企業の一言説明

住友ファーマは、精神神経、がん、再生医療の領域で医薬品の研究・開発・製造・販売を展開する住友化学傘下の医薬品準大手企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 北米事業の急成長と高収益化: 主力製品(オルゴビクス、ジェムテサ)が北米市場で大きく伸長し、マイルストン収入も寄与して、直近の収益性が大幅に改善しています。営業利益率、ROE、ROAといった収益性指標は非常に優良な水準です。
  • 再生医療などの革新的な開発パイプライン: 他家iPS細胞由来のパーキンソン病治療薬候補(raguneprocel)の国内承認申請や、骨髄線維症治療薬候補(nuvisertib)の米FDAファストトラック指定など、精神神経・がん・再生医療といった注力領域で次世代の成長を支える可能性のあるパイプラインが進展しています。
  • 財務健全性とバリュエーションの課題: 自己資本比率が低く、直近の利益の質にも懸念が見られます。また、PBRは業界平均を大幅に上回っており、一部割高感がある一方で、高い信用買残による将来的な売り圧力も無視できません。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 S 非常に好調
収益性 S 極めて優良
財務健全性 C やや不安
バリュエーション C やや割高感

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 2,297.0円
PER 9.92倍 業界平均27.8倍
PBR 3.44倍 業界平均1.4倍
配当利回り 0.00%
ROE 14.52%

1. 企業概要

住友ファーマは、住友化学を親会社に持つ医薬品準大手企業です。日本、北米、アジア地域で医療用医薬品の研究・開発・製造・販売を一貫して手掛けています。主力製品にはパーキンソン病、2型糖尿病、がん、子宮筋腫・子宮内膜症、過活動膀胱、小児先天性胸腺欠損症などの治療薬があります。特に精神神経疾患、がん、再生医療の3領域を重点分野と位置づけ、他家iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療薬など、革新的な技術を基盤とした新薬創出に注力しています。

2. 業界ポジション

住友ファーマは、医薬品業界において準大手メーカーとしての位置を確立しており、親会社である住友化学の傘下企業としての安定基盤も有しています。特に北米市場への積極的な展開が特徴であり、買収を通じて事業規模を拡大してきました。競合と比較して、精神神経、がん、再生医療といった特定領域での研究開発に強みを持つ一方、一部製品の独占期間終了による影響も課題です。直近の財務指標では、PER9.92倍(業界平均27.8倍)と相対的に低く見えますが、PBR3.44倍(業界平均1.4倍)と高めであり、株価が純資産に対して割高と評価されている側面もあります。

3. 経営戦略

住友ファーマは、精神神経、がん、再生細胞の3領域を戦略的基盤として研究開発に注力しています。特に米国事業の強化を通じてグローバル展開を加速しており、オルゴビクスやジェムテサといった北米市場の主要製品の売上拡大を成長の柱としています。直近では、他家iPS細胞由来のパーキンソン病治療薬候補「raguneprocel」の国内承認申請や、骨髄線維症治療薬候補「nuvisertib」の米FDAでのファストトラック指定など、パイプラインの進展が顕著です。これらの開発が成功すれば、将来の収益基盤を大きく押し上げることが期待されます。中期経営計画については当データに具体的な記載はありませんが、これら高成長・革新的な領域への集中投資が中心をなすと推察されます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 8/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性ほとんど良好)
収益性 3/3 良好(純利益、営業キャッシュフロー、ROAすべて良好)
財務健全性 2/3 やや改善余地あり(流動比率が1.5未満だが、D/Eレシオ、株式希薄化は良好)
効率性 3/3 良好(営業利益率、ROE、四半期売上成長率すべて良好)

Piotroski F-Scoreは8点であり、非常に高い財務品質を示しています。特に収益性と効率性に関しては満点の評価で、健全な利益創出と資本の効率的な活用ができています。財務健全性については、流動比率がベンチマーク(1.5以上)には届いていないものの、その他の指標は良好な水準を維持しており、全体としては優良な財務状態にあると言えます。

