企業の一言説明

マクセルは電池、機能性部材料、光学・システム、ライフソリューション製品を手掛ける、多角的な事業展開を行う先進技術志向の企業です。近年は全固体電池量産化や車載分野に注力しています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 全固体電池の量産化とその技術力: 次世代電池として期待される全固体電池の量産化を実現しており、将来の成長ドライバーとなる可能性を秘めています。
  • 多角的な事業ポートフォリオと堅実な財務: 電池から部材料、光学、ライフソリューションまで幅広い事業を展開し、安定した収益基盤を持ち、自己資本比率55.5%と財務健全性が高いです。
  • 一時的利益要因と市場環境の変化: 直近の中間決算ではライセンス収入の前倒しが利益を押し上げましたが、これは一時的な要因である可能性があり、米国関税や半導体関連の回復遅延など外部環境リスクに注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 中程度の成長
収益性 B 平均的な収益性
財務健全性 B 比較的良好
バリュエーション S 割安感が高い

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2480.0円
PER 15.29倍 業界平均24.2倍
PBR 1.12倍 業界平均1.6倍
配当利回り 2.02%
ROE 5.66%

1. 企業概要

マクセルは、電池、機能性部材料、光学・システム、ライフソリューションの4つの事業セグメントを展開する製造・販売企業です。主にリチウムイオン電池やマイクロ電池、接着テープ、塗布型セパレータなどの産業用部材、車載用光学部品、半導体関連の組み込みシステム、理美容・健康製品などを提供しています。特に、次世代の全固体電池の量産化を2023年に開始し、車載分野への事業強化を進めるなど、先端技術開発にも注力。日立製作所から独立した歴史を持つ技術志向の企業です。

2. 業界ポジション

マクセルは多岐にわたる事業を展開しており、それぞれの分野で異なる競合と対峙しています。主な17業種区分では「電機・精密」、33業種区分では「電気機器」に位置付けられます。全固体電池の量産化など、特定の技術分野では競争優位性を持つ可能性があります。同社のPERは15.29倍、PBRは1.12倍であり、業界平均PER24.2倍、PBR1.6倍と比較すると、株価には割安感が見られます。これは、多様な事業ポートフォリオを持つ中規模企業としての評価の一端を示唆しています。

3. 経営戦略

マクセルは、中期経営計画「MEX26」に基づき、ポートフォリオ改革と高付加価値戦略を加速しています。具体的には、全固体電池の量産化や車載事業の強化、ヘルスケア・理美容家電などライフソリューション分野への注力により、成長領域への投資を進めています。直近では光学・システム部門でのライセンス収入の前倒しがあり、一時的ながらも収益に貢献しました。

今後のイベント:

  • 2026年1月30日: マクセル株式会社 決算発表予定
  • 2026年3月30日: 配当落ち日

財務品質スコア(Piotroski F-Score)

項目 スコア 投資家向け解釈
総合スコア 2/9 (C) やや懸念(4点以下は要注意水準)

投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは企業の財務的な健全性と収益性を9つの基準で評価する指標です。2点という低いスコアは、営業キャッシュフローの継続的な黒字化や流動比率の健全性といった基本的な項目は満たしているものの、収益性の改善や負債比率の低減、効率性の向上といった面で課題がある可能性を示唆しています。

収益性

指標 ベンチマーク 評価
営業利益率(過去12か月) 8.93% 10%以上が目安 平均的
ROE(過去12か月) 5.66% 10%以上が目安 平均以下
ROA(過去12か月) 3.86% 5%以上が目安 平均以下

解説: 営業利益率はベンチマークに迫るものの、ROEとROAは一般的な目安を下回っています。これは、株主資本や総資産を効率的に活用して利益を生み出す力が、現時点では十分ではないことを示唆しています。

財務健全性

指標
自己資本比率(実績) 55.5%
流動比率(直近四半期) 1.93倍

解説: 自己資本比率が55.5%と高く、企業の財務基盤は安定していると言えます。流動比率も1.93倍と、短期的な支払い能力も良好な水準です。

キャッシュフロー

指標
営業キャッシュフロー(過去12か月) 10,710百万円
フリーキャッシュフロー(過去12か月) 3,680百万円

解説: 営業活動によるキャッシュフローは堅調にプラスを維持しており、本業で安定して現金を稼ぎ出していることが分かります。フリーキャッシュフローもプラスであり、事業活動に必要な投資を行いつつも、手元に現金を残せる健全な状態です。

利益の質

指標 評価
営業CF/純利益比率 2.04 S (優良)

