企業の一言説明

小津産業は不織布製品の輸入・加工・販売・輸出を展開する、半導体向け不織布で国内首位の老舗企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 極めて高い財務健全性と盤石な事業基盤: 自己資本比率70%超、流動比率300%超という圧倒的な財務健全性を誇り、Piotroski F-Scoreも7/9(S評価)と優良です。これは不況時にも耐えうる強固な事業基盤を示唆しており、長期的な安定性を重視する投資家にとって魅力的なポイントです。
  • 半導体市場の成長と多様な事業展開: 半導体向けクリーン分野で国内高シェアを誇り、AI関連需要の拡大は成長機会となります。また、医療・介護・コスメ向けウェルネスケア製品、環境配慮型のエコプロダクツ、さらには中国市場での好調など、多様な事業ポートフォリオを持つことで市場の変動リスクを分散し、特定の成長分野での機会を捉える戦略性が期待されます。
  • 低い収益性指標と高いバリュエーション、キャッシュフローの注視: 高い財務健全性とは対照的に、ROE(2.55%)や営業利益率(8.31%)といった収益性指標は業界平均やベンチマークを下回っています。また、現在のPER(41.19倍)は業界平均(10.1倍)と比較して著しく高く、割高感があります。直近中間期では、売上債権の増加により営業キャッシュフローがマイナスに転じており、利益の質や資金繰りの動向には注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C 伸び悩み
収益性 C やや低め
財務健全性 S 優良
バリュエーション D 割高

※スコア凡例: S=優良, A=良好, B=普通, C=やや不安, D=懸念

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1812.0円
PER 41.19倍 業界平均10.1倍
PBR 0.78倍 業界平均0.7倍
配当利回り 1.38%
ROE 2.19%

1. 企業概要

小津産業は、江戸時代創業の老舗企業であり、不織布製品の輸入、加工、販売、輸出を主力事業としています。特に半導体製造工程で不可欠なクリーンルーム用不織布ワイパーでは国内トップシェアを誇り、高い技術力と品質で知られています。主力は不織布事業で、全連結売上高の97%を占めています。旭化成との共同開発により培われた不織布技術に加え、近年は医療・介護・コスメ向けのウェルネスケア、環境製品のエコプロダクツ、一般消費者向けコンシューマー製品へと事業領域を多角化しています。また、除菌関連事業や不動産賃貸事業も展開しており、収益の安定化に寄与しています。

2. 業界ポジション

小津産業は、不織布製品を扱う商社・卸売業界において、半導体向けなど特定のニッチ市場で国内トップシェアを持つ強固なポジションを確立しています。競合に対する最大の強みは、長年にわたる不織布に関する専門知識と供給ネットワーク、そして顧客からの高い信頼です。一方で、事業規模が比較的ニッチであり、特に高汎用性製品分野では価格競争に晒される可能性があります。財務指標を業界平均と比較すると、PERは41.19倍と業界平均10.1倍を大きく上回り割高感がある一方で、PBRは0.78倍と業界平均0.7倍と同水準で、純資産に対して株価が低評価されている可能性も示唆されます。

3. 経営戦略

小津産業は、主力である不織布事業を核に、半導体関連のクリーン分野における技術優位性を維持・強化しつつ、成長が見込まれる医療・介護(ウェルネスケア)や環境(エコプロダクツ)分野への展開を加速しています。特に中国での半導体・光学向け事業の好調は、グローバル市場での成長機会を捉えていることを示します。直近の決算では、通期業績予想を上方修正しており、営業外収益の貢献は大きいものの、特定の成長分野における需要を捉えつつあります。
今後のイベントとしては、2026年5月28日に配当落ち日を予定しています。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 財務優良(収益性・健全性・効率性良好)
収益性 3/3 良好
財務健全性 3/3 良好
効率性 1/3 改善余地あり

解説:

