企業の一言説明
パルステック工業は、X線残留応力測定装置、ヘルスケア装置、光応用・特殊機器装置を開発・製造・販売する研究開発型企業です。特にニッチな専門技術を強みとし、産業機器メーカーとして世界各国で事業を展開しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 極めて強固な財務基盤と高い収益性: 自己資本比率76.8%、流動比率631%、過去12ヶ月の営業利益率18.11%を誇り、無借金に近い非常に安定した財務体質と優れた収益力を有しています。
- 主力X線装置事業の堅調な成長: 直近中間期においては、X線残留応力測定装置関連事業が売上・利益ともに大幅な増加を示し、堅調な受注残も確保しており、今後の業績を牽引する中核事業としての役割が期待されます。
- ヘルスケア事業の不確実性と通期目標達成への課題: 研究開発型ゆえの特性として、ヘルスケア装置関連事業の受注・売上が不安定であり、直近中間期では大幅な減収と損失を計上しています。通期業績予想達成には下期でのヘルスケア事業の回復と、X線装置の納品進捗が鍵となります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 堅実な成長 |
| 収益性 | A | 高い収益力 |
| 財務健全性 | S | 極めて優良 |
| バリュエーション | B | 適正水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,270.0円 | – |
| PER | (連)11.50倍 | 業界平均12.9倍 |
| PBR | (連)0.82倍 | 業界平均0.8倍 |
| 配当利回り | 3.52% | – |
| ROE | 10.93% | – |
1. 企業概要
パルステック工業は、1969年設立の研究開発型企業であり、主に電子機器・装置の製造および販売を手掛けています。主力事業は、材料の非破壊検査に貢献するX線残留応力測定装置、医療・ヘルスケア分野向けの装置、光ディスク評価や半導体分野などで使われる光応用・特殊機器装置の3つです。特に、特定のニッチ市場において高い技術的独自性を持ち、世界中に顧客を持つグローバル企業でもあります。収益は、これらの装置販売や受託開発、受託生産によって得られています。技術的な奥深さが新たな参入障壁となり、競争優位性を築いています。
2. 業界ポジション
パルステック工業は、電機・精密機器業界に属し、特にX線、光応用、ヘルスケアといった専門性の高いニッチ市場で独自の地位を確立しています。市場シェアに関する具体的なデータは開示されていませんが、特定分野における高い技術力と実績で差別化を図っています。競合と比較して、研究開発投資による製品開発力と、多様な産業ニーズに対応できるノアウハウが強みです。一方、事業規模の小ささや特定の事業セグメントの不安定性が弱みとなり得ます。現在のPBRは0.82倍と業界平均の0.8倍とほぼ同水準であり、PERは11.50倍と業界平均の12.9倍よりやや低い水準にあり、足元の株価は市場平均と比較して割安感があると評価できます。
3. 経営戦略
パルステック工業は、研究開発型企業として、常に新しい技術や製品の開発に注力しています。中期経営計画として具体的なKGI(主要目標達成指標)は明示されていませんが、直近の決算短信では、X線残留応力測定装置関連事業を「中核成長事業」と位置づけ、積極的に受注・販売拡大を進めていることが伺えます。また、光応用・特殊機器装置関連事業においては、クリーンルームの稼働により半導体向け受託生産を開始するなど、成長市場への積極的な参入も見られます。一方で、ヘルスケア装置関連事業の受託開発案件の一部中止・開始先送りといった変動要因も抱え、事業ポートフォリオの安定化が課題です。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。
財務品質スコア
| 指標 | スコア | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|
| Piotroski F-Score | 4/9点 | B (普通): 財務健全性は標準的であり、特別な懸念はないものの、特筆すべき優良さもありません。 |
財務状況詳細
| 項目 | 値 | ベンチマーク/評価 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 収益性 | |||
| 営業利益率(過去12ヶ月) | 18.11% | 10%以上で良好 | 高い収益性を実現している。 |
| ROE(過去12ヶ月) | 10.93% | 10%以上で良好 | 株主資本を効率的に活用し、収益を上げている。 |
| ROA(過去12ヶ月) | 5.03% | 5%以上で良好 | 総資産を効率的に活用し、収益を上げている。 |
| 財務健全性 | |||
| 自己資本比率(実績) | 76.8% | 40%以上で安定 | 極めて高い自己資本比率で、自己資本で事業運営されている。 |
| 流動比率(直近四半期) | 631% | 200%以上で優良 | 短期的な支払い能力が非常に高く、財務安定性が極めて優れる。 |
| キャッシュフロー | |||
| 営業CF(過去12ヶ月) | 592百万円 | プラスが望ましい | 安定して事業活動からキャッシュを生み出している。 |
| FCF(過去12ヶ月) | 246.25百万円 | プラスが望ましい | 自由に使えるキャッシュがあり、成長投資や株主還元に充てられる。 |
| 利益の質 | |||
