企業の一言説明
NTNは、ベアリングおよび等速ジョイント(CVJ)を主要事業とする、ハブベアリングで世界首位、等速ジョイントで世界第2位のグローバル自動車部品メーカーです。
投資判断のための3つのキーポイント
- 世界トップクラスの技術と市場シェア: ハブベアリングで世界首位、等速ジョイントで世界第2位という非常に高い市場競争力を持つ製品群を有しています。自動車産業の変動に左右されやすいものの、その基盤は非常に強固です。
- 収益構造の改善への取り組み: 近年、売価転嫁や徹底した変動費・固定費の削減、生産再編などにより、売上が減少する中でも営業利益は着実に改善傾向にあります。フリーキャッシュフローもプラスを維持しており、一時的な損失を除けば本業でキャッシュを創出する力はあります。
- 通期純利益の赤字予想と財務健全性: 2026年3月期の通期純利益は赤字予想であり、自己資本比率も比較的低い水準にあります。収益改善の途上にある企業として、財務状況とマクロ経済環境(特に自動車市場の動向、為替)には継続的な注意が必要です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 低い |
| 収益性 | D | 低い |
| 財務健全性 | D | 要注意 |
| バリュエーション | S | 割安 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 382.6円 | – |
| PER | — | 業界平均16.6倍 |
| PBR | 0.84倍 | 業界平均1.4倍 |
| 配当利回り | 2.88% | – |
| ROE | -9.57% | – |
1. 企業概要
NTNは1918年創業の日本の大手機械部品メーカーです。主要事業は「軸受(ベアリング)」と「CVJアクスル(等速ジョイント)」の製造・販売で、連結事業での売上構成比は軸受他が41%、CVJアクスルが59%を占めます(2025年3月期データ)。特に自動車セグメントに強く、ハブベアリングでは世界トップシェア、等速ジョイントでは世界第2位のシェアを誇ります。グローバルに事業を展開し、海外売上比率は74%(2025年3月期データ)。世界中で培った高度な技術力と豊富な製品ラインナップが強みであり、自動車から産業機械、航空宇宙、医療機器まで幅広い分野に製品を供給しています。
2. 業界ポジション
NTNは、日本を代表するベアリング大手3社の一角を占めるグローバル企業です。自動車向けの等速ジョイント(CVJ)では世界シェア2位、ハブベアリングでは世界トップの地位を確立しており、特定の分野において極めて高い競争優位性を持っています。主要な競合他社と比較しても、特に自動車向け製品における技術力とグローバル供給体制は強みですが、近年は自動車産業の大きな変革期にあり、電動化への対応や地政学リスクへの対応が課題となっています。
財務指標では、PBR(株価純資産倍率)が0.84倍と、業界平均の1.4倍を大きく下回っており、純資産価値と比較して株価が割安である可能性を示唆しています。PER(株価収益率)は当期純利益が赤字予想のため算出できませんが、PBRを見る限り、市場からは厳しく評価されている状況であると言えます。
3. 経営戦略
NTNは中期経営計画「DRIVE NTN100 Final」に基づき、生産再編とコスト削減(SQCCD強化:Safety, Quality, Cost, Delivery, Development)を継続しています。特に、営業利益率の改善とキャッシュフローの創出に力を入れており、売価転嫁と変動費・固定費削減によって収益性の向上を目指しています。
最近の重要な適時開示としては、2026年3月期の第2四半期(中間期)決算短信で、売上高は前年同期比で減収となったものの、営業利益は29.3%増益、中間純利益は前年同期の赤字から黒字転換を達成しました。しかし、通期純利益予想は依然として赤字を見込んでおり、下期における特定の費用計上や為替動向、自動車OEM需要の弱含みなどを慎重に織り込んでいる可能性が高いです。
今後のイベント:
- 2026年2月3日: NTN Corporation 決算発表日 (Earnings Date)
- 2026年3月30日: 配当落ち日 (Ex-Dividend Date)
【財務品質スコア】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 1/9 | C: やや懸念 |
| 収益性スコア | 1/3 | – |
| 財務健全性スコア | 0/3 | – |
| 効率性スコア | 0/3 | – |
