企業の一言説明
不二越は工具、軸受、産業用ロボット、油圧機器、特殊鋼などを展開する総合機械メーカーであり、特に自動車向けに強みを持つ高シェア独自製品を有する企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 構造改革による収益力改善: 固定費削減、生産合理化、調達改善、販売価格への転嫁などが奏功し、売上高が減少する中でも営業利益が大幅に改善し、今後の増益基調が期待されます。
- 割安なバリュエーションと株主還元への意識: PBRが0.62倍と業界平均を大きく下回る水準にあり、自己資本比率も改善傾向。安定配当を継続し、自己株式取得も実施するなど、株主還元への意識が見られます。
- 外部環境による影響: 中国経済の低迷、為替変動、地政学リスクなど、海外市場の動向が業績に与える影響が大きく、事業を取り巻く環境の不透明感がリスク要因となります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | やや不安 |
| 収益性 | C | やや不安 |
| 財務健全性 | A | 良好 |
| バリュエーション | A | 良好 |
※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 4,895.0円 | – |
| PER | 16.66倍 | 業界平均16.6倍 |
| PBR | 0.62倍 | 業界平均1.4倍 |
| 配当利回り | 2.04% | – |
| ROE | 3.19% | – |
1. 企業概要
不二越は、工具、工作機械、産業用ロボット、ベアリング、油圧機器、特殊鋼といった多岐にわたる製品・サービスを提供する総合機械メーカーです。主力は工具、軸受、産業用ロボット、油圧機器を展開する部品事業と機械工具事業で、特に自動車産業向けに強固な基盤を持ち、高シェアの独自製品を多数有しています。長年培った精密加工技術と素材技術を融合した垂直統合型生産体制に技術的独自性があり、特定分野で高い参入障壁を築いています。
2. 業界ポジション
不二越は、機械セクターに属する総合機械メーカーとして、工具、軸受、ロボットなどの分野で存在感を示しています。特に自動車向け部品や機器においては長年の取引実績と技術力により、一定の市場シェアを確保しています。競合他社と比較して、多角的な事業展開と高精度な独自製品が強みですが、近年は一部市場での需要低迷が課題です。
財務指標では、PERが16.66倍と業界平均16.6倍とほぼ同水準である一方、PBRは0.62倍と業界平均1.4倍を大きく下回っており、割安感が示唆されます。PBRが1倍未満ということは、株価が企業の解散価値(純資産)を下回っている状態を示します。
3. 経営戦略
不二越の経営戦略は、産業用ロボットを中核事業と位置づけつつ、工具、工作機械、ベアリング、油圧機器といった多様な事業領域で高付加価値製品を提供することにあります。直近の決算では、固定費削減、生産合理化、調達コストダウン、販売価格への転嫁といった構造改革が奏功し、収益性の改善が顕著に表れています。標準ラジアル軸受の生産集約も進行中です。
2026年11月期には、売上高2,430億円(前期比+3.0%)、営業利益121億円(同+23.8%)、当期純利益64億円(同+21.9%)の増収増益を見込んでおり、構造改革効果の継続と海外需要の回復を成長ドライバーとしています。
今後のイベントとしては、2026年11月27日に配当落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスで良好 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が1.5以上、D/Eレシオが1.0未満、株式希薄化なしで良好 |
| 効率性 | 1/3 | 営業利益率およびROEが改善途上にあるが、四半期売上成長率はプラスで一部良好 |
Piotroski F-Scoreは7点と、財務の優良性を示唆しています。特に収益性と財務健全性において高評価を得ています。純利益、営業キャッシュフロー、ROAがプラスであることから、事業活動が着実に利益を生み出し、キャッシュフローを確保していることが分かります。また、流動比率の高さやD/Eレシオの低さ、株式希薄化がないことから、堅実な資金繰りと財務基盤を築いていると言えます。一方、効率性の項目では、営業利益率やROEが改善途上であるという評価ですが、四半期売上成長率がプラスを示しており、事業の回復傾向が見られます。これは、過去の業績低迷からの回復フェーズにあることを示唆しており、将来的な改善に期待が持てます。
【収益性】
不二越の過去12か月の営業利益率は4.74%、ROE(自己資本利益率)は3.19%、ROA(総資産利益率)は1.64%です。一般的な目安として、ROEは10%以上、ROAは5%以上が良好とされますが、不二越はこれらのベンチマークを下回っています。しかし、2025年11月期の営業利益率は4.1%と前期から改善しており、構造改革による収益体質の強化が進行していることが伺えます。
【財務健全性】
自己資本比率は51.5%と安定した水準を維持しており、流動比率は2.09倍と、短期的な支払い能力に問題がないことを示しています。自己資本比率が高いほど企業の財務基盤は強固であり、流動比率が200%以上であれば一般的に財務健全性が高いと判断されます。
【キャッシュフロー】
