アイキューブドシステムズ(4495)企業分析レポート

最終更新日: 2026年1月25日

企業の一言説明

アイキューブドシステムズは、法人向けモバイル端末管理サービス「CLOMO MDM」を主力事業として展開する、国内MDM市場でトップシェアを誇るSaaS企業です。

投資判断のための3つのキーポイント
  • 高成長・高収益のSaaSビジネスモデル: 主力事業の「CLOMO」は高水準の売上成長と利益率を誇り、SaaSモデルによる安定した収益基盤を確立しています。導入法人数も順調に増加しており、継続的な成長が期待されます。
  • 強固な財務体質: 自己資本比率60.1%、流動比率221%と非常に高い財務健全性を保っています。潤沢な手元資金を有し、安定した事業運営と機動的な成長投資・株主還元が可能な基盤があります。ROE・ROAも高水準で、資本効率が優れています。
  • 投資事業の変動と高い株価ボラティリティ: グループ全体では投資事業も展開しており、その売却益の有無が連結業績に一時的な影響を与える可能性があります。また、株価は過去1年で大幅に上昇していますが、年間ボラティリティは約40%と高く、短期的には変動リスクを伴います。PBRは業界平均を上回る水準にあり、バリュエーションには注意が必要です。
企業スコア早見表
項目 スコア 判定
成長性 S 非常に優良
収益性 S 非常に優良
財務健全性 S 非常に優良
バリュエーション C やや不安

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー
指標 業界平均比
株価 2,731.0円
PER 18.99倍 業界平均66.2倍
PBR 5.14倍 業界平均3.5倍
配当利回り 1.32%
ROE 21.75%

1. 企業概要

アイキューブドシステムズは、法人向けにクラウドベースのモバイル端末管理(MDM)サービス「CLOMO MDM」を提供するSaaS企業です。主力サービスであるCLOMOシリーズは、「CLOMO MDM」のほかにも、セキュアなブラウザ、連絡帳、ドキュメント共有、メール、カレンダーなどのアプリケーションを展開しています。収益は月額課金のSaaSモデルが中心で、安定的なリカーリングレベニューが特徴です。強みは、MDM市場において長年にわたり高いシェアを維持している実績と、ISMAP登録に代表される強固なセキュリティ認証、そしてNTTドコモなどの大手パートナーを通じた強力な販売網にあります。

2. 業界ポジション

国内法人向けMDMサービス市場において、「CLOMO MDM」は14年連続でシェアNo.1を獲得しており、業界内での圧倒的なポジションを確立しています。競合に対する強みは、豊富な導入実績と運用ノウハウ、高い製品信頼性、そして幅広いデバイス・OSへの対応力です。一方で、SaaS市場全体の競争激化や、競合他社の多機能化には常に注意が必要です。同社のPER 18.99倍は業界平均PER 66.2倍を大幅に下回っていますが、PBR 5.14倍は業界平均PBR 3.5倍を上回っており、成長期待からPBRが高く評価されるSaaS企業の特性が見られます。

3. 経営戦略

中期経営計画では、主力であるCLOMO事業の市場シェアの維持・拡大を最重要課題と位置付けています。具体的には、OEM提供(NTTドコモ「あんしんマネージャーNEXT」への提供など)による新規顧客獲得、既存サービス内でのクロスセルやオプションサービス拡充によるARPU(Average Revenue Per User:顧客単価)向上施策を推進しています。最近の重要な適時開示としては、Windows PC向けの情報漏洩対策サービス強化や、M&A(ワンビ子会社化)を通じた事業領域の拡大が挙げられます。これらの戦略を通じて、デジタル化の進展や多様な働き方に対応し、中長期的な成長基盤の強化を目指しています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

F-Score: 3/9点 (C/D: 要注意)

  • 収益性スコア: 0/3
  • 財務健全性スコア: 1/3
  • 効率性スコア: 2/3

F-Scoreが3点と低いのは、過去のデータの比較や特定の計算基準によるもので、財務面の一部に改善余地がある、あるいは過去から現在の財務状況の変化がF-Scoreのロジックではネガティブに評価されている可能性を示唆します。ただし、個別の財務指標は良好なものが多いです。

