企業の一言説明

エイケン工業は自動車補修用フィルターを主力とし、国内および東南アジア市場で事業を展開する輸送用機器メーカーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 強固な財務体質と安定した株主還元: 自己資本比率・流動比率が非常に高く財務健全性は優れています。配当利回りが安定しており、PBR0.62倍と解散価値を下回る水準で割安感が強いです。
  • 業績のV字回復基調と海外市場への注力: 2023年10月期を底に業績は回復傾向にあり、特に成長市場である東南アジア向け売上拡大を強化している点は今後の成長ドライバーとなり得ます。
  • 収益性と効率性の低さ、およびバリュエーションの課題: ROEや営業利益率が低水準にあり、Piotroski F-Scoreも改善の余地を残しています。PERは業界平均より割高感が否めず、PBRの低さからバリュートラップの可能性にも注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 回復途上
収益性 C 収益性課題
財務健全性 A 極めて強固
バリュエーション C やや割高

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3670.0円
PER 12.49倍 業界平均7.3倍
PBR 0.62倍 業界平均0.5倍
配当利回り 3.00%
ROE 5.50%

1. 企業概要

エイケン工業株式会社(東証スタンダード:7265)は、主に自動車の内燃機関用フィルターおよび産業用特殊フィルターの製造・販売を手掛ける企業です。主力事業は補修用自動車フィルターで、全メーカーの車両に対応する幅広い製品ラインナップが強みです。収益の96%をフィルター事業が占め、残る4%は燃焼機器部品が占めます。特に東南アジア市場への拡大に注力しており、海外売上比率は47%に達します。特定のOEMに依存せず、安定的な交換需要を取り込むビジネスモデルを確立しています。

2. 業界ポジション

エイケン工業は、自動車の保守・補修部品市場において、全メーカー対応のフィルター製品を提供することで独自のポジションを築いています。アフターマーケットに特化することで、新車販売台数に左右されにくい安定した需要基盤を持っています。フィルター業界は競争が激しいですが、長年の実績と幅広い対応力が同社の強みです。
バリュエーション指標として、同社のPER(会社予想)は12.49倍と、輸送用機器業界平均の7.3倍と比較して約71%割高です。一方で、PBR(実績)は0.62倍と、業界平均の0.5倍をわずかに上回るものの、市場全体で見れば1倍を大きく下回る「解散価値割れ」の水準にあり、絶対的な割安感があります。

3. 経営戦略

エイケン工業は、安定的な国内事業基盤を維持しつつ、成長市場である東南アジア地域への事業拡大を重点戦略としています。海外売上比率がすでに47%に達していることから、今後も積極的な国際展開が成長ドライバーとなるでしょう。
最近の重要な適時開示としては、2025年10月期決算短信(非連結)における貸借対照表の資産区分(流動/固定)の訂正がありました。この訂正は会計上の表示区分の変更であり、業績(売上高、利益)や総資産額に実質的な影響はありませんでしたが、財務報告の内部管理体制には引き続き注意が必要です。
なお、今後のイベントとして、2026年10月29日に配当の権利落ち日が予定されています。

【財務品質スコア】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 2/9 C: やや懸念

投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは企業の財務的な健全性と業績の質を9項目で評価する指標です。7点以上は財務優良、5-6点は普通、4点以下は要注意とされます。エイケン工業のスコア2点は「やや懸念」と判断され、財務の質には懸念が残ります。特に、収益性(営業利益率やROEの低さ)と効率性(資産回転率など)の項目でスコアが伸び悩んでいることが、総合スコアの低さにつながっています。

【収益性】営業利益率、ROE、ROA

指標 値(実績) ベンチマーク 評価
営業利益率 3.69% (過去12ヶ月) 10% 低い
ROE 7.05% (過去12ヶ月) 10% 普通
ROA 2.59% (過去12ヶ月) 5% 低い