投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは、0点から9点で企業の財務品質を評価する指標です。NTNのスコアは1/9であり、財務状況にはやや懸念があることを示しています。特に、収益性の安定性、財務健全性、資産効率性において改善の余地が大きいと判断されます。
【収益性】
| 指標 | 値 | ベンチマーク | 評価 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率(過去12ヶ月) | 2.90% | – | 低い |
| ROE(過去12ヶ月) | -6.64% | 10.0% | 低い(赤字) |
| ROA(過去12ヶ月) | 1.85% | 5.0% | 低い |
解説: 過去12ヶ月の営業利益率は2.90%と低水準にあり、企業の本業での稼ぐ力に課題があります。ROE(自己資本当期純利益率)は-6.64%、ROA(総資産当期純利益率)は1.85%と、ベンチマーク(ROE 10%以上、ROA 5%以上)を大幅に下回っており、株主資本や総資産を効率的に活用して利益を創出できていない状況です。ただし、中間決算では営業利益率が3.2%に改善しており、収益改善の兆しは見られます。
【財務健全性】
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 自己資本比率(実績) | 27.2% |
| 流動比率(直近四半期) | 1.24倍 |
解説: 自己資本比率は27.2%と、一般的に健全とされる40%以上の水準を下回っており、財務基盤の強化が課題です。流動比率は1.24倍(124%)と、短期的な支払い能力の目安とされる200%には届かないものの、一般的な事業運営においては許容範囲といえる水準です。総有利子負債は3,545億円と大きいですが、手元現金も1,388億円あり、実質的な有利子負債は2,157億円程度となります。
【キャッシュフロー】
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 営業CF(過去12ヶ月) | 59,150百万円 |
| FCF(過去12ヶ月) | 36,750百万円 |
解説: 過去12ヶ月で営業キャッシュフローは591.5億円、フリーキャッシュフローは367.5億円と、本業で安定してキャッシュを創出できています。これは、企業が事業活動を通じて資金を生み出す力があることを示しており、設備投資や債務返済に充当できる余力があることを意味します。中間期単体でも営業CFは前年同期比で大幅に増加しており、キャッシュフロー面での改善が顕著です。
【利益の質】
| 指標 | 値 | 判定 |
|---|---|---|
| 営業CF/純利益比率(過去12ヶ月) | -3.18倍 | B (普通(赤字だがキャッシュフロー創出)) |
解説: 営業活動によるキャッシュフロー(591.5億円)が、純利益(-185.8億円)を上回る…というよりは、純利益が赤字であるにも関わらず、本業でのキャッシュフローはプラスを維持しています。これは、会計上の利益と実際の資金の動きに乖離があることを示唆しますが、現金を創出する力自体は存在するため、「赤字だがキャッシュフローは創出できている」と評価できます。
【四半期進捗】
| 項目 | 中間実績 | 通期予想 | 進捗率 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 402,256百万円 | 805,000百万円 | 50.0% | 計画通り |
| 営業利益 | 12,865百万円 | 26,000百万円 | 49.5% | 計画通り |
| 純利益 | 3,100百万円 | -4,000百万円 | 赤字予想に対し中間黒字 | 要確認 |
解説: 2026年3月期の第2四半期(中間期)実績は、売上高、営業利益ともに通期予想に対し約50%の進捗率であり、概ね計画通りに推移しています。特筆すべきは、中間純利益が31億円の黒字を達成しているにもかかわらず、通期純利益が40億円の赤字予想となっている点です。これは、下期に事業再編費用、減損損失、為替差損などの特別な損失計上や事業環境の悪化を織り込んでいる可能性があり、今後の推移を注意深く見守る必要があります。
【バリュエーション】
| 指標 | 値 | 業界平均 | 判定 |
|---|---|---|---|
| PER(会社予想) | — | 16.6倍 | 評価不能(赤字予想) |
| PBR(実績) | 0.84倍 | 1.4倍 | 割安 |
