企業の一言説明

大氣社は、産業・ビル向け空調設備や自動車塗装設備を展開する建設業大手であり、特に自動車塗装設備では国内首位、世界で2位のポジションを誇るグローバル企業です。東南アジアや北米など海外市場で積極的な事業拡大を進めています。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 海外事業と受注の拡大: 環境システム事業と塗装システム事業の両方で海外受注が大幅に増加しており、特に塗装システムでは欧州での大型受注が今後の業績成長を牽引する見込みです。国内の建設・設備投資需要に加え、海外市場での事業展開が企業の成長ドライバーとなっています。
  • 良好な財務健全性と株主還元意欲: 自己資本比率55.2%、流動比率215%と高い財務健全性を維持しており、安定した企業基盤があります。また、配当性向44.7%(予想)と高い水準で株主還元にも積極的であり、安定配当を求める投資家にとって魅力的な側面があります。
  • バリュエーションと市場センチメントのリスク: PER17.15倍、PBR1.53倍は業界平均(PER14.0倍、PBR1.1倍)と比較して割高感があり、株価が高値圏に位置しています。また、信用倍率が12.61倍と高水準で、将来的な需給悪化による売り圧力には注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 S 大幅な成長期待
収益性 B まずまず良好
財務健全性 A 安定的な水準
バリュエーション D 割高感が強い

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3610.0円
PER 17.15倍 業界平均14.0倍
PBR 1.53倍 業界平均1.1倍
配当利回り 2.60%
ROE 9.44%

1. 企業概要

大氣社は1913年創業、1949年設立の日本を代表する建設業企業です。主要な事業は「環境システム事業」と「塗装システム事業」の2つで構成されています。環境システム事業では、一般オフィスビルや工場、研究施設向けの空調設備設計・施工を国内外で手がけ、産業活動や快適な室内環境の基盤を提供しています。一方、塗装システム事業は、主に自動車産業向けの塗装設備設計・施工において国内首位、世界第2位の市場シェアを誇り、関連機器・材料の製造販売も行っています。これらの事業は、高度な技術力と豊富な実績に裏打ちされており、特に自動車塗装分野における技術的独自性は高く、高い参入障壁を築いています。

2. 業界ポジション

大氣社は、建設業の中でも特に設備工事分野において主要なプレーヤーです。空調工事では大手の一角を占め、自動車塗装設備においては国内首位、世界第2位という際立った市場ポジションを確立しています。競合に対する強みは、長年にわたる技術蓄積とグローバルな事業展開力にあります。特に東南アジアや北米といった成長市場での積極的な海外展開は、国内市場の成熟度を補完し、安定的な収益基盤を構築しています。財務指標を見ると、PER(予想)17.15倍、PBR(実績)1.53倍であり、業界平均PER14.0倍、PBR1.1倍と比較して割高感が見られ、市場からの期待値が高いことを示唆しています。

3. 経営戦略

大氣社は、グローバル市場での成長を明確な戦略として掲げています。特に、自動車産業を中心とした塗装システム事業と、半導体・データセンター向け設備投資や都市再開発を背景とした環境システム事業の国内外での強化が柱です。直近の2026年3月期第2四半期決算では、受注工事高が対前年同期比で41.5%増と大幅に増加しており、特に海外受注が66.2%増と大きく伸長しています。これはグローバル戦略が奏功している証拠と言えるでしょう。今後のイベントとしては、2026年2月10日に次回の決算発表、2026年3月30日に配当権利落ち日が予定されています。これらのイベントを通じて、今後の業績見通しや株主還元策が注目されます。