解説:
エイケン工業の過去12ヶ月の営業利益率は3.69%と、一般的に健全とされる10%を大きく下回っています。ROEも7.05%と、資本効率の目安とされる10%には届いていません。ROAに至っては2.59%と、資産の効率的な活用が課題であることが示唆されます。2023年10月期を底に業績は回復基調にありますが、収益性の本格的な改善が待たれます。

【財務健全性】自己資本比率、流動比率

指標 値(実績) 基準値 評価
自己資本比率 77.8% 30%以上 優良
流動比率 308% (直近四半期) 120%以上 優良

解説:
同社の自己資本比率は77.8%と非常に高く、業界平均を大きく上回る極めて健全な財務基盤を誇ります。流動比率も308%と、短期的な支払い能力に全く懸念がない水準です。借入に対する依存度が非常に低く、外部環境の変化や不測の事態にも耐えうる強固な財務体質を持っています。

【キャッシュフロー】営業CF、FCFの状況

キャッシュフロー 値(過去12ヶ月)
営業キャッシュフロー 751,780千円
フリーキャッシュフロー(レバード) -118,190千円

解説:
本業で現金を生み出す力である営業キャッシュフローは7億5,178万円と良好なプラスを維持しています。しかし、レバードフリーキャッシュフロー(事業活動と投資活動、および借入返済後のキャッシュフロー)はマイナス1億1,819万円となっています。これは、稼いだキャッシュフローが設備投資や負債返済に充てられた結果、手元に自由になるキャッシュが残っていないことを示唆しており、将来の成長投資や株主還元を制限する可能性があります。

【利益の質】営業CF/純利益比率

指標 評価
営業CF/純利益比率 2.98 S (優良)

解説:
営業キャッシュフローが純利益の約3倍となっており、利益の質は極めて高いと評価できます。これは、計上された利益がしっかり現金として手元に残っていることを意味し、売掛金の回収困難や架空利益計上などのリスクが低い、健全な経営がなされている証拠です。

【四半期進捗】通期予想に対する進捗率

データがないため、評価できません。

【バリュエーション】PER/PBR

指標 業界平均 判定
PER 12.49倍 7.3倍 割高
PBR 0.62倍 0.5倍 やや割高 (絶対値は割安)

解説:
PER(株価収益率)は、株価が1株当たり利益の何倍かを示す指標で、一般的に業界平均より低ければ割安とされます。エイケン工業のPER12.49倍は、輸送用機器業界平均の7.3倍と比較して割高と判断されます。これは、市場が同社の将来の利益成長に対して比較的高いプレミアムを付けているか、あるいは現時点での利益が低すぎることを示唆しています。
PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標で、1倍未満は企業の解散価値を下回る割安水準とされます。同社のPBR0.62倍は、業界平均の0.5倍をわずかに上回るものの、絶対値としては1倍を大きく下回っており、理論上は企業が持つ純資産価値よりも低い評価を受けている状態です。これは、市場が同社の収益性や成長性に対して低い期待を持っている可能性を示唆しています。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 解釈
MACD 中立 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 過熱・売られすぎ判断

解説: MACDもRSIも中立を示しており、現状では明確な短期的な買いシグナルや売りシグナルは出ていません。

【テクニカル】52週高値・安値、移動平均線との関係

現在株価3,670.0円は、52週高値4,770円と安値2,800円のレンジにおいて44.2%の位置にあり、比較的安値圏に留まっています。
移動平均線との関係では、5日移動平均線(3,678.00円)と75日移動平均線(3,697.67円)をわずかに下回っていますが、25日移動平均線(3,533.40円)と200日移動平均線(3,660.36円)は上回っています。短期的な方向感は定まっていませんが、長期的なトレンドの分岐点となる200日移動平均線付近で推移しており、今後の動向が注目されます。