【収益性】
指標 ベンチマーク 判定
営業利益率 32.35% (過去12か月) 高水準(SaaSとして良好)
ROE 21.75% (実績) 10% 優良
ROA 16.83% (過去12か月) 5% 優良

過去12か月の営業利益率は32.35%と非常に高く、SaaSビジネスモデルの優位性を示しています。株主資本利益率(ROE)は21.75%、総資産利益率(ROA)も16.83%と、いずれも一般的な目安を大きく上回る優良な水準であり、資本を効率的に活用して利益を生み出す能力に長けています。

【財務健全性】
指標
自己資本比率 57.7% (実績) / 60.1% (直近四半期)
流動比率 221% (直近四半期)

自己資本比率は直近四半期で60.1%と非常に高く、財務基盤が非常に強固であることを示しています。流動比率も2.21倍(221%)と、短期的な支払い能力に全く問題がない健全な水準です。借入に依存しない安定的な経営が特徴です。

【キャッシュフロー】

四半期キャッシュ・フロー計算書は作成していないため、営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローの具体的な数値は公開されていません。ただし、直近四半期における現金及び預金は2,119百万円と潤沢ですが、前期末から106百万円減少しています。ソフトウェア仮勘定の増加は、将来の成長に向けた開発投資が行われていることを示唆しています。

【利益の質】

四半期キャッシュフロー情報が未開示のため、営業CF/純利益比率は算出できません。

【四半期進捗】

2026年6月期第1四半期(2025年7月-9月)の業績は、通期予想に対する進捗が堅調です。

  • 売上高進捗率: 約23.5%(通期予想4,508百万円に対し実績1,057百万円)
  • 営業利益進捗率: 約30.7%(通期予想1,113百万円に対し実績341.97百万円)
  • 親会社株主に帰属する当期純利益進捗率: 約30.4%(通期予想703百万円に対し実績213.50百万円)

売上高の前年同期比+16.9%、営業利益+61.7%、純利益+43.8%と、特に利益面での高い伸びが確認できます。利益の進捗率が売上を上回っており、収益性の改善が進んでいます。ただし、投資事業の損益は期によって変動するため、今後の進捗は注視が必要です。

【バリュエーション】
指標 業界平均 判定
PER 18.99倍 66.2倍 割安(業界平均に対し大幅に低い)
PBR 5.14倍 3.5倍 割高(業界平均に対し高い)

PER(株価収益率)は18.99倍と業界平均の66.2倍を大幅に下回っており、一見すると割安に見えます。これは、成長性が高い一方で投資事業の損益変動がPERの計算に影響を与えている可能性や、市場が同社の利益成長に対してまだ十分に評価しきれていない可能性を示唆しています。一方で、PBR(株価純資産倍率)は5.14倍と業界平均の3.5倍を上回っており、解散価値に対しては割高と判断されます。SaaS企業は無形資産価値や将来の成長期待からPBRが高くなる傾向があるため、一概に割高とは言えない面もありますが、単純な比較では注意が必要です。

【テクニカルシグナル】
指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 現時点では短期トレンドの明確な方向性を示すシグナルは出ていない
RSI 中立 買われすぎでも売られすぎでもない中立的な状態

移動平均線乖離率はデータなし。現時点では、MACDもRSIも中立的な状態を示しており、明確な売買シグナルは発生していません。

【テクニカル】

株価2,731.0円は52週高値2,980.0円の84.3%に位置し、年間高値圏で推移しています。直近の移動平均線を見ると、5日移動平均線(2,745.40円)および25日移動平均線(2,794.96円)を下回っており、短期的な調整局面にあることが示唆されます。一方で、75日移動平均線(2,588.40円)と200日移動平均線(2,168.32円)は大きく上回っており、中長期的な上昇トレンドは継続していると判断できます。年初来安値1,399円からは大きく回復している状況です。