過去12か月の営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)は179億4千万円、フリーキャッシュフロー(FCF)は77億2千万円と、いずれもプラスを確保しており、本業で安定してキャッシュを生み出している健全な状態です。積極的な投資活動を賄いつつも、手元にキャッシュを残せる体質であることを示しています。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は3.42倍と非常に高く、S評価(優良)です。これは、発生主義会計上の利益(純利益)が、実際のキャッシュフローによって十分に裏付けられていることを意味し、利益の質が極めて高いことを示しています。企業が会計上操作が難しい営業活動でしっかりとキャッシュを生み出している証拠と言えます。
【四半期進捗】
提供されたデータは通期決算であるため、通期予想に対する四半期進捗率、および直近3四半期の売上高・営業利益の推移は「データなし」です。
【バリュエーション】
現在の株価4,895.0円に対し、予想PERは16.66倍であり、業界平均PER16.6倍とほぼ同じ水準です。これは利益面から見て、市場から概ね適正な評価を受けていると判断できます。一方、実績PBRは0.62倍と業界平均PBR1.4倍を大きく下回っており、純資産に対して株価が割安な水準にあることを示しています。PBRが1倍を下回る状況は、企業が持つ資産価値に対して株価が低い「バリュートラップ」の可能性も考慮する必要がありますが、不二越は純資産がしっかりしており、財務健全性も確保されています。
業界平均PER基準の目標株価は3,872円、業界平均PBR基準の目標株価は10,967円といずれの評価方法でも大きく乖離が生じており、その中間的な評価が妥当であると考えられます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | – | 短期のトレンド方向について明確なシグナルなし |
| RSI | 中立 | – | 買われすぎでも売られすぎでもない中立ゾーンに位置 |
| 移動平均乖離率 | 上方乖離/下方乖離/中立 | – | – |
現在のテクニカルシグナルはMACD、RSIともに中立を示しており、短期的なトレンドに明確な方向性は出ていません。しかし、株価は5日移動平均線を下回っているものの、25日、75日、200日移動平均線を上回っており、中長期的な上昇トレンドの中に位置していることが示唆されます。
【テクニカル】
現在の株価4,895.0円は、52週高値5,520.00円と52週安値2,640.00円のレンジにおいて、78.3%の位置にあり、高値圏に近づいています。直近では5日移動平均線(4,929.00円)を下回っていますが、25日移動平均線(4,795.40円)、75日移動平均線(4,295.53円)、200日移動平均線(3,649.24円)をいずれも上回っており、中長期的な上昇トレンドが継続している状況です。特に200日移動平均線からの乖離率が+34.95%と大きいため、株価が大きく上昇した後の調整局面には注意が必要です。
【市場比較】
不二越の株価は、日経平均株価およびTOPIXといった主要市場指数に対して、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年全てにおいて良好な相対パフォーマンスを示しています。
- 日経平均比: 1ヶ月で+8.11%ポイント、3ヶ月で+17.12%ポイント、6ヶ月で+24.30%ポイント、1年で+10.37%ポイントそれぞれ上回っています。
- TOPIX比: 1ヶ月で+8.99%ポイント上回っています。
これは、不二越が市場全体の動向に対して強い上昇基調を維持していることを示しており、投資家の評価が高まっている可能性があります。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率3.44倍、将来の売り圧力に注意。信用倍率が高い状態は、将来的に信用買い残の決済(売り)による株価下落圧力が生じる可能性があることを示唆します。
【定量リスク】
不二越のベータ値は0.37と低く、市場全体の動きに対して株価の変動が小さい特性があります。これは、市場の変動リスクに対する耐性が比較的高いことを意味します。しかし、年間ボラティリティは30.39%と、それなりの株価変動幅があります。仮に100万円投資した場合、年間で±30.39万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウンは-51.30%であり、この程度の下落は今後も起こりうる可能性があります。シャープレシオは-0.53とマイナスであり、過去のリスクに見合うリターンが十分に得られていない期間があったことを示唆しています。
【事業リスク】
- 中国市場の需要低迷: 不二越は海外売上比率が高く、特に中国市場の景気動向や自動車・ロボット需要の減少は業績に大きな影響を与えます。決算短信でも中国のロボット需要減少が指摘されており、今後の経済状況の不確実性がリスクです。
- 為替変動と原材料価格の変動: 海外売上が全体の51%を占めるため、為替レートの変動は業績に直接影響を与えます。また、特殊鋼や部品の製造において、原材料価格の高騰はコスト増に繋がり、収益を圧迫する可能性があります。
- 地政学リスクと貿易政策: 米国通商政策や地政学リスク、および各国の貿易政策の変動は、グローバルに事業を展開する不二越にとってサプライチェーンの混乱や販売地域の制約に繋がる可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残が172,300株に対し、信用売残が50,100株であり、信用倍率は3.44倍となっています。信用倍率が高いため、将来的に「買い方が株を売る」ことによる株価の下落圧力が生じる可能性があることを示唆しています。