解説: 現在のPBR(株価純資産倍率)は0.84倍と、業界平均の1.4倍と比較して割安な水準にあります。これは、企業の純資産価値と比較して株価が低く評価されていることを示唆しており、将来的な業績回復次第で株価の上昇余地があると考えられます。一方で、PER(株価収益率)は通期純利益が赤字予想のため算出できない状況です。これは、市場が現状の利益創出能力に対して懸念を抱いていることを反映している可能性がありますが、本業の収益改善が実現すれば、PERも評価可能な水準に戻ると期待されます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 解釈 |
|---|---|---|
| MACD | 中立 | 短期的な売買シグナルは発生していません |
| RSI | 中立 | 株価の過熱感や売られすぎを示す強いシグナルはありません |
解説: 現在、MACDとRSIともに「中立」の状態であり、短期的な株価のトレンド転換や過熱感、売られすぎといった強いテクニカルシグナルは出ていません。
【テクニカル】
現在の株価(382.6円)は、52週高値(387円)に近く、年初来レンジの約97.6%の位置にあります。これは、株価が高い水準にあることを示しています。
- 5日移動平均線(381.30円)を0.34%上回り、短期的な上昇傾向を示唆しています。
- 25日移動平均線(369.85円)を3.45%上回り、中期的な上昇トレンドにあることを裏付けています。
- 75日移動平均線(361.33円)を5.89%上回り、中期的な支持線として機能しています。
- 200日移動平均線(295.92円)を29.29%上回っており、株価は長期的な上昇トレンドに乗っていると判断できます。
【市場比較】
NTNの株価は、直近1ヶ月では日経平均をわずかに下回っていますが、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期の期間では、日経平均およびTOPIXをアウトパフォームしています。特に6ヶ月、1年間のリターンは日経平均を15%ポイント以上上回っており、市場全体と比べて高いパフォーマンスを示しています。これは、企業の具体的な収益改善努力や、市場からの回復期待が株価に反映されている可能性を示唆しています。
6. リスク評価
【注意事項】
⚠️ PBRが1倍未満で通期純利益が赤字予想であるため、バリュートラップ(割安に見えても業績回復が見込めず、株価が上昇しない状態)の可能性に注意が必要です。信用倍率は0.98倍と低い(信用売残の方が多い)ため、将来の売り圧力に関する懸念は限定的です。
【定量リスク】
| 指標 | 値 |
|---|---|
| ベータ値(5年_月次) | 0.46 |
| 年間ボラティリティ | 32.80% |
| 最大ドローダウン | -49.55% |
| シャープレシオ | -0.17 |
| 年間平均リターン | -5.07% |
解説: ベータ値が0.46と1を下回るため、市場全体の変動と比較して株価は比較的安定している傾向があります。しかし、年間ボラティリティは32.80%と高く、株価が大きく変動するリスクも持っています。仮に100万円投資した場合、年間で±32.8万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-49.55%であり、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。シャープレシオがマイナスであることは、リスクを取ったにもかかわらず、リスクの量に見合うリターンが得られていないことを示唆しています。
【事業リスク】
- 自動車市場の需要変動: 主力である自動車向け部品の売上比率が高いため、自動車生産台数の変動、EV化の進展に伴う部品構成の変化、米国通商政策などが業績に直接的な影響を与える可能性があります。
- 為替変動と原材料価格高騰: グローバルに事業を展開しているため、為替レートの変動は海外売上高や収益に大きく影響します。また、原材料価格の高騰は製造コストを押し上げ、利益率を圧迫する要因となります。
- 地政学的リスクとサプライチェーン: 海外での生産・販売拠点が多く、各国の政治・経済情勢、貿易摩擦、サプライチェーンの混乱などが事業運営に影響を及ぼす可能性があります。特に欧州での事業再編コストが既に発生しており、今後の推移が注視されます。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が882,100株、信用売残が900,500株であり、信用倍率は0.98倍と1倍を下回っています。これは信用売り残の方が信用買い残よりも多い状態を示しており、将来のショートカバー(空売りの買い戻し)による株価上昇の可能性はありますが、直ちに強い買い圧力があるわけではありません。