【収益性】

  • 営業利益率(過去12か月): 62.60%
    • 非常に高い水準であり、本業での収益性が極めて優れていることを示します。医薬品業界全体で見ても突出した数字です。
  • ROE(実績): 14.52% (過去12か月: 81.47%)
    • 実績ROE14.52%は一般的な目安である10%を上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を上げている優良な状況です。過去12か月ではさらに高い81.47%を記録しており、一時的な要因も考えられますが、非常に高い資本効率性を示唆しています。
  • ROA(過去12か月): 9.25%
    • 総資産に対する利益率も目安である5%を大きく超えており、会社全体の資産を効率的に活用して収益を生み出している良好な状況です。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績): 22.8%
    • 自己資本比率は、総資産に占める自己資本の割合を示し、企業の安定性を見る重要な指標です。一般的に40%以上が望ましいとされる中で、22.8%はやや低い水準であり、財務基盤の強化には引き続き注意が必要です。
  • 流動比率(直近四半期): 1.36倍
    • 流動比率は短期的な支払い能力を示し、一般的に200%(2倍)以上が安全圏とされます。1.36倍は100%は超えており流動性は確保されているものの、理想的な水準には及ばず、F-Scoreでも減点対象となっています。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 299.7億円
    • 本業で安定してキャッシュを生み出しており、経営の健全性を示しています。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 343.4億円
    • 営業活動で得たキャッシュから投資活動に必要な資金を差し引いたもので、正の値であることから、本業で稼いだ資金で投資を行い、なお余剰資金を生み出している健全な状態と言えます。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 0.19倍
    • 通常、1.0倍以上が健全とされます。住友ファーマの0.19倍という数値は、純利益が営業活動によるキャッシュフローに比べて相対的に大きいことを示しており、一時的な非現金性利益(例:資産売却益、税効果会計の影響など)が純利益を押し上げている可能性があり、利益の質には注意が必要です。今回の決算短信では関係会社持分譲渡益が大きく計上されており、これが純利益を押し上げる一因となっています。

【四半期進捗】

住友ファーマの2026年3月期第3四半期累計決算は、会社が公表している通期予想に対し、以下の高い進捗率を達成しています。

  • 売上収益: 81.0%
  • コア営業利益: 112.8%
  • 営業利益: 112.0%
  • 親会社帰属当期利益: 117.0%

第3四半期(12月期末)時点で既に利益面で通期予想を上回る進捗となっており、非常に好調な推移を示しています。この進捗は、北米事業での主力製品売上拡大とマイルストン収入、およびアジア事業の一部持分譲渡益といった一時的な要因が大きく寄与しています。
直近3四半期の損益計算書(年度別比較データと過去12か月の数値を比較)を見ると、売上高は減少傾向から回復基調に転じ、営業利益も大幅な改善を見せています。

  • Total Revenue (2024/3): 314,558百万円 → (2025/3予想): 398,832百万円 → (過去12か月): 445,205百万円
  • Operating Income (2024/3): -354,836百万円 → (2025/3予想): 29,709百万円 → (過去12か月): 133,481百万円

過去の赤字から既に黒字転換し、大幅に利益が拡大していることが分かります。

【バリュエーション】

  • PER(会社予想): 9.92倍
    • PERは株価が1株当たり利益の何年分かを示す指標で、業界平均より低ければ割安の可能性があります。住友ファーマのPER9.92倍は、医薬品業界平均27.8倍と比較して大幅に低く、一見すると割安感が強く見られます。しかし、これは過去の多額の赤字から直近で利益が急回復したことによる一時的な評価の可能性もあります。
  • PBR(実績): 3.44倍
    • PBRは株価が1株当たり純資産の何倍かを示し、1倍未満は解散価値を下回る状態とされます。住友ファーマのPBR3.44倍は、業界平均1.4倍と比較して大幅に高く、純資産に対して株価が割高と評価されていると言えます。高いROEを達成している企業はPBRが高くなる傾向にありますが、業界平均からの乖離は大きいと言えます。
  • 目標株価(業種平均PER基準): 10,275円
  • 目標株価(業種平均PBR基準): 936円
    • PER基準とPBR基準で目標株価に大きな乖離があり、どちらか一方のみで割安・割高を判断することは困難です。現在の評価は市場の期待と過去の業績特性が複雑に絡み合っていると解釈できます。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 短期トレンド方向は明確なシグナルなし
RSI 売られすぎ 25.6% 30%以下は一般的に売られすぎと判断され、反発の可能性を示唆
移動平均乖離率 下方乖離 -6.58% (25日線) 現在価格が25日移動平均線より下に位置