【市場比較】

過去3ヶ月、6ヶ月、1年間のリターンでは、日経平均株価やTOPIXを大幅に上回るパフォーマンスを示しており、市場全体の成長を牽引するグロース銘柄としての特性を発揮しています。特に過去1年では日経平均を51.73ポイント、TOPIXを51.73ポイント上回る+89.13%のリターンを達成しています。しかし、直近1ヶ月では日経平均、TOPIXともに下回っており、短期的にやや軟調な推移となっています。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が0.00倍と表示されていますが、これは信用売残が0株であるため計算不能な状態を指します。信用買残は91,300株存在しており、将来的な株価上昇局面での需給逼迫や、買残解消による短期的な下落リスクは考慮に入れる必要があります。

【定量リスク】
指標 解釈
年間ボラティリティ 40.49% 仮に100万円投資した場合、年間で±40.49万円程度の変動が想定され、株価の変動幅が大きいことを示します。
シャープレシオ -0.75 過去の期間において、リスクに見合ったリターンが得られていなかった可能性を示します。期待収益率をリスクで割ったもので、1.0以上が良好とされます。
最大ドローダウン -64.68% 過去最悪の下落率で、ポートフォリオがこの程度の下落(100万円投資で約65万円の損失)を経験する可能性があることを示します。
年間平均リターン -30.06% 過去の特定の期間において、年間で平均30.06%のマイナスリターンであったことを示します。株価の変動が大きく、パフォーマンスが安定しないグロース株の特性を反映しています。

ベータ値は0.46と市場全体に対する連動性が低いことを示していますが、年間ボラティリティは40.49%と高く、株価の変動が大きい銘柄です。最大ドローダウンも-64.68%に達しており、大きな価格下落リスクを許容できる投資家向けといえます。シャープレシオがマイナスである点や、年間平均リターンがマイナスである点は、過去の株価が期待されたほど効率的に上昇していない、あるいは下落基調にあった時期があったことを示唆しています。

【事業リスク】
  • 投資事業における収益変動リスク: CLOMO事業は安定していますが、CVC/M&Aを通じた投資事業は、投資有価証券の売却益の有無により連結業績、特に純利益に大きな変動をもたらす可能性があります。
  • SaaS市場の競争激化: 法人向けSaaS市場は成長が期待される一方で、新規参入や競合他社の多機能化、価格競争が激しくなる可能性があります。CLOMO事業が優位性を維持できるかどうかが重要なリスク要因です。
  • 人材確保とコスト増: 高度な技術や専門知識を持つ人材の確保はSaaS企業にとって不可欠ですが、IT人材の獲得競争は激しく、人件費の上昇が利益を圧迫する可能性があります。M&A後の組織統合やのれん償却費の増加も費用増の一因となります。

7. 市場センチメント

信用倍率は0.00倍と表示されていますが、これは信用売残が0株であるため計算不能な状態を指します。信用買残は91,300株あり、買残優勢の状況です。
主要株主構成を見ると、筆頭株主である佐々木勉氏が51.16%(2,715,000株)を保有しており、経営陣が過半数の株式を保有しているため、株主構成は安定していると言えます。その他、畑中洋亮氏が7.93%、自社(自己株口)が7.92%を保有しています。

8. 株主還元

配当利回り(会社予想)は1.32%で、1株配当は36.00円を予定しています。配当性向(会社予想)は31.02%であり、利益の約3割を配当に回していることになります。これは、事業の成長を優先しながらも、安定的な株主還元を目指す姿勢を示していると言えるでしょう。直近で大規模な自社株買いの発表はありませんが、過去には機動的に実施する方針が示されており、今後の状況によっては再開される可能性もあります。

SWOT分析

強み

  • 国内MDM(モバイル端末管理)市場で長期にわたりトップシェアを維持している。
  • SaaSビジネスモデルによる安定的な収益性と高い利益率(営業利益率32%超、ROE21%超)。

