企業の一言説明

木村化工機は、化学プラント、特に蒸発・濃縮装置や核燃料関連機器に強みを持つ、エンジニアリング事業を主力に展開する老舗機械メーカーです。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 堅固な財務基盤と高い収益性: Piotroski F-Scoreが9点満点中9点と極めて優良な財務品質を誇ります。過去12か月ベースでは、ROE11.31%、営業利益率15.05%と高い収益性も維持しています。
  • 独自の技術力と安定した受注残: 化学・原子力分野といった専門性の高い領域で長年の実績と技術的ノウハウを有しており、特に核燃料関連機器における強みは参入障壁として機能します。厚い受注残高が業績の安定に寄与しています。
  • 直近の受注減少とバリュエーション水準: 直近の中間期決算では受注高が前年同期比△19.4%と大幅に減少しており、エンジニアリング事業の利益率も大きく悪化しています。また、PER13.9倍、PBR1.30倍がいずれも業界平均を大きく上回っており、割高感には注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや不安
収益性 A 良好
財務健全性 S 優良
バリュエーション D 懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1273.0円
PER 13.9倍 業界平均10.7倍
PBR 1.30倍 業界平均0.7倍
配当利回り 3.22%
ROE 11.31%

1. 企業概要

木村化工機は1924年創業の老舗エンジニアリング企業です。化学プラントの設計から製作、据付、現地工事、メンテナンスまでを一貫して手掛け、特に蒸発・濃縮装置において高い技術力を有しています。加えて、原子力発電関連の容器や濃縮機器にも強みを持ち、公害防止用機器も提供しています。これら専門性の高い産業機械およびプラントシステムの提供を収益モデルとしており、長年の経験とノウハウが技術的独自性や参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

同社は国内のプラント・産業機械業界において、特定の専門分野、特に原子力関連機器(核燃料輸送容器、濃縮関連機器)や高機能化学プラント(蒸発・濃縮装置)で独自の地位を確立しています。直接的な市場シェアのデータはありませんが、ニッチながらも高付加価値な領域で強みを発揮しています。競合と比較して、高難度の技術と厳しい品質基準が求められる分野での実績が強みと言えます。
バリュエーション面では、同社のPER13.9倍は業界平均の10.7倍を、PBR1.30倍は業界平均の0.7倍をそれぞれ上回っており、業界平均と比較すると割高な水準にあります。

3. 経営戦略

木村化工機は、国内の設備投資が慎重姿勢を継続する中、脱炭素関連・省エネ投資、維持更新投資が堅調であると認識しており、これらの需要を取り込む戦略を進めています。特に、エネルギー・環境事業(原子力含む)では高い受注残を維持しており、この分野が今後の成長ドライバーとなる期待があります。
直近の重要イベントとしては、すでに2025年11月7日に2026年3月期の第2四半期決算短信を提出済みです。また、今後2026年3月30日に期末配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 9/9 S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好)
収益性 3/3 純利益がプラスであり、営業CFもプラスで、ROAも資産を有効活用していることを示す良好な水準です。
財務健全性 3/3 流動比率が短期債務を十分にカバーし、D/Eレシオが低い水準で、株式希薄化もないため、安定した財務状態を示しています。
効率性 3/3 営業利益率とROEが高水準を維持し、直近の四半期売上高も成長しており、効率的な事業運営と株主価値向上への貢献が期待できます。

