企業の一言説明
セルシードは世界初の細胞シート工学技術の実用化を目指す東京女子医科大学発のバイオベンチャーで、独自の細胞シート再生医療技術の開発を主軸に、再生医療支援事業も展開するグロース市場上場企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 独自の細胞シート再生医療技術への期待と開発動向: 同種軟骨細胞シートなど、世界をリードする細胞シート再生医療の事業化に向けた開発が進行中であり、その臨床試験の進捗状況と成果は将来の成長を左右する最大の要因です。
- 継続する多額の研究開発投資と慢性的な赤字経営: 再生医療製品の開発には莫大な時間と資金が必要であり、セルシードは現状、多額の研究開発費を投入し続け、慢性的な赤字が続いています。資金調達の動向と治験の成果が事業継続の鍵となります。
- バイオベンチャー特有のハイリスク・ハイリターン特性と財務上の課題: 高い成長期待からPBRは極めて高い水準を示す一方で、継続企業の前提に重要な疑義が示されており、現金預金の減少も続いています。革新的な技術の成功による大きなリターンの可能性と、事業化遅延や資金枯渇によるリスクが隣り合わせの状況です。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | D | 成長鈍化・赤字拡大 |
| 収益性 | D | 著しい赤字 |
| 財務健全性 | B | 注意喚起あり |
| バリュエーション | D | 割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 316.0円 | – |
| PER | —倍 | 業界平均算出不可 |
| PBR | 8.41倍 | 業界平均3.5倍 |
| 配当利回り | 0.00% | – |
| ROE | -40.00% | – |
1. 企業概要
セルシードは2001年に東京女子医科大学発のバイオベンチャーとして設立され、温度応答性細胞培養器材「UpCell」等の独自技術を用いた細胞シート工学の応用により、再生医療の研究開発・事業化を進めています。主力は同種軟骨細胞シート「CLS2901C」の開発といった細胞シート再生医療事業と、細胞培養器材の販売や製造受託(CDMO)を行う再生医療支援事業です。独自の細胞シート積層技術は、患者自身の細胞だけでなく他者の細胞(同種細胞)を用いた治療の可能性を広げ、拒絶反応を抑制しながら患部に機能的な組織を再生させるという、高い技術的独自性と潜在的な参入障壁を有しています。
2. 業界ポジション
セルシードは、革新的な細胞シート技術を有する点で再生医療分野におけるユニークなポジションを確立していますが、売上規模はまだ小さく、市場シェアに関する具体的なデータは得られていません。同社が属するバイオテクノロジー業界は、医薬品製造や医療機器開発とは異なり、長期にわたる研究開発期間と多額の投資、そして成功不確実性が高いという特徴があります。特に再生医療分野は黎明期にあり、多くの企業がパイプライン(新薬候補)開発段階にあります。競合に対する強みは、世界をリードする細胞シート工学技術と、大学との緊密な連携による高度な研究開発力です。一方で、事業化に至るまでの時間と資金が最大の弱みであり、大手製薬企業のような潤沢な資金力を持ちません。業界平均との財務指標比較では、PERは赤字のため算出不能ですが、PBRは8.41倍と、精密機器業界平均の3.5倍(データ提供値)を大きく上回っており、市場からの高い将来期待が株価に織り込まれていることを示唆しています。
3. 経営戦略
セルシードの経営戦略は、主要な事業化目標である「同種軟骨細胞シート(CLS2901C)の早期事業化」に集約されます。現在、CLS2901Cの第III相試験準備と治験開始に向けた活動を最優先課題として推進しており、東海大学との治験条件合意など進展が見られます。しかし、会社側は中期経営計画の主要KPIである早期事業化について「現状は道程を示す段階には至っていない」と表明しており、目標達成は未確定の状況です。この課題解消のため、会社は事業提携や共同開発の推進、そして新株予約権の行使などによる資金調達を重視しています。最近の重要な適時開示としては、2026年1月14日にクオリプスと細胞培養器材に関する取引基本契約を締結したことが挙げられます。これは再生医療支援事業の強化に繋がり得る動きですが、中核の細胞シート再生医療事業の動向に注目が集まります。
4. 財務分析
| 項目 | 値 | 解釈 |
|---|---|---|