主要株主は、那智わねい持株会(11.1%)、自社(自己株式口、8.77%)、日本マスタートラスト信託銀行(信託口、6.87%)などが上位を占めています。インサイダー(内部関係者)による保有比率は27.10%となっており、経営陣や従業員が株主として企業価値向上への意識を共有していると見られます。
8. 株主還元
不二越は、安定配当を基本方針として掲げており、2025年11月期の年間配当は100円(期末配当)でした。2026年11月期も1株あたり100円の年間配当を予想しており、現在の株価に対する配当利回りは2.04%です。予想配当性向は34.0%(2025年11月期実績は42.83%)と、利益の一定割合を配当に還元する姿勢が見られ、持続可能な株主還元策と言えます。また、期中には自己株式取得も実施しており(36億86百万円支出)、総還元性向の面からも株主還元への意欲が伺えます。
SWOT分析
強み
- 総合機械メーカーとしての多角的な事業展開と高精度な独自製品群。
- 長年の構造改革による固定費削減や生産合理化を通じた収益体質改善。
弱み
- ROE、ROAなど収益性指標の業界平均に対する低さ。
- 特定海外市場(特に中国)の需要低迷による売上高の伸び悩み。
機会
- 構造改革の継続によるさらなるコスト効率化と利益率向上。
- 自動車産業のEV・DX化による新たな需要への対応と技術革新。
脅威
- 中国経済の長期的な低迷やそれに伴う需要の不確実性。
- 為替変動、原材料価格の高騰、地政学リスクによる外部環境の変動。
この銘柄が向いている投資家
- 割安性を重視するバリュー投資家: PBRが業界平均を下回っており、純資産価値に対する株価の割安感に注目する投資家。
- 構造改革による回復・成長を期待する中長期投資家: 短期的な業績の波ではなく、固定費削減や生産効率化による体質改善が中長期的な成長に繋がることを期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 外部環境リスクのモニタリング: 中国市場の動向や為替レート、地政学リスクなど、外部要因が業績に与える影響が大きいため、これらのリスク要因の継続的なモニタリングが必要です。
- 収益性指標の早期改善: ROEやROAといった収益性指標はまだ低い水準にあるため、構造改革効果が継続し、これらの指標がどの程度改善していくかを注意深く見る必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 海外、特に中国市場の受注動向と売上高: 会社の想定する為替前提と異なる変動や、主要市場の需要回復ペースが鍵となります。
- 営業利益率の進捗: 構造改革による利益率改善が継続し、目標とする10%を超える水準に近づくか。
成長性: C (やや不安)
売上高は過去数年間で減少傾向にあり、直近の2025年11月期も前期比で微減(△1.7%)となりました。ただし、2026年11月期は増収予想(+3.0%)であり、営業利益も大幅増益を計画していることから、回復の兆しは見られます。しかし、まだ安定的な二桁成長には至っていないため「やや不安」と評価します。
収益性: C (やや不安)
ROEは3.19%、ROAは1.64%と、一般的なベンチマーク(ROE10%以上、ROA5%以上)を下回っています。しかし、営業利益率は4.14%と前期から改善しており、構造改革の成果が出始めています。現時点ではまだ低い水準であるため「やや不安」と評価しますが、改善傾向にある点には注目が集まります。
財務健全性: A (良好)
自己資本比率は51.5%と高く、流動比率も2.09倍と十分な水準を確保しています。さらに、Piotroski F-Scoreが7/9点(S評価)と財務の質も優良であり、非常に強固な財務基盤を有しているため「良好」と評価します。
バリュエーション: A (良好)
PBRが0.62倍と業界平均の1.4倍を大きく下回っており、純資産に対して株価が割安な水準にあります。PERは業界平均とほぼ同水準であるものの、PBRの割安感を考慮すると、全体として「良好」なバリュエーションと判断できます。
企業情報
| 銘柄コード | 6474 |
| 企業名 | 不二越 |
| URL | http://www.nachi-fujikoshi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 4,895円 |
| EPS(1株利益) | 293.87円 |
| 年間配当 | 2.04円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 19.1倍 | 5,627円 | 2.9% |
| 標準 | 0.0% | 16.7倍 | 4,893円 | 0.0% |
| 悲観 | 1.0% | 14.2倍 | 4,371円 | -2.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 4,895円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,438円 | △ 101%割高 |
| 10% | 3,045円 | △ 61%割高 |
| 5% | 3,842円 | △ 27%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。