企業の一言説明

SBIアルヒは、固定金利住宅ローン「フラット35」でトップシェアを誇る、SBIグループ傘下の住宅金融事業を展開する企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 「フラット35」での強固な市場地位とSBIグループのシナジー効果:国内最大級の「フラット35」取扱実績と、SBIグループの幅広い金融ネットワークとの連携は、安定的な事業基盤と成長機会を提供します。
  • 収益構造の多様化とリカーリング収益の伸長:オリジネーション関連収益が減少する一方で、安定したリカーリング(継続的な)収益やアセット(資産運用)関連収益が成長しており、収益基盤の多様化が進んでいます。
  • 調達金利の上昇と利益の質への懸念:調達金利の上昇が金融費用を押し上げ、利益を圧迫している点が課題です。また、営業キャッシュフローのマイナスや高い配当性向は、利益の質や財務の健全性において注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 A 良好・回復基調
収益性 C やや不安
財務健全性 C やや不安
バリュエーション D 懸念・割高

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 883.0円
PER 23.05倍 業界平均10.3倍 (約2.2倍)
PBR 0.93倍 業界平均0.9倍 (約1.03倍)
配当利回り 4.53%
ROE 4.53%

1. 企業概要

SBIアルヒは、長期固定金利住宅ローン「フラット35」の貸出・回収・取次業務を主力とする住宅金融専門企業です。その他、変動金利・固定選択型住宅ローンの提供、保険・銀行代理業、不動産関連サービスなどを手掛けています。2024年1月にARUHI CorporationからSBI ARUHI Corporationに社名変更し、SBIホールディングスの連結子会社としてグループ内のシナジーを追求しています。国内の「フラット35」取扱高でトップシェアを誇り、デジタルと実店舗を融合した独自のビジネスモデルを展開している点が強みです。

2. 業界ポジション

SBIアルヒは、住宅ローン市場において特に「フラット35」分野で圧倒的な取扱高を誇り、確固たる地位を築いています。近年は変動金利商品にも注力しており、市場の変化に対応する姿勢を見せています。競合は他の金融機関やノンバンクですが、「フラット35」におけるブランド力と全国ネットワークは大きな強みです。業界平均と比較すると、PERは23.05倍と業界平均10.3倍を大きく上回る一方、PBRは0.93倍と業界平均0.9倍に近い水準です。これは、収益性に対する市場の期待が先行している、もしくは他の金融機関とは異なる事業構造を持つことに起因している可能性があります。

3. 経営戦略

SBIアルヒの中期経営戦略としては、主力である「フラット35」の優位性を維持しつつ、変動金利型住宅ローンの拡充や、リカーリング収益(住宅購入後の継続的な収益)およびアセット・その他収益(資産運用や不動産関連収益)の強化による収益構造の多様化を推進しています。直近の決算では、オリジネーション関連収益が減少する中でも、リカーリング収益が前年同期比+18.4%、アセット・その他収益が+26.2%と大幅に成長しており、戦略の進捗が見られます。今後のイベントとしては、2026年3月30日に期末配当の権利落ち日が予定されています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 5/9 A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり)
収益性 2/3 ✅純利益、ROAはプラスだが、❌営業キャッシュフローはマイナス
財務健全性 2/3 ✅流動比率は高いが、❌D/Eレシオは高く、✅株式希薄化なし
効率性 1/3 ✅四半期売上成長はプラスだが、❌営業利益率、ROEは目標を下回る

解説:

SBIアルヒのF-Scoreは5点で「良好」と判定されますが、詳細を見ると改善すべき点も複数あります。収益性では純利益とROAがプラスであるものの、営業キャッシュフローがマイナスである点が懸念事項です。財務健全性では流動比率は高いものの、D/Eレシオ(負債資本倍率)が高く、負債依存度が高い傾向が見られます。効率性では四半期売上成長はプラスであるものの、営業利益率とROEが目標水準を下回っています。

【収益性】

指標 ベンチマーク 評価
営業利益率(過去12ヶ月) -11.87% 特殊
営業利益率(直近中間期) 9.95% 普通
ROE(実績) 4.53% 10%以上 低い
ROA(過去12ヶ月) 0.79% 5%以上 低い

解説: 過去12ヶ月の営業利益率はマイナスですが、これは金融費用が営業外費用に計上される特性によるもので、直近中間期の営業利益率は約10%と堅調です。しかし、ROE(株主資本利益率)4.53%およびROA(総資産利益率)0.79%は、一般的な目安(ROE10%、ROA5%)を大きく下回っており、資本を効率的に活用して利益を生み出す能力には課題があります。

【財務健全性】

指標 目安 評価
自己資本比率(実績) 20.4% 40%以上 やや低い
流動比率(直近四半期) 3.42倍 1.5-2.0倍以上 良好

解説: 自己資本比率は20.4%と、金融機関としては平均的な水準ですが、安定性の目安とされる40%以上には届いていません。これは負債(特に住宅ローン債権の裏付けとなる借入金)が比較的大きいことを示唆します。一方、流動比率は3.42倍と高く、短期的な支払い能力は非常に良好であることが分かります。