小津産業のF-Scoreは総合7/9点でS(優良)評価であり、非常に高い財務品質を示しています。
収益性スコアが3/3点であるのは、純利益、営業キャッシュフロー、ROAがいずれもプラスであるため、基本的な収益獲得能力は確保されていると評価できます。
財務健全性スコアも3/3点であり、流動比率が1.5以上、ギアリング比率(D/Eレシオ)が1.0未満、株式の希薄化がないことから、資金繰りや債務に関するリスクは極めて低いと判断されます。
一方で、効率性スコアは1/3点に留まっており、営業利益率が10%を下回っている点、ROEが10%を下回っている点が改善点として挙げられます。

【収益性】

  • 営業利益率: 8.31%(過去12か月)
    • F-Scoreの効率性項目でも示された通り、ベンチマークである10%を下回っており、収益性には改善の余地があります。
  • ROE(Return On Equity): 2.55%(過去12か月)、実績2.19%
    • 株主資本をどれだけ効率的に使って利益を上げているかを示す指標です。一般的な目安である10%を大きく下回っており、資本効率の低さが課題となっています。
  • ROA(Return On Assets): 1.00%(過去12か月)
    • 総資産をどれだけ効率的に使って利益を上げているかを示す指標です。一般的な目安である5%を大きく下回っており、資産全体の活用効率が低いことを示します。

【財務健全性】

  • 自己資本比率: 72.4%(実績)
    • 企業の財務における安全性の高さを示します。一般的な目安である40%を大幅に上回り、極めて高い水準であり、財務基盤が非常に安定していることを示しています。
  • 流動比率: 3.78倍(378%)(直近四半期)
    • 短期的な支払い能力を示す指標です。200%以上が良好とされる中で、378%と非常に高く、短期的な資金繰りに全く問題がない、極めて健全な状態です。

【キャッシュフロー】

  • 営業キャッシュフロー(営業CF): 262百万円(過去12か月)
    • 本業でどれだけ現金を稼ぎ出したかを示す重要な指標です。プラスではあるものの、直近中間期では▲201百万円と大きくマイナスに転じており、売上債権の増加が主因と報告されています。今後の推移を注視する必要があります。
  • フリーキャッシュフロー(FCF): 62百万円(過去12か月)
    • 企業が自由に使える現金を示す指標です。プラスではあるものの、営業CFが中間期でマイナスとなった影響で、投資余力は限られている状態です。

【利益の質】

  • 営業CF/純利益比率: 0.57
    • 純利益がどの程度現金に裏付けられているかを示します。目安の1.0を下回っているため、利益の質にはやや懸念がある状態です。直近の中間期では営業CFがマイナスだったことが主な要因です。

【四半期進捗】

  • 通期予想に対する進捗率(2026年5月期 第2四半期実績):
    • 売上高進捗率: 52.1%(通期予想10,500百万円に対し、中間実績5,473百万円)
    • 営業利益進捗率: 93.4%(通期予想410百万円に対し、中間実績383百万円)
    • 親会社株主帰属中間純利益進捗率: 96.1%(通期予想370百万円に対し、中間実績355百万円)
  • 直近3四半期の売上高・営業利益の推移(年間データより推定):
    • 提供データからは四半期ごとの売上高・営業利益の明確な推移は確認できませんが、中間期の営業利益は前年同期比△4.5%と減少しています。しかし、その後の通期予想は期初予想から増額修正されており、特に経常利益と純利益は営業外収益(受取配当・為替差益など)の寄与により大幅に高進捗となっています。

【バリュエーション】

  • PER(株価収益率): 41.19倍(会社予想)
    • 株価が利益の何年分かを示す指標です。業界平均PERが10.1倍であるのに対し、小津産業のPERは非常に高く、収益性に対して株価が割高に評価されている状態です。目標株価(業種平均PER基準)は554円と大きく乖離しています。
  • PBR(株価純資産倍率): 0.78倍(実績)
    • 株価が純資産の何倍かを示す指標です。業界平均PBRが0.7倍であるのに対し、小津産業のPBRはわずかに上回りますが、1倍未満であり、企業の解散価値を下回る水準で、純資産価値から見れば割安または適正な評価と言えます。目標株価(業種平均PBR基準)は1621円であり、現状はやや上回る水準です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 MACD:11.45 / シグナル:11.81 短期トレンド方向を示す
RSI 買われすぎ 80.4% 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 +0.49% 直近のモメンタム
25日線乖離率 +1.24% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 +3.64% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 +5.70% 長期トレンドからの乖離

