企業の一言説明

阪神内燃機工業は、中小型舶用ディーゼルエンジンや推進システムを開発・製造・販売する、内航・近海船向けに強みを持つ老舗メーカーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅調な需要と輸出拡大: 舶用エンジン市場の代替建造需要や環境規制強化を背景に、主機関の受注高・受注残高が堅調に推移しており、特に輸出の伸びが顕著です。
  • 優れた財務健全性: 自己資本比率が約60%と高く、流動比率も180%を超えるなど、強固な財務体質を維持しており、経営の安定性が評価できます。
  • 収益性とバリュエーションの課題: ROEが低水準で利益率改善が今後の課題です。また、現在のPERは業界平均を大幅に上回っており、バリュエーション面では割高感があります。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 成長期待
収益性 D 改善余地大
財務健全性 B 安定水準
バリュエーション D 割高感

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 4,190.0円
PER 25.61倍 業界平均7.3倍
PBR 0.91倍 業界平均0.5倍
配当利回り 1.79%
ROE 3.68%

1. 企業概要

阪神内燃機工業は、1918年創業の中小型船用エンジンの老舗企業です。主に海洋船舶向けのディーゼルエンジン(低速4ストローク、中速、低速2ストローク)や、安定した運行を支える推進システム(可変ピッチプロペラ、サイドスラスタなど)、遠隔制御システム、鋳造・金属機械加工品および部分品・修理工事を提供しています。省エネ型や環境対応型エンジンに注力し、メンテナンスサービスにも強みを持つことで、安定的な収益モデルを構築しています。

2. 業界ポジション

同社は中小型舶用エンジンの分野で老舗としての地位を確立しており、特に内航船や近海船向けに強固な基盤を持っています。近年は輸出も拡大傾向にあります。競合他社との詳細な市場シェアデータはありませんが、技術力とメンテナンス体制で差別化を図っています。現在のPERは25.61倍(業界平均7.3倍)、PBRは0.91倍(業界平均0.5倍)であり、業界平均と比較するとPERは大幅に高い水準ですが、PBRは1倍を割れるものの業界平均よりは高いです。これは高い成長期待や特定の強みが株価に織り込まれている可能性を示唆しています。

3. 経営戦略

阪神内燃機工業は、造船市場の環境対応ニーズの高まりに応える省エネ・環境対応型エンジンの開発に注力しています。2026年3月期の通期業績予想では増収増益を見込んでおり、特に下期においては主機関の契約価格改善と生産量増加を想定している点が成長戦略の要点です。直近では2025年11月10日に発表された中間決算において、売上高・営業利益が前年同期比で大幅増益を達成しました。また、投資会社のオールドピークグループが保有割合を増加させており、外部からの評価が高まっていることも注目されます。
今後のイベントとして、2026年3月30日に期末配当の権利落ち日が予定されています。

4. 財務分析

項目 解釈 ベンチマーク
財務品質スコア(Piotroski F-Score) 2/9 (C: やや懸念) 収益性と効率性で課題。事業運営の効率化と利益創出力の改善が求められます。 7点以上=優良、5-6点=普通、4点以下=要注意

収益性

指標 ベンチマーク 評価
営業利益率(過去12か月) 7.03% 10%以上 やや低い
ROE(実績) 3.68% 10%以上 低い
ROA(過去12か月) 2.10% 5%以上 低い
  • 解説:営業利益率、ROE、ROAともに業界平均や一般的な目安を下回っており、収益性には改善の余地が大きいと言えます。特にROEの低さは、株主資本を効率的に活用して利益を生み出す力が弱いことを示唆しています。

財務健全性

指標 ベンチマーク 評価
自己資本比率(実績) 59.1% 40%以上 非常に安定
流動比率(直近四半期) 187% 150%以上 健全
  • 解説:自己資本比率は約60%と非常に高く、資金調達における安定性が確認できます。また、流動比率も187%と短期的な支払い能力も十分であり、財務健全性は非常に強固な水準にあります。

キャッシュフロー

指標 解釈
営業CF(過去12か月) 879百万円 主力事業で安定した現金を創出しています。
フリーCF(過去12か月) -51.62百万円 営業CFはプラスですが、投資活動への支出が大きく、自由に使える資金はマイナスです。
  • 解説:営業活動によるキャッシュフローは安定してプラスですが、過去12ヶ月のフリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは設備投資や資金運用への積極的な支出が影響している可能性があります。

利益の質

指標 ベンチマーク 評価
営業CF/純利益比率 1.29 1.0以上 S (優良)
  • 解説:営業キャッシュフローが純利益を上回っており、会計上の利益が実質的な現金の裏付けがある状態を示しており、利益の質は非常に健全であると評価できます。

