企業の一言説明
大東港運は東京港を拠点に、畜産品や冷凍食品を中心とした国際貨物取扱を主力とする中堅港湾運送企業です。国内では鋼材運送も手掛けています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 堅実な収益源と海外事業の成長: 畜産物・冷凍食品を主力とする輸出入貨物取扱事業は安定的な収益基盤を提供し、特に直近では海外事業が大幅な増収と黒字化を達成しており、今後の成長ドライバーとして期待されます。
- 非常に高い財務健全性: 自己資本比率61.9%、ネット有利子負債はマイナス(実質無借金経営)と非常に高い財務健全性を誇り、安定した事業運営の基盤となっています。
- 同業他社比で高いバリュエーション: PER27.66倍、PBR1.90倍と、業界平均と比較して割高な水準にあり、企業価値評価の視点からは投資妙味を見極める必要があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 改善傾向 |
| 収益性 | B | 中堅的 |
| 財務健全性 | A | 高水準 |
| バリュエーション | D | 割高感 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,146.0円 | – |
| PER | 27.66倍 | 業界平均11.8倍 |
| PBR | 1.90倍 | 業界平均0.5倍 |
| 配当利回り | 1.12% | – |
| ROE | 7.52% | – |
1. 企業概要
大東港運株式会社は、1957年に設立された港湾運送を核とする物流企業です。主力は輸出入貨物取扱事業で、特に畜産物や冷凍食品などの食品輸入貨物の取扱いが全体の約8割を占めます。この他、鉄鋼物流事業、海外事業、国内不動産賃貸事業、その他事業を展開する連結企業です。同社は長年にわたり東京港を拠点に事業を展開しており、特に食品物流における専門知識とインフラ、通関ノウハウは独自の強みとして、顧客からの信頼を獲得し参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
大東港運は、東京港を中心とした港湾運送業界において中堅の地位を確立しています。特定の貨物(食品輸入)に強みを持つ点で差別化を図っています。競合企業との比較では、財務健全性は優れているものの、PER27.66倍、PBR1.90倍というバリュエーション指標は、業界平均PER11.8倍、業界平均PBR0.5倍と比較して大幅に高い水準にあります。これは、同社の安定した事業基盤や今後の成長期待が織り込まれている可能性も考えられますが、相対的な割高感は否めません。
3. 経営戦略
同社は中期経営計画「Be Sustainable」の最終年度にあり、計画達成に向けた受注活動を継続しています。直近の決算短信では、海外事業の売上が前年中間期比で66.7%と大幅に増加し、セグメント利益も黒字化を達成しました。また、国内不動産賃貸事業も増収増益を記録しており、事業ポートフォリオの多角化を通じた収益基盤の強化が進んでいます。主要な輸出入貨物取扱事業においても、食品(農産・畜産・水産)の取扱量が増加しており、堅調な推移を見せています。
今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。
4. 財務分析
| 項目 | 値 | ベンチマーク/業界平均 | 評価 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|---|
| 【財務品質スコア】Piotroski F-Score | 2点/9点 | 7点以上=優良、5-6点=普通、4点以下=要注意 | C: やや懸念 | Piotroski F-Scoreは2点/9点満点で「やや懸念」と評価されています。これは、収益性(ROEや営業利益率)が特定の健全性ベンチマークを下回っていることなどが要因と考えられますが、自己資本比率や流動比率は極めて高水準を維持しており、財務基盤は安定していると評価できます。 |
| 【収益性】営業利益率 (過去12ヶ月) | 6.39% | 業種による | 中堅的 | 売上高に対する本業の儲けの割合。業種平均との比較は資料にありませんが、物流業として中堅的な水準です。 |
| 【収益性】ROE (過去12ヶ月) | 7.52% | 10%以上が目安 | 普通 | 株主資本を使ってどれだけ効率良く利益を上げたか。一般的な目安10%を若干下回ります。 |
| 【収益性】ROA (過去12ヶ月) | 3.30% | 5%以上が目安 | 普通 | 会社全体の資産を使ってどれだけ効率良く利益を上げたか。一般的な目安5%を若干下回ります。 |
| 【財務健全性】自己資本比率 (実績) | 61.9% | 40%以上が目安 | 優良 | 総資産に占める自己資本の割合で、高いほど倒産しにくい。非常に健全な水準です。 |