RSIが80.4%と「買われすぎ」の領域にあり、短期的な株価上昇に対して過熱感が見られます。MACDは中立を示しており、明確なトレンド転換シグナルは出ていません。

【テクニカル】

  • 52週高値・安値との位置: 現在株価1,812.0円は、52週高値1,814.0円に非常に近く、52週レンジ内99.0%の位置にあります。これは直近で年初来高値を更新する勢いにあることを示しています。
  • 移動平均線との関係: 現在株価は、5日、25日、75日、200日全ての移動平均線を上回っており、短期から長期にわたる全ての上昇トレンドを示しています。特に200日移動平均線からの乖離率も+5.7%と順調に上昇しています。

【市場比較】

  • 日経平均比:
    • 1ヶ月: 株式+1.85% vs 日経+4.21% → 2.36%ポイント下回る
    • 3ヶ月: 株式+5.72% vs 日経+4.85% → 0.87%ポイント上回る
    • 6ヶ月: 株式+9.35% vs 日経+27.01% → 17.66%ポイント下回る
    • 1年: 株式+7.73% vs 日経+34.92% → 27.19%ポイント下回る
  • TOPIX比:
    • 1ヶ月: 株式+1.85% vs TOPIX+3.20% → 1.34%ポイント下回る

直近1ヶ月では日経平均・TOPIXを下回るパフォーマンスですが、3ヶ月スパンでは日経平均をわずかに上回っています。しかし、中期(6ヶ月)から長期(1年)では市場平均を大きく下回っており、市場全体の強い上昇トレンドには乗り切れていない状況がうかがえます。

【注意事項】

⚠️ 信用倍率が6.21倍と高水準です。これは将来の売り圧力につながる可能性があるため、注意が必要です。

【定量リスク】

  • 年間ボラティリティ: 15.79%
    • 仮に100万円投資した場合、年間で±15.79万円程度の変動が想定されます。比較的安定的な銘柄と言えます。
  • シャープレシオ: -0.28
    • リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。マイナスであることから、過去のリターンはリスクに対して十分に報われていない状況が示唆されます。
  • 最大ドローダウン: -19.60%
    • 過去最悪の下落率で、この程度の一時的な下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
  • 年間平均リターン: -3.89%
    • 過去の年間平均リターンがマイナスであることは、長期的なキャピタルゲインを期待しにくい可能性を示唆しています。

【事業リスク】

  • 半導体市場の景気変動と特定分野への依存: 半導体向け不織布は主力事業であり、AI関連需要の拡大は機会ですが、半導体市場は景気敏感性が高く、設備投資サイクルの変動や技術革新のスピードによって需要が大きく左右されるリスクがあります。
  • 原材料価格の高騰と為替変動リスク: 不織布製品の製造には様々な原材料が必要であり、国際的な原材料価格の変動がコスト増となり、収益性を圧迫する可能性があります。また、輸入・輸出事業を展開しているため、為替レートの変動も業績に直接的な影響を及ぼします。
  • 競争激化と収益性維持の課題: 不織布市場は競争が激しく、特に汎用性の高い製品分野では価格競争に巻き込まれるリスクがあります。技術的優位性を維持しつつ、高い収益性を確保していくことが課題となります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引状況: 信用買残が53,400株、信用売残が8,600株となっており、信用倍率は6.21倍と高水準です。これは、将来的に信用買い残の解消による売り圧力が生じる可能性があることを示唆しています。直近1週間で買残が+9,200株増加している点も注目に値します。
  • 主要株主構成: 上位株主には小津商店(30.54%)と自社取引先持株会(3.47%)が入っており、安定した株主構成です。機関投資家の持株比率は1.01%と低く、特定の個人や事業会社が大半を保有している状態です。

