企業の一言説明
扶桑電通は、ICT(情報通信技術)事業を展開する富士通系ディーラーであり、ネットワーク、ソリューション、オフィス、サービスを柱とする全国規模の企業です。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高水準の収益性とDX需要の取り込み: 直近のROEは18%を超え、売上・利益ともに大幅な成長を遂げ、DXや生成AIを軸としたM&A戦略で中長期的な成長機会を取り込んでいます。
- 強固なキャッシュフローと株主還元意欲: 営業活動によるキャッシュフローが純利益を大幅に上回り、財務の質が高い点を評価できます。配当性向の目安を40%とし、DOE下限も設定するなど、株主還元への意識も高いです。
- 翌期利益の減益見通しと低流動性: 会社側は2026年9月期に大幅な減益を見込んでおり、その背景と進捗には注意が必要です。また、出来高が総じて低く、売買時の流動性リスクがあります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | S | 非常に優良 |
| 収益性 | A | 良好 |
| 財務健全性 | B | 普通 |
| バリュエーション | D | かなり割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,983.0円 | – |
| PER | 13.98倍 | 業界平均10.1倍 |
| PBR | 1.50倍 | 業界平均0.7倍 |
| 配当利回り | 2.87% | – |
| ROE | 18.02% | – |
1. 企業概要
扶桑電通は1948年に設立された、ICT事業を手掛ける富士通系ディーラーです。情報通信機器の設計・施工から販売、メンテナンスまで一貫して提供し、システム開発やコンサルティングも行っています。主力はネットワーク、ソリューション、オフィス、サービスの4部門で、特に自治体・医療・教育機関向けのシステムや、製造・流通・外食産業向けソリューションに強みを持っています。全国に54拠点を展開し、地域密着型のサービスを提供しており、技術的独自性としては、特定の分野に特化したソリューション開発や、富士通グループとの連携による包括的な提案力が挙げられます。
2. 業界ポジション
扶桑電通は、情報通信技術サービス業界において、システムインテグレーターおよびIT機器ディーラーとして位置づけられています。特に富士通系の安定した顧客基盤と全国の拠点網が強みであり、自治体や医療機関といった公共性の高い分野での実績が豊富です。最近ではDX(デジタルトランスフォーメーション)需要の拡大を追い風に、ソリューション部門が大きく成長しています。競合他社と比較すると、PER 13.98倍に対し業界平均10.1倍、PBR 1.50倍に対し業界平均0.7倍となっており、業界平均と比較して株価は割高と評価される水準にあります。これは、近年の高い成長性が市場から評価されている一方で、PBRが業界平均を大きく上回っている点から、純資産に対する相対的な割高感も示唆しています。
3. 経営戦略
扶桑電通は、中長期的な成長戦略として「FuSodentsu Vision 2027(2025〜2027)」を策定しています。この計画では、業種基軸の価値提供、DX推進支援、生成AI活用、M&A戦略による事業領域拡大、そして経営基盤強化を重点施策として掲げています。具体的には、医療情報システムや自治体向けソリューションなど、特定の顧客層に対する深い知見を活かしたDX提案を強化しています。
最近の重要な適時開示としては、2025年9月30日を基準日として1株を2株に分割する株式分割を実施したこと、および北海道システムエンジニアリングの子会社化を通じて自治体ビジネスの強化を図っている点が挙げられます。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益が黒字、営業CFがプラス、ROAもプラスで収益性が高い。 |
| 財務健全性 | 2/3 | 流動比率が1.5倍を下回るものの、有利子負債が少なく、株式希薄化もありません。 |
| 効率性 | 2/3 | ROEが10%を上回り、四半期売上成長率も高いものの、営業利益率が10%に届かないため、改善の余地があります。 |
F-Scoreは総合スコア7/9点でS(優良)と評価されています。収益性に関しては、純利益、営業キャッシュフロー、総資産利益率(ROA)のすべてが良好で満点評価です。財務健全性では、株主資本に対する負債(D/Eレシオ)が低く、株式希薄化もない点が評価される一方、流動比率(短期的な支払い能力)が1.5倍を下回る点がわずかに懸念材料となり、この項目で減点されています。効率性については、自己資本利益率(ROE)が10%を上回り、売上成長も高水準ですが、営業利益率が10%を下回っているため、減点となっています。全体としては、非常に健全な財務体質と収益性を持つ企業であり、特にキャッシュフロー創出力が高いことが裏付けられています。
【収益性】
営業利益率(過去12か月)は7.76%で、一般的に高いとは言えない水準です。しかし、自己資本利益率(ROE)は18.02%と、投資家にとって魅力的な10%のベンチマークを大きく上回る優良な水準です。総資産利益率(ROA)も6.18%と、こちらもベンチマークの5%を上回っており、効率的な資産活用ができていることを示しています。
【財務健全性】
自己資本比率は38.8%であり、一般的な目安とされる40%を下回っていますが、大きく懸念される水準ではありません。流動比率は1.35倍であり、短期的な支払い能力を示す2.0倍の目安には届いていませんが、1.0倍は維持しており、直ちに問題があるわけではありません。ただし、F-Scoreの評価でも指摘されたように、流動性の改善には留意が必要です。
【キャッシュフロー】
