企業の一言説明

ハーバー研究所は自然派化粧品を中心に製造販売する、通信販売を主体とする中堅企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 極めて高い財務健全性: 自己資本比率70%超、流動比率300%超、潤沢なネットキャッシュを誇り、財務基盤は非常に強固です。
  • 業績の回復と収益構造改善: 過去の営業赤字から脱却し、コスト削減と海外卸売の効率化により利益が回復傾向にあります。
  • 割安なバリュエーション: PERは業界平均を下回り、PBRは1倍を大きく下回っており、純資産価値から見ても割安感があります。

主要なリスク・注意点

  • 売上成長と新規顧客獲得の課題: 通期売上目標の達成には下期の販売回復が不可欠であり、新規顧客獲得の鈍化が懸念されます。
  • 市場競争と消費トレンド: 化粧品業界の競争は激しく、消費者ニーズの変化や原材料価格の変動が収益に影響を及ぼす可能性があります。
  • 低い出来高と集中した株主構成: 出来高が少なく、大株主による保有比率が高いことから、流動性が低く、需給による株価変動リスクがあります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 鈍化傾向
収益性 B 回復途上
財務健全性 S 極めて優良
バリュエーション A やや割安

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,727.0円
PER 13.61倍 業界平均15.9倍
PBR 0.73倍 業界平均0.7倍
配当利回り 2.32%
ROE 8.99%

1. 企業概要

ハーバー研究所は、「無添加主義」を理念に掲げる自然派化粧品メーカーです。スキンケア製品を主力とし、特にスクワランオイルは同社の代表製品として知られています。通信販売を収益の柱としつつ、百貨店、直営店、ECプラットフォーム、ドラッグストア、バラエティストア、海外卸など多角的な販売チャネルを展開。自然派志向の顧客層に対し、品質と安全性を重視した製品を提供することで、独自のブランド価値を構築しています。

2. 業界ポジション

ハーバー研究所は、化粧品業界において「自然派・無添加」というニッチ市場で確固たる地位を築く中堅企業です。特定のブランドコンセプトに支持基盤を持つ点が強みですが、市場全体では大手化粧品メーカーとの販売力やブランド認知度で差があります。競合他社と比較して、通信販売および海外卸売に強みを見出している一方、国内の店舗販売(直営店)は再編を進めるなど、事業構造の変革期にあります。
財務指標を見ると、PER(株価収益率)は13.61倍で業界平均の15.9倍を下回っており、利益面から見てやや割安と評価できます。PBR(株価純資産倍率)は0.73倍で業界平均の0.7倍とほぼ同水準であり、純資産価値に対しては適正水準ながら1倍割れの状態が継続しています。

3. 経営戦略

ハーバー研究所は、第2次中期経営計画(2026-2028期)に基づき、経営基盤の強化と事業拡大を推進しています。具体的には、人的資本への投資強化、収益構造の改善、製品開発力の一層の強化、そして顧客接点の拡大を戦略の要点としています。
直近の重点施策としては、不採算直営店舗の閉鎖や移転・刷新による店舗販売チャネルの再編を進め、効率的な運営体制への移行を図っています。また、新規顧客獲得施策の見直しや新商材の投入、ポイント制度「クラブハーバー」の改定を通じて、顧客生涯価値(LTV)の向上を目指しています。2026年4月1日には連結子会社のハーバーコスメティクス株式会社を吸収合併し、物流から販売までの一連のプロセスを効率化し、経営基盤の強化を図る予定です。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。

【財務品質スコア】Piotroski F-Score

項目 スコア 投資家向け解釈
総合スコア 2/9 (C) やや懸念(財務状況に改善の余地)

投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性や収益力を9つの項目で評価する指標です。2点という低いスコアは、企業の財務状況に何らかの課題が存在する可能性を示唆しており、「要注意」の領域と判断されます。特に収益性や効率性に関する項目での評価が低いことが、このスコアの主要因となっています。

【収益性】

指標 過去12か月実績 前年同期 ベンチマーク 評価
営業利益率 6.61% -1.52% (2024/3通期) 5-10% (B) 回復途上
ROE 8.99% -56.32% (2024/3通期) 10%以上 (A) やや低め
ROA 4.51% -17.22% (2024/3通期) 5%以上 (A) やや低め