| 営業CF/純利益比率 | 1.48 | 1.0以上で健全 | 利益がキャッシュフローに裏付けられており、利益の質が極めて高い。 |
| 四半期進捗 | (通期予想に対する中間実績) | ||
| 売上高進捗率 | 39.3% | (季節性を考慮しつつ確認) | 概ね順調だが、下期での売上集中も想定される。 |
| 営業利益進捗率 | 25.5% | (50%程度が理想) | 利益の進捗がやや遅く、下期での巻き返しが求められる。 |
| 純利益進捗率 | 26.3% | (50%程度が理想) | 利益の進捗がやや遅く、下期での巻き返しが求められる。 |
補足解説
パルステック工業の財務は、極めて高い自己資本比率と流動比率、そして安定した営業キャッシュフローに裏打ちされた強固な基盤を持っています。これは、短期および長期的な財務安定性において非常に優れていることを示しています。収益性指標もROE、ROA、営業利益率ともに良好な水準であり、効率的な経営ができていることが伺えます。また、営業CFが純利益を大幅に上回ることから、利益の質も非常に高いと評価できます。一方で、直近中間期決算における通期利益予想に対する進捗率は低めであり、主にヘルスケア事業の不振が影響しているため、下期の業績回復が通期目標達成の鍵となります。
バリュエーション
| 指標 | 値 | 業界平均 | 業界平均比 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| PER(予想) | 11.50倍 | 12.9倍 | 89.1% | 適正 |
| PBR(実績) | 0.82倍 | 0.8倍 | 102.5% | やや割高 |
パルステック工業のPERは業界平均と比較して約89%とわずかに割安感がある一方、PBRは業界平均とほぼ同水準、わずかに上回っています。これは、株価が企業の実態価値から大きく乖離しているわけではなく、相対的に適正な水準にあることを示唆しています。PBRが1倍を下回っていることから、純資産価値と比較して株価に割安感があるとも見ることができます。
テクニカル分析
現在の株価2,270.0円は、年初来高値2,270.0円を更新しており、過去52週間の最高値に位置しています。
移動平均線との関係を見ると、現在の株価は以下のように全ての移動平均線を上回っており、強い上昇トレンドにあることを示しています。
- 5日移動平均線 (2,198.40円) :+3.26%上回り
- 25日移動平均線 (2,119.00円) :+7.13%上回り
- 75日移動平均線 (2,074.64円) :+9.42%上回り
- 200日移動平均線 (1,900.66円) :+19.50%上回り
直近1ヶ月および3ヶ月のレンジ上限付近で推移しており、需給は強い状態にあると考えられます。
市場比較
パルステック工業の株価パフォーマンスは、直近1ヶ月および3ヶ月においては日経平均株価およびTOPIXを上回っています。これは短期的に市場全体よりも高い注目を集め、優位な動きを見せていることを示唆します。ただし、6ヶ月および1年といった中長期の期間では、市場指数を下回る結果となっています。このことから、足元で良好なパフォーマンスを示しているものの、継続的な市場平均を上回るトレンドが確立されているわけではないと判断できます。
| 期間 | 株価パフォーマンス | 日経平均比 | TOPIX比 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +9.87% | +3.29%ポイント上回る | +3.34%ポイント上回る |
| 3ヶ月 | +14.65% | +5.33%ポイント上回る | データなし(TOPIX直接比較なし) |
| 6ヶ月 | +28.83% | -4.91%ポイント下回る | データなし(TOPIX直接比較なし) |
| 1年 | +30.38% | -1.61%ポイント下回る | データなし(TOPIX直接比較なし) |
定量リスク
パルステック工業のベータ値は0.01と非常に低く、市場全体の変動に対する株価の連動性が極めて低いことを示しています。これは、市場全体が大きく変動しても、同社株価がその影響を受けにくい特性があることを意味します。
年間ボラティリティは25.32%であり、仮に100万円を投資した場合、年間で±25.32万円程度の変動が想定されます。
最大ドローダウンは-31.16%です。これは過去に経験した最も大きな下落率であり、同程度の急落が将来再び発生する可能性も考慮しておくべきでしょう。シャープレシオは-0.61とマイナスであり、リスクに見合ったリターンが十分に得られていないことを示唆しています。
事業リスク (主要な3点)
- ヘルスケア事業の業績変動リスク: ヘルスケア装置関連事業は受託開発案件の特性上、受注の先送りや中止が発生しやすく、直近中間期決算でも売上と利益の減少要因となりました。この事業の不安定性が、今後の連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 海外事業における為替変動リスク: 事業の約11%が海外で展開されており、為替レートの変動は売上や利益に影響を与えます。決算短信でも為替差損の変動が経常利益に影響を与えていることが指摘されており、急激な為替変動は業績の下振れ要因となり得ます。
- 特定の顧客への依存リスク: 主要販売先である日立ハイテクへの依存度が約22.4%(決算短信より)と高く、当該顧客の設備投資計画や事業戦略の変更が、パルステック工業の業績に大きな影響を与える可能性があります。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が29,100株あるものの、信用売残は0株であるため、信用倍率は計算できません。信用売残がないことは、カラ売りによる下押し圧力が足元ではないことを示唆しますが、一方で買い方の需給が偏っている可能性も考えられます。