RSIが25.6%と「売られすぎ」水準にあるため、短期的な押し目買いのチャンスと捉える投資家もいる可能性があります。

【テクニカル】

現在の株価2,297円は、52週高値2,955円から約22%下落した水準であり、52週安値500円からは大きく上昇した位置(73.2%)にあります。移動平均線との関係では、5日移動平均線(2,284.20円)と75日移動平均線(2,265.73円)を上回っていますが、25日移動平均線(2,458.66円)は下回っており、短期的な調整局面にあることが示唆されます。しかし、200日移動平均線(1,555.31円)を大幅に上回っており、長期的な上昇トレンドは維持されていると見られます。

【市場比較】

住友ファーマの株価は過去1年間で+319.93%と大幅に上昇しており、日経平均(+37.07%)やTOPIXを大きくアウトパフォームしています。これは主に直近の業績回復や再生医療パイプラインへの期待感が背景にあると考えられます。しかし、直近1ヶ月では日経平均やTOPIXを下回るパフォーマンスとなっており、短期的な調整圧力が見られます。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が32.16倍と高水準です。これは、将来的に信用買い残の決済(売り)によって株価が下落する可能性のある、潜在的な売り圧力を示唆しています。

【定量リスク】

  • ベータ値: 0.45
    • ベータ値が1より小さいため、市場全体(日経平均やTOPIXなど)の動きに対し、株価の変動が比較的緩やかであることを示します。
  • 年間ボラティリティ: 65.25%
    • 年間ボラティリティが高いということは、株価の変動幅が大きいことを意味します。仮に100万円投資した場合、年間で±65.25万円程度の変動が想定され、高リスク・高リターンな銘柄と言えます。
  • 最大ドローダウン: -90.20%
    • 過去には最大で90.2%もの下落を経験しており、この程度の大きな損失リスクが将来も存在する可能性があることを示唆しています。
  • シャープレシオ: -1.18
    • シャープレシオがマイナスであるため、リスクに見合ったリターンが得られていない状況を示しています。これは過去の業績不振や大幅な株価下落期が影響している可能性が高いです。

【事業リスク】

  • 為替変動リスク: 海外売上高比率が77%と高いため、円高に進行した場合、海外での売上を円換算した際の収益が目減りし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 新薬開発の不確実性と特許切れリスク: 医薬品業界では新薬開発の成功は難しく、巨額の研究開発費が投じられるものの、開発中止や承認遅延のリスクが常に存在します。また、既存主力製品の特許切れは大幅な減収につながる可能性があり、実際、国内ではジェネリック医薬品の登場により一部製品で減収が見られます。
  • 競争激化と薬価規制: 医薬品市場は競争が激しく、特に後発医薬品の台頭や政府による薬価引き下げ圧力は、収益性を圧迫する要因となります。

7. 市場センチメント

信用買残が9,838,000株、信用売残が305,900株となっており、信用倍率は32.16倍と極めて高水準です。これは、株価が上昇した場合に信用買い方の利益確定売り、または株価が下落した場合に追証(追加証拠金)による強制決済売りが将来的な株価の重しとなる可能性を示唆しています。主要株主構成を見ると、住友化学が51.68%を保有する筆頭株主であり、経営の安定性に寄与しています。その他、日本マスタートラスト信託銀行(8.33%)、日本カストディ銀行(3.09%)といった機関投資家も上位株主に名を連ねています。