| 【財務品質スコア】Piotroski F-Score | 1/9 (C) | やや懸念(特に収益性と効率性に課題) |
| 【収益性】 | ||
| 営業利益率(過去12か月) | -569.70% | 大幅な営業損失(開発投資が先行) |
| ROE(実績/過去12か月) | -40.00% / -71.66% | 株主資本活用効率が著しく低い(赤字のため) |
| ROA(過去12か月) | -33.81% | 総資産活用効率が著しく低い(赤字のため) |
| 【財務健全性】 | ||
| 自己資本比率(実績/直近四半期) | 88.5% / 78.3% | 高い水準だが、継続企業の前提に疑義あり |
| 流動比率(直近四半期概算) | 約728% | 短期支払能力は非常に高い |
| 【キャッシュフロー】 | ||
| 営業CF(過去12か月) | -817,000千円 | 営業活動によるキャッシュ流出大 |
| FCF(過去12か月) | -580,630千円 | キャッシュの流出が継続(投資活動を賄いきれていない) |
| 【利益の質】 | ||
| 営業CF/純利益比率 | D | 要注意(赤字であり、営業キャッシュフローも大幅なマイナス) |
| 【四半期進捗】 | ||
| 売上高進捗率(25年12月期3Q) | 約81.6% | 通期予想に対し高めの進捗 |
| 営業損失進捗率(25年12月期3Q) | 約79.3% | 通期予想に対し損失も大きく進捗 |
| 純損失進捗率(25年12月期3Q) | 約77.6% | 通期予想に対し損失も大きく進捗 |
【財務品質スコア】
Piotroski F-Scoreは1/9点と「C:やや懸念」と評価されます。これは、特に収益性がマイナスであること、および効率性の指標が低いことに起因します。このスコアは、バイオベンチャーのように開発先行型で収益化前の企業にとっては、低く出やすい傾向がありますが、投資家にとっては財務状況を注意深く観察すべき指標となります。
【収益性】
セルシードは、過去12か月の営業利益率が-569.70%、ROEが-71.66%、ROAが-33.81%と、全ての指標で大幅なマイナスを計上しています。これは、再生医療製品の開発に多額の研究開発費(2025年12月期第3四半期累計で578,340千円、前年同期比+27.2%)を投じているためです。研究開発型企業においては、収益化までの先行投資フェーズで赤字が続くことは珍しくありませんが、現在の収益性はベンチマーク(ROE 8%以上、ROA 5%以上、営業利益率 5%以上)を大きく下回っており、事業の確実な収益化が喫緊の課題であることを示しています。
【財務健全性】
自己資本比率は直近の実績で88.5%、2025年12月期第3四半期末で78.3%と非常に高い水準を維持しており、数値上は安定しているように見えます。流動比率も約728%と短期的な支払い能力は高い状態です。しかしながら、会社は継続して「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している」と開示しており、現金及び預金が前期末比で約7.64億円減少しています。負債比率は約27.0%と低いものの、継続的な資金調達とその使途に注意が必要です。
【キャッシュフロー】
過去12か月の営業キャッシュフローは-817,000千円、フリーキャッシュフローも-580,630千円と、いずれも大幅なマイナスとなっています。これは営業活動によって現金が生み出されるどころか、大規模に流出していることを示しており、研究開発投資の資金を外部からの調達に大きく依存している状況です。キャッシュフローが悪化しているため、利益の質も「D:要注意」と評価されます。
【四半期進捗】
2025年12月期第3四半期累計の業績は、売上高65,260千円(前年同期比▲52.8%)に対し、四半期純損失は849,511千円(前年同期比損失拡大約25.0%)となりました。通期予想に対する進捗率を見ると、売上高は約81.6%と高めですが、営業損失は約79.3%、純損失も約77.6%と、損失についても大きく進捗しています。これは、通期での赤字拡大を見込む会社予想に沿った動きであり、今後の業績回復には大幅な改善が必要です。
5. 株価分析
【バリュエーション】
現在の株価316.0円に対し、PERは赤字のため算出できません。PBRは8.41倍(単独実績)と、精密機器業界平均の3.5倍と比較して大幅に割高な水準にあります。これは、バイオベンチャー特有の将来の成長期待が強く織り込まれているためと考えられます。PBRを業界平均に合わせた場合の目標株価は202円と算出されており、現在の株価はそれを大きく上回っています。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 解釈 |