四半期進捗

項目 通期予想に対する進捗率 解釈
売上高 48.3% 概ね中間期(半期)相応の進捗です。
営業利益 44.1% やや通期予想に対する進捗が遅れています。下期の挽回が重要です。
純利益 48.1% 概ね中間期相応の進捗です。
  • 解説:2026年3月期の通期予想に対し、中間期時点では売上高と純利益は概ね予定通りの進捗ですが、営業利益の進捗はやや遅れています。会社は下期での契約価格改善と生産量増加により通期予想を達成する方針を示しており、その実現が注目されます。

5. 株価分析

バリュエーション

指標 業界平均 判定
PER(会社予想) 25.61倍 7.3倍 割高
PBR(実績) 0.91倍 0.5倍 割安
  • 解説:PERは業界平均を大きく上回っており、現在の株価は利益に対して割高感があります。PBRは1倍を割れており解散価値を下回る水準ですが、業界平均よりは高めです。これは、船舶EVシフトの将来性や受注の安定性が織り込まれている可能性があり、市場が同社の成長性を評価していると考えることもできますが、現状の収益性に対しては慎重な評価が求められます。

テクニカルシグナル

指標 状態 解釈
MACD 中立 短期トレンドに明確な方向性は見られません。
RSI 中立 株価が買われすぎでも売られすぎでもない状態です。

テクニカル

現在の株価4,190.0円は、52週高値4,435円に近く、年初来高値圏で推移しています。5日移動平均線(4,222.00円)を下回っていますが、25日移動平均線(3,988.80円)、75日移動平均線(3,754.67円)、200日移動平均線(3,209.49円)は大きく上回っており、中長期的な上昇トレンドは継続していると判断できます。

市場比較

直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年間のいずれの期間においても、日経平均株価およびTOPIXといった主要市場指数を大きく上回るパフォーマンスを見せており、市場全体と比べて相対的に強い値動きが継続しています。特に1年リターンでは日経平均を51.00%ポイント、TOPIXを52.80%ポイントも上回っており、投資家の高い関心が伺えます。

6. リスク評価

⚠️ 信用買残が67,200株ある一方で信用売残が0株のため計算上の信用倍率は無制限となりますが、将来の売り圧力には注意が必要です。

定量リスク

指標 解釈
ベータ値(5Y Monthly) 0.73 市場全体と比べて株価変動が小さい(市場が10%変動すると、同社株価は約7.3%変動する傾向)。
年間ボラティリティ 48.77% 仮に100万円投資した場合、年間で±48.77万円程度の変動が想定されます。
最大ドローダウン -58.54% 過去には約58.54%の最大下落を経験しており、この程度の下落は今後も起こりうるリスクです。
シャープレシオ -0.32 リスクを考慮したリターンはマイナスであり、リスクに見合った収益が得られていないと評価されます。
  • 解説:ベータ値が1を下回るため、市場全体が変動する際の株価の変動幅は比較的穏やかです。しかし、年間ボラティリティは48.77%と高く、短期間での株価の大幅な変動には注意が必要です。シャープレシオがマイナスであることは、過去のリスクに対して十分なリターンが得られていないことを示唆しています。

事業リスク

  • 原材料価格・購入機器価格の変動: 舶用エンジンの製造に必要な原材料や、部分品・修理工事における購入機器の価格高騰は、同社の原価率を悪化させ、利益を圧迫する可能性があります。
  • 為替変動リスク: 海外売上高が全体の約30%(2025年3月期計画)を占めるため、為替レートの変動は収益に影響を与えます。特に円高が進行した場合、輸出採算が悪化するリスクがあります。
  • 船舶市場の市況変動: 造船市場の需要は、世界経済の状況や国際貿易量の変動、環境規制の変更、各国の政策など、様々な外部要因に左右されます。これらの要因が構造的な需要減退を招いた場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

7. 市場センチメント

信用買残は67,200株、信用売残は0株となっており、買残に対し売残がない状況です。これは、一般的に将来の売り圧力が懸念される要因となり得ます。
主要株主は、自社取引先持株会、オゾネ、光通信KK投資事業有限責任組合、三井住友銀行、アンダーウッドといった企業や投資ファンドが上位を占めています。特定の外部株主が比較的大きな割合を保有しており、安定株主が多い構造であると言えます。

8. 株主還元

同社の配当利回り(会社予想)は1.79%であり、1株配当は75.00円(前期合計70.00円からの増配)を予定しています。配当性向は、2026年3月期の予想純利益に対する会社予想値で約42.3%であり、利益の約4割を株主還元に回す方針です。過去の配当性向も30%〜50%程度で推移しており、安定した株主還元を目指す姿勢が見られます。現時点では自社株買いに関する特別な開示情報はありません。