弱み

  • 投資事業の損益が連結業績に不確実性をもたらす。
  • 高い株価ボラティリティと過去の年間平均リターンがマイナスである点。

機会

  • DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に伴うモバイル資産管理市場の拡大。
  • Windows PC向けサービスや医療・官公庁分野への展開による新たな成長領域の開拓。

脅威

  • SaaS市場における国内外競合他社との競争激化。
  • IT人材確保競争の激化による人件費増、M&A後の統合リスク。
この銘柄が向いている投資家
  • 成長株を狙う投資家: SaaSビジネスの成長性と高収益性を評価し、市場拡大の恩恵を受けたい投資家。
  • SaaSビジネスモデルを理解している長期投資家: 短期的な株価変動には耐えつつ、CLOMO事業の継続的な顧客基盤拡大とARPU向上に期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
  • バリュエーション水準: PBRが業界平均を上回っており、成長期待が株価に織り込まれている可能性が高いため、過度な期待は禁物です。
  • 投資事業の動向: 投資事業の売却益の有無が、通期利益に大きく影響する可能性があるため、決算発表時には注意深く確認する必要があります。
  • ボラティリティ: 年間ボラティリティが40%を超えており、株価の変動が激しい銘柄であるため、リスク管理を徹底する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
  • CLOMO事業の導入法人数とARPU推移: SaaS事業の根幹となる顧客基盤の拡大と顧客単価向上は、継続的な成長の鍵となります。
  • 販管費の推移と収益性への影響: 人件費やのれん償却費を含む販管費が、高い営業利益率を維持できるかに影響を与えるため、その動向を注視すべきです。
  • 投資事業の損益変動: 四半期ごとの投資事業の売上・利益の状況を確認し、連結業績への影響度を把握することが重要です。
成長性: S (非常に優良)
  • 根拠: 過去12か月の売上高成長率は+16.90%(通期予想では+20.2%)。営業利益、経常利益、純利益、EPSの通期予想も軒並み20%以上の成長を見込んでおり、特にEPSは+31%と高い成長性を示しています。これは当社のSaaSビジネスモデルが市場拡大の恩恵を大きく受けていることを反映しています。
収益性: S (非常に優良)
  • 根拠: ROE(株主資本利益率)は21.75%、ROA(総資産利益率)は16.83%と、いずれも15%を大きく上回る高水準です。過去12か月の営業利益率は32.35%とSaaS企業としても非常に高く、効率的な経営と高い稼ぐ力があることを示しています。
財務健全性: S (非常に優良)
  • 根拠: 自己資本比率は直近四半期で60.1%と非常に高く、流動比率も221%と短期的な支払い能力に全く問題ありません。潤沢な現金及び預金も保有しており、借入依存度が低く、財務基盤は極めて強固です。Piotroski F-Scoreは3点と低いですが、個別のバランスシートの数値は優良であり、実質的な財務健全性は非常に高いと判断されます。
バリュエーション: C (やや不安)
  • 根拠: PER 18.99倍は業界平均66.2倍を大きく下回るため、一見割安に見えます。しかし、PBR 5.14倍は業界平均3.5倍を大幅に上回っており、解散価値から見ると割高な水準です。SaaS企業は成長期待からPBRが高くなる傾向もありますが、過去の業績推移で利益が変動している点を考慮すると、単純な業界平均との比較では割高感があり、注意が必要です。成長期待が株価に十分に織り込まれている可能性も考慮し、やや不安と判断します。

企業情報

銘柄コード 4495
企業名 アイキューブドシステムズ
URL https://www.i3-systems.com/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,731円
EPS(1株利益) 143.85円
年間配当 1.32円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 11.8% 30.0倍 7,540円 22.6%
標準 9.1% 26.1倍 5,795円 16.3%
悲観 5.5% 22.2倍 4,157円 8.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,731円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,885円 ○ 5%割安
10% 3,603円 ○ 24%割安
5% 4,547円 ○ 40%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.17)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。