4. 財務分析

項目 ベンチマーク/解釈 解説
【財務品質スコア】Piotroski F-Score 2/9 (C) 7点以上=財務優良、5-6点=普通、4点以下=要注意 収益性スコア1/3、財務健全性スコア1/3、効率性スコア0/3。特に効率性に課題があり、資産や資本の活用効率に改善の余地があることを示唆しています。
【収益性】営業利益率 (過去12か月) 9.77% 5-10%が一般的な目安 利益創出力はまずまず良好な水準です。
【収益性】ROE (実績) 9.44% 10%以上が一般的な目安、目標値 株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力は、目安にわずかに届かないものの、比較的高い水準です。
【収益性】ROA (過去12か月) 5.51% 5%以上が一般的な目安、目標値 総資産を効率的に活用して利益を生み出す力は良好です。
【財務健全性】自己資本比率 (実績) 55.2% 40%以上が目安 企業の安定性を示す指標で、非常に高い水準を維持しており、財務基盤は強固です。
【財務健全性】流動比率 (直近四半期) 215% 200%以上が目安 短期的な支払能力を示す指標で、非常に良好な水準であり、資金繰りに余裕があります。
【キャッシュフロー】営業CF (過去12か月) 8,050百万円 プラスが望ましい 本業で稼ぐキャッシュフローはプラスですが、次項の利益の質で見る通り、純利益に対してはやや不足気味です。
【キャッシュフロー】フリーCF (過去12か月) 2,800百万円 プラスが望ましい 営業CFから投融資に必要な資金を差し引いたもので、プラスであり、事業活動から自由に使える資金を生み出しています。
【利益の質】営業CF/純利益比率 (過去12か月) 0.63 1.0以上=健全、1.0未満=要確認 会社が計上した純利益に対して、実際に手元に残るキャッシュが少ないことを示しており、利益の質にはやや懸念があります。
【四半期進捗】通期営業利益進捗率 (中間期) 55.1% 50%を上回れば順調 通期予想に対して中間期で55.1%と良好な進捗であり、通期達成に十分な余地があります。
【四半期進捗】通期純利益進捗率 (中間期) 55.3% 50%を上回れば順調 同様に、純利益も通期予想に対して中間期で55.3%と順調に推移しています。

5. 株価分析

大氣社の株価は、直近の良好な業績進捗を背景に堅調に推移しています。

  • 【バリュエーション】
    大氣社のPER(会社予想)は17.15倍、実績PBRは1.53倍です。これは、業界平均PER14.0倍、PBR1.1倍と比較して、PERで約1.22倍、PBRで約1.39倍と、ともに割高な水準にあります。市場からの期待が高いことを示していますが、現在の株価は業界平均と比較すると割高感が強いと判断できます。同社の適正株価を業種平均PER基準で試算すると2,785円、業種平均PBR基準で試算すると2,594円となり、現在の株価3,610円と比較すると、依然として上値に割高感が強いとの見方もできます。
  • 【テクニカルシグナル】
指標 状態 解釈
MACD 中立 短期的なトレンドに明確な方向性は見られません。
RSI 中立 現在の株価は買われすぎでも売られすぎでもない適正な範囲に位置しています。
  • 【テクニカル】
    現在の株価3,610.0円は、52週高値3,630.0円に非常に近い高値圏(52週レンジ内位置98.8%)にあります。また、5日移動平均線(3,557.00円)、25日移動平均線(3,410.60円)、75日移動平均線(3,173.72円)、200日移動平均線(2,802.23円)の全てを上回っており、短期から長期にわたって明確な上昇トレンドが形成されています。特に200日移動平均線から大きく上放れており、強い買い圧力が示唆されます。
  • 【市場比較】
    直近1ヶ月では日経平均およびTOPIXにやや劣後するパフォーマンスですが、3ヶ月、6ヶ月といった中期的な期間では日経平均をそれぞれ約14.58%ポイント、約2.61%ポイント上回っており、アウトパフォームしています。しかし、1年間のリターンでは日経平均を大きく下回る結果となっており、過去1年で見ると厳しい局面もありました。これは2025年3月期連結決算の純利益減益予想や、2025年4月1日の株式分割などが影響している可能性があります。