SWOT分析

強み

  • 中小型舶用エンジン製造における100年以上の歴史と老舗としてのブランド力
  • 省エネ・環境対応型エンジンやメンテナンスサービスに強みを持つ技術的優位性
  • 自己資本比率約60%と非常に高い財務健全性
  • 内航・近海船向けに強固な顧客基盤と輸出拡大による成長機会

弱み

  • ROEが3.68%と低く、資本効率や収益性に改善の余地が大きい
  • 購入機器比率の増加や原材料価格高騰による原価率上昇圧力
  • フリーキャッシュフローが直近でマイナスに転じている点
  • 特定の地域(内航・近海船)や製品(主機関)への収益依存度

機会

  • 代替建造需要や環境規制強化に伴う省エネ・環境対応エンジンの需要増
  • M&A等による事業領域の拡大や技術力の強化
  • アジア市場など海外市場でのさらなるシェア拡大
  • ESG投資の高まりによる環境技術への評価向上

脅威

  • 原材料費や部品価格の変動、サプライチェーンの混乱
  • 世界経済の減速や国際貿易量の減少による造船需要の落ち込み
  • 為替変動による輸出採算の悪化リスク
  • 競合他社による技術革新や価格競争の激化

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した事業基盤と堅調な財務体質を重視する長期投資家
  • 増配傾向を評価し、配当によるインカムゲインを期待する投資家
  • 環境対応技術や海運業界の構造変化に投資機会を見出す投資家
  • PBR1倍割れながらも成長期待があり、今後の収益改善に注目するバリュー志向の投資家

この銘柄を検討する際の注意点

  • 現在のPERが業界平均と比較してかなり割高であるため、更なる成長性や収益改善が株価に織り込まれているか慎重に評価する必要があります。
  • ROEの低さが課題であり、資本効率の改善が見られるか、経営戦略の進捗を注視する必要があります。
  • フリーキャッシュフローがマイナスとなっている背景を理解し、今後のキャッシュフロー創出力の回復を待つ必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率: 下期に計画されている契約価格改善や生産量増加によって、収益性がどの程度改善されるか。目標値:8%以上。
  • ROE: 資本効率の向上に向けた具体的な施策とその進捗。目標値:5%以上への回復。
  • 受注残高・新規受注高: 船舶市場の需要動向を測る上で、これらの指標が安定的に増加基調を維持できるか。
  • 営業キャッシュフロー: 投資活動に伴う支出を吸収し、安定してフリーキャッシュフローをプラスに維持できるようになるか。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性:B
    • 根拠: 2026年3月期の会社予想では、売上高が対前年比+4.2%、営業利益が同+14.6%の増益を見込んでおり、特に営業利益は顕著な伸びを予測しています。過去数年の業績も概ね成長傾向にあり、輸出(主機関)の拡大も進んでいますが、直近四半期の売上高成長率(前年比2.2%)は控えめです。これらの点を総合的に判断し、B評価とします。
  • 収益性:D
    • 根拠: ROE(実績3.68%)および過去12ヶ月の営業利益率(7.03%)は、一般的なベンチマーク(ROE10%以上、営業利益率10%以上)を大きく下回っています。資本効率および事業の利益創出力が低い水準にあるため、D評価とします。
  • 財務健全性:B
    • 根拠: 自己資本比率が59.1%と非常に高く、流動比率も187%と短期的な支払い能力も十分であり、財務構造は安定しています。しかし、Piotroski F-Scoreが2点と低評価であり、効率性の面で課題を示唆しています。財務体質の安定性と効率性の課題を考慮し、B評価とします。
  • バリュエーション:D
    • 根拠: PER(会社予想25.61倍)は業界平均(7.3倍)を大幅に上回っており、PBR(実績0.91倍)も業界平均(0.5倍)より高水準です。これは業績に対する株価の割高感を示唆しており、現時点でのバリュエーションはD評価とします。

企業情報

銘柄コード 6018
企業名 阪神内燃機工業
URL http://www.hanshin-dw.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,190円
EPS(1株利益) 163.58円
年間配当 1.79円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 15.2% 26.3倍 8,722円 15.8%
標準 11.7% 22.9倍 6,498円 9.2%
悲観 7.0% 19.4倍 4,461円 1.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,190円

目標年率 理論株価 判定
15% 3,237円 △ 29%割高
10% 4,043円 △ 4%割高
5% 5,102円 ○ 18%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.17)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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