解説: ハーバー研究所の過去12か月の営業利益率は6.61%であり、前年の赤字から大きく改善しています。これはコスト削減や販売効率の向上によるものであり、収益構造改善の兆しが見られます。しかし、ROE(株主資本利益率)8.99%とROA(総資産利益率)4.51%は、一般的な目安とされる10%や5%には届いておらず、株主資本および総資産の効率的な活用にはまだ改善の余地があると言えます。過去数期間の赤字から黒字への転換期にあるため、今後の継続的な収益性向上が期待されます。

【財務健全性】

指標 直近実績 ベンチマーク 評価
自己資本比率 72.3% 40%以上 (A) 極めて優良
流動比率 375% 200%以上 (A) 極めて優良

解説: 自己資本比率は72.3%と非常に高く、流動比率も375%と極めて高水準です。これは負債が少なく、手元に潤沢な現金や換金性の高い資産を保有していることを示しており、企業の財務体質が極めて健全であることを強く裏付けています。短期的な債務返済能力にも全く問題がなく、経営の安定性は非常に高いと評価できます。

【キャッシュフロー】

指標 過去12か月実績
営業CF 15.6億円
FCF 9.69億円

解説: 営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)は15.6億円と堅調なプラスを維持しており、本業でしっかりと資金を稼ぎ出せていることを示しています。フリーキャッシュフロー(FCF)も9.69億円と十分なプラスであり、事業活動から得られた資金が、投資活動を行った後でも手元に残る余裕があることを意味します。この安定したキャッシュフローは、将来の事業拡大や株主還元、借入返済など、経営の選択肢を広げる上で重要な基盤となります。

【利益の質】

指標 過去12か月実績 評価 投資家向け解釈
営業CF/純利益比率 2.01 S (優良) キャッシュフローが利益を大幅に上回る

解説: 営業CF/純利益比率が2.01と1.0を大きく上回っていることは、会計上の純利益以上に、実際に企業の手元に現金が残っていることを示します。これは「利益の質が高い」と評価でき、粉飾決算などの懸念が少なく、信頼性の高い利益計上を行っている健全な証拠となります。

【四半期進捗】

項目 2026年3月期通期予想 中間期実績 進捗率
売上高 12,550百万円 5,550百万円 44.2%
営業利益 500百万円 257百万円 51.5%
純利益 480百万円 188百万円 39.2%

解説: 2026年3月期通期予想に対する中間期の進捗率は、営業利益が51.5%と順調に進捗している一方で、売上高は44.2%、純利益は39.2%とやや遅れが見られます。ハーバー研究所の収益は下期型という性質があるものの、特に売上高においては、下期での販売回復および新規顧客獲得施策の成果が通期目標達成の鍵となります。営業利益が好調なのはコスト抑制策が奏功しているためと見られますが、売上成長のモメンタムを維持できるかが今後の注目点です。

【バリュエーション】

指標 現在値 業界平均 判定 投資家向け解釈
PER 13.61倍 15.9倍 割安 株価が利益の約13.6年分。業界平均より低く割安の可能性。
PBR 0.73倍 0.7倍 適正〜割安 株価が純資産の約0.73倍。1倍未満は解散価値を下回る状態。

解説: ハーバー研究所のPERは13.61倍と、化学セクターの業界平均15.9倍を下回っており、利益水準から見て割安感があります。PBRは0.73倍と、業界平均0.7倍と概ね同水準ながら、1倍を下回っています。PBRが1倍未満ということは、企業の純資産価値と比較して株価が低く評価されている状態を示し、資産価値の面からも割安であると判断できます。これは、現状の収益性や成長性に対する市場の期待が低いこと、あるいは資本効率改善への潜在的な期待がまだ十分織り込まれていないことを示唆している可能性があります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 解釈
MACD 中立 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 過熱・売られすぎ判断

解説: 現在、MACDとRSIともに「中立」の状態を示しており、株価は短期的に特定の方向性を持ったトレンドや、買われすぎ・売られすぎといった過熱感は確認できません。これは、現時点では明確な買いまたは売りのシグナルが発生していないことを意味します。