6. リスク評価

  • 【注意事項】
    ⚠️ 信用倍率12.61倍と高水準にあり、将来的な信用買い残の解消に伴う売り圧力には注意が必要です。
  • 【定量リスク】
    • ベータ値 (5Y Monthly): 0.19
      市場全体の動きに対して、大氣社の株価変動が非常に小さいことを示します。市場(日経平均やTOPIX)が1%変動する際、大氣社の株価は約0.19%しか変動しない計算です。比較的安定した動きを好む投資家には魅力的ですが、市場全体の大きな上昇局面では恩恵を受けにくい可能性もあります。
    • 年間ボラティリティ: 76.93%
      過去1年間の株価の変動の激しさを示します。数字が示すように、比較的高いボラティリティがあるため、短期間で株価が大きく変動するリスクを許容できる投資家向けです。
    • 最大ドローダウン: -43.74%
      過去のある期間で、株価がピークから最も大きく下落した割合です。仮に過去と同様の市場環境に陥った場合、100万円投資した場合に年間で最大43.74万円程度の評価損を出す可能性があることを示唆しています。
    • シャープレシオ: 0.34
      投資のリスクに見合うリターンが得られているかを示す指標です。1.0以上が良好とされる中、0.34という水準は、リスクを取っている割にはリターンが相対的に低いことを示唆しており、効率的な投資とは言えない可能性があります。
    • 年間平均リターン: 26.95%
      過去1年間の年間平均リターンは高い水準ですが、最大ドローダウンの大きさも考慮すると、リターンの裏には変動リスクも潜んでいることを理解する必要があります。
  • 【事業リスク】
    • 海外事業展開に伴うリスク: 大氣社は海外事業を積極展開しており、為替変動リスク(特に円高は海外受注の円換算額を減少させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります)、地政学的リスク、各国の法規制変更や政治経済情勢の不安定化が業績に影響を及ぼす可能性があります。
    • 原材料・資材価格の変動リスク: 建設業という性質上、鋼材や非鉄金属、燃料などの原材料・資材価格の動向が、工事原価に直接影響を与えます。価格の高騰が続けば、採算性の悪化につながる可能性があります。
    • 競争激化と工事採算悪化リスク: 建設設備業界は競争が激しく、特に大型工事では受注競争による価格下落圧力や、受注後の工程遅延・品質問題による追加費用発生など、工事採算悪化のリスクを常に抱えています。特に、セグメント別情報で塗装システム事業の利益減少が指摘されている点は、このリスクが顕在化する可能性を示唆しています。

7. 市場センチメント

信用取引状況を見ると、信用買残が35,300株(前週比+800株)に対して信用売残が2,800株(前週比-500株)と、信用買残が信用売残を大幅に上回っており、信用倍率は12.61倍と高い水準です。これは投資家の買い期待が強い一方で、将来的な信用買い残の解消に伴う売り圧力が存在する可能性を示しています。
主要株主は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が12.49%で筆頭株主、続いて自社(自己株口)が5.63%、日本カストディ銀行(信託口)が5.63%となっています。機関投資家や信託銀行が上位に名を連ねており、株式の安定保有が進んでいる一方で、流動性がやや低い可能性も示唆されます。

8. 株主還元

大氣社は株主還元に積極的な姿勢を示しています。
会社予想ベースでの配当利回りは2.60%であり、現在の低金利環境下では魅力的な水準と言えます。1株配当(会社予想)は94.00円、配当性向(会社予想)は約44.7%と、利益の約半分を株主へ還元する方針であり、比較的高い配当性向を維持しています。過去の配当性向を見ると、概ね30%~50%台で推移しており、安定した配当方針が見られます。
また、決算短信には自己株式の取得実績も記載されており、配当だけでなく自社株買いによる株主還元も実施しています。これは資本効率の改善にも寄与する施策です。

SWOT分析

強み

  • グローバルな競争力と実績: 自動車塗装設備工事で国内トップ、世界2位という高い市場シェアと技術力を持ち、海外市場(特に東南アジア、北米、欧州)での大規模な受注獲得能力は圧倒的な競争優位性です。
  • 安定した財務基盤: 自己資本比率55.2%、流動比率215%と極めて健全な財務体質を誇り、事業の安定性や投資余力を高めています。

弱み

  • 利益の質の懸念: 営業CF/純利益比率が1.0を下回る0.63であり、計上利益に対してキャッシュフローの創出が十分でない可能性があり、利益の質には改善の余地があります。
  • 特定セグメントの収益性低下: 塗装システム事業では受注は好調なものの、直近の中間期でセグメント利益が減少しており、採算性悪化が課題となっています。