主要株主構成では、坪井邦夫氏(9.09%)や伊藤克己氏(8.26%)といった個人または創業家関連と見られる株主が上位を占めています。SBI証券が3.68%を保有していますが、機関投資家の保有比率は全体的に低い傾向にあり、個人投資家が株式を多く保有している構造が見受けられます。
8. 株主還元
パルステック工業は、現在の株価2,270.0円に対し、会社予想の1株配当80.00円に基づくと、配当利回りは3.52%となります。これは一般的な水準と比較して魅力的な利回りと言えます。
配当性向は2025年3月期実績で42.3%、2026年3月期予想EPS197.35円に基づく配当性向は、80円/197.35円で約40.5%となる見込みです。これは利益の約4割を配当に回すという、持続可能な範囲で株主還元を重視する姿勢を示しています。直近の決算短信では、前期に特別配当(30円)を実施したとの情報がありましたが、今期の配当予想は普通配当のみとなっています。自社株買いに関する明確な記載は確認できませんでした。
SWOT分析
強み
- X線残留応力測定装置などニッチ市場における高い技術力と専門性
- 自己資本比率76.8%や流動比率631%に裏打ちされた極めて強固な財務基盤
弱み
- ヘルスケア装置事業の受託開発型ビジネスにおける受注・売上の不安定性
- 企業規模が比較的小さく、事業ごとの業績変動が経営全体に与える影響が大きい
機会
- 自動車、鉄鋼、電力などの産業界における非破壊検査需要の継続的な拡大
- 半導体関連装置や先端材料評価など、新たな成長分野での技術応用と市場参入
脅威
- 競合他社による技術革新や価格競争の激化
- 世界経済の景気変動による顧客の設備投資抑制
この銘柄が向いている投資家
- 安定した財務と配当を重視する長期投資家: 高い自己資本比率と流動性、そして堅実な配当政策は、長期的な資産形成を目指す投資家にとって魅力的です。
- ニッチな先端技術に投資したい投資家: 特定分野で高い技術的優位性を持つ企業に投資し、その技術の成長性を期待する投資家に向いています。
この銘柄を検討する際の注意点
- ヘルスケア事業の業績動向: 直近中間期で不振であったヘルスケア事業が、下期以降回復するかどうかは通期業績達成の鍵となります。追加の開示情報や次回の決算を注視する必要があります。
- 市場のトレンドと成長鈍化: 主力事業は堅調に推移していますが、全体としての成長は業界トレンドや景気変動に左右される可能性があります。今後の成長戦略や市場動向を継続的に評価することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- ヘルスケア装置関連事業の受注高と売上高: 特に次期決算において、このセグメントの回復状況を示す具体的な数字と会社コメント。
- X線残留応力測定装置関連事業の新規受注状況: 中核成長事業としての位置づけを維持できるか、継続的な成長が見込めるかを示す指標。
成長性:B
- 根拠: 2026年3月期の通期売上高予想成長率が約6.6%であり、堅実な伸びが見込まれるためB評価とします。直近四半期売上高成長率は21.00%と高いものの、通期予想を重視しました。
収益性:A
- 根拠: 過去12ヶ月のROEは10.93%、営業利益率は18.11%であり、いずれも高い水準を維持し良好な収益力を示しているためA評価とします。
財務健全性:S
- 根拠: 自己資本比率76.8%と流動比率631%と非常に高く、無借金に近い財務体質で極めて高い健全性を誇るためS評価とします。Piotroski F-Scoreは4点ですが、他の指標が圧倒的に優れているためSと判断しました。
バリュエーション:B
- 根拠: PERが業界平均の約89%と比較的に割安感がある一方、PBRは業界平均とほぼ同水準であり、総合的に見て適正なバリュエーションと評価できるためB評価とします。
重要な注意事項
- 「買い」、「売り」といった特定の投資行動を推奨するものではありません。
- 本レポートに記載されたデータは、分析時点のものであり、将来の業績や株価を保証するものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 6894 |
| 企業名 | パルステック工業 |
| URL | http://www.pulstec.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,270円 |
| EPS(1株利益) | 197.35円 |
| 年間配当 | 3.52円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12.5% | 13.2倍 | 4,712円 | 15.9% |
| 標準 | 9.6% | 11.5倍 | 3,597円 | 9.8% |
| 悲観 | 5.8% | 9.8倍 | 2,556円 | 2.6% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,270円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,800円 | △ 26%割高 |
| 10% | 2,248円 | △ 1%割高 |
| 5% | 2,837円 | ○ 20%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。