製造向けが中心で、高精度な加工技術が強みです。近年は内面研削盤の販売も伸長しており、国内のみならず米国やタイなど海外にも営業拠点を展開し、グローバルに製品を供給しています。収益モデルは研削盤本体の販売が全体の約8割を占め、残りを部品販売が構成しています。
2. 業界ポジション
ミクロン精密は研削盤業界、特に心なし研削盤分野で国内首位(シェア約4割)の地位を確立しています。自動車関連部品加工向けに強みを持つ点が特長です。主要な競合メーカーは国内外に存在しますが、同社の高精度な研削技術と顧客ニーズに合わせた提案力は強みです。一方で、工作機械業界全体は景気変動や設備投資動向に左右されやすく、国内需要は伸び悩みが懸念される一方、外需は堅調ながらも国際情勢に不確実性があります。
バリュエーション面では、PER(会社予想)22.09倍は業界平均10.7倍と比較して割高感がありますが、PBR(実績)0.71倍は業界平均0.7倍とほぼ同水準であり、相対的な割安感があると評価できます。
3. 経営戦略
ミクロン精密の成長戦略の要点としては、高精度な研削盤の技術革新、製品ラインナップの拡充(内面研削盤の育成)、そしてグローバル市場への積極的な展開が挙げられます。特に自動車産業の電化・軽量化ニーズに対応した高精度・高効率加工技術の提供は重要な事業機会です。最近の重要な適時開示として、2026年8月期第1四半期決算短信では、売上高は増収となったものの、営業利益はわずか1百万円に留まりました。一方で、為替差益452.68百万円の計上により、経常利益・純利益が大幅に上振れしました。これにより見かけ上の利益進捗は高くなっていますが、実態としての営業利益の積み上げが今後の課題です。
今後のイベントとしては、2026年8月28日に権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。
4. 財務分析
ミクロン精密の財務状況を以下の表にまとめ、詳細を解説します。
| 項目 | 指標 | 基準・ベンチマーク | 評価 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|---|
| 財務品質スコア | Piotroski F-Score: 1/9 | 7点以上=財務優良 | C: やや懸念 | 財務健全性は高いものの、直近の収益性や効率性に課題が示唆されています。 |
| 収益性 | 営業利益率: 10.89% (過去12ヶ月) | 5-10%以上が目安 | 良好 | 売上に対して営業活動で稼ぐ力が一定水準にあります。 |
| ROE: 6.74% (過去12ヶ月) | 10%以上が目安 | 普通 | 株主資本を使って効率的に利益を出せているかは平均を下回ります。 | |
| ROA: 2.41% (過去12ヶ月) | 5%以上が目安 | 低い | 総資産に対して効率的に利益を出せているとは言えません。 | |
| 財務健全性 | 自己資本比率: 87.4% (実績) | 40%以上が目安 | 極めて優良 | 負債が非常に少なく、安定した経営基盤を持っています。 |
| 流動比率: 797% (直近四半期) | 150-200%以上が目安 | 極めて優良 | 短期的な支払い能力が極めて高く、資金繰りに余裕があります。 | |
| キャッシュフロー | 営業CF: データなし | 常にプラスが理想 | 不明 | 詳細なキャッシュフロー計算書が非開示のため、営業活動による現金の増減は直接確認できませんが、貸借対照表上の現金預金は増加傾向にあります。 |
| FCF: データなし | 常にプラスが理想 | 不明 | 企業が自由に使えるお金の状況は直接確認できません。 | |
| 利益の質 | 営業CF/純利益比率: 算出不可 | 1.0以上=健全 | 算出不可 | キャッシュフロー計算書が非開示のため評価できません。 |
| 四半期進捗 | 売上高進捗率: 18.1% (Q1) | – | – | 通期予想に対して比較的ゆっくりとしたスタートです。 |
| 営業利益進捗率: 0.3% (Q1) | – | – | 営業利益の達成には下期の回復や想定以上の需要が必要となる可能性があります。 | |
| 経常利益進捗率: 85.7% (Q1) | – | – | 為替差益という一時的な要因が大きく寄与しており、実力値とは異なります。 | |
| 純利益進捗率: 86.4% (Q1) | – | – | 経常利益と同様に、為替差益による一時的な上振れが主な要因です。 |
解説:
ミクロン精密の財務は、自己資本比率87.4%、流動比率797%と極めて高く、強固な経営基盤と潤沢な手元資金を有している点が最大の強みです。これは、外部環境の変化や不測の事態にも耐えうる高い財務健全性を示しています。
一方で、収益性に関してはやや課題が見られます。過去12ヶ月の営業利益率は10.89%と一定水準を保っていますが、ROEは6.74%、ROAは2.41%と、資本や資産を効率的に活用して利益を生み出す力は業界平均を下回っています。これは、現預金比率が高く、資産効率が低いことに一因がある可能性があります。
Piotroski F-Scoreが1/9と低いのは、主に収益性(ROA、営業利益率、ROEなど)の項目で点が伸び悩んだためと推測されます。ただし、これは財務の安定性というよりは、効率的な収益確保という観点での評価と解釈できます。