【キャッシュフロー】

指標
営業CF(過去12ヶ月) -6,310百万円
FCF(過去12ヶ月) 33,660百万円

解説: 過去12ヶ月間の営業キャッシュフローは-6,310百万円とマイナスであり、本業での現金の創出力に懸念があります。これは、金融機関特有の会計処理や、繰延税金資産の増減、貸出債権の増加などが影響している可能性があります。一方で、レバレッジド・フリーキャッシュフロー(事業活動と借入を考慮した現金の残り)は33,660百万円と大幅なプラスを示しており、特定の要因(例:債権の証券化による現金化など)で手元資金を確保している状況が考えられます。

【利益の質】

指標 評価
営業CF/純利益比率(過去12ヶ月) -3.49 D (要注意(利益の質に懸念))

解説: 営業キャッシュフローがマイナスであるにもかかわらず純利益がプラスであるため、営業CF/純利益比率はマイナス値となり、利益の質に重大な懸念があります。これは、会計上の利益と実際の現金創出に大きな乖離があることを示唆しており、利益が実質的な現金の裏付けを伴っていない可能性を考慮する必要があります。

【四半期進捗】

2026年3月期第2四半期(中間期)決算では、通期予想に対する進捗率が、営業収益で51.3%、税引前利益で47.0%、親会社帰属利益で49.1%と、おおむね半期の想定レンジ内に収まっています。
売上高(営業収益)は前年同期比+9.9%と増加しましたが、調達金利の上昇に伴う金融費用増により、税引前利益および親会社帰属利益はそれぞれ△12.2%、△10.1%減益となりました。

【バリュエーション】

指標 SBIアルヒ 業界平均 判定
PER 23.05倍 10.3倍 割高
PBR 0.93倍 0.9倍 適正

解説: SBIアルヒのPER(株価収益率)は23.05倍と、業界平均の10.3倍を大きく上回っており、利益水準から見ると割高な評価を受けていると言えます。一方でPBR(株価純資産倍率)は0.93倍と、業界平均の0.9倍に近い水準であり、純資産価値から見れば適正圏内です。しかし、低いROEを考慮すると、PBRが1倍を下回っていても割安とは言い切れません。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 短期のトレンド転換シグナルは見られない
RSI 中立 [データなし] 買われすぎでも売られすぎでもない
移動平均乖離率 下方乖離 -1.95% (5日線) / -2.63% (25日線) 株価は短期移動平均線を下回っている

解説: MACDとRSIは明確なトレンドシグナルを示しておらず、中立的な状態です。株価は5日移動平均線と25日移動平均線を下回っており、短期的な下落圧力が示唆されます。

【テクニカル】

現在の株価883.0円は、52週高値950.0円と52週安値682.0円の中間よりやや高め(75.0%位置)にあります。直近の移動平均線を見ると、5日移動平均線(900.60円)と25日移動平均線(906.88円)を下回っており、短期的な下落トレンドです。しかし、75日移動平均線(860.81円)と200日移動平均線(825.79円)は上回っており、中長期的なトレンドは上昇基調を維持しています。

【市場比較】

SBIアルヒの株価パフォーマンスは、主要市場指数に対して劣後しています。直近1ヶ月では日経平均比で6.33%ポイント、TOPIX比で4.10%ポイントそれぞれ下回っています。6ヶ月、1年といった期間でも日経平均やTOPIXの成長率を大きく下回っており、市場全体の好調を十分に享受できていない状況です。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が6.0倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。

【定量リスク】

指標
年間ボラティリティ 27.76%
シャープレシオ 0.27
最大ドローダウン -26.98%
年間平均リターン 7.86%

解説: SBIアルヒの年間ボラティリティは27.76%と比較的高い水準です。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±27.76万円程度の変動が想定されることを意味します。過去の最大ドローダウンは-26.98%であり、短期的に株価が大きく下落するリスクも認識しておく必要があります。シャープレシオが0.27と低い値であるため、リスクに見合ったリターンが得られているとは言えない状況です。ベータ値は-0.31と市場全体と逆の動きをする傾向を示していますが、その信頼性や持続性には注意が必要です。

【事業リスク】

  • 金利変動リスク: 住宅ローンを扱う金融機関として、調達金利の変動(特に上昇局面)は、貸出金利との利鞘を圧迫し、収益に影響を与えます。決算短信でも、調達金利の上昇が金融費用増の主因とされています。
  • 住宅市場及び競争環境の変化: 住宅ローンの需要は、金利水準、景気動向、人口動態、住宅政策など様々な要因に左右されます。また、他の金融機関との競争激化も、主力である「フラット35」や変動金利商品の貸出シェア、収益性に影響を与える可能性があります。
  • 規制・政策変更リスク: 金融庁や住宅金融支援機構などの監督官庁による規制強化、あるいは住宅ローンに関する政策変更があった場合、事業展開に制約が生じたり、収益構造が変化したりするリスクがあります。