| 【財務健全性】流動比率 (直近四半期) | 181% | 200%以上が目安 | 良好 | 短期的な支払い能力。短期負債を短期資産でどれだけカバーできるか。良好な水準です。 |
| 【キャッシュフロー】営業CF (過去12ヶ月) | 1,180百万円 | プラスが望ましい | 良好 | 本業で稼いだ現金。継続的にプラスであり、事業活動から健全なキャッシュを生み出しています。 |
| 【キャッシュフロー】FCF (過去12ヶ月) | -859.88百万円 | プラスが望ましい | 要確認 | フリーキャッシュフローはマイナスで、本業で稼いだキャッシュを設備投資等に充当してもなお資金が不足している状況ですが、営業CFは堅調なため、積極的な投資の結果と見られます。 |
| 【利益の質】営業CF/純利益比率 | 1.66 | 1.0以上が健全 | 優良 | 会計上の利益がどれだけ現金で裏付けられているか。1.0を大きく上回るため、利益の質は非常に良好です。 |
| 【四半期進捗】通期予想に対する純利益進捗率 | 58.7% (中間期) | 50%程度が目安 | 良好 | 通期予想に対する利益の進捗状況。中間期で約59%と、通期目標に対する達成可能性は高いと判断されます。 |
5. 株価分析
大東港運の株価は現在2,146.0円です。
- バリュエーション: PER(会社予想)は27.66倍、PBR(実績)は1.90倍です。これに対し、業界平均PERは11.8倍、業界平均PBRは0.5倍と大幅に乖離しており、同社の株価は業界平均と比較して割高と判断されます。過去の成長や今後の期待が株価に織り込まれている可能性があります。
- テクニカル:
- 現在の株価は52週レンジ(650円~2,447円)の高値圏83.2%に位置しており、直近で上昇トレンドにあります。
- 移動平均線を見ると、現在の株価は5日移動平均線(2,156.20円)を下回っていますが、25日移動平均線(1,895.08円)、75日移動平均線(1,568.48円)、200日移動平均線(1,055.44円)をすべて大きく上回っており、中長期的に強い上昇トレンドを示しています。
- 特に、200日移動平均線から103.33%も乖離している点は、短期的な過熱感や調整のリスクも示唆しています。
- 市場比較:
- 過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年すべての期間で、日経平均株価およびTOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを記録しており、市場全体と比較して非常に好調な推移を見せています。特に1年リターンは+196.82%と驚異的な伸びを示しています。
6. リスク評価
- 定量リスク:
- ベータ値: 0.26と低く、市場全体の変動に対して株価が連動しにくい傾向があります。
- 年間ボラティリティ: 30.40%と中程度であり、仮に100万円投資した場合、年間で±30.4万円程度の変動が想定されます。
- 最大ドローダウン: 過去の最悪な下落率は-69.15%です。これは、仮に100万円投資した場合、最大で69.15万円の損失が発生したことを意味し、将来も同程度の大きな下落が起こりうるリスクを考慮する必要があります。
- 事業リスク:
- 外部環境変動: 物流業界は燃料費の高騰、人件費上昇、ドライバー不足(2024年問題等)といった構造的な課題に直面しており、これらのコスト増加や輸送能力の制約が収益を圧迫する可能性があります。
- 為替変動リスク: 輸出入貨物取扱が主力であるため、為替変動が輸入コストや海外事業の収益に影響を与える可能性があります。直近の中間決算でも為替差損を計上しています。
- 地政学・貿易政策リスク: 国際的な地政学リスクや各国の貿易政策、通関規制の変更などが、同社の主力事業である国際物流に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残は18,700株である一方、信用売残は0株のため、信用倍率は0.00倍となっています。これは信用取引における売り圧力がないことを示しますが、一方で市場の関心度が低いか、あるいは特殊な状況である可能性も示唆しています。
- 主要株主構成:
- 協友商事 (13.03%)
- 住友倉庫 (8.48%)
- 自社(自己株口) (7.93%)
上位には特定の取引先や事業会社、自社株口が名を連ねており、安定株主が多い構造です。社長の曽根好貞氏も個人で3.62%を保有しています。
8. 株主還元
- 配当: 会社予想の年間配当金は24.00円であり、現在の株価に基づく配当利回りは1.12%です。これは業界水準と比較して特別高い水準ではありません。
- 配当性向: 会社予想EPS77.59円に対する配当性向は29.24%と、一般的な水準(30-50%)と比較してやや控えめですが、企業の成長投資とバランスを取りながら安定的な配当を継続する方針と見られます。