【テクニカル】

現在の株価1,727.0円は、52週高値1,888円と安値1,520円のレンジの中央やや上(56.2%の位置)にあります。移動平均線との関係を見ると、株価は直近の5日移動平均線(1,735.00円)を下回っていますが、25日移動平均線(1,704.08円)、75日移動平均線(1,679.89円)、200日移動平均線(1,694.76円)はいずれも上回っています。これは、短期的な調整局面にあるものの、中長期的には上昇トレンドまたは安定した推移を維持している可能性を示唆しています。

【市場比較】

ハーバー研究所の株価パフォーマンスは、日経平均株価およびTOPIXといった主要市場指数と比較して、全ての期間(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年)において下回っています。特に、日経平均やTOPIXが大幅に上昇している局面においても追随できておらず、市場全体の上昇トレンドの恩恵を十分に受けていない現状がうかがえます。これは、投資家の期待が市場全体の成長株や大型株に集中していることや、同社の過去の業績不振が評価の重石になっている可能性があります。

【定量リスク】

指標 投資家向け解釈
ベータ値(5Y Monthly) 0.24 市場全体の変動に対し株価の感応度が低い
年間ボラティリティ 20.63% 株価の変動幅
シャープレシオ 0.58 リスクに見合うリターンがやや低い
最大ドローダウン -19.55% 過去最悪の下落率

解説: ベータ値が0.24と非常に低い水準であるため、市場全体の動きに株価が連動しにくい、比較的ディフェンシブな特性を持つ銘柄と言えます。年間ボラティリティは20.63%ですので、仮に100万円投資した場合、年間で±20.6万円程度の変動が想定されます。シャープレシオが0.58と1.0を下回っているため、リスクを取った割には十分なリターンが得られていない可能性があります。最大ドローダウンは過去に-19.55%を記録しており、投資する際は同程度の下落リスクを考慮しておく必要があります。

【事業リスク】

  • 市場競争と新規顧客獲得の課題: 化粧品市場は競争が激しく、ブランド力やマーケティング戦略が収益に直結します。通信販売や直営店における新規顧客獲得の鈍化は、売上成長の足かせとなる可能性があります。
  • 原材料価格・為替変動リスク: 自然派化粧品は特定の原材料への依存度が高く、原材料価格の変動がコスト構造に影響を与えます。また、海外売上が増加傾向にあるため、為替レートの変動(特に円高)が海外事業からの収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 国内消費の動向と店舗戦略: 国内の個人消費の低迷は、百貨店向け卸売や直営店売上に影響を与えます。不採算店閉鎖などの店舗戦略が期待通りの収益改善と再成長に繋がるか、継続的な動向が事業リスクとなり得ます。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残が25,600株ある一方で、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍と算出されています。これは、株価が上昇すると利益確定売りが出る可能性のある買残が存在するものの、実際の需給バランスは把握しにくい状況です。しかし、出来高が非常に少ないため、少量の売買でも株価が大きく変動するリスクがある点には注意が必要です。
主要株主構成は、公益財団法人小柳財団が33.9%、自社(自己株口)が3.9%、小柳東子氏(個人)が2.8%を保有しており、創業家やその関連財団による安定株主比率が高いことが特徴です。これにより経営の安定性は高いものの、市場に流通する株式(浮動株)が少ないため、流動性が低い一因となっています。

8. 株主還元

ハーバー研究所は、安定的な配当を継続する方針を示しています。会社予想による年間配当金は40.00円であり、現在の株価に対する配当利回りは2.32%です。配当性向は会社公表ベースで約31.5%となる見込みであり、利益の約3割を株主還元に充てる妥当な水準と言えます。直近では自社株買いに関する開示はなく、配当が主な株主還元策となっています。

SWOT分析

強み

  • 極めて高い自己資本比率と流動比率に裏打ちされた盤石な財務基盤。
  • 「無添加主義」という明確なブランドメッセージと忠実な顧客層。
  • 本業で安定したキャッシュフローを生み出す、利益の質の高さ。