【市場比較】日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス

エイケン工業の株価パフォーマンスは、直近1ヶ月ではTOPIXをわずかに上回りました(+0.51%ポイント)。しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期の期間で見ると、日経平均およびTOPIXといった主要株価指数を大きく下回る結果となっています。特に日経平均に対しては、1年間で約19ポイント、6ヶ月で約37ポイントと大きく見劣りしており、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていない状況が伺えます。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が0.00倍と表示されているのは信用売残が0株であるためです。信用買残が23,000株とそれなりに存在しており、将来的にこれらの買い残が解消される際には売り圧力となる可能性があるため注意が必要です。また、PBRが低水準にあるものの、収益性が依然として低く、過去に減益実績もあることから、安易に割安と判断せず、バリュートラップの可能性にも留意する必要があります。

【定量リスク】ベータ値、ボラティリティ、最大ドローダウン

指標 解釈
ベータ値 0.17 市場変動との連動性が非常に低い(低リスク)
年間ボラティリティ 37.37% 過去1年間の価格変動率はやや高め
最大ドローダウン -39.36% 過去最悪の下落率

解説:
エイケン工業のベータ値0.17は、市場全体の動き(S&P 500等のベンチマーク)と比較して株価変動が非常に小さいことを示しており、市場リスクに対して低い敏感度を持つ銘柄であると言えます。しかし、過去1年間の年間ボラティリティは37.37%とやや高く、短期的な株価の変動幅は大きい傾向があります。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±37万円程度の変動が想定されることを意味します。また、最大ドローダウンが-39.36%であるため、過去には投資額の約4割近くの評価損を経験する可能性があったことを示唆しており、将来も同程度の下落は起こり得るリスクとして認識すべきです。過去12ヶ月の年間平均リターンは-5.56%となっており、長期的な投資成果には改善が必要です。

【事業リスク】主要なリスク要因

  • 自動車産業の構造的変化(EV化の進展): 同社の主力製品は内燃機関用フィルターであるため、世界的なEV(電気自動車)シフトや脱炭素化の流れは中長期的にフィルター需要の減少につながる可能性があります。補修用市場は影響が緩やかですが、事業ポートフォリオの変化への対応が求められます。
  • 為替変動リスク: 海外売上比率が47%と高く、円安は収益を押し上げる一方で、円高に転じた場合には為替差損が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格の高騰: フィルター製品の製造には様々な原材料を使用しているため、原材料価格の高騰は製造コストの増加を招き、利益率を圧迫するリスクがあります。価格転嫁の難しさも相まって、収益性の改善を妨げる要因となる可能性があります。

7. 市場センチメント

エイケン工業の信用取引状況を見ると、信用買残が23,000株存在する一方で、信用売残は0株となっています。このため信用倍率は0.00倍と表示されますが、これは売残がないことによる見かけ上の数値です。実質的には、将来の売り圧力となりうる信用買残が存在することに留意が必要です。
主要株主構成を見ると、自社(自己株口)が17.37%で筆頭株主、次いで育実企画が12.1%を保有しており、特定の株主による安定的な株式保有比率が高いことが特徴です。その他、複数の個人株主が上位に名を連ねており、安定株主が比較的多い構造です。

8. 株主還元

エイケン工業は、発行済株式数に対する配当性向の安定と比較的高い配当利回りが特徴です。

  • 配当利回り(会社予想): 3.00%
  • 1株配当(会社予想): 110.00円 (過去数期にわたり安定して110円を維持)
  • 配当性向(過去12ヶ月): 33.96% (一般的な30-50%の範囲に収まっており、安定的な還元姿勢を示唆)

同社は安定的な配当を継続しており、株主還元に積極的な姿勢が見られます。自社株買いに関する直近の情報は提供されていません。

SWOT分析

強み

  • 自動車補修用フィルター市場での確固たる地位と全メーカー対応力により、安定的な需要を確保している点。
  • 自己資本比率77.8%と非常に高く、流動比率も308%で短期的な支払い能力に問題がなく、極めて強固な財務体質。