主要株主構成では、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が14.75%で筆頭株主、次いで日本カストディ銀行(信託口)4.69%、明治安田生命保険4.01%が上位を占めています。機関投資家の保有割合が高く、安定株主が一定数存在しています。
8. 株主還元
NTNの配当利回り(会社予想)は2.88%です。年間配当予想は11.00円(中間5.50円、期末5.50円)であり、株主への還元意欲は維持されています。しかし、2026年3月期の通期純利益予想が赤字であるため、配当性向は算出できません(理論上はマイナスまたは極端な高水準となる)。過去の配当性向履歴を見ると、業績が振るわない時期には配当性向がマイナスとなることもありましたが、業績改善期には30~50%台で推移してきました。現時点では利益に対する配当の持続性について注意が必要です。自社株買いに関するデータは提供されていません。
SWOT分析
強み
- ハブベアリング世界首位、等速ジョイント世界2位の市場シェアと技術力を持つ
- 生産再編とコスト削減により、営業利益が着実に改善傾向にある
弱み
- 自己資本比率が低く、財務健全性に課題がある
- 2026年3月期の通期純利益が赤字予想で、利益安定性が低い
機会
- 自動車産業の技術変化(EV化など)に対応するための新技術・製品開発
- 世界的なサプライチェーンの再構築による生産効率向上・コスト競争力強化
脅威
- 自動車市場の需要変動や米国通商政策による影響
- 原材料価格の高騰や為替変動が収益を圧迫する可能性
この銘柄が向いている投資家
- 割安感と業績回復期待でリスクを取れる投資家: PBRが業界平均より割安で、本業の収益改善が進んでいることから、回復局面での株価上昇を期待する投資家。
- 長期的な視点でグローバル部品メーカーの回復を狙う投資家: 世界トップクラスの製品を持つ自動車部品メーカーが、構造改革を通じて中長期的に安定成長を目指す戦略を評価する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 通期純利益の赤字予想: 中間期は黒字であったにも関わらず、通期で赤字を計画している点は、下期に大きな損失計上を想定している可能性があり、今後の会社説明や決算発表を注意深く確認する必要があります。
- マクロ経済環境の変化: 自動車市場の動向、為替相場の変動、原材料価格の推移など、外部環境が業績に与える影響が大きいため、最新の経済ニュースや業界動向を継続してウォッチすることが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率の継続的な改善: 中間期の改善傾向が通期で維持され、さらに上昇するかに注目(目標値: 5%以上)。
- 自己資本比率の改善: 財務基盤強化に向けた自己資本比率の動向(目標値: 40%以上)。
- 通期純利益予想の黒字転換: 会社が通期純利益を黒字に修正できるかに注目。
成長性: D (低い)
根拠: 2026年3月期の通期売上高は8,050億円の予想で、前年(8,255億円)から減収となる見込みであり、直近の売上高成長率はマイナスです。営業利益は改善傾向にあるものの、全体としての事業規模の拡大が見られず、成長性の観点からは低評価となります。
収益性: D (低い)
根拠: ROE(実績)は-9.57%と大幅な赤字であり、過去12ヶ月の営業利益率も2.90%と3%未満です。これはROEが5%未満かつ営業利益率3%未満という低評価基準に該当します。事業再編やコスト削減による改善努力は見られますが、依然として収益性の水準は低いと判断されます。
財務健全性: D (要注意)
根拠: 自己資本比率は27.2%と40%未満であり、流動比率も1.24倍(124%)と200%未満です。Piotroski F-Scoreも1点と非常に低い水準であり、総合的に見て財務健全性は低いと評価せざるを得ません。負債が多く、支払い能力や財務基盤には課題があります。
バリュエーション: S (割安)
根拠: PBR(実績)が0.84倍であり、業界平均の1.4倍と比較して大幅に割安な水準にあります(業界平均の70%以下)。PERは赤字予想のため評価できませんが、純資産に対する株価が低く評価されている点は、業績回復時の株価上昇余地が大きいと判断できるため、PBR基準でS評価となります。
企業情報
| 銘柄コード | 6472 |
| 企業名 | NTN |
| URL | http://www.ntn.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.17)」によって自動生成されました。
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