提供データに基づくPiotroski F-Scoreは9点中9点と、非常に優れた財務品質を示しています。収益性、財務健全性、効率性の全ての観点において高評価を得ており、強固な経営基盤があることが示唆されます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 15.05%。高い水準で本業の収益力が優れていることを示しています。
  • ROE(過去12か月): 11.31%。株主資本を効率的に活用し、利益を生み出す能力が良好な目安(10%)を上回っています。
  • ROA(過去12か月): 5.24%。総資産に対する利益率も目安(5%)を上回り、資産全体を効率的に活用していると評価できます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 56.4%。総資産に占める自己資本の割合が高く、財務の安定性が良好な水準です。
  • 流動比率(直近四半期): 2.40倍(240%)。短期的な支払い能力を示す指標で、200%以上が望ましいとされる中で非常に良好な水準を維持しており、財務的な流動性は高いです。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(過去12か月): 1,600百万円。本業で安定してキャッシュを生み出していることを示していますが、直近の中間期では△1,233百万円と赤字転換しており、注意が必要です。
  • FCF(過去12か月): 577.75百万円。営業活動で得られたキャッシュから投資活動に回した後の手元に残るキャッシュで、事業の自由度を示す指標です。プラスを維持しており、事業投資や株主還元に充てる余力があることを示しますが、営業CFの悪化を背景に直近中間期では△2,629百万円とマイナスとなっています。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 0.76。これは、純利益に対して営業活動で稼いだキャッシュの割合を示します。
    • 評価: B (普通)
    • 解釈: 1.0以上が健全とされますが、0.76は利益の一部が現金として裏付けられていないことを示唆しており、売掛金や棚卸資産の増加が要因である可能性があります。直近中間期では△1.54と大幅なマイナスになっており、純利益の約1.5倍のキャッシュが事業活動で流出している状況です。これは、売上債権の増加や棚卸資産の増加が主な要因であり、今後のキャッシュ創出力の回復が望まれます。

【四半期進捗】

2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信によると、通期予想に対する進捗率は以下の通りです。

  • 売上高進捗率: 48.8% (通期予想25,500百万円に対し、中間期実績12,456百万円)
  • 営業利益進捗率: 45.1% (通期予想2,520百万円に対し、中間期実績1,137百万円)
  • 純利益進捗率: 44.0% (通期予想1,820百万円に対し、中間期実績801百万円)

同社は年度末に売上が集中する季節性があるため、中間時点での進捗は通期計画に整合していると評価されています。しかし、営業利益率は9.13%と前年同期の11.63%から低下しており、直近の収益性悪化が懸念されます。
直近3四半期の売上高・営業利益の推移(データより算出):

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円)
3/31/2023 21,553 1,736
3/31/2024 24,670 2,088
3/31/2025 26,431 3,012
過去12か月 26,541 2,719

過去12か月の売上高26,541百万円、営業利益2,719百万円。前年度(2025年3月期)と比較すると、売上高は微増ですが、営業利益は減少傾向にあります。これは、最新の中間期決算で示された営業利益率の低下と一致する傾向です。

【バリュエーション】

  • PER: 13.9倍
    • 業界平均PER: 10.7倍
    • 判定: 業界平均の約130%と高水準であり、割高と判断されます。
  • PBR: 1.30倍
    • 業界平均PBR: 0.7倍
    • 判定: 業界平均の約186%と高水準であり、割高と判断されます。

目標株価(業種平均PER基準)1136円、目標株価(業種平均PBR基準)684円と比較しても、現在の株価1273.0円は割高な水準にあります。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 特段のトレンド転換シグナルなし
RSI 中立 [データなし] 買われすぎ・売られすぎの水準ではない
移動平均乖離率 上方乖離 +0.79% (25日線) 中期的な上昇トレンドを示唆するが、短期的にはわずかな乖離

現在のテクニカルシグナルはMACD、RSIともに中立であり、明確な売買サインは出ていません。ただし、移動平均線との関係を見ると、株価は5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線をすべて上回っており、緩やかな上昇トレンドにあることを示唆しています。特に200日線からは+27.71%と大きく上方乖離しており、長期的な力強い上昇を示しています。

【テクニカル】

  • 52週高値・安値との位置: 52週高値1,405円、52週安値580円に対し、現在の株価1273.0円は52週レンジの84.0%の位置にあり、高値圏で推移しています。
  • 移動平均線との関係:
    • 5日移動平均線: 1,272.00円(株価が0.08%上回る)
    • 25日移動平均線: 1,263.08円(株価が0.79%上回る)
    • 75日移動平均線: 1,176.16円(株価が8.23%上回る)
    • 200日移動平均線: 996.78円(株価が27.71%上回る)