直近の第1四半期決算では、売上高は前年同期比で増加したものの、営業利益はわずか1百万円と低調でした。しかし、営業外収益として為替差益452.68百万円が計上されたことにより、経常利益および四半期純利益は通期予想に対して9割近くまで進捗しており、これが決算サプライズとなりました。この為替差益は一時的な要因であり、今後の業績評価においては、為替に依存しない本業の営業利益の回復が重要となります。
5. 株価分析
【バリュエーション】
ミクロン精密のPER(会社予想)は22.09倍であり、機械セクターの業界平均10.7倍と比較すると約2倍と割高感があります。これは、直近の業績予想が減益となっていること、またはQ1の営業利益が低水準であったことなどが影響している可能性があります。一方で、PBR(実績)は0.71倍であり、業界平均0.7倍とほぼ同水準であり、純資産価値から見ると現在の株価は適正な水準にあると言えます。PBRが1倍を下回る状況は、企業の解散価値よりも株価が低いと見なされることもあります。
目安となる目標株価は、業界平均PER基準では1,739円、業界平均PBR基準では2,104円と算出されており、現在の株価2,128.0円はPBR基準に近い水準です。
【テクニカル】
現在の株価2,128.0円は、52週高値2,382円、52週安値1,262円のレンジにおいて77.3%の位置にあり、年間を通じて高値圏で推移しています。直近の移動平均線を見ると、5日移動平均線(2,171.20円)および25日移動平均線(2,131.32円)を下回っており、短期的な調整局面にあることが示唆されます。しかし、75日移動平均線(1,971.72円)と200日移動平均線(1,741.76円)は依然として上回っており、中長期的な上昇トレンドは維持されていると見ることができます。
【市場比較】
過去1ヶ月のリターンは-2.16%と、日経平均(+7.31%)およびTOPIX(+7.57%)の動きをそれぞれ9.47ポイント、9.73ポイント下回っており、直近では市場全体に劣後しています。しかし、3ヶ月リターンでは+20.91%と、日経平均(+11.16%)を9.75ポイント上回るパフォーマンスを見せています。また、1年リターンも+32.50%と、日経平均(+32.20%)とほぼ同水準であり、TOPIX対比では6ヶ月の劣後が見られるものの、年単位では市場平均並みのパフォーマンスを維持しています。
6. リスク評価
【定量リスク】
ミクロン精密の株価は、以下のリスク指標が示すように、市場全体に比べて変動が小さい傾向にあります。
- ベータ値: 0.11
- 年間ボラティリティ: 37.24%
- 最大ドローダウン: -48.82%
ベータ値0.11は、市場が1%変動した際に、ミクロン精密の株価が約0.11%変動することを示しており、市場全体の動きに比較的連動しない性質を持つことを意味します。
年間ボラティリティ37.24%は、仮に100万円投資した場合、年間で±37.24万円程度の変動が想定されることを示します。過去の最大ドローダウンは-48.82%であり、これは過去最悪期には投資元本が約半分になった経験があることを意味し、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。シャープレシオが-0.43とマイナスであることは、リスクに見合うリターンが得られていない期間があったことを示唆しています。
【事業リスク】
- 為替変動リスク: ミクロン精密は海外売上比率が高く(2025年8月期予想で海外74%)、為替レートの変動が業績に大きく影響を与えます。特に円高に振れた場合、海外での売上減少や利益の目減りが発生する可能性があります。直近の四半期決算では為替差益が利益を押し上げましたが、これは常に正の方向に働くとは限りません。
- 景気変動と設備投資動向: 研削盤は製造業の設備投資に直結する製品であり、顧客である自動車産業をはじめとする製造業の設備投資意欲や景気動向によって受注状況が大きく左右されます。国内外の経済の減速や地政学リスクの高まりは、設備投資の抑制に繋がり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料・部品調達リスク: グローバルサプライチェーンの混乱や原材料価格の高騰は、製造コストの増加や生産の遅延を招き、収益性を圧迫する可能性があります。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が4,600株である一方、信用売残は0株のため、信用倍率は計算上0.00倍となっています。これは、売り方の圧力が現状ほとんどないことを示唆しますが、一方で買い残の今後の動向には注意が必要です。
主要株主構成では、自社(自己株口)が35.88%を保有し最大株主となっています。次いで自社社員持株会(12.85%)、自社取引先持株会(4.02%)と続き、安定株主が多く、経営の安定性に寄与していると考えられます。代表取締役社長である榊原憲二氏も3.9%を保有しています。機関投資家(日本カストディ銀行、日本生命保険など)も一部保有していますが、インサイダー(内部関係者)による保有比率が高いのが特徴です。
8. 株主還元
ミクロン精密の株主還元策は、2026年8月期の配当予想が年間12.00円となっており、現在の株価に基づく配当利回りは0.56%です。これは、他の高配当銘柄と比較すると低い水準です。会社予想EPS96.33円に対する配当性向は、約12.3%と低めに設定されています。