8. 株主還元

住友ファーマは、現在(会社予想)配当利回りが0.00%であり、配当性向も0.00%となっています。過去2期も配当は実施されておらず、現在の株主還元策としては無配です。これは、過去の業績不振からの再建と、新薬開発への集中的な投資を優先する経営方針を反映していると考えられます。自社株買いに関する直近の情報は提供されていません。

SWOT分析

強み

  • 北米市場での主力製品(オルゴビクス、ジェムテサ)の売上拡大と高収益性。
  • 再生医療や精神神経領域といった高難度分野での革新的なパイプライン(例: raguneprocel、nuvisertib)。

弱み

  • 自己資本比率が低く、財務健全性に改善余地があること。
  • 配当を停止しており、利益の質に懸念が見られること。

機会

  • 新規パイプラインの承認・上市による将来的な収益源の確立と市場シェア拡大。
  • 北米市場におけるさらなる事業展開と、それに伴う収益成長の加速。

脅威

  • 為替変動による海外事業収益への影響(海外売上比率77%)。
  • 医薬品開発の失敗リスクと、既存主力製品の特許切れによる収益減少。

この銘柄が向いている投資家

  • 革新的な新薬開発に将来性を感じる投資家: 再生医療や精神神経領域といった、ハイリスク・ハイリターンな新薬開発の成功に期待し、長期的な企業価値成長を狙うことができます。
  • 短期的な株価の変動リスクを許容できる投資家: 高いボラティリティや最大ドローダウンを認識し、積極的な投資スタンスを持つ投資家向けです。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 無配状態と利益の持続性: 現在は無配であり、収益が急回復しているものの、マイルストン収入や持分譲渡益といった一時的な要因が大きく寄与しているため、今後の利益の持続性には注意が必要です。
  • 高水準の信用買残: 信用倍率が非常に高く、将来的に株価の上値を抑える要因や、需給悪化による急落リスクがあります。

今後ウォッチすべき指標

  • 主要パイプラインの開発進捗と承認状況: 特にraguneprocelやnuvisertibといった次世代を担う新薬候補の臨床試験データや規制当局からの承認動向。
  • 北米市場での主要製品売上高の継続的な伸長率: オルゴビクス、ジェムテサといった製品の市場浸透度と売上トレンド。
  • 自己資本比率の改善と利益の質の変化: 財務体質の強化と、非現金性利益に依存しない安定的なキャッシュフローの創出状況。

成長性

スコア: S
根拠: 直近の四半期売上成長率が前年比+32.20%と非常に高く、特に北米市場での主力製品が大きく貢献しています。通期予想に対する利益進捗率も100%を大きく超えており、短期間での収益拡大が顕著です。

収益性

スコア: S
根拠: ROE(過去12か月)が81.47%、営業利益率(過去12か月)が62.60%と、評価基準である「ROE15%以上かつ営業利益率15%以上」を大きくクリアしています。これは一時的な要因も含まれる可能性がありますが、極めて高い資本効率と本業での収益力を示しています。

財務健全性

スコア: C
根拠: 自己資本比率が22.8%と評価基準C(20-30%)の範囲にあり、流動比率も1.36と標準的な安全水準(200%)を下回っています。F-Scoreは8/9点と優良ですが、自己資本比率と流動比率の低さが全体的な財務の安定性に懸念を残します。

バリュエーション

スコア: C
根拠: PERは9.92倍と業界平均(27.8倍)に対し割安ですが、PBRは3.44倍と業界平均(1.4倍)を大幅に上回っており、純資産価値から見ると割高感があります。過去の業績変動と無配である点を考慮すると、一概に割安とは言えず、評価は「やや不安」としました。


企業情報

銘柄コード 4506
企業名 住友ファーマ
URL https://www.sumitomo-pharma.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 医薬品 – 医薬品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,297円
EPS(1株利益) 231.57円
年間配当 0.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 1.0% 11.4倍 2,782円 3.9%
標準 0.8% 9.9倍 2,391円 0.8%
悲観 1.0% 8.4倍 2,052円 -2.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,297円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,189円 △ 93%割高
10% 1,484円 △ 55%割高
5% 1,873円 △ 23%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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