すべての主要移動平均線を上回っており、特に長期の200日移動平均線からの乖離率が大きいことは、強い上昇トレンドが続いていることを示します。

【市場比較】

  • 日経平均比:
    • 1年リターンで見ると、木村化工機は+54.30%に対し日経平均は+38.73%と、15.57%ポイント上回るパフォーマンスを見せています。
    • 短期的には変動がありますが、中長期では日経平均をアウトパフォームしています。
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月リターンでは僅かにTOPIXを下回っていますが、長期的に見ると市場全体に対して優位性を示している可能性があります。

【注意事項】

  • ⚠️ 信用倍率が12.10倍と高水準です。これは将来の売り圧力が蓄積している可能性を示しており、株価の上昇局面で急落するリスクに注意が必要です。

【定量リスク】

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.02
    • 解釈: 市場全体の動きに対する感応度を示す指標で、0.02という非常に低い値は、市場全体(日経平均やTOPIX)の変動に対して木村化工機の株価がほとんど影響を受けないことを示しています。これは、市場全体のリスクが低いことを意味し、ディフェンシブな特性を持つと考えられます。
  • 年間ボラティリティ: 44.22%
    • 解釈: 年間の株価変動の大きさを表します。過去のデータに基づくと、年間で±44.22%程度の株価変動が想定されるため、仮に100万円投資した場合、年間で±44.22万円程度の変動が想定されます。変動幅は比較的大きいと言えます。
  • 最大ドローダウン: -58.89%
    • 解釈: 過去のデータにおける最大の株価下落率です。過去には株価がほぼ半減するリスクがあったことを示しており、今後も同様の下落が起こる可能性は常に考慮すべきです。
  • 年間平均リターン: -21.94%
    • 解釈: 過去の年間平均リターンはマイナスですが、直近の1年リターンは+54.30%と大きく改善しています。短期的な変動が大きいため、長期的な平均リターンが安定しない傾向があるかもしれません。
  • シャープレシオ: -0.51
    • 解釈: 投資のリスク(価格変動)に見合ったリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。マイナスの値は、得られたリターンがリスクに見合っていないことを示しており、投資効率が低い期間があったことを示唆します。

【事業リスク】

  • 受注高の減少と工事の遅延: 直近の中間期で受注高が約2割減と大幅に減少しており、これが今後売上や利益に影響を与えるリスクがあります。また、大規模プラント建設では計画の変更や遅延が発生しやすく、業績の下振れ要因となる可能性があります。
  • 原材料・エネルギー価格の変動: 化学プラントや機械装置の製造には多様な原材料やエネルギーを必要とします。これらの価格変動は製造コストに直結し、利益率を圧迫するリスクがあります。
  • 特定の事業分野への依存と規制動向: 原子力関連機器に強みを持つ一方で、この分野は国の政策や規制動向に大きく左右されます。国内外の原子力政策の変化は、同社のエネルギー・環境事業に大きな影響を与える可能性があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況:
    • 信用買残: 401,800株
    • 信用売残: 33,200株
    • 信用倍率: 12.10倍
    • 解釈: 信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率が12.10倍と高水準です。これは、将来的に株価上昇局面で利益確定売りが出やすい、あるいは下落局面で追証による投げ売りが出やすいなど、売り圧力となるリスクを抱えていることを示唆します。
  • 主要株主構成(上位3社):
    • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 9.33%
    • 日本カストディ銀行(信託口): 6.60%
    • 自社関連グループ持株会: 5.75%
    • 解釈: 機関投資家(信託銀行)が上位を占め、自社関連の持株会が安定株主として名を連ねています。これは、安定した大株主が存在することを示唆し、株価の安定性には寄与する可能性があります。