営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)は48.8億円と非常に高く、本業で堅実に資金を稼ぎ出しています。また、フリーキャッシュフロー(FCF)も44.7億円と潤沢であり、事業活動から生じた資金を投資や借入返済、株主還元に充てる十分な余力があることを示しています。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は1.94と、1.0を大幅に上回る優良な水準です。これは、計上されている利益が実際のキャッシュフローを伴っており、利益の質が極めて高いことを示しています。
【四半期進捗】
2025年9月期の業績は売上高、営業利益、当期純利益ともに前期比で大幅な増収増益を達成しました。特に営業利益は83.8%増と大きく伸長しました。しかし、会社が提示する2026年9月期の通期予想では、売上高は横ばい(+0.6%)ながら、営業利益は35.8%減、当期純利益も34.5%減と大幅な減益を見込んでいます。 これは、不透明な外部環境やDX・生成AIへの投資、従業員の報酬改善などがコスト増として影響する可能性を示唆しています。この減益見通しが、今後の利益進捗にどのように影響するかは注視が必要です。
【バリュエーション】
扶桑電通のPER(株価収益率)は13.98倍、PBR(株価純資産倍率)は1.50倍です。これらは、情報通信技術サービス業界の平均PER10.1倍、PBR0.7倍と比較して、割高な水準にあります。特にPBRは業界平均の2倍以上となっており、現在の株価が企業の純資産価値に対してプレミアムが付いていることを示唆しています。直近の好業績や成長期待が織り込まれている可能性がありますが、業界平均と比較すると、現在の株価は割高と判断できます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | – | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 65.2 | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 移動平均乖離率 | 上方乖離 | +2.48% (25日線) | 25日線からの乖離度 |
テクニカルシグナルでは、MACDは現在中立状態であり、明確な短期トレンド転換のサインは出ていません。RSIは65.2%と、買われすぎとされる70%に近い水準にありますが、現時点では「買われすぎ」の状態ではなく、まだ上昇余地がある、あるいは一旦上昇の勢いが鈍化する可能性を示唆しています。移動平均乖離率を見ると、株価が5日、25日、75日、200日の全ての移動平均線を上回っており、特に200日移動平均線からは大きく上方乖離(+34.96%)しています。これは短期から長期にかけて株価が基調として上昇トレンドにあることを示していますが、乖離率の大きさから、過熱感や短期的な調整の可能性も考慮する必要があります。
【テクニカル】
現在の株価1,983.0円は、52週高値2,059円に近い水準(レンジ内94.2%の位置)にあり、年初来高値圏で推移しています。全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を上回っており、上昇トレンドが継続していることを示唆しています。特に長期の200日移動平均線から大きく乖離している点は、短期的な調整の可能性も示唆しています。1ヶ月レンジは1,825円~2,029円、3ヶ月レンジは1,521円~2,029円であり、現在の株価はこれらのレンジの上限付近に位置しています。
【市場比較】
過去1ヶ月間のリターンは+4.64%で、日経平均(+5.07%)には僅かに劣後していますが、TOPIX(+4.19%)は上回っています。3ヶ月では日経平均比で劣後していますが、6ヶ月では日経平均を10.85%ポイント上回るパフォーマンスを見せており、最近半年の株価上昇は市場全体をアウトパフォームしています。しかし、1年間のリターンでは日経平均に大きく劣後しており、長期的には市場全体の上昇の勢いに追いつけていない状況です。
6. リスク評価
【注意事項】
⚠️ 高ボラティリティかつ低出来高。売買時に価格変動リスクがあるため注意が必要です。
【定量リスク】
扶桑電通の年間ボラティリティは96.53%と非常に高く、株価の変動が大きいことを示しています。これは、仮に100万円投資した場合、年間で±約96.53万円程度の変動が想定されることを意味します。過去の最大ドローダウンは-62.20%であり、投資資金が過去に最大で約6割減少した経験があることも踏まえ、高いリスク許容度が求められます。シャープレシオは0.18と低く、現状ではリスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えない状況です。
【事業リスク】
- 外部環境の不確実性: 会社側が指摘するように、地政学リスク、物価上昇、米国貿易政策などの外部環境の不確実性が、顧客のIT投資意欲や事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
- 翌期減益見通し: 2026年9月期に大幅な減益を予想しており、その背景が外部環境の不透明さや戦略投資・コスト増によるものとされています。この減益が続く場合、株価にネガティブな影響を与える可能性があります。
- 競争激化と技術変化: ICT業界は競争が激しく、技術革新のスピードも速いため、常に最新の技術やソリューションを取り入れ、競争力を維持していく必要があります。主要顧客である自治体や医療機関の予算動向も業績に影響を与えます。
7. 市場センチメント
信用買残は108,100株に対して信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。信用売残がないため、短期的な踏み上げリスクは低いですが、信用買残が10万株を超えている点は、出来高7,900株(直近)と比較すると、将来的な需給悪化(買残解消のための売り圧力)に繋がる可能性があり、流動性の低い銘柄であることも相まって注意が必要です。