2025年8月期には記念配当が含まれており、年間20.00円(普通配当12.50円+記念配当7.50円)の実績がありました。しかし、2026年8月期の予想には特別配当は含まれていません。自社株買いに関する直近の情報は提供されていませんが、自社(自己株口)保有割合が35.88%と高いことから、過去には積極的に自社株買いを実施していたことが伺えます。
SWOT分析
強み
- 心なし研削盤で国内首位の技術力と市場シェアを確立し、高精度な製品を提供
- 自己資本比率87.4%超、流動比率797%超の極めて強固な財務基盤と豊富な現預金
弱み
- 為替変動に大きく左右される収益構造と営業利益率の低迷
- 2026年8月期の通期業績予想が減収減益となっており、成長性への懸念
機会
- 自動車産業の技術革新(EV化、高効率化)に伴う高精度研削盤の新たな需要
- 東南アジアなどの新興国市場における製造業の設備投資拡大
脅威
- 世界経済の減速や国際情勢の不確実性による設備投資の長期的な抑制
- コモディティ化や競合激化による価格競争の激化
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務基盤を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と潤沢な手元資金は、市場の不確実性の中でも安心感を提供します。
- グローバルニッチトップ企業への投資を検討する投資家: 特定分野での高い技術力と国内トップシェア、海外展開に魅力を感じる投資家。
- PBR1倍割れ銘柄に価値を見出す投資家: PBRが業界平均並みで1倍を下回る水準であり、将来的な企業価値向上に期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 為替変動リスク: 経常利益や純利益が為替差益に大きく依存する傾向があるため、為替レートの動向には常に注意が必要です。
- 本業の収益力改善: 直近の営業利益率が低く、通期予想も減益となっているため、為替に依存しない本業での収益改善が実現できるかを見極める必要があります。
- 低水準の配当利回り: 高い配当を重視する投資家には不向きな可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益: 為替差益を除く本業の収益力改善を示す指標として、四半期ごとの営業利益の推移と通期予想の達成状況。
- 受注残高: 工作機械メーカーの将来の売上を予測するために重要な指標。決算短信での開示が待たれます。
- 為替レート: 海外売上が高いため、円安・円高の動向が業績に与える影響は大きい。
- 自動車産業の設備投資動向: 主要顧客の動向は、研削盤の需要に直結するため、国内・海外の自動車生産や設備投資計画の発表を注視。
成長性: C (伸び悩み)
根拠: 過去5年間の売上高は年によって変動が大きく、2026年8月期の会社予想では減収(前年比-5.4%)を見込んでいます。直近の第1四半期売上高進捗率も18.1%と、通期予想達成にはさらなる加速が必要です。
収益性: A (良好)
根拠: 過去12ヶ月の営業利益率は10.89%と、ベンチマーク(10%)を上回る水準にあり、本業で安定して利益を稼ぐ力があります。ROEは6.74%でベンチマークは下回りますが、営業利益率が良好であるため総合的にA評価とします。
財務健全性: S (極めて優良)
根拠: 自己資本比率は87.4%、流動比率は797%とどちらも極めて高い水準にあり、無借金経営に近い非常に安定した財務体質を誇ります。Piotroski F-Scoreは1点と低いですが、これは収益性の項目で点数が伸び悩んだ結果であり、純粋な財務余力や安全性は非常に優れていると判断できます。
バリュエーション: D (割高感)
根拠: PER(会社予想)22.09倍は、機械セクターの業界平均10.7倍と比較して約2倍と大きく上回っており、割高感があります。PBR(実績)0.71倍は業界平均とほぼ同水準で適正ですが、PERが大きく乖離しているため、総合的に D評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 6159 |
| 企業名 | ミクロン精密 |
| URL | http://www.micron-grinder.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,128円 |
| EPS(1株利益) | 96.33円 |
| 年間配当 | 0.56円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10.6% | 23.4倍 | 3,745円 | 12.0% |
| 標準 | 8.2% | 20.4倍 | 2,910円 | 6.5% |
| 悲観 | 4.9% | 17.3倍 | 2,121円 | -0.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,128円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,449円 | △ 47%割高 |
| 10% | 1,809円 | △ 18%割高 |
| 5% | 2,283円 | ○ 7%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。