7. 市場センチメント

信用買残が562,900株に対し、信用売残が93,800株であり、信用倍率は6.00倍と高水準です。これは投資家が株価上昇を期待して買い建てている一方で、将来的にこれらの買い残が売却されることによる売り圧力が発生する可能性を秘めています。主要株主は、親会社であるSBIノンバンクホールディングスが62.47%を保有しており、安定した株主構成です。その他、複数の信託銀行や証券会社が主要株主として名を連ねています。

8. 株主還元

SBIアルヒは、年間配当40.0円(会社予想)を予定しており、株価883.0円に対する配当利回りは4.53%と高水準です。しかし、2026年3月期予想EPS38.31円に対する配当性向は、Yahoo Japanのデータでは93.1%、決算短信の計算では約104.3%となり、利益のほぼ全額、あるいはそれ以上を配当に回す計画です。これは、高配当政策を維持するための資本政策や財務余力について注視が必要であることを示唆します。現状データでは自社株買いの発表はありません。

SWOT分析

強み

  • 「フラット35」における圧倒的な市場シェアとブランド力
  • SBIグループ連結子会社としての広範な金融ネットワークとシナジー

弱み

  • ROE、ROA、自己資本比率の低さといった低い収益性と財務健全性
  • 営業キャッシュフローのマイナスと低い利益の質

機会

  • 住宅ローン市場における変動金利商品への需要変化に対応する可能性
  • SBIグループ内での提携強化による新規サービスの創出や顧客基盤の拡大

脅威

  • 調達金利上昇による金融費用の増加と利益率への継続的な圧迫
  • 住宅ローン市場の競争激化や借り換え需要の鈍化

この銘柄が向いている投資家

  • 高配当利回りを魅力に感じる投資家: ただし、配当性向の持続可能性を十分に理解し、財務状況の変化に注意を払う必要があります。
  • SBIグループの成長戦略に期待する投資家: SBIグループとしての多様な金融サービス展開の中から、新たな成長機会が生まれる可能性に関心がある投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 調達金利の動向: 今後の金利環境が、SBIアルヒの収益性に直接的に影響を与えるため、金融政策や市場金利の動向を継続してウォッチする必要があります。
  • 収益性の改善とキャッシュフローの健全化: ROEや営業利益率の改善、営業キャッシュフローのプラス転換が、本業の健全性を示す重要な指標となります。
  • 配当政策の持続可能性: 高い配当性向が継続する中で、企業の成長投資や財務体力の維持に支障がないか、今後の決算発表で確認が必要です。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率: 目標10%超への回復
  • ROE: 目標10%以上への改善
  • 自己資本比率: 目標30%以上への向上
  • 営業キャッシュフロー: プラスへの転換と安定的な創出
  • 金融費用: 調達金利の上昇に対するコントロール状況

成長性: A (良好・回復基調)

2024年3月期は減収減益でしたが、2025年3月期は回復し、2026年3月期も増益予想です。特に直近の四半期売上成長率が20.30%、四半期利益成長率が34.50%と高く、収益構造の転換が進む中で回復基調が鮮明であると評価できます。

収益性: C (やや不安)

実績ROEは4.53%、ROAは0.79%と、いずれも一般的な目安(ROE10%以上、ROA5%以上)を大幅に下回っています。営業利益率も直近中間期で約10%と堅調ではありますが、資本効率の低さが課題であり、収益力には改善の余地が大きいと判断されます。

財務健全性: C (やや不安)

自己資本比率は20.4%と、金融機関としては低めの水準にあり、負債依存度が高い傾向が見られます。Piotroski F-Scoreは5/9と良好な評価ですが、負債資本倍率(D/Eレシオ)が高い点はリスク要因です。ただし、流動比率は3.42倍と非常に高く、短期的な資金繰りは安定しています。

バリュエーション: D (懸念・割高)

会社予想PERは23.05倍と、業界平均PER10.3倍と比較して大幅に割高な水準です。PBRは0.93倍と業界平均0.9倍に近いですが、収益性(ROE)が低い点を考慮すると、現在の株価は純資産価値から見ても割高であると判断せざるを得ません。


企業情報

銘柄コード 7198
企業名 SBIアルヒ
URL https://www.sbiaruhi-group.jp/
市場区分 プライム市場
業種 金融(除く銀行) – その他金融業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 883円
EPS(1株利益) 38.31円
年間配当 4.53円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 24.3倍 931円 1.6%
標準 0.0% 21.1倍 810円 -1.2%
悲観 1.0% 18.0倍 723円 -3.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 883円

目標年率 理論株価 判定
15% 414円 △ 113%割高
10% 517円 △ 71%割高
5% 652円 △ 35%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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