弱み

  • 過去の業績不振から回復途上にあり、収益性(ROE、ROA)がベンチマーク未満。
  • 新規顧客獲得の鈍化と通信販売の成長力維持、直営店売上縮小の課題。
  • 市場全体と比較して株価パフォーマンスが劣後しており、市場からの評価がまだ低い。

機会

  • 海外市場(特に中国向け卸売)における販売チャネルの最適化と拡大。
  • 中期経営計画に基づく経営基盤強化と事業効率化による収益力向上。
  • PBR1倍割れの状態からの資本コストや株価を意識した経営改善による評価向上。

脅威

  • 国内化粧品市場の成熟化と競合による価格競争の激化。
  • 原材料価格の高騰や為替市場の変動がコスト増加に繋がるリスク。
  • 国内の個人消費の先行き不透明感や百貨店需要の回復遅延。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定志向の長期投資家: 高い財務健全性と安定的な配当を重視し、企業の持続可能性を評価する層。
  • 業績回復期待のバリュー投資家: 過去の不振から黒字転換し、今後PBR1倍回復や収益性改善による株価の再評価を期待する層。
  • 低ベータ銘柄に関心のある投資家: 市場全体の変動に左右されにくい、比較的ディフェンシブな特性を持つ銘柄を探している層。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 売上の下期回復が通期目標達成の鍵: 中間期決算で売上進捗が想定より低いため、今後の新規顧客獲得施策や販促活動の成果に注目が必要です。
  • 市場の評価改善には時間が必要: 過去の業績不振の解消と収益性の継続的な向上が、PBR1倍割れ状態からの脱却と市場評価回復のために不可欠です。
  • 流動性の低さと株主構成: 出来高が少ないため、大量売買時には価格変動が大きくなる可能性があります。また、大株主による保有比率が高い点も考慮に入れる必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 四半期ごとの売上高成長率: 特に通信販売と海外卸売部門の成長が、全体の業績を牽引できるか。
  • 営業利益率とROEの改善傾向: コスト削減効果と資産効率向上が定着し、ベンチマーク水準に近づいているか。
  • 新規顧客獲得コストとLTV(顧客生涯価値): 新規マーケティング施策の投資対効果がどれだけ改善しているか。

成長性: C (鈍化傾向)

過去12か月の四半期売上高成長率は4.90%であり、2026年3月期の通期予想売上高伸び率も+4.0%程度と緩やかな水準に留まっています。中期的な成長戦略はあるものの、現状の数値は目安となる5%以上の成長を継続的に達成しているとは言えず、今後の売上成長の加速が課題です。

収益性: B (回復途上)

過去12か月のROEは8.99%、営業利益率は6.61%です。ROE、ROAともに目安となる10%や5%には届いていないものの、前年の営業赤字や大幅な最終赤字から黒字へと転換・回復している途上にあります。コスト削減の成果は出始めており、ここからの収益性向上が期待されます。

財務健全性: S (極めて優良)

自己資本比率72.3%、流動比率375%と非常に高水準であり、有利子負債も少ないため、極めて安定した財務基盤を誇ります。手元資金も潤沢であり、短期・長期ともに資金繰りの懸念は皆無です。Piotroski F-Scoreは2点と低いですが、これは過去の赤字計上による会計的な評価基準に影響されたものであり、実質的なキャッシュフローや資本構成は堅固です。

バリュエーション: A (やや割安)

PER(会社予想)13.61倍は業界平均15.9倍の約85.6%であり、利益水準から見てやや割安と評価されます。PBR(実績)0.73倍は業界平均0.7倍とほぼ同水準ながら、1倍を下回る水準であり、純資産価値から見ても割安感があります。市場の評価がまだ低い状態であり、今後の業績改善や資本効率改善によって再評価される余地を持っています。


企業情報

銘柄コード 4925
企業名 ハーバー研究所
URL http://www.haba.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,727円
EPS(1株利益) 126.93円
年間配当 2.32円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 19.9% 15.7倍 4,915円 23.4%
標準 15.3% 13.6倍 3,517円 15.4%
悲観 9.2% 11.6倍 2,277円 5.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,727円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,757円 ○ 2%割安
10% 2,195円 ○ 21%割安
5% 2,770円 ○ 38%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.17)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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