主要株主構成を見ると、自社従業員持株会が13.70%でトップ、次いで自社(自己株口)が12.73%を保有しています。上位株主には個人投資家やみずほ銀行、日本カストディ銀行といった機関投資家も名を連ねています。インサイダー保有比率は31.07%で、経営陣や従業員が会社の成長にコミットしている姿勢が窺えます。
8. 株主還元
配当利回りは2.87%(予想)と、市場平均と比較してもまずまずの水準です。会社は配当性向の目安を40%としており、2025年9月期の実績値も40.1%と方針通りの還元を行っています。また、株主資本配当率(DOE)2.0%を下限とすることで、安定的な配当を維持しようとする姿勢が見られます。2025年10月1日の株式分割後の年間配当は57.00円(期末49.5円、中間7.5円)が予想されています。直近の決算短信では、自社株買いに関する特段の記載はありませんでした。
SWOT分析
強み
- ICT業界における富士通系ディーラーとしての安定した顧客基盤と全国の拠点網。
- 直近の業績は売上、利益ともに大幅な伸長を見せ、特に高ROEと高い営業キャッシュフロー創出力。
弱み
- 2026年9月期の会社側からの大幅減益見通し(投資・コスト負担増)。
- 業界平均と比較して割高なバリュエーションと低い流動性(出来高)。
機会
- DX、生成AI導入といったICT市場の持続的な拡大と、自治体・医療分野のデジタル化需要。
- M&Aを通じた事業領域の拡大や新たな顧客獲得の可能性。
脅威
- 外部環境の不確実性(地政学リスク、物価変動、金利上昇)によるIT投資抑制。
- 競争激化や技術革新のスピードに対応するための継続的な投資と人材確保の必要性。
この銘柄が向いている投資家
- 成長期待投資家: DXやAIといった先端技術領域での成長期待を持ち、中長期で企業の取り組みを評価できる投資家。
- 高収益性重視の投資家: 高いROEや、営業キャッシュフローの質を重視する投資家。
- 株主還元を期待する投資家: 配当性向40%の目安やDOE下限設定など、安定的な株主還元方針を評価する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 翌期減益見通しの要因と影響: 会社側が提示している2026年9月期の減益見通しの詳細な背景と、それが一時的なものか、あるいは中長期的な収益構造の変化を示すものなのかを継続して確認する必要があります。
- 市場の流動性: 出来高が総じて低いため、一度にまとまった株式を売買する際に、希望する価格で取引が成立しにくい可能性があります。特に大きな資金を投じる際には注意が必要です。
今後ウォッチすべき指標
- 2026年9月期の四半期業績進捗: 会社予想に対する実際の売上高・利益の進捗状況。特に営業利益率の動向を注視し、減益トレンドが底打ちするかどうか。
- 受注残高の推移: 受注高は良好に推移しているため、これが今後の売上としてどの程度計上されるか、持続的な受注状況を確認。
- DX・生成AI関連投資の成果: 中期経営計画で掲げている重点戦略に関する具体的な進捗と、それが業績にどう貢献しているか。
成長性: S
根拠: 2025年9月期は売上高が前期比+16.9%、営業利益が同+83.8%、当期純利益も同+76.3%と実績値で非常に高い成長を記録しました。また、四半期売上成長率も32.0%と高い伸びを示しており、中期経営計画におけるDX需要の取り込みも進んでいます。2026年期の見通しは保守的ですが、現時点の勢いを評価しSと判断します。
収益性: A
根拠: 自己資本利益率(ROE)は18.02%と非常に優良な水準(基準S評価)を達成しており、効率的な株主資本活用ができています。一方で営業利益率は7.76%と、S評価の基準(15%以上)には届かず、B評価の範囲ですが、全体的な収益性の高さからAと評価します。
財務健全性: B
根拠: Piotroski F-Scoreは7/9点でS評価ですが、財務健全性のサブスコアは2/3点であり、流動比率が1.35倍と基準(1.5倍)を下回っています。また、自己資本比率も38.8%と40%の目安をわずかに下回っているため、S評価やA評価ほどの財務的な盤石さはないと判断し、Bと評価します。
バリュエーション: D
根拠: 現在のPER13.98倍は業界平均10.1倍の約138%に相当し、PBR1.50倍は業界平均0.7倍の約214%に相当します。業界平均と比較して大幅に割高な水準にあり、特に目安とされる130%を大きく超えているため、Dと評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 7505 |
| 企業名 | 扶桑電通 |
| URL | http://www.fusodentsu.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,983円 |
| EPS(1株利益) | 141.82円 |
| 年間配当 | 2.87円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 19.5% | 16.1倍 | 5,549円 | 23.0% |
| 標準 | 15.0% | 14.0倍 | 3,984円 | 15.1% |
| 悲観 | 9.0% | 11.9倍 | 2,591円 | 5.6% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,983円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,992円 | ○ 0%割安 |
| 10% | 2,487円 | ○ 20%割安 |
| 5% | 3,139円 | ○ 37%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。