|---|---|---|
| MACD | 中立 | 短期的なトレンドに明確な方向性は見られない |
| RSI | 中立 | 株価の過熱感や売られすぎ感は中立的 |
MACDとRSIは共に中立を示しており、短期的な売買トレンドに明確なシグナルは出ていません。
【テクニカル】
株価316.0円は、52週高値742円と比較して低く、52週安値231円に近い水準(52週レンジ内位置16.6%)にあります。移動平均線を見ると、現在株価は5日移動平均線(312.80円)と25日移動平均線(277.00円)を上回っていますが、75日移動平均線(348.43円)と200日移動平均線(442.85円)を下回っています。これは、短期的に見ればリバウンドの兆しが見られるものの、中期~長期的な下落トレンドの中に位置している可能性を示唆します。
【市場比較】
直近1ヶ月のリターンは+29.51%と、日経平均(+8.77%)およびTOPIX(+7.27%)を大幅に上回るパフォーマンスを示しました。しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年の長期スパンでは、日経平均やTOPIXの好調なパフォーマンスを大きく下回っています(例: 1年リターンは-20.60%に対し日経平均+37.40%)。これは、一時的な反発はあったものの、全体としては市場平均に比べて劣後している状況を表しています。
6. リスク評価
【注意事項】
⚠️ 信用買残3,886,300株、信用売残は0株となっており、将来的に信用取引の買い残が売り圧力となる可能性に注意が必要です。
【定量リスク】
セルシードの年間ボラティリティは91.91%と非常に高く、株価が大きく変動するリスクがあることを示しています。ベータ値は1.04で、市場全体の動きにほぼ連動するものの、その変動幅は市場よりも大きい可能性があります。最大ドローダウンは-81.37%と過去に大きな下落を経験しており、仮に100万円投資した場合、年間で±91.91万円程度の変動が想定される極めてリスクの高い銘柄と言えます。シャープレシオは0.33と低く、リスクに見合うリターンが得られていない状況を示しています。
【事業リスク】
- 治験・開発の遅延または失敗リスク: バイオベンチャーの最大の事業リスクは、開発中の再生医療製品(特に同種軟骨細胞シートCLS2901C)の臨床試験が想定通りに進まず、遅延したり、最終的に承認が得られなかったりする可能性です。これは、業績予想の前提が崩れ、資金繰りの悪化に直結します。
- 資金調達リスク: 慢性的な赤字経営が続いており、新たな再生医療製品の開発には多額の資金が必要です。現金及び預金残高も減少傾向にあり、今後の資金調達が計画通りに進まない場合、事業継続に支障をきたす可能性があります。会社も「継続企業の前提に関する注記」を開示しており、継続的な資金確保が重要となります。
- 海外市場・地政学的リスク: 再生医療支援事業において、海外(米国・欧州・中東)での販売が低迷しており、米国の研究環境変化や欧州・中東の地政学的混乱が影響しています。グローバル市場への展開を目指す上で、このような外部環境の変化は事業の成長機会を阻害する要因となります。
7. 市場センチメント
信用買残は3,886,300株に対して信用売残は0株となっており、信用倍率は計算上0.00倍となります。この状況は、信用買いが一方的に膨らむ可能性や、将来的な潜在売り圧力となり得ることへの注意が必要です。発行済株式数約3556万株に対し、信用買残が約389万株あることを踏まえると、一定の需給要因として意識される可能性があります。主要株主は楽天証券(1.87%)、松井証券(0.73%)、小熊雄二氏(0.62%)など、特定の筆頭株主が存在しない状況であり、浮動株比率が高い可能性があります。
8. 株主還元
セルシードは、現状配当を実施していません(配当利回り0.00%、配当性向0.00%)。直近の決算短信や配当履歴からも、2025年12月期の年間配当予想も0.00円とされています。これは、再生医療製品の開発フェーズにあるバイオベンチャーとして、利益を株主還元に回すよりも、研究開発投資と事業化に向けた資金確保を優先する経営方針を反映していると考えられます。自社株買いに関する情報もデータには見当たりません。