機会

  • 世界的な設備投資需要の高まり: 半導体、自動車、データセンターなど、世界的に産業設備の投資需要が堅調であり、特に海外での大規模プロジェクト受注が期待されます。
  • 都市再開発・環境規制強化: 国内の都市再開発や環境配慮型建築への需要増、SDGsの高まりによる省エネ・高効率化ニーズは、環境システム事業にとって追い風となります。

脅威

  • 為替変動リスク: 海外売上高比率が高いため、急激な為替変動(特に円高)は収益を圧迫する可能性があります。
  • 原材料価格の高騰と人件費上昇: 建設業界全体で原材料価格の高止まりや人件費の上昇が続いており、これが工事原価を押し上げ、利益率を低下させる恐れがあります。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定配当と株主還元を重視する長期投資家: 高い配当性向と自社株買いの実績があり、財務基盤も安定しているため、長期的な視点で安定収益を求める投資家に向いています。
  • グローバル成長企業を評価する投資家: 海外市場での積極的な事業展開と、それに伴う受注高の大幅な増加から、グローバルな成長機会を追求する投資家に向いています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • バリュエーションの割高感: PER、PBRともに業界平均を上回っており、現在の株価は割高な水準にあります。購入検討の際は、今後の成長性を十分に織り込んでいるか慎重な判断が必要です。
  • 信用倍率の高さと利益の質: 信用倍率が高いため、短期的には需給悪化による株価調整リスクがあります。また、営業CF/純利益比率が低い点は、今後の中長期的なキャッシュ創出能力に注意が必要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 海外受注高の推移: 企業の成長ドライバーである海外事業の動向を測る上で、受注高の継続的な成長は重要です。特に塗装システム事業の海外での大型案件の開示に注目。
  • 塗装システム事業の利益率改善: 受注が好調な塗装システム事業の利益率が今後どのように改善されるか、四半期ごとのセグメント利益を詳細に確認する必要があります。
  • 営業キャッシュフローの改善: 営業CF/純利益比率が1.0を上回る水準に改善されるか、利益の質の向上を示す指標として重要です。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: S (大幅な成長期待)
    根拠: 2026年3月期のEPS予想成長率が対前年で約24.2%と非常に高く、直近の中間期決算では受注工事高が対前年同期比41.5%増(海外受注は66.2%増)と大幅な伸びを示しています。特にグローバル展開による事業基盤の拡大と、それに伴う受注残高の積み上がりは、今後の継続的な成長を強く期待させる要因です。
  • 収益性: B (まずまず良好)
    根拠: ROE(実績)9.44%は一般的な目安である10%にわずかに届かないものの、ROA(過去12ヶ月)5.51%は目安の5%を上回っています。営業利益率(過去12ヶ月)も9.77%とほぼ10%に近く、収益性はまずまず良好な水準にあると評価できます。
  • 財務健全性: A (安定的な水準)
    根拠: 自己資本比率55.2%(目安40%以上)、流動比率215%(目安200%以上)といずれも非常に高い水準を維持しており、財務基盤は強固です。ただし、Piotroski F-Scoreが2/9と低い点は懸念材料であり、特に効率性面での改善余地があることを示唆しています。総合的に見ると、主要な財務指標は優良なためA判定とします。
  • バリュエーション: D (割高感が強い)
    根拠: PER(予想)17.15倍、PBR(実績)1.53倍は、業界平均PER14.0倍、PBR1.1倍と比較して、それぞれ約122.5%、約139.0%と大幅に上回っています。特にPBRの乖離が大きく、現在の株価は業界平均と比較して割高感が強いと判断せざるを得ません。

企業情報

銘柄コード 1979
企業名 大氣社
URL http://www.taikisha.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,610円
EPS(1株利益) 210.47円
年間配当 2.60円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 14.2% 19.2倍 7,841円 16.8%
標準 10.9% 16.7倍 5,894円 10.4%
悲観 6.6% 14.2倍 4,098円 2.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,610円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,939円 △ 23%割高
10% 3,671円 ○ 2%割安
5% 4,633円 ○ 22%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.17)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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