解説: 営業キャッシュフローが純利益の2倍以上と非常に高い水準にあり、利益の質は極めて優良です。これは、会計上の利益が実際の現金の流入を伴っており、粉飾決算などのリスクが低いことを示します。

四半期進捗(2026年3月期第2四半期)

項目 進捗率(通期予想比)
売上高 47.4%
営業利益 50.6%
純利益 60.5%

解説: 売上高と営業利益の進捗率は概ね通常の中間期ペースですが、純利益の進捗率が60%を超えているのは好調に見えます。ただし、決算短信には光学・システムのライセンス収入前倒しなど一時的な要因が寄与したと明記されており、今後の推移には注意が必要です。

バリュエーション

指標 業界平均比 判定
PER(会社予想) 15.29倍 業界平均24.2倍 割安
PBR(実績) 1.12倍 業界平均1.6倍 割安

解説: PERは株価が利益の何年分かを示す指標で、一般的に業界平均より低いほど割安とされます。PBRは株価が純資産の何倍かを示す指標で、1倍未満は解散価値を下回るとされます。マクセルのPERとPBRはともに業界平均を下回っており、割安感が高いと判断できます。特にPBRは1倍台前半で、株価が企業の持つ資産価値に比較的近い水準にあることを示唆しています。

テクニカル

項目
現在株価 2,480.0円
52週高値 2,548円
52週安値 1,476円
52週レンジ内位置 93.7%
5日移動平均線 2,420.20円 (上回り 2.47%)
200日移動平均線 2,023.13円 (上回り 22.58%)

解説: 現在の株価は52週高値に近く、レンジ上限を試す強い上昇トレンドにあることが分かります。全ての主要移動平均線を上回っており、短期から長期にわたる買い圧力が強い状況です。

市場比較

項目 マクセル 日経平均 TOPIX 相対パフォーマンス(マクセル-市場指数)
1ヶ月リターン +2.06% +6.59% +6.54% 日経平均を4.53%ポイント下回る / TOPIXを4.48%ポイント下回る
3ヶ月リターン +17.15% +9.31% データなし 日経平均を7.83%ポイント上回る
6ヶ月リターン +35.89% +33.74% データなし 日経平均を2.15%ポイント上回る
1年リターン +30.53% +32.00% データなし 日経平均を1.47%ポイント下回る

解説: 短期的(1ヶ月)には市場指数を下回っていますが、中長期的(3ヶ月、6ヶ月)には日経平均を上回るパフォーマンスを見せています。1年リターンでは日経平均とほぼ同水準であり、比較的堅調な推移を示していると言えます。

定量リスク

指標
ベータ値(5Y Monthly) 0.33
年間ボラティリティ 31.95%
最大ドローダウン -44.91%
年間平均リターン -20.09%

解説: ベータ値0.33は、市場全体が1%変動した際に、マクセルの株価が平均して0.33%変動することを示唆しており、市場全体に対する感応度が低い(ディフェンシブな)銘柄であると言えます。年間ボラティリティが31.95%であるため、仮に100万円投資した場合、年間で±31.95万円程度の株価変動が想定されます。最大ドローダウン-44.91%は過去最悪の下落率を示し、このような下落が今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。シャープレシオが-0.64とマイナスであり、リスクに見合うリターンが得られていないことを示唆しています。

事業リスク

  • 為替変動リスク: マクセルは海外売上比率が比較的高く (海外51%)、為替レートの変動が業績に大きく影響する可能性があります。特に、米ドルに対する為替変動は、輸入コストや輸出競争力、そして海外子会社の業績換算に影響を与えます。
  • 国際貿易政策・関税リスク: 健康・理美容製品が米国関税の影響で減収しているように、主要市場における貿易政策の変更や関税措置の導入・拡大が特定の事業セグメントの収益を圧迫する可能性があります。
  • 半導体関連市場の変動: 光学・システム事業で半導体関連製品を手掛けており、半導体市場の回復遅延や需要変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

7. 市場センチメント

信用買残136,000株、信用売残15,600株に対し、信用倍率は8.72倍です。これは、買い残が売り残を大きく上回っており、将来の株価上昇を期待する投資家が多いことを示唆しています。需給面では、将来の買い圧力に比べ売り圧力が限定的であり、信用期日を睨んだ買い戻し需要が発生しにくい状況にあると言えます。

主要株主構成(上位3社):

  • 日本マスタートラスト信託銀行 (13.40%)
  • ステート・ストリート・バンク&トラスト505001 (8.38%)
  • 自社(自己株口) (8.07%)