- 自社株買い: データ上、直近での自社株買いの発表はありません。
SWOT分析
強み
- 食品輸入貨物に特化した港湾運送の実績を通じて、専門性と顧客基盤を確立している
- 自己資本比率61.9%と高い財務健全性を持ち、ネット有利子負債もマイナスで安定的な経営基盤がある
弱み
- ROE7.52%、ROA3.30%と収益性が一般的なベンチマークを下回り、資本効率の改善が課題
- 燃料費高騰やドライバー不足など、外部環境の変化に収益が左右されやすい
機会
- 海外事業の好調な成長と黒字化により、新たな収益柱に育つ可能性
- 不動産賃貸事業の安定的な増収が、事業全体の収益を下支えする
脅威
- 国内物流業界における人件費上昇や2024年問題など、構造的なコスト増圧力
- 為替変動や国際貿易政策の変化が、主力である輸出入貨物取扱事業に影響を及ぼすリスク
この銘柄が向いている投資家
- 配当よりも企業の安定性と成長の兆しを重視する中長期投資家: 高い財務健全性と、海外事業や不動産賃貸といった新たな収益源の育成に期待する投資家
- ニッチな市場で強みを持つ企業に関心のある投資家: 特定の貨物(食品輸入)輸送で築いた専門性と安定した顧客基盤を評価する投資家
この銘柄を検討する際の注意点
- バリュエーションの割高感: PER、PBRともに業界平均を大きく上回るため、現在の株価が企業の潜在的な成長を十分に織り込んでいる可能性があり、新規投資を検討する際は慎重な評価が必要です。
- 収益性の持続的改善: 直近の決算では利益進捗が良好ですが、ROEやROAといった資本効率指標はまだ改善の余地があるため、今後の収益性改善が持続するかどうかを継続的に確認することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 四半期ごとのセグメント別業績: 特に海外事業の成長と収益性の推移。
- 燃料費・人件費の動向: 物流コストに直結するため、これらの変動が業績に与える影響。
- ROE・ROAの改善: 資本効率向上に向けた具体的な施策とその効果。
10. 企業スコア(詳細)
- 成長性: B
- 通期売上高予想(2025/3期から2026/3期予想)の成長率は4.41%とC評価に相当しますが、直近四半期の売上高は前年同期比で9.40%増加しており、海外事業の大幅な成長も加味し、改善傾向が見られるためB評価としました。
- 収益性: B
- 実績ROEは7.52%、営業利益率は6.39%であり、一般的なベンチマークであるROE10%や営業利益率10%の水準には達していないものの、堅実に利益を生み出しており、中堅的な収益性を持つと評価できます。
- 財務健全性: A
- 自己資本比率は61.9%と非常に高く、流動比率も181%と良好な水準です。営業キャッシュフローは堅調でネット有利子負債もマイナスであり、非常に安定した財務基盤を有しています。ただし、Piotroski F-Scoreが2/9と低評価であった点は留意が必要です。
- バリュエーション: D
- PER27.66倍は業界平均11.8倍の約2.3倍、PBR1.90倍は業界平均0.5倍の約3.8倍と、大幅に業界平均を上回っており、現在の株価は割高であると判断されます。
重要な注意事項
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- 本レポートに記載されたデータは作成時点のものであり、将来の株価を保証するものではありません。
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企業情報
| 銘柄コード | 9367 |
| 企業名 | 大東港運 |
| URL | http://www.daito-koun.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,146円 |
| EPS(1株利益) | 77.59円 |
| 年間配当 | 1.12円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 2.7% | 29.1倍 | 2,576円 | 3.8% |
| 標準 | 2.1% | 25.3倍 | 2,173円 | 0.3% |
| 悲観 | 1.2% | 21.5倍 | 1,773円 | -3.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,146円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,083円 | △ 98%割高 |
| 10% | 1,353円 | △ 59%割高 |
| 5% | 1,707円 | △ 26%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。