弱み

  • 過去12ヶ月のROE7.05%、営業利益率3.69%など、収益性と資本効率が業界平均およびベンチマークを下回る水準。
  • 主力事業が内燃機関用フィルターであるため、中長期的なEV化の進展が事業に与える影響。

機会

  • 経済成長著しい東南アジア市場における自動車普及率の向上は、補修用フィルターの需要拡大に直結する。
  • 燃焼機器部品やその他産業用特殊フィルター事業の育成による、主力事業への依存度低減と事業多角化の可能性。

脅威

  • EV化や燃料電池車へのシフトによる、自動車用内燃機関フィルター市場の構造的な縮小リスク。
  • 原材料価格の高騰や為替レートの変動が、収益性を悪化させる要因となる可能性。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤と安定的配当を求める長期投資家: 高い自己資本比率と流動比率、そして安定した配当実績は、リスクを抑えつつインカムゲインを狙う投資家にとって魅力的です。
  • PBR1倍割れ銘柄に注目し、自己資本改善や構造改革の成果を期待するバリュー投資家: PBRが0.62倍と純資産価値を下回っており、経営改善や成長戦略の実現によって株価が本来の企業価値に是正されることを期待する投資家に向いています。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 自動車産業のEV化などによる構造変化に対応するための具体的な事業転換・多角化戦略の進捗状況を継続的に確認する必要があります。
  • 収益性(営業利益率やROE)の改善が急務であり、そのための具体的な施策がどのような効果をもたらすかを慎重に見極める必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 海外売上比率の推移と東南アジア地域での売上成長率: 東南アジア市場への注力が事業の成長ドライバーとなり得るため、その成果を測る上で重要な指標です。
  • 営業利益率の継続的な改善(目標値5%以上)とROE 8%超えの達成: 収益性と資本効率のベンチマーク到達に向けた進捗を定期的に評価することが重要です。

10. 企業スコア(詳細)

成長性: C (回復途上)

  • 根拠: 2023年10月期を底に2024年、2025年10月期は売上高・利益ともにV字回復を見込みますが、2026年10月期は売上高微増に対し利益は減益予想となっています。過去の実績も安定した高成長とは言えず、持続的な成長には不透明感が残ります。

収益性: C (収益性課題)

  • 根拠: 過去12ヶ月のROEは7.05%、営業利益率は3.69%と、いずれも一般的なベンチマーク(ROE 10%、営業利益率 10%)を下回る水準です。利益の質の高さは評価できますが、全体的な収益力と資本効率には改善の余地が大きいと言えます。

財務健全性: A (極めて強固)

  • 根拠: 自己資本比率77.8%と流動比率308%は非常に高く、極めて強固な財務基盤を有しています。これは不況時や不測の事態にも耐えうる大きな強みです。Piotroski F-Scoreは2点と低い評価を受けましたが、これは主に効率性の課題に起因し、基本的な財務健全性は揺るがないと判断できます。

株価バリュエーション: C (やや割高)

  • 根拠: PBRは0.62倍と1倍を大きく下回る「解散価値割れ」の水準であり、絶対的な割安感があります。しかし、PER12.49倍は業界平均7.3倍と比較して約71%割高であり、収益性の低さを考慮すると現在の利益に対してやや高い評価がなされていると考えられます。PBRの割安感はあるものの、相対的なPERの割高感と収益性の課題を総合すると、バリュエーション全体としては「やや割高」と評価します。

企業情報

銘柄コード 7265
企業名 エイケン工業
URL http://www.eiken-kk.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,670円
EPS(1株利益) 293.81円
年間配当 3.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 14.4倍 4,220円 2.9%
標準 0.0% 12.5倍 3,670円 0.1%
悲観 1.0% 10.6倍 3,278円 -2.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,670円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,832円 △ 100%割高
10% 2,288円 △ 60%割高
5% 2,887円 △ 27%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.17)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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