主要株主には信託銀行などの機関投資家が多く名を連ねており、安定株主が一定数いると考えられます。

8. 株主還元

マクセルの配当利回りは2.02%であり、配当性向(会社予想ベース)は約30.8%です。これは一般的な企業の配当性向(30-50%)と比較してやや控えめな水準ですが、企業の成長投資と株主還元をバランス良く行おうとする姿勢がうかがえます。自社株買いについては、現時点で開示はありません。なお、自己株式は業績連動型株式報酬制度により信託保有分が含まれています。

SWOT分析

強み

  • 全固体電池の量産化など、次世代技術開発と多様な事業ポートフォリオを持つ技術力。
  • 自己資本比率55.5%と流動比率1.93倍に裏打ちされた堅実な財務健全性。

弱み

  • ROEが5.66%、ROAが3.86%と、株主資本や資産を効率的に活用して利益を生み出す力が平均を下回る。
  • 一部事業(価値共創事業)が特定の外部環境(米国関税)に強く影響を受け、業績の足かせとなる可能性。

機会

  • 全固体電池の実用化と車載市場の成長が、新たな収益源となる可能性。
  • アジア市場での売上増など、地域特性を活かした事業拡大の余地。

脅威

  • グローバル経済の減速や地政学リスクによる為替変動、原材料価格の高騰。
  • 米国関税措置の継続や半導体関連需要の回復遅延など、国際市場の不確実性。

この銘柄が向いている投資家

  • 技術革新と中長期的な成長に期待する投資家: 次世代電池である全固体電池の量産化など、長期的な視点で企業の技術力と成長可能性を評価する投資家には魅力があります。
  • 財務の安定性を重視する投資家: 自己資本比率が高く、営業キャッシュフローも安定しているため、企業の倒産リスクや経営の不安定さを懸念する投資家には安心感があります。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 一時的な利益要因の影響評価: 直近の中間決算ではライセンス収入の前倒しが利益を押し上げましたが、これが一時的なものか、継続性があるかを見極める必要があります。通期計画達成に向けた第3四半期以降の業績推移を慎重に観察することが重要です。
  • 外部環境リスクへの感応度: 米国関税や半導体需要の変動、為替変動など、グローバルな外部環境リスクが業績に影響を与える可能性が高いため、これらの動向を継続的にモニタリングする必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 全固体電池の事業進捗と市場拡大状況: 量産化開始後の具体的な受注状況や売上への貢献度、市場シェアの拡大が成長性を測る上で最も重要な指標です。
  • セグメント別収益性の改善: 特にROAやROEが低水準であるため、各事業セグメントにおける収益性改善(営業利益率向上など)の取り組みとその効果。
  • 為替変動の影響と対策: 外貨建て取引が多いことから、為替変動が業績に与える影響と、企業が講じるヘッジ等の対策。

成長性:B (中程度の成長)

根拠: 直近の四半期売上高成長率が8.40%(前年同期比)、2026年3月期通期予想売上高成長率は対2025年3月期比で約5.16%と、5%から10%の範囲で推移しています。これは、企業の安定的な成長を期待できる水準ですが、高成長とは言えないため中程度の成長を示すB評価となります。

収益性:B (平均的な収益性)

根拠: ROE(過去12か月)は5.66%、営業利益率(過去12か月)は8.93%です。評価基準に照らし合わせると、ROEが8-10%または営業利益率が5-10%の範囲に該当するため、平均的な収益性としてB評価としました。効率性の改善余地があることを示唆しています。

財務健全性:B (比較的良好)

根拠: 自己資本比率は55.5%と高く、流動比率も1.93倍と良好な水準です。しかし、Piotroski F-Scoreが2/9点と「やや懸念」とされる水準であり、総合的に判断してB評価としました。個別の指標は優れていても、F-Scoreが示すように一部に課題がある可能性を考慮しました。

バリュエーション:S (割安感が高い)

根拠: PER(会社予想)15.29倍は業界平均24.2倍の約63%であり、PBR(実績)1.12倍は業界平均1.6倍の約70%です。PER/PBRともに業界平均の70%以下に該当するため、株価は市場や同業他社と比較して割安感が高いと判断し、S評価としました。


企業情報

銘柄コード 6810
企業名 マクセル
URL https://www.maxell.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,480円
EPS(1株利益) 162.29円
年間配当 2.02円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 19.1倍 3,103円 4.7%
標準 0.0% 16.6倍 2,698円 1.8%
悲観 1.0% 14.1倍 2,411円 -0.5%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,480円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,347円 △ 84%割高
10% 1,682円 △ 47%割高
5% 2,122円 △ 17%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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