8. 株主還元

  • 配当利回り: 1.38%(会社予想)
    • 現在の株価に対して、配当金から得られる利回りは比較的低水準です。
  • 1株配当(会社予想): 25.00円
    • 2026年5月期も前期と同額の配当を予想しており、安定配当を意識した経営方針と推察されます。
  • 配当性向(会社予想): 51.4%
    • 利益の50%以上を配当に回す計画であり、株主還元への意識は高いと言えます。ただし、収益性の課題を考慮すると、今後の利益成長に伴う配当成長には注意が必要です。
  • 自社株買いの状況: データ上、直近の自社株買いに関する明確な記載はありません。

SWOT分析

強み

  • 半導体向け不織布で国内トップシェアを誇るなど、特定のニッチ市場での高い競争力と専門性。
  • 自己資本比率70%超、流動比率370%超、Piotroski F-Score 7/9(S判定)と、極めて盤石な財務基盤。

弱み

  • ROE2.55%、営業利益率8.31%と、業界平均やベンチマークと比較して低水準な収益性。
  • PER41.19倍と、業界平均(10.1倍)を大きく上回る株価の割高感。

機会

  • AIやデータセンター需要に牽引される、半導体市場およびクリーンルーム関連製品の継続的な成長。
  • 高齢化社会進展に伴う医療・介護分野(ウェルネスケア)での不織布製品の需要拡大。

脅威

  • 半導体市場の景気変動や設備投資サイクルによる需要の大幅な変動リスク。
  • 為替レートの変動や原材料価格の高騰によるコスト増加、利益率悪化の可能性。

この銘柄が向いている投資家

  • 保守的な長期投資家: 高い財務健全性と安定した事業基盤を重視し、配当維持を期待する投資家。
  • ニッチトップ企業への投資家: 特定分野で高いシェアを持つ企業に魅力を感じ、将来的な成長機会を探る投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • バリュエーションの妥当性: 低い収益性に対して現在のPERは高水準であり、割高感があります。成長性がPERに見合うか、十分に検証する必要があります。
  • キャッシュフローの状況: 直近中間期で営業キャッシュフローがマイナスに転じており、今後改善されるか、運転資本の動向を継続して注視する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • ROEおよび営業利益率の改善: 資本効率や収益性の向上を示す指標(目標:ROE 8%以上、営業利益率 10%以上)。
  • 営業キャッシュフローの回復: 安定的なプラス水準への回復と、純利益に対する比率(目標:営業CF/純利益比率 1.0以上)。

成長性

スコア: C
根拠: 過去数年の売上高、営業利益は横ばいか微減傾向にあり、大きな成長は確認できません。2026年5月期の通期売上高予想も対前期比+2.7%と堅調な伸びとは言えず、今後の収益改善が安定的な成長に繋がるか注目されます。

収益性

スコア: C
根拠: ROE2.55%(ベンチマーク10%以上)、営業利益率8.31%(ベンチマーク10%以上)と、いずれも基準値を下回っています。F-Scoreの効率性項目でも示された通り、資本および資産の効率的な活用と利益率の改善が課題です。

財務健全性

スコア: S
根拠: 自己資本比率72.4%(基準60%以上)、流動比率378%(基準200%以上)、Piotroski F-Scoreは7点と、全ての指標で極めて高い水準を誇ります。これは、財務的に非常に安定しており、外部環境の変化にも強い盤石な基盤があることを示します。

バリュエーション

スコア: D
根拠: PER41.19倍は業界平均10.1倍と比較して著しく高く、収益性に見合わない割高感があります。PBR0.78倍は業界平均0.7倍と同水準で1倍を下回りますが、PERの大きな乖離がバリュエーション全体の印象を押し下げています。


企業情報

銘柄コード 7487
企業名 小津産業
URL http://www.ozu.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,812円
EPS(1株利益) 43.99円
年間配当 1.38円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 9.9% 36.6倍 2,582円 7.4%
標準 7.6% 31.9倍 2,022円 2.3%
悲観 4.6% 27.1倍 1,489円 -3.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,812円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,009円 △ 80%割高
10% 1,261円 △ 44%割高
5% 1,591円 △ 14%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.18)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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