8. 株主還元

  • 配当利回り: 3.22%
    • 解釈: 現在の株価に対して3.22%の配当利回りは、配当を重視する投資家にとって魅力的な水準と言えます。
  • 配当性向(会社予想ベース): 44.6% (通期予想 EPS 91.89円に対し、年間配当41円)
    • 解釈: 利益の約45%を配当に回していることになります。これは、利益を内部留保しつつ、株主への還元もバランス良く行っている水準(一般的に30-50%が適切とされる)と言えます。
  • 自社株買いの状況: 決算短信に自社株買いに関する記載はありません。

SWOT分析

強み

  • 化学プラント、蒸発・濃縮装置、原子力関連機器における高い専門技術力と長年の実績。
  • Piotroski F-Scoreが9点と極めて優良な財務健全性。

弱み

  • 直近の中間期で受注高が大幅に減少し、エンジニアリング事業の利益率が大幅に悪化。
  • 特定の事業分野(原子力等)が外部環境や政策に左右されるリスク。

機会

  • 脱炭素、省エネ、維持更新投資といった社会的なニーズの高まりによる関連事業の需要拡大。
  • 原子力分野における既存施設の維持・更新や新型炉開発などの長期的な需要。

脅威

  • 景気変動による設備投資の抑制、原材料価格の高騰、為替レートの変動。
  • 信用倍率の高さによる将来的な株価下落圧力。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した財務基盤を重視する長期投資家: 極めて健全な財務状態は、景気変動に対する耐性を示唆します。
  • 専門性の高い技術を持つ企業を評価する投資家: 化学・原子力といったニッチかつ高難度の分野での技術力は、長期的な競争優位性となります。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 受注動向と収益性の変化: 直近の受注減少や利益率低下は今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。四半期ごとの受注動向と収益性の回復状況を慎重に確認する必要があります。
  • バリュエーションの水準: PER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、現在の株価が割高である可能性を認識し、株価調整のリスクも考慮に入れるべきです。

今後ウォッチすべき指標

  • 四半期ごとの受注高: 特にエンジニアリング事業及び、エネルギー・環境事業の受注動向。
  • 営業利益率の推移: 直近での低下傾向が止まり、回復するかどうか。
  • キャッシュフローの状況: 営業キャッシュフローの黒字転換とフリーキャッシュフローの安定的な創出。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: C (やや不安)
    • 根拠: 過去12ヶ月の売上高成長率は8.80%とBの範囲ですが、2026年3月期の会社予想では売上高、営業利益、純利益のいずれも前年比で減少を見込んでいます。特に中間期の受注実績が大幅な減少を示しており、将来の成長力には不確実性が伴います。
  • 収益性: A (良好)
    • 根拠: 過去12ヶ月のROEは11.31%(A基準)、営業利益率は15.05%(S基準)と高水準を維持しています。ただし、直近中間期の営業利益率は9.13%に低下しており、通期予想の営業利益率も9.88%と10%を下回る見込みであるため、Sには届かないものの全体としては良好な水準にあります。
  • 財務健全性: S (優良)
    • 根拠: 自己資本比率56.4%、流動比率240%と非常に高く、Piotroski F-Scoreも9点満点中9点と申し分ありません。短期・長期的な財務安定性は極めて優れており、財務的なリスクは低いと評価できます。
  • バリュエーション: D (懸念)
    • 根拠: PER13.9倍は業界平均10.7倍の約130%に、PBR1.30倍は業界平均0.7倍の約186%に相当します。いずれの指標においても業界平均を大きく上回っており、現在の株価は割高圏にあると判断されます。

企業情報

銘柄コード 6378
企業名 木村化工機
URL http://www.kcpc.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,273円
EPS(1株利益) 91.89円
年間配当 41.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 18.7% 16.0倍 3,461円 24.5%
標準 14.4% 13.9倍 2,501円 17.2%
悲観 8.6% 11.8倍 1,642円 8.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,273円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,399円 ○ 9%割安
10% 1,747円 ○ 27%割安
5% 2,204円 ○ 42%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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