SWOT分析
強み
- 世界をリードする独自の細胞シート工学技術と多様な応用可能性
- 東京女子医科大学発のバイオベンチャーとしての高い技術力と信頼性
- 自己資本比率の高さによる表面的な財務基盤の安定性
弱み
- 慢性的な赤字経営と、事業化までの先行投資負担の大きさ
- 資金調達への依存度が高く、継続企業の前提に重要な疑義が解消されていない点
- 営業キャッシュフローの継続的なマイナスと現金残高の減少
機会
- グローバルな再生医療市場の持続的な成長と需要拡大
- 同種軟骨細胞シート(CLS2901C)の治験成功と事業化による収益柱確立
- 他社との提携や共同開発による新たな収益機会の創出と開発リスクの分散
脅威
- 治験の遅延・失敗、または承認が得られない可能性
- 計画通りに資金調達が進まず、資金不足に陥るリスク
- 競合他社による類似技術の開発や上市、市場競争の激化
- 再生医療に関する法規制や保険償還制度の変更リスク
この銘柄が向いている投資家
- 極めて高いリスク耐性を持つ長期成長投資家: バイオベンチャー特有の失敗リスクと大きなボラティリティを許容し、再生医療の将来性、特に同社の細胞シート技術に強い確信を持つ投資家。
- 革新的な医療技術への投資機会を求める投資家: 現代の医療課題を解決する可能性を秘めた最先端技術への貢献に価値を見出す投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 継続企業の前提に関する注記の解消状況: 会社が財務状況について重要な疑義があると開示しているため、今後の資金調達状況や収益改善策によってこの注記がどのように変化していくかを継続的に監視する必要があります。
- 同種軟骨細胞シートの治験進捗と事業化動向: 主要パイプラインの治験結果とその後の事業化の成否が、企業の存続と成長に直結するため、関連するIR情報には特に注意を払う必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 現金及び預金残高: 四半期ごとの現金残高の推移と、次なる資金調達の具体的な情報。
- 同種軟骨細胞シート(CLS2901C)の治験進捗に関するIR: 第III相試験の開始状況、中間結果、終了見込み時期など、具体的なタイムラインが重要。
- 新たな事業提携やM&Aに関するIR: 共同開発や販路拡大、資金獲得に繋がる戦略的提携。
10. 企業スコア(詳細)
成長性: D
根拠: 2025年12月期第3四半期累計で売上は前年同期比約52.8%減の65,260千円と大幅な減収に転じ、四半期純損失も前年同期比25.0%拡大しています。通期予想においても売上高80,000千円に対して大幅な純損失1,095,000千円を見込んでおり、既存事業の成長が鈍化し、新たな収益源の確立が急務な状況であるため、成長性評価は「D」と判断します。
収益性: D
根拠: ROE、ROA、営業利益率がいずれも大幅なマイナスであり、過去12か月の営業利益率は-569.70%、ROEは-71.66%、ROAは-33.81%と、収益性を測る主要な指標全てがベンチマークを大きく下回っています。研究開発型バイオベンチャー特有の先行投資フェーズであるとはいえ、現在の収益貢献は極めて限定的であるため、「D」と評価します。
財務健全性: B
根拠: 自己資本比率は直近四半期で78.3%と高水準であり、流動比率も約728%と短期的な支払能力は確保されています。しかしながら、会社は「継続企業の前提に重要な疑義が存在する」と開示しており、現金及び預金が四半期で約7.64億円減少している点は強い懸念材料です。これらのリスクを加味して、財務健全性については「B」と判断します。
バリュエーション: D
根拠: 当期純損失が継続しているためPERは算出できません。PBRは8.41倍と、精密機器業界平均の3.5倍を大幅に上回っており、解散価値を大きく超える評価を受けています。これは将来の成長期待が株価に既に織り込まれていることを示しますが、現状の財務状況や収益性から見て非常に割高な水準であるため、「D」と評価します。
重要な注意事項
企業情報
| 銘柄コード | 7776 |
| 企業名 | セルシード |
| URL | http://www.cellseed.com |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.